新卒1年で辞めるってアリ?その早期退職、OK or NGチェックリスト

新卒入社で1年目、まだまだ仕事に慣れない日々を送っている中で、今の会社や仕事に違和感を感じる…、または人間関係や待遇に悩みを抱えている…、様々な理由で今「この仕事辞めたい」と思っている方、いらっしゃるのではないでしょうか。

でも友人や家族に相談したら、早すぎると止められてしまった。やっぱり1年目なのに仕事を辞めるなんて逃げなんだろうか?

しかし辞めたい理由には早期退職だってOKなものがあること、知ってましたか?新卒入社1年目あなたの早期退職の悩みがOKなのかNGなのか、チェックリストで確認して、どう動くべきなのか一緒に考えてみましょう。

新卒1年で仕事辞めたい…それってアリ?

新卒1年で早期退職、実は意外と多い?

新卒入社で1年目、そこで辞めたいと考えるのは確かに早いといえば早いのですが、実は1年以内に辞める方は意外といます。次に挙げるグラフは、厚生労働省の統計から抜粋した平成27年の新卒者の早期退職率の表です。

新卒1年で辞める

参照:厚生労働省『新規学卒就職者の離職状況を公表します』

青い丸が付いているのが大学新卒者で、オレンジで色付けしてあるのが1年目で離職した人の割合となりますが、平成27年には11.9%の人が入社1年目で離職しているのです。さらに言えば、2年目3年目と逆に辞める人の割合が下がっており、入社から3年間では1年以内に辞める人が1番多いのです。

新卒1年で仕事を辞めたいと思う理由とは

では実際に入社1年で辞めている新卒者は、どんな理由で辞めているのでしょうか。次の表は、ビズヒッツが行ったアンケート調査の結果から抜粋したものになります。

新卒1年で辞める

参照:ビズヒッツ『【新卒1年未満の転職理由ランキング】381人アンケート調査』

1位が『人間関係』で、これにはハラスメントやいじめ、上司や同僚と反りが合わないなどの理由があるようです。
2位以下には仕事や会社への不満、雇用条件への不満でまとめられそうな理由が並んでいます。また他にも体調不良や、自分の理想との乖離などの理由も見られます。

新卒1年の早期退職、実際アリだけどリスクは高い

新卒1年の退職にはアリとナシの理由がある

以上のように、実際に新卒入社1年目で早期退職をしている方というのは、意外と多いのです。とはいえ、実際に辞めている人が居るんだから断然アリ…とは言い切れないのが転職の難しいところ。次はそんな退職理由について突き詰めて考えていきましょう。

退職理由には上記の表で分かる通り、人によって様々あります。辞めるのは誰でもいつでもできることなのですが、新卒1年目で転職活動をして、成功する人もいれば失敗する人もいる。その違いはどこにあるのでしょうか?

実は退職理由そのものが、その後の転職活動において成功しやすい人と失敗しやすい人という影響を及ぼしかねない重要なものなのです。

大きく分けると、アリの理由は「仕事を辞めることでしか、今の自分の状況を変えることができない」場合、ナシの理由は「今の会社でも上司への相談や異動などで状況を変えることができる」場合です。

今あなたが辞めたいと思っている悩みは、どちらに当てはまるでしょうか?

早期退職のリスクをしっかり認識して冷静に判断するのが大事

そもそも早期退職は次の仕事に向けての転職活動で、大きな障害になる可能性があります。あなたがどんな悩みを持っていようとも、転職活動の場はそれを洗いざらいぶちまけられるようなカウンセリングの場とはなりません。

となれば、人事担当者にしてみると「1年持たなかったって事は堪え性がない?」「なにか問題を抱えている可能性があるのかな?」などと警戒の種になりかねないというのは認識しておく必要があります。

そのイメージを払拭できるだけのアピールができるのなら問題ないですが、人の第一印象を数十分で変えるというのはなかなか難しいものです。
そんな早期退職のリスクがあるという覚悟で、それでも自分は今仕事を辞めるべきなのか、頭に昇った血を一旦下げて、1度冷静に客観性を持って判断することが退職においては大事になります。

あなたの辞めたい理由、OK or NGチェックリスト

辞めたい理由、OK or NGチェックリスト

OKな理由
  • 【人間関係の問題】
  • □職場でハラスメントを受けている
    □いじめを受けている

  • 【労働条件の問題】
  • □給料の未払いがある
    □サービス残業・無給の休日出勤をしている
    □過度な残業・休日出勤を強いられている
    □過労死ラインを超えた勤務を強いられている
    □制度はあるのに、有給休暇取得不可と言われた

  • 【経営の問題】
  • □企業の将来性が見えない
    □赤字経営の様子が伺える
    □企業の方針に納得ができない

  • 【健康の問題】
  • □仕事の影響で心身の調子を崩している

  • 【キャリアの問題】
  • □キャリアアップのビジョンが見えない
    □どうしてもやりたい仕事がここではできない

NGな理由
  • 【人間関係の問題】
  • □なんとなく上司・先輩・同僚と反りが合わない
    □社内に嫌いな人が居る
    □なんとなく社内に馴染めない

  • 【労働条件の問題】
  • □友人と比べて給料が低い

  • 【キャリアの問題】
  • □仕事が合わないかもと悩んでいる
    □特に目標はないが、他の仕事がしたい
    □自分はもっと評価されるべき

それでは実際に新卒1年目でよく見かける辞めたい理由を、OK・NGチェックリストにしみてたので、あなたはどちらに当てはまるか確認してみましょう。

新卒1年目の早期退職、成功しやすい人と失敗しやすい人

チェックリストではあなたの辞めたい理由はOKだったでしょうか?NGだったでしょうか?とはいえ、リストだけでは一体なにがOKでなにがNGなの?と釈然としない方もいるでしょう。OKは新卒1年目の早期退職で転職活動に成功しやすい人、NGは失敗しやすい人という分類で分けています。

それぞれの理由がどうして成功と失敗に繋がるのか、解説していきます。

早期退職、成功しやすい人

新卒1年目の退職理由がOKな分類になっているのは、理由のアリとナシの項目で説明した通り、「転職することでしか解消できない理由」に該当するものです。

人間関係でハラスメントやいじめに遭っている場合、無理をしてその会社にしがみつく必要はありません。ずっと働きたかった憧れの職場で辞めたくないというのなら、信用できる上司や先輩、弁護士や労働組合などに相談することも手なのですが、場合によっては揉めることもありえます。

OK欄の労働条件の問題も同様で、ブラック企業は戦ってどうにかなる問題ではなく、早々に逃げるが勝ちとすら言えます。遅くなればなるほど搾取されて逃げる気力を失うことにもなりかねないので、さっさと見切りを付けましょう。

キャリアに関して言えば、ボジティブな理由であれば転職活動でもアピールがしやすく、仕事への熱意で好意的に受け取ってもらえることも多いのです。しっかりと将来のビジョンを見据えたキャリアアップ転職であれば、むしろ20代のできるだけ早いうちから動いたほうが将来的にも成功しやすくなります。

早期退職、失敗しやすい人

NG理由の場合は、全体的になんだかぼんやりしているのがわかるでしょうか?「なんとなく」とか「根拠のない自信」とか、そういった退職理由はだいたい転職で失敗します。転職活動が難航して長期化したり、今より更に条件が悪くなったり、ブラック企業に捕まってしまったり…。

なんとなく上司や先輩と気が合わない、嫌いな人がいるというのはどこにでも起こりうることですし、入社してみないとどんな人がいるか分かりません。ハラスメントやいじめなどと違い、人との合う合わないは仕事と割り切れない人はどこに行ってもついて回りがちです。

友人と比較して雇用条件が低いというのも、仕事に見合わない低条件であれば問題ですが、そうでないなら今のあなたのスキルか業務内容に見合った報酬なので、ただの高望みとなってしまいます。まだ1年目では社内で成果を上げるのも難しいでしょうから、今後評価されるよう今の職場でスキルアップをして、昇給を狙うほうが確実だと思います。

そして将来のビジョンが特になく、なんとなく今の仕事が合わないかも…他のことがやりたいかも…というのは、きつい言い方かもしれませんが「ないものねだり」になっていませんか?まだ入社して1年目、仕事にも慣れたとは言い難く、仕事の良いところも見れていないのでは?
もう少し続けてみて、それでもどうしても無理だとなったら、異動願いを出してみるというのも手だと思います。

退職を決意したら気をつけるべきこと

やっぱり退職することでしか今の悩みは解決しない、退職しよう!と決意した方には、辞める前にこれは気をつけるべきということがあるので、できるだけ実行することをおすすめします。

退職の意志は2か月前に上司に伝える

退職の意志は直属の上司に伝えることになります。会社の規定などにもよりますが、退職願や退職届が必要な場合は準備をしておきましょう。

早めに退職を伝えてしまうと、辞めるまで気まずい思いをするかもしれません。しかし、会社としてはあなたが居なくなる分の人員を募集しなければならず、すぐに辞められても業務が回らなくて迷惑がかかります。
円満退職を望むのであれば、余裕を持った申告をしましょう。

社内での退職の話は最低限に留めておく

仕事を辞めたいという悩みや、早期退職の不安など誰かに相談したくなる気持ちは分かります。しかし、社内で相談相手を求めるのは危険です。相手に告げ口の意思がなかったとしても、人の口に戸は立てられないと言います。

何気ない雑談で「ここだけの話だけど」がどこまで有効なのか、予想も付きませんよね。まだ上司にも伝えてないのに、人づてに伝わって気まずくなることもありえます。また先輩などから風当たりが強くなる場合もあります。自分のために気をつけましょう。

転職活動は辞める前にやる

退職に踏み切るくらいですから、働くことそのものに疲れている方も多いでしょう。退職後はしばらくのんびり過ごしたいとなる気持ちも分かるのですが、新卒1年目の早期退職の上で次の仕事探しまでブランクがあるとなれば、確実に企業には警戒されます。

「この空白期間は何をしてましたか?」と聞かれるのは必至で、「ぼーっとしてました」とは間違っても言えるわけがありません。また早期退職が原因で転職が長期化することも十分考えらるので、収入がない場合、焦ってどこでもいいとブラック企業に捕まってしまう事も若い世代には多いのです。

心身の調子を崩したなど、明確な理由がない限りは退職前に転職活動を進めて、スムーズに転職ができるようにしましょう。

面接では会社の悪口や仕事の愚痴は言わない

新卒1年目の転職では、ほぼ必ず「なぜこんな短期で転職をするのか」といった旨の質問をされることになるでしょう。その際に、今働いている会社への不満や人間関係の愚痴など、ネガティブな理由を言うと、「うちの会社でも同じことになるのでは?」と警戒されることになります。

企業が経験が浅い若い世代の求めているものは、仕事の経験やスキルよりも、ポテンシャルやコミュニケーション能力です。
社内で円滑に仕事ができる人材かを見ているので、ネガティブなことばかり言うと「気難しくて扱いづらそう」と思われるので、熱意を明るくフレッシュにアピールするよう心がけましょう。

退職の日まで仕事には手を抜かない

ありがちなのですが、退職が決まったら「もうどうせこの会社辞めるし」と手を抜いてしまうのはもちろん厳禁です。そういう投げやりな態度や手抜きの仕事は、必ず人に伝わります。それは相手に失礼ですし、そういう人と一緒に仕事をするのは嫌な気持ちになりますよね。

円満退職を目指すために、最後まで誠意を持って仕事に臨んでください。

新卒1年の転職におすすめの転職方法

新卒1年目の早期退職からの転職活動となれば、確実に初めての転職活動となるでしょう。中途採用となるため、就活とはまた少し活動の様子は変わってきます。

ただ新卒から3年くらいは、転職業界では『第二新卒』と呼ばれてそれなりに需要がある世代です。第二新卒向け転職サイトや転職エージェントはなかなかの数があるので、個人で動くよりもそういった転職サービスを利用するのがおすすめです。

総合型の転職エージェントから、エンジニア向け、医療・介護職向け、営業向け、技術職向けなど職種特化型エージェントも数多くあるので、自分に合った転職サービスを探してみるといいでしょう。

新卒1年目でも辞めるのはアリ。でも客観性をもって!

家族などに相談すると、仕事を辞めるにしても3年は続けなさいと言われたという方も多いのではないでしょうか。しかし、それは終身雇用が当たり前だった高度経済成長期の理屈です。
昨今ではキャリアプランを立てるのは早ければ早いほど良いと言われますし、30代以降歳を取れば取るほど転職は難しくなっていきます。

就活では「働く」という事に現実感を持って挑めてる方は、どれほどいるでしょうか…実際に働いたことで、改めて現実として将来を見直す機会になったという方もいると思います。

また残念なことではありますが、ハラスメントやいじめ、ブラック企業なども実際に存在し、それらは逃げるのが1番の近道であるのは間違いありません。
本当に必要な退職なのであれば、新卒1年目でも辞めるのはアリ!なのです。


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参考サイト
厚生労働省
内閣府
ハローワーク
職業情報提供サイト
日本経済連合会
転職コンサルタント
中谷 充宏
梅田 幸子
伊藤 真哉
上田 晶美
ケニー・奥谷