新卒で入社した会社を「辞めたい」と思う新入社員も少なくありません。
今回は新卒社員が退職する理由をランキング形式で紹介し、男女での退職理由の違い、退職前にできる対策も解説します。
退職すべきか悩んでいる新卒の方は、本記事を参考に退職すべきか判断する際の参考にしてください。
続いて、新卒社員の退職理由TOP5を紹介します。
1年以内の社員が退職した理由は、以下の5つです。
新卒社員の退職理由で最も多かったのが、人間関係の悪さを理由にした退職です。
勤務期間別で見ると以下の通りです。
新卒社員の退職理由の中では、3人に1人以上が人間関係の悪さを理由にしています。
会社では仕事をするうえで多くの同僚と関わり、一緒に仕事を進めなければなりません。
しかし、人間関係が悪いと仕事が進まないだけでなく、職場にいることそのものがストレスに感じます。
新卒社員にとって、会社の人間関係の悪さは退職理由の中でも、非常に大きな割合を占めていることが分かる結果です。
参考:厚生労働省 「平成30年若年者雇用実態調査の概況」 P21
人間関係の次に多い退職理由が、労働時間・休日・休暇の条件が良くないというものです。割合は以下の通りです。
こちらもおよそ3人に1人が退職理由にしており、退職の大きな原因であることが分かります。
高校や大学を卒業後、仕事で自由な時間が減るという点も大きいですが、仕事に拘束される時間の長さが一番の問題のようです。
平日の仕事は8時間、通勤で片道30分と考えると、一日9時間以上を仕事のために使っていることになります。
それが毎日続くことから、新卒社員にとって重大な退職理由になっています。
職場によってはブラック企業というケースもあり、休日出勤を余儀なくされることも影響しているでしょう。
新卒社員で非常に多い退職理由が、仕事が自分に合わないというものです。新卒社員の回答割合は以下の通りです。
新卒社員では、仕事が自分に合わないと答える方が3割を超えていますが、2年目には24%、3年目には15.1%に下がっています。
新卒時代は社会人経験の少なさとスキルの未熟さが影響し、自分は仕事に合っていないと感じているようです。
経験を積んでいくことで「仕事に合わない」という意識が薄くなり、仕事に適応していることが分かります。
新卒の方が、仕事が自分に合わないと感じているなら、社会人経験の少なさ、スキルの未熟さが影響していると考えましょう。
新卒で働くうちに、徐々に不満に挙がりやすいのが給料条件です。新卒の退職理由の割合では以下の通りです。
3カ月未満では不満に思う人も少なめですが、長く働くほど給料に不満を抱く方が増えています。
2年目以降でも同じ程度の割合で推移しており、社会人として経験を積む中で、仕事と給料のバランスが合わないと感じる人が多くなるようです。
業務内容と給与のバランスは、仕事へのモチベーションに大きく影響するポイントです。
自分の働きと貰える給料にギャップがあれば、仕事への意欲を失うのも自然なことと言えるでしょう。
新卒の退職理由の中で、意外にも多いのが健康上の理由です。健康上の理由を挙げた人の割合は、以下の通りです。
新卒社員の中でも、健康上の理由で退職したと最も多く答えたのは、3カ月未満の方です。
全年代でもトップの割合になっており、初めての仕事へのストレス、環境に適応できずに体調崩すなど、色々な要因があるようです。
経験年数が長くなるほど「健康上の理由」は少なくなることからも、新卒社員の多くがストレスによって体調を崩していることが分かります。
ストレスの原因は仕事だけでなく、人間関係や休日の少なさなども関係しています。
また、新卒だからこそ頑張りすぎてしまうケースもあるため、無理して体調を崩す前に有給や休職制度を利用し、体調を整えることが大切です。
退職理由には男女での違いもあるため、それぞれどのような理由で退職し、なぜ違いが出ているのか解説します。
男性就業者の退職理由では、労働時間や賃金、人間関係などが高い割合となっています。
その中で、女性と大きく異なる点は、給料条件と会社の将来性を重視している点です。
特に将来性については、女性が8.4%なのに対し、男性は16.6%と2倍近い差があります。
このことから、男性はキャリア志向が強く、仕事へのやりがいと給料を求めている人が多いとわかります。
また、男性は結婚後も働き続ける方が多いことから、家族との生活を守るために、より給料条件の良い職場を求めていると推測できます。
あなたが男性の新卒社員なら、会社の将来性や昇給の有無などをチェックすることをおすすめします。
参考:厚生労働省 「平成30年若年者雇用実態調査の概況」 P21
女性の退職理由でも、労働時間、人間関係、給料などが大きな割合を占めています。
男性との大きな違いは、重すぎるノルマや結婚・子育て、健康を理由にした退職が多い点です。
近年は女性の活躍する社会にもなっていますが、全ての女性がキャリアや仕事に打ち込んでいるわけではありません。
ノルマに対して苦手意識を持つ女性も多く、退職理由として上位になっています。
また、結婚や子育てのための退職も多く、家庭を支えるために退職を決断する女性も多いようです。
健康上の理由については、ストレスや多忙さによる体調変化が影響しています。
女性は男性に比べると体力面でどうしても劣るため、多忙な仕事で体調を崩しやすく、大きな退職原因になっています。
あなたが女性の新卒社員なら、結婚・出産・子育てといったライフイベントに理解があり、産休・育休制度、復職制度が整った会社を選びましょう。
新卒社員が退職を会社に伝える前に、できる対策とはどのようなものか解説します。
新卒社員は社会人経験の少なさが仇となり、視野が狭くなってしまうことがあります。
そのため、仕事で嫌な思いや思い通りにいかないことがあり、退職を考える方も少なくありません。
しかし、感情的に退職を決断する前に、自分で改善できる部分がないか振り返ることが非常に大切です。
仕事の取り組み方や人との関わり方、他人と自分を比べすぎていないかなど、仕事への意欲を失わせている原因を探りましょう。
自ら変えられる部分は意識的に変えてみて、それから退職を決断しても遅くありません。
自分自身に原因がないのであれば、仕事環境に改善の余地はないか考えましょう。
例えば、薄暗い環境は気持ちも暗くなりますから、照明を変えたり、カーテンを開けたりするなど、環境面の変化を促しましょう。
自分一人でできることは限られていますから、時には同僚も巻き込んで環境を変えてみるのもおすすめです。
退職を考えるほどの理由がある場合は、上司や同僚に相談するのもおすすめです。
仕事が自分に合わないのであれば、相談で部署異動を検討してくれることもあります。
新卒社員は採用にも教育にもコストが掛かりますから、会社としてもなるべく辞めてほしくないと考えています。
あまりに無茶な要望は難しくても、ある程度の改革は検討してくれる可能性が高いです。
また、悩みを上司や同僚に話すだけで、気持ちの面でも楽になるというメリットもあります。
意欲的に働くためにも、不満や悩みは周囲に相談するのがおすすめです。
新卒で退職することに不安を覚える方も多いかと思います。
実は、新卒社員の退職は珍しくないですから、離職率から新卒社員を取り巻く状況を知りましょう。
新卒社員の方は、「1つの仕事を3年以上続ける」と色々なところで聞いたことがあるかと思います。
3年でスキルや社会人経験を積めば、その後も会社で活躍できると教育されるからです。
しかし、結論から言うと、苦痛や悩みを感じながら3年間も働く必要はないです。
新卒社員の10%以上は1年目で退職しており、新卒の退職も珍しくありません。
厚生労働省の「学歴別就職後3年以内離職率の推移」の結果で、大学卒の新卒社員の12.2%は退職していることがわかっています。直近5年間で見ると、令和3年入社の離職率は一番高いです。
つまり、本当にどうしようもなくなった時は、新卒であろうと退職するケースもあるということです。
新卒の退職は珍しくないと説明しましたが、就職後3年以内の離職率を見ると、よりはっきりとわかります。
業界を限定せず、新卒から3年以内の全就職者を対象とした調査では、新規高卒就職者で35.9%、新規大卒就職者で31.5%が3年以内に退職しています。
特に事業規模が小さくなるほど離職率が高くなっており、日本のような中小企業が多い社会においては、新卒社員の離職は珍しい状況でもありません。
中でも、宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業といった分野で退職者の割合が高いため、こうした分野に従事すると、人の入れ替わりが激しいようです。
新卒社員が、第二新卒として転職活動を進めていくうえで、注意したいポイントを紹介します。
退職を決断すると、頭の中は退職のことで一杯になり、次のことはなかなか考えられません。
退職後に慌てて転職先を探すことになれば、ブラック企業に引っかかってしまう危険もあります。
そのため、転職活動は働きながら進めるのがおすすめです。
働いていれば生活費を切り詰める必要もなく、安定した精神状態で日々を過ごせます。
転職活動には、交通費やスーツ代などの諸費用が掛かりますから、働きながらの方が進めやすいという現実的な理由もあります。
焦って転職先を決めるのではなく、働きながらじっくりと職場を見極めましょう。
転職活動は、闇雲に良さそうな会社を探せば良いわけではありません。
自分に合った職場で働くには、転職活動の軸となる条件、目的をはっきりさせましょう。
軸とは、自分が仕事に求める条件であり、その中でも優先順位が高いものを言います。
軸は何でも良いですが、優先順位の高い条件で仕事を探せば、理想の職場に出会える確率が高くなります。
また、転職の目的も重要です。目的をはっきりさせれば、やりたい仕事やキャリアアップ、自分が働く意味も明確になります。
軸と目的、この2つをはっきりさせてから転職活動を進めてください。
転職先に履歴書を送付する時や、面接をする時は、無理に前職の退職理由を語る必要はありません。
嘘も方便という言葉もある通り、全てを正直に語ることが正しいとは限らないからです。
退職理由を語る時は、前職への不満を伝えるのではなく、キャリアアップや興味・関心があることなどポジティブな理由を伝えましょう。
前職に不満があっても、口にしてしまえば採用担当者にネガティブな印象を与え、採用の可能性が大きく下がるので注意してください。
新卒社員は仕事を覚えること、環境に慣れることに精一杯で、転職活動に力を入れられないこともあるでしょう。
その場合は、自分の力だけで解決しようとせず、転職エージェントなどのサポートサービスを利用するのがおすすめです。
登録すれば、自己分析や履歴書の添削をアドバイザーが行ってくれるので、転職でわからないことがあっても戸惑うことなく動けます。
また、希望条件に合わせた求人紹介も行っているので、自分で活動する時間を大幅に減らせます。
転職のプロからアドバイスも受けられますから、仕事で忙しい新卒社員でも効率的に転職を進められるはずです。
新卒で退職してしまうと、その後の経歴やキャリア、転職に不安を抱く方も多いです。
しかし、新卒で退職する人は毎年一定数おり、退職後に新たなキャリア形成に成功した人もたくさんいます。
また、上場企業の経営者でも、新卒で退職して会社を立ち上げて成功した人がいます。
退職するのは悪いことではなく、仕事が辛いと感じながら続けた結果、メンタルヘルスを崩すことの方がよほど問題です。
仕事をしていて本当に辛いと感じた時は、自分自身の将来のために退職することも悪くはありません。
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