この記事を読んでいる新卒の方は、こう思って検索したのではないでしょうか。
「もしかして私の会社ってブラック企業なのでは…?」
「月の残業が多すぎるけど、これって他の会社でもあること?」
新卒で勤めた会社がブラック企業の可能性があるなら、この記事を参考に対応を考えましょう。
残念ながら、日本にはまだまだ明らかになっていないブラック企業が多く、多くの新卒社員が苦しめられています。
今回はブラック企業の特徴やブラック企業の辞め方、引っかかってしまった時に意識してほしいことなどを解説します。
自分の人生・キャリアのためにも、ブラック企業は早期に退職しましょう。
ブラック企業には共通する5つの特徴があります。
勤めている会社が1つでも当てはまるなら、ブラック企業を疑ってください。
わかりやすい特徴の1つは、求人票に書かれている労働条件と、実際の労働条件に大きな違いがある点です。
ブラック企業は離職率の高さから人員が確保しにくく、社会人経験のない新卒を狙っています。
一見すると好条件であっても、実際に入ってみると全く書かれていた内容と異なり、ギャップに苦しむ新卒社員も少なくありません。
あまり有名ではない会社でありながら、好条件で求人票を出しているならブラック企業の可能性ありです。
労働基準法上、1週間の労働時間は40時間に決まっており、月残業時間なら80時間が過労死ラインです。
近年はブラック企業の長時間労働も問題になり、過労死ラインをさらに下げることも検討されています。
そんな中で、毎日3時間以上のサービス残業が当たり前になっているなら、ブラック企業と言ってよいでしょう。
加えて、残業代を支払いたくないからと、定時でタイムカードを切って残業を強要するなら、ブラック企業確定です。
新卒であろうと仕事の責任を負わされている以上、サービス残業を強要されるのは間違っていることを認識しましょう。
ブラック企業の特徴には、上司からの恫喝や過剰なノルマ、立場を利用したパワハラ・セクハラが多い点も挙げられます。
特にパワハラは新卒社員が悪いのではなく、重箱の隅をつつくような理不尽な内容も多いです。
もし上司からの叱責の内容に具体的な根拠や理由が無いなら、上司のストレス発散目的のパワハラと考えてよいでしょう。
ブラック企業にとって、社員は大切な労働力・チームではなく、使いつぶしてもいい駒という認識です。
上司のパワハラ・セクハラで精神的にすり減ってしまう前に、早めに退職を考えるべきです。
新卒の方は転職経験がないため想像しにくいかと思いますが、転職の経験がある人なら、「ここはブラック企業だ」と思うとあっさり辞めていきます。
ちなみに、令和2年度の離職率の平均を見てみると、14.2%となっています。
つまり、約7人に1人が会社を辞めている計算ですが、ブラック企業ではこの割合を大きく上回ることが多いです。
会社に勤めて数カ月以内に、部署内の顔ぶれが大きく変わっているようなら、ブラック企業と疑ってもよいでしょう。
他の企業を経験してきた人ほど、ブラック企業だとわかるため、すぐに辞めていきます。
新卒で入った会社がブラック企業か疑っているなら、会社の離職率をチェックしてみましょう。
参考:厚生労働省『令和2年雇用動向調査結果の概況』入職と離職の推移
新卒の方は社会人として活躍し、大きな仕事をすることを夢見ている方も多いかと思います。
しかし、ブラック企業に入ってしまうと、新卒社員への教育・研修制度が整っていない会社や、そもそも教育制度すらない会社もあります。
また、研修内容自体も研修とは名ばかりの洗脳プログラムで、正しい判断力を奪う内容がほとんどです。
そのような環境で働いていて、輝かしいキャリアが築けるはずもありません。
きちんとした教育・研修もなく仕事をさせられているなら、ブラック企業と考えてよいでしょう。
もしブラック企業に入ってしまい、これからの自分の人生に迷っているなら、紹介する3つのポイントを意識してください。
「新卒で入ったからには、3年間は頑張ろう」と真面目に努力する方も多いかと思います。
もし会社の上司や学校の先生、知人から「3年間」と吹き込まれているとしたら、それは間違いです。
ブラック企業は社員を駒程度にしか考えておらず、頑張って働いたとしても正当な評価がされることはほとんどありません。
そのような環境で心をすり減らして働くより、自分が「働きやすい」と思える職場をすぐにでも探すべきです。
新卒社員が退職を考えている時、ブラック企業の上司が使う常套句が「スキルもない新卒に転職先なんてない」という言葉です。
実際には、新卒が転職するなら「第二新卒」として扱われるため、転職市場ではプラスに働くことが多いです。
そのため、「新卒に転職先はない」は全くの間違いで、むしろ多くの会社にとっては成長の見込みがある有望株と見られています。
ブラック企業は社員の人格否定を行い、会社に縛り付けようとしてきます。
ブラック企業の一方的な価値観は無視して、「自分は第二新卒として価値がある人材」とポジティブに考えましょう。
新卒で勤めたブラック企業で、何かスキルや大きなリターンを得られているか振り返ってみましょう。
教育・研修がないことはもちろん、ブラック企業は「人を育てる」という考えがありません。
長年ブラック企業で働いても、スキルを得られず年齢だけを重ねてしまう人もいます。
強いて言うなら精神的な強さは手に入りますが、わざわざブラック企業で働いて得る必要はないです。
ブラック企業で働いていて、「何も成長できていない」と感じたなら、早めに見切りをつけて転職活動を進めるべきです。
なぜ新卒でブラック企業に入社してしまったら、すぐにでも辞めるべきなのか理由を詳しく解説します。
ブラック企業においては、社員は使い捨ての駒と同様に思われています。
そのため、通常の会社では考えられないほどのノルマやパワハラが横行し、新卒社員にとって非常に辛い環境です。
加えて問題と言えるのが、新卒社員への人格攻撃です。
「新卒の癖に残業代を請求するとは何様だ」や「のろま・使えないやつ」など、人としての尊厳も踏みにじられます。
努力しても評価してもらえず、上司の贔屓にしている社員だけが褒められます。
そのような環境で働いていては、自分の価値も見失ってしまうでしょう。
新卒のうちならいくらでもチャンスはありますから、見切りをつけて新天地で活躍する未来を思い描いてください。
毎日ストレスフルな状況で働いていると、徐々に正常な判断力はなくなっていきます。
この記事にたどり着いた方なら、まだ十分間に合うはずです。
ブラック企業から早めに離れ、やりがいのある仕事を探しましょう。
新卒のうちなら第二新卒というアドバンテージもあるため、多くの企業で引く手あまたです。
「仕事を辞めたい」と思いながら、ズルズルと先延ばしにしていると、辞めるべきタイミングを見失ってしまいます。
「転職しよう」と思った時が、人生で一番若い時です。
早めの決断が自分の人生を決定づけます。
ブラック企業に勤めていると、長時間労働やパワハラ、休日の少なさで身体も心も休まりません。
もし次のような症状が出たら、心と身体が限界を迎えているサインかもしれません。
こういう状態になったら、自分が追い詰められているというシグナルです。
そのまま仕事を続ければ、突然死やうつ病による自殺の危険もありますから、仕事から離れて休養に専念してください。
ブラック企業で心に傷を負うと、休日でも仕事のことばかり考えてしまい、心も体も休まらなくなります。
せっかくの休みでもリフレッシュにならず、ストレスだけが溜まってしまいます。
仕事中は激務が続くことから緊張しっぱなしで、休むことや辞めることを考える余裕もないでしょう。
仕事を続けている限り、気が休まることもないので、負の連鎖を断ち切るためにもブラック企業を辞めることが一番です。
新卒社員がブラック企業を「辞める」と決めた時、大事になる4つのポイントを紹介します。
ブラック企業は外部に企業体質が漏れることを極端に恐れており、なるべく情報統制を取ろうとしています。
しかし、現代ならスマートフォン1台あれば、写真撮影・動画撮影・録音まで何でもできます。
タイムカードの打刻や上司からのパワハラ、残業代の未払いなどブラック企業である証拠を集めておきましょう。
退職の相談をする際、証拠を集めておくと交渉材料として強い武器になります。
ブラック企業にとっては弱みになる部分ですから、有効に活用して退職の相談を有利に進めてください。
例えブラック企業であっても、一方的に辞めることはできません。
上司に相談したうえで、しかるべき手順を踏んで退職しましょう。
一般の企業で退職を相談するケースとの違いは、既に気持ちが固まっていることを伝え、いつ退職するかを伝えることです。
もし会社側が退職届を受け取らなくても問題はありません。
法律上は民法の規定により、会社の承諾がなくても2週間経過すれば退職できます。
ブラック企業の場合は退職をスムーズに認めないケースも考えられますから、いつ退職の意思表示をしたか、書面などの形で残しておくとよいでしょう。
退職届は「退職する」という決断をしたら、早期に書いて提出しましょう。
いつまでも提出しないでいると、決断力が鈍ってしまいます。
退職届の日付が明確に残っていれば、会社側が受理しなくても退職できます。
会社側が拒否しても最終的な決定権は社員側にあるため、早めに退職届を提出してください。
ブラック企業から少しでも早く離れるために、残っている有休は全て使い切りましょう。
会社が理由をつけて拒否しようとしても、労働基準法によって不当な扱いは禁止されています。
また、ブラック企業が「うちに有休はない」と言ったとしても、有休は法律で決められた労働者の権利です。
一定の基準を満たす会社は必ず有給休暇を付与していますから、ブラック企業の言いなりになることはありません。
有給休暇の買取制度もない会社なら、有休の権利を使わない方が損です。
ブラック企業と綺麗さっぱり縁を切る意味でも、退職前に有給休暇を消化するのがベストです。
参考:厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署『5年次有給休暇の計画的付与、時間単位年休』
新卒社員がブラック企業を退職するまでに、注意しておくべきポイントを解説します。
無事、ブラック企業から退職することが決まっても、それで仕事が終わるわけではありません。
退職日までは会社の所属になるため、最後まで手を抜かずに仕事に取り組みましょう。
もし退職するからと言って手を抜いてしまうと、ブラック企業側に付け入る隙を与えてしまいます。
万が一、訴訟問題にまで発展した時も考えて、自分が不利になる要素は潰しておくことが大事です。
退職が決まっても真面目に仕事に取り組んでいれば、ブラック企業側が全面的に悪いことになります。
自分の身を守るためにも、気持ちの整理をつけて仕事に取り組んでください。
ブラック企業からの退職が決まったとしても、その後の生活も考えておくべきです。
有休が残っていれば、消化しながら転職活動を進めましょう。
有休が少ない、または休日でも時間がない場合は、転職エージェントに登録し、求人を紹介してもらう方法もおすすめです。
転職エージェントなら自分で動く時間がなくても、お願いした条件に合う求人をアドバイザーが紹介してくれます。
退職後の生活を不安に思いながら過ごすより、有給休暇と転職エージェントを利用して効率的に転職活動を進めましょう。
話し合いで退職が決定すれば問題ありませんが、中には話し合いにならないブラック企業もあります。
できる限り話し合いで進めるのが理想ですが、ブラック企業の中にはパワハラが激しくなったり、残業を強要したりする会社もあります。
その場合は訴訟も視野に入れて、ブラック企業が違法な行為をしている証拠を集めておきましょう。
ブラック企業が身勝手な理屈で労働力を搾取しようとしても、裁判所では証拠を基に公平な判断が行われます。
訴訟には多くの時間と費用が必要ですが、やる時には残業代の未払い分やパワハラ・セクハラによる慰謝料など、自分の受けた損害はきっちり請求しましょう。
自分の力だけでどうにもならない時は、最後の手段として訴訟も検討してください。
毎年、新卒の新入社員の一部は、ブラック企業と知らずに就職していることがあります。
新卒の方からすれば、「せっかく内定をもらったのだから逃したくない」と考えるのは自然なことです。
しかし、ブラック企業に勤めてしまえば、その後の人生もずっと搾取され続けます。
自分の人生を大切にするためにも、ブラック企業だとわかったら、素早く退職を決断してください。
新卒のうちなら第二新卒として扱われ、大手企業への転職という可能性も残っています。
ブラック企業で自分の人生を台無しにする前に、将来を考えた行動を始めましょう。