障害をお持ちの方のなかには、
「働きたいけど働けない。」
と悩んでいる方が大勢いらっしゃいます。その理由として多いのが、以下の理由です。
・以前働いていたが、難しさを感じ辞めてしまった。
・就労移行支援を利用したが、就職先が見つからなかった。
・特別支援学校を卒業後、就職先が見つからなかった。
上記のような理由で「働けない方」に向けたサービスがあります。それは、就労継続支援です。
就労継続支援には、A型とB型があります。
今回は、就労継続支援A型についてご紹介させていただきます。
まず、就労継続支援についてご説明させていただきます。
就労継続支援とは、「現時点で一般企業への就職が不安、あるいは困難」な方へ、生産能力の向上を目指しつつ、賃金(工賃)をもらいながら働く場所を提供するサービスです。
利用期間に制限はありません。
就労移行支援と似ているため混同されてしまいがちですが、就労移行支援は
一般企業へ就職するための支援を提供するサービスです。
次に、就労継続支援のA型とB型の違いについてご説明させていただきます。
主な違いは下記の2つです。
1.雇用形態の違い
2.賃金の違い
下記の表をご覧ください。
引用元:厚生労働省 就労支援対策の状況
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/shurou.html
つまり、「雇用契約の有無」が大きな違いということです。
雇用契約の有無が違うということは、当然賃金も違います。
就労継続支援A型は、雇用契約を結ぶため、最低賃金以上の給料が保証されます。
対して就労継続支援B型は、工賃という名目で作業対価をもらいます。なぜなら就労継続支援B型は、「雇用契約を結んで働くことが困難な方が、軽作業等を行って就労訓練をするサービス」であるためです。
就労継続支援A型・B型の全国平均賃金(工賃)は以下の通りです。
引用元:厚生労働省 就労支援対策の状況
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/shurou.html
就労継続支援A型とB型では、平均約60,000円もの差があります。
ちなみに、就労継続支援A型の都道府県別平均賃金は
1位 東京都 94,429円 (B型 16,078円)
2位 和歌山県 93,415円 (B型 16,433円)
3位 広島県 93,182円 (B型 16,754円)
45位 富山県 65,696円 (B型 15,881円)
46位 青森県63,777円 (B型 14,136円)
47位 宮崎県 62,776円 (B型 19,218円)
となっています。都道府県別でも大きく差があることがわかります。
では、実際に就労継続支援A型のサービスを受けるには、どうしたらよいのでしょうか。
就労継続支援A型のサービスを受けるには、前提条件があります。
それは、冒頭に例としてご紹介させていただいた、3点のいずれかに該当する方です。
・以前働いていたが、難しさを感じ辞めてしまった人。
・就労移行支援を利用したが、就職先が見つからなかった人。
・特別支援学校を卒業後、就職先が見つからなかった人。
65歳以上であっても、上記3点のいずれかに該当すれば、サービスを受けることができます(平成30年度4月より)。
就労継続支援A型のサービスを受けたくても、その方法を知らないと受けることができません。そこで、サービスを受けるまでの流れをご説明させていただきます。
少し複雑に感じるかもしれませんが、福祉窓口やハローワークで簡単に説明してもらえます。なので、ここではざっと把握しておく程度で十分です。
普通の就職活動と同じで、履歴書を書き、面接をおこないます。
A型事業所の職場は、福祉窓口やハローワークで紹介してもらえます。自分で求人を探すことも可能です。
選考が通ったら、市区町村の障害福祉担当窓口に利用申請をします。
市区町村の認定調査員と面談します。そして質問票に答えます。
その後の一次判定で、コンピューターによる判定が行われます。
次の二次判定で、市区町村委員会で判定が行われます。
その判定結果(非該当、障害区分1~6)が、通知されます。
指定特定相談支援事業者か、自身でサービス等利用計画案を作成し、提出します。
市区町村で、サービスの支給量などを決定します。そして、申請者へ受給者証が発行されます。
指定特定相談支援事業者か、自身でサービス等利用計画を作成し、提出します。
就労継続支援A型で働くことができます。
就労継続支援A型のサービスを受けるためには、利用料がかかります。
基本は、月の利用日数×事業所で定められた1日当たりの利用料です。ただし、利用料の自己負担額は「世帯収入」によって上限額があります。
下記は、月の利用者負担額の上限です。
生活保護受給世帯→0円
低所得世帯(市町村民税非課税世帯※1)→0円
一般世帯(市町村民税課税世帯(所得割16万円※2未満)、20歳以上の入所施設利用者、グループホーム利用者以外※3)→9,300円
上記以外→37,200円
※1 3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象。
※2 収入が概ね600万円以下の世帯が対象。
※3 入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、「上記以外」となります。
参考:厚生労働省「障害者の利用者負担」
URL:https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/service/hutan1.html
就労継続支援A型のサービスを受けている利用者は、どのような仕事をしているのでしょうか。
事業所により仕事内容は様々です。ただ、就労継続支援A型には「就労に必要な知識および能力向上」という目的もあるため、単純作業や軽作業が多いです。スキルがある場合は、それを活かした仕事もあります。
以下、実際に就労継続支援A型で、利用者が行っている仕事です。
・清掃スタッフ
・カフェやレストランでの調理、ホールスタッフ
・ポスティング
・リラクゼーション施術スタッフ
・Excelを使用するデータ入力
・Web制作
・DM作業
・検品、加工業務
・パッキング作業
では、就労継続支援A型の事業所を探すさいに重要視すべきポイントをご紹介させていただきます。
これは、言わずもがなですよね。「給料が安いとこで働きたい。」という方はまずいないでしょう。
しかし給料だけで選んでしまうと、実際そこで働いてみて後悔する可能性があります。
それを回避するため、以下のポイントが重要です。
例えば、自閉症の方が「時給が1600円の、カフェのホールスタッフの仕事」をしたら、続かないことは簡単に想像できますよね。
他にも「以前、障害の特性上フルタイムで働くことが辛くて仕事を辞めた。」という方であれば、短時間の労働から始めることができる事業所を選ぶなどが重要です。1日の労働時間が4~8時間程度の事業所は多いため、探すことに苦労はしないでしょう。
就労移行支援A型のサービスを行っている事業所なので、自分の障害特性を理解してくれるのは当たり前のように思えます。
しかし実際は、比較的新しくできた事業所であるなどの理由から、特定の障害の特性を理解できていない事業所もあります。そのような事業所の場合、実際働いてみると「働き辛い。」と感じるかもしれません。
そのため、事前に、自分と同じような障害特性を持った方がいるか、あるいは働いていたかを確認しておきましょう。
障害があるという理由で、仕事上で苦労されている方は大勢います。
「自分には無理かも。」
と思い、仕事を辞めてしまったしまった方も多いでしょう。しかし、そのような方のためのサービスが就労継続支援です。
平成29年度には、障害福祉サービス(就労移行支援、就労継続支援A型、B型)から14,845人の方が一般就労へ移行されています。
つまり、就労継続支援A型で働きながら、一般就労で働くためのトレーニングを積み、実際に一般就労で働いている方が大勢いるということです。
一度失敗して挫折してしまっても、再チャレンジは可能です。
あなたも就労継続支援を活用し、活躍の場を広めていってください。
参考:厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/shurou.html
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