“ハローワーク”というと仕事を辞めた人や転職を考えている人が利用するところ、というイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。
実はハローワークには新卒の方を対象にした「新卒応援ハローワーク」があり、新卒の就職活動をサポートしています。
今回は、新卒応援ハローワークがどんなところなのか、利用するときの注意点など含めて紹介していきます。
ハローワークを就職活動で利用してみたい新卒の方は、1つの手段としてぜひ参考にしてください。
新卒応援ハローワークとは、公共職業安定所である「ハローワーク」が行う、新卒者向けの就職サービスのひとつです。
各都道府県に1か所以上、全国では56か所に設置されています。
新卒応援ハローワークを利用できる人
新卒者の就職支援を目的としており、具体的には以下のサービスを提供しています。
新卒応援ハローワークで受けられるサービス
利用料は無料で、幅広い支援を通じ新卒者が安心して就職活動できるサポートを行っています。
積極的に利用することで、就職活動を有利に進めることができるでしょう。
ハローワークは、一般的に「仕事を辞めた人や転職する人が利用するところ」というイメージが強く、新卒が利用する機関というイメージは薄いでしょう。
しかし、広範囲の求人情報があり、職業相談などの支援が充実しているため、新卒者にとっても就職活動の一つの手段として有効です。
ここでは新卒でハローワークを利用するメリットとデメリットについてみていきましょう。
ハローワークには、地域や業種を問わず様々な企業の求人情報が登録されています。
地方で就職活動をする場合は特に、求人数が少ないため苦労しがちです。
しかし全国各地に渡るハローワークの求人情報をみることで、視野を広げた就職活動を進めることができるようになるでしょう。
また、一般には公開されていない非公開求人も多数登録されているため、思いがけない好待遇求人と出会える可能性も高まります。
地元で働きたい方や地元から離れて働きたい方など、U・I・Jターン就職を希望する方もスムーズに仕事探しを進めることができるでしょう。
新卒応援ハローワークでは、新卒の就職ノウハウをもった就職支援ナビゲーターによるキャリアカウンセリングや自己分析のサポートを受けることができます。
就職支援ナビゲーターは、キャリアコンサルティング有資格者や、企業の人事労務管理経験者が担当するため、効率的な就職活動の進め方や求人情報の選び方などアドバイスしてもらえるでしょう。
「〇〇の仕事がしたい」という具体的な職業相談以外にも「自分がどんな仕事が向いているか分からない」「働くのが不安」という悩みを相談することも可能です。
キャリアビジョンが明確でない方も気軽に相談することができます。
個々の希望に沿った就職支援のほか、就職後のフォローや必要に応じて臨床心理士による専門的な支援も受けることができますので、就職に不安のある方も安心して利用することができますね。
就活で欠かせないのがエントリーシートや履歴書などの応募書類ですが、はじめて作成する方も多く、どう作成すればいいか分からないと悩む新卒の方も多いかと思います。
就活第一のハードルは、この書類選考です。
新卒応援ハローワークを利用すれば、就職支援ナビゲーターと共に自身の強みや適性を発見しながら、エントリーシートや履歴書を作成できます。
効果的な自己PRで書類選考通過を目指し、面接に挑むことができるでしょう。
面接対策では、担当者による模擬面接と面接指導を通じて、場の雰囲気に慣れながら実践的な面接スキルを身に着けていきます。
新卒者を対象にした就職活動に役立つフェアやセミナーなどのイベントが開催され、面接対策や職業適性検査なども受けることができます。
就活フェアや各種セミナーは、無料で参加することができます。
新卒でハローワークを使うには、メリットが多い一方、デメリットもあります。
一つ目は、求人数や情報が制限される点です。
ハローワークは全国の企業を網羅していますが、企業や雇用形態によっては細かい情報まで掲載されていない場合もあります。
給与や待遇面などの情報量が、他の求人サイトや転職エージェントに比べると少ないといった面もみられます。
求人の質もバラバラで、自分に合った企業に出会えないこともあるでしょう。
近年では、直接採用活動を行う企業も増えているため、ハローワークだけで就活を進めてしまうと、情報収集の幅が狭まってしまうかもしれません。
ハローワークだけでなく、他の様々な媒体やサービスも併用するのがおすすめ
新卒応援ハローワークでは就職支援ナビゲーターが就職支援をしてくれますが、その質にばらつきがあるといわれています。
ナビゲーターによってアドバイス内容やサポートの仕方が異なることがあるため、ご自身の希望に合った就職が実現するかどうかはナビゲーター次第ということになります。
就職エージェントサイトでも、担当者のばらつきはよくあるもの。ハローワークに限った話ではないので注意
新卒応援ハローワークを利用したいと思っても、はじめてハローワークに行く方がほとんどでしょう。
予約の有無や登録方法など分からないことばかりで、不安も多いかと思います。
ここでは、新卒の方がハローワークに行くときに注意するポイントについて紹介します。
新卒応援ハローワークの初回利用時は、基本的に予約不要ですが、自治体によって事前予約が必要なところもあります。
待ち時間などが気になる方も、電話で確認することをオススメします。
来所したら、ハローワーク内の受付窓口で「就活の相談に来たのですが」と伝えればOKです。
2回目以降は、専任のナビゲーターによる担当者制で就活支援がスタートします。
なお、就職についての相談、講座、セミナーについては、事前の申込(予約)が必要な場合がありますので、事前に確認するようにしましょう。
新卒応援ハローワークは全国に56カ所あり、アクセスと開庁時間は以下で検索できます。
新卒応援ハローワークの所在地・連絡先
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000184061.html
平日のみ開庁しているところが多いですが、土曜日も対応しているところもあります。
最寄りのハローワークのアクセスや開庁時間を確認しておきましょう。
新卒応援ハローワークは、大学等に在学中の方や、卒業した方の就職を支援する機関です。
まだ就活が本格化していない大学1~2年生であっても、仕事の適性や今後の就活の進め方、業界や職種に関わる相談などをすることができます。
卒業年次以外の方は、情報収集や就活相談として、また今年度3月卒業予定の学生は求人への応募ができる、と覚えておきましょう。
新卒応援ハローワークを利用するためには、初回来所時に登録が必要です。
登録すれば、求人検索用のパソコンや書籍の利用ができるようになります。
在学中の方は学生証、既卒の方は卒業証明書など、新卒応援ハローワークの対象となる証明書を持参してください。
初回から履歴書やエントリーシートなどは必要ありませんが、メモを取ることもあるため、シャーペンやボールペン、メモ帳など筆記用具を持っていきましょう。
新卒応援ハローワークに行く際、服装の指定はありませんので基本的に私服で構いません。
ただし、面接指導やセミナー参加時にスーツの着用が求められることがありますので、事前に確認しましょう。
求職者登録・個別相談
2回目以降は、専任のナビゲーターによる担当者制で支援を受けることができます
・就職活動の進め方講座
・ビジネスマナー講習
・面接基本対策講座、グループディスカッション
・就活の身だしなみ講座
・職業適性検査、職業興味検査など
ナビゲーターとともに希望に合う求人検索
(ハローワークインターネットサービスでも閲覧可能)
・応募書類や面接の準備、支援
・ナビゲーターによる履歴書やエントリーシートの作成サポート
・模擬面接や面接指導
企業の担当者と直接お話しすることもできます。
就職後も、職場環境や人間関係、昇進などの悩みについて相談可能
新卒応援ハローワークがどんなところなのか、利用するときの注意点など含めて紹介しました。
新卒の就職活動では、合同企業説明会や面接会、就活サイトの利用など様々な方法で就職活動を進める方が多いでしょう。
その中で新卒者を対象にしたハローワークを利用することは、企業選びの選択肢を広げてくれるほか情報収集を深める手段のひとつとなります。
就職活動の手段には、それぞれ利用方法やメリット、デメリットがありますので、複数の就職活動を併用しながら自分に合った企業と出会いましょう。