プログラミング未経験の新卒でもエンジニアになれるのか?挑戦する前に抑えておきたいこと

新卒でこれから就職しようとしている人で
「エンジニアになりたいけど、プログラミング未経験からでもなれるのだろうか?」
と悩んでいる方はいませんか?

特に文系の学生は、エンジニアという仕事に興味があっても「自分には務まらない仕事」と思って選択肢に入れないという人もいるでしょう。

確かにエンジニアは理系が目指す仕事というイメージもありますが、実際には「未経験歓迎」の求人も沢山あります。

エンジニアとして活躍している人の中には文系出身者の人もめずらしくはありません。

しかし「未経験歓迎」といっても誰でもがエンジニアになれるわけではなく、エンジニアに向いていない性格もあります。

自分の適性を見極めてから判断しないと就職した後に後悔することになるでしょう。

そこで、この記事では未経験からエンジニアへ就職することについて、詳しく解説していきます。

「未経験OK」は本当?文系や未経験でもエンジニアとして就職できる3つの理由

エンジニアの募集案内では「未経験OK」のものも多くありますが、

「エンジニアに興味があるけど、文系からでも本当に就職できるのだろうか?」
「自分はプログラミング未経験だからエンジニア就職は現実的に難しい・・・」

と考えている人は多いのではないでしょうか。

結論から申し上げると、エンジニアは文系でも、プログラミング未経験からでも活躍できる職業です。

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が発刊した「IT人材白書2020」によりますと、エンジニアの中で最終学歴が文系である人の割合は先端IT非従事者で34.6%、先端IT従事者でも30.2%という結果が出ています。(*1)

企業が未経験からでもエンジニアとして採用している理由は、大きく以下の3つがあります。

1) 日本のIT人材不足は深刻な状況にある
2) 新卒はポテンシャルで判断される
3) 未経験者に対しても必要なスキルを学習する環境が整っている

それぞれについて詳しく説明します。

参照:IPA『IT人材白書2020』

日本のIT人材不足は深刻な状況にある

第1の理由は「日本のIT人材不足は深刻な状況にある」という点です。

現在の日本は労働人口の減少の影響で様々な業界で人手不足の企業が増えてきていますが、IT業界ではDX化の推進などによる需要の増加もあって必要な人材がますます不足する傾向にあります。

経済産業省が作成した「IT人材需給に関する調査」によると、2030年には低く見積もって約16万、最大では約79万人が不足するという試算がでました。(*2)

そのため、日本では多くの企業がエンジニアを必要としている状況であり、素質が認められればプログラミング未経験でも採用されるチャンスがあるのです。

参照:経済産業省『IT人材需給に関する調査』

新卒はポテンシャルで判断される

第2の理由は「そもそも新卒の採用については、入社時点での能力・スキルよりも入社した後の成長を見込んで採用する企業が多い」ことです。

多くの企業では入社後に能力開発を行うことを前提としたポテンシャル採用を行っており、入社後の研修を経て職場で2~3年程度の経験を積み重ねると、経験者と比較しても遜色なく戦力となるような人がほとんどです。

従って、プログラミング経験や出身学部だけで決めつけられることはなく、エンジニアとして成長できると認められれば就職できるチャンスがあるのです。

未経験者に対しても必要なスキルを学習する環境が整っている

第3に「未経験者に対しても必要なスキルを学習する環境が整っている」という点です。

多くの企業では、エンジニアとしての基本的なスキルは入社後の研修で身につけてもらい、あとはOJTでスキルアップしてもらうという環境が整っています。

また、向上心の高い人であれば、書店などに豊富にある教材、あるいはWebコンテンツからIT技術やプログラミング技術を独学で学ぶことができます。

従って、未経験からエンジニアになったとしてもポテンシャルがあり学習意欲が高い人であれば、その能力をどんどん伸ばすことができるのです。

エンジニア向きの性格とは?未経験からでもエンジニアとして活躍できる人の特徴

未経験からエンジニアになるためにはポテンシャルが重視されることからも、そもそもエンジニアとしての適性があるかどうかは大切なポイントです。

そこで、エンジニアに向いている資質について説明しますので、エンジニアを目指している人は自己分析の際に参考にしてください。

エンジニアとして働く際に求められる資質としては以下の4つをあげることができます。

エンジニアに向いている人の特徴

  • コンピューターの操作に苦手意識がなく、IT技術に興味がある
  • 物事の課題を見つけ出して解決策を考えられる
  • 物事を論理的に考えることができる
  • 好奇心が旺盛で学習意欲が高い

それぞれについて詳しく解説します。

コンピューターの操作に苦手意識がなく、IT技術に興味がある

コンピューターの操作に苦手意識がなく、IT技術に興味があることは、エンジニアになる大前提です。

エンジニアはデスクワークがメインとなる職業であり、その仕事のほとんどはパソコンを操作して行うことになるので、コンピューターに苦手意識があると業務の内容に関わらず毎日の仕事が苦痛になってしまうでしょう。

そして、エンジニアは最新の技術を常にキャッチアップする必要があることから、普段の生活の中でも新しい技術を取り入れたデジタル機器や新しいWebサービスなどにすぐに興味を抱く人は、エンジニアになるための適性の一つがあるといえます。

物事の課題を見つけ出して解決策を考えられる

物事の課題を見つけ出して解決できる能力もエンジニアには欠かせません。

エンジニアの仕事は、世の中にある問題や利用者が抱えている課題をIT技術によって解決していくことが目的です。

そのため、何事に対しても疑問を持ち、課題があればどのようにすれば解決できるかを考えるような人はエンジニアに向いていると言えます。

物事を論理的に考えることができる

物事を論理的に考えることが得意なことも、エンジニアに向いている特性の一つです。

プログラム開発は言うまでもなく、システムを設計する際にも物事を筋道立てて考える論理的な思考力は不可欠です。

また、担当しているITシステムで何らかの不具合が発生した場合には、可能性をひとつずつ潰していって解決に導く必要があり、そのためには論理的に考える力が必要になります。

好奇心が旺盛で学習意欲が高い

好奇心が旺盛で学習意欲が高い人は、エンジニアとして活躍できる可能性が高いでしょう。

IT業界は技術の進展が特に速いことから、絶えず新しい技術に関心を持って勉強することが必要になります。

そのため、好奇心が旺盛な人、新しい知識を得ることが好きな人、分からないことを調べるのにストレスを感じない人はエンジニアに向いています。

経験のない人が面接でアピールすることとは?

ここまでは「未経験者、文系出身の人もエンジニアをめざせる」ことを説明してきましたが、経験がない人は「エンジニアとして企業に就職するためにはどんなことをアピールすればよいのか?」が大きな課題になるでしょう。

そこで、未経験者からエンジニアを目指す人がアピールするべきポイントについて解説します。

一般的に就職するための採用試験では「志望動機」と「自己PR」を説明して判断されることになりますが、エンジニアならではの抑えどころがあるのです。

エンジニアを目指す人が志望動機で抑えるポイント

志望動機とは企業に応募した理由を説明することですが、未経験からエンジニアを目指す人も自分の将来像を踏まえた上で説明することが大切になります。

エンジニアの仕事は幅が広く、最初は簡単なプログラミングからキャリアを開始しても、その先には、「システム設計を担当する」「データベース、ネットワークなどの専門分野として極める」「システムコンサルタントとなってシステムの導入を提案する」などさまざまです。

そこで「なぜエンジニアになりたいのか」だけではなく、「5年後、10年後先にどのようなエンジニアを目指しているのか」についても説明できるようにしましょう。

その上で、その目標に向けてどういったことに取り組んでいるのかについて説明すると説得力がさらに増すでしょう。

エンジニアを目指す人が自己PRで抑えるポイント

次に自己PRについてですが、未経験であっても文系出身であってもエンジニアとして向いている点を具体的な例を交えながらアピールしましょう。

エンジニア向きの適正については先ほどの章で記しましたが、そういったポイントに関連するエピソードを伝えて、エンジニアに適正があることを採用担当者に理解、納得してもらう必要があります。

エンジニアとしての充分な適正があると判断されれば、プログラミングの経験がなくても採用に近づけるでしょう。

こんな会社には要注意!未経験者が慎重に判断するべき企業の特徴とは?

最後に未経験者がエンジニアを目指すにあたって、特に注意しなければならない企業の特徴について解説します。

特に注意しなければならない企業とは、

  • 教育体制が充分ではない企業
  • 働く場所が「客先常駐」である企業
  • 労働環境が好ましくない企業

です。

以下で具体的に解説します。

教育体制が充分ではない企業

「教育体制が充分ではない企業」は、未経験者が就職するにあたってはよく考えるべきでしょう。

特に新卒からエンジニアを目指す人は以下のような項目をチェックすると良いでしょう。

  • 新卒への研修が充実しているか?
  • 職場の中でも人材を育てるという考え方があるか?
  • 定期的な教育プログラムを準備しているか?

ただし、教育体制が充分な企業であったとしても自ら向上するという姿勢が大切であって、「一から教えてもらう」といった考え方は避けてください。

働く場所が「客先常駐」である企業

未経験者が確認するべき2つ目のポイントは、働く場所が「自社」か「客先常駐」かということです。

エンジニアとして働くようになれば、クライアントなどの他社に赴いてそのまま常駐することがよくあります。

客先常駐という働き方が全て問題であるということではありませんが、じっくりと腰を据えて働きたいと考えている人には、環境が次々と変わることでストレスになってしまうかもしれません。

労働環境が好ましくない企業

未経験者が確認するべき3つ目のポイントは、労働環境です。

「労働環境が好ましくない企業」については経験者も含めて避けたいところですが、特に「未経験歓迎」の求人の中には「納期が迫っている」「直ぐに対応が必要な問題が発生している」といった事情から「とりあえずどんな人でもいいから増やしたい」という企業もあります。

そういった会社では「長時間の勤務を強いられる」「休みがまったく取れない」などの可能性があります。

企業選びをする際には、年収や待遇などといった項目だけではなく、募集している理由、背景、入社後にまずどのような仕事をするのかといった事についても確認するようにしましょう。

まとめ:エンジニアは文系出身や未経験からでも活躍できる職業

この記事では、未経験からエンジニアとして就職したい人に向けて「未経験者もエンジニアとして働くことの事情」や「エンジニアを目指すにあたって知っておきたいこと」を紹介しました。

日本ではエンジニアの人材不足が顕著であることから、新卒・未経験からでもエンジニアになれる可能性は高いです。

こちらの記事に記したエンジニア向きの性格に適合していると考えた人は、就職先の選択肢の一つとして考えてはいかがでしょうか。


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参考サイト
厚生労働省
内閣府
ハローワーク
職業情報提供サイト
日本経済連合会
転職コンサルタント
中谷 充宏
梅田 幸子
伊藤 真哉
上田 晶美
ケニー・奥谷