シングルマザーは決して珍しいことではなくなってきており、年々増加傾向にあるとも言われています。
一言にシングルマザーと言っても、離婚した女性、死別した女性、未婚・非婚の女性など理由は様々ありますが女性一人で子供を育て生活をしていくことは精神的にも経済的にも大変であることには変わりありません。
シングルマザーの4割は正社員として働いていますが、母子家庭世帯の54.6%が貧困にあえいでおり、社会問題にもなっている現実があります。
ここでは、シングルマザーの仕事・転職のことから、子育てと仕事とを両立させるための働き方や働きやすい職場について解説していきたいと思います。
シングルマザーはどのような理由で転職をしているのでしょうか?
厚生労働省が発表した「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」を元にシングルマザーの転職理由を見ていきたいと思います。
(参照:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11920000-Kodomokateikyoku/0000188164.pdf)
「母が仕事を変えた理由」で”その他”や”不詳”を除くと、収入面・労働時間・通勤時間を主な理由として転職をした人が多いことが分かります。
シングルマザーとして子供を育てていくため、生活をしていくために十分な収入を得られる仕事に就くことや、子供との時間を確保するためにも残業の少ない仕事、通勤時間がなるべく掛からない職場を選ぶ傾向にあるようです。
いざ仕事探しや転職をしようにもシングルマザーの仕事探しでは厳しさや苦労を感じている人も少なくはありません。
勤務時間、残業がない・少ない、土日祝休み、休日出勤なし、転勤なし、子供の行事などの融通が利きやすいなど、子供のことを優先した仕事探しでは選択肢が少なくなり、十分な収入を得ることも難しい。
保育園や学童保育に入れない、実家が遠く子供の面倒を見てもらうことが困難、両親が高齢で子供を預けられないなど、仕事をしている時間に子供を預けられる環境が見つからない。
子供が小さいうちは特に急な発熱やケガがあった際に、他に頼れる人がおらず対応出来ない。
仕事探しの段階から条件に合う仕事を見つけることすら困難であり、面接を受けられたとしても希望条件や子供の急な病気やケガへの対応を聞かれ不採用となってしまうケースも。
また、シングルマザーへの理解が少ない状況で失礼な対応をされたり、肩身の狭い思いをしてしまうこともあります。
周囲のシングルマザーに対する理解が少なく、シングルマザーであることに引け目を感じている人や仕事に関する経験やスキルに自信がない、特別な資格を持っていないなど不安に思うことが多く、転職ができたとしてもキャリアアップを叶えることは難しいのではないかと考えてしまう。
先ほどと同じく厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」
(※参照:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11920000-Kodomokateikyoku/0000188164.pdf)
によると、「母子世帯となったことを契機」として転職している人が45.5%おり、約2人に1人がシングルマザーとなったタイミングで転職をしていることが分かります。
また、元々仕事をしていた人の雇用形態別の転職希望に関してはパート・アルバイト等で働いていた女性が「仕事を変えたい」と希望している人が多い傾向にあります。
(※参照:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11920000-Kodomokateikyoku/0000188165.pdf)
年収アップは生活のため、子供のために譲れない条件と考える人も多いと思いますが、年収だけを考えてしまうと収入は上がったけれど『子供に負担を掛けてしまっている』『自分自身が体力的・精神的にキツい』といったことになりかねません。
仕事選び・会社選びの際に大切なポイントとなるのは、
長く働ける会社(労働環境)
シングルマザーに理解がある会社(女性・シングルマザーの採用実績)
やりたい仕事(やりがい)
です。
「どこでもいいから働ければいい」ではなく、イキイキと頑張って働く母の姿は必ず子供にとってプラスになります。仕事や会社選びは慎重に行いましょう。
※参照:厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11923000-Kodomokateikyoku-Kateifukishika/0000190325.pdf
シングルマザーとなる前の就業率は75.8 %であり、その内訳は「パート・アルバイト等 54.7 %」が最も多く、次いで「正規の職員・従業員 32.1 %」となっていました。
そして、上記の表を見てもらうとシングルマザーとなった後の就業率は81.8 %であり、最も多い雇用形態は「正規の職員・従業員 44.2 %」とシングルマザーの正社員割合は4割強であることが分かります。
正社員の割合は調査時の5年前にあたる平成23年と比較すると39.4%→44.2%と4.8 %増加しているため、現在では平成28年の時の割合よりも増加している可能性も考えられます。
厚生労働省の調査から4割強のシングルマザーが正社員として働いていることが分かりましたが、パート・アルバイト等として働くシングルマザーも43.8%と正社員とほぼ同じくらいの割合でいることから正社員として働くべきか?パートとして働くべきか?‥と、悩むポイントであり人それぞれによって考え方が分かれるところです。
収入面や安定を考えると正社員ですが、時間の融通が利くことを優先させるのであればパートです。
どちらが絶対に良い!ということを断言することはできず、『仕事をする上であなたが何を一番大切にしたいのか?』このことをまず考えてみましょう。
自分の気持ちをはっきりさせておくことで、どちらを選んでも後悔を感じることなく仕事ができるのではないでしょうか。
この先子供を養っていくことを考えると正社員として働くことをおすすめしますが、今はパートで働き子供が小学生になったら正社員になろう!‥というように時期や目標を具体的に決めておくことも良いと思います。
仕事選び・会社選びに失敗したくないけれど、具体的にどう行動したらいいのか分からない人は転職サイトや転職エージェントといった転職支援サービスを活用してみましょう。
時間の融通が利きやすいパート・アルバイトとして生計を立てていくことも一つの方法ですが、条件さえ整えば正社員として働くことが一番安定しています。
自分に合った転職サイト・転職エージェントを活用し転職活動を進めていけば正社員も夢ではありません。
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シングルマザーが働きやすい職場・働き方、シングルマザー向けの仕事にはどのようなものがあるのかを見ていきたいと思います。
労働環境が子供の生活に合わせやすい(土日祝日休み、残業が無い・少ないなど)
シングルマザーであることに理解がある
臨機応変な働き方が出来る(勤務の融通が利く、在宅も可能など)
休みや勤務時間の融通が利きやすいが、収入が少なく安定しない。
パート・アルバイトよりも時給が高い上、休みや勤務時間の融通も利きやすい。しかし、同じ仕事内容でも正社員と比べると収入が低く派遣契約が終了する可能性もあり不安定な一面もある。
月給制であり収入が安定するだけでなく福利厚生が受けられる、長く働き続けられるなどメリットが多いが、休みや勤務時間の融通が利きずらく子育てとの両立が難しい反面も。
個人事業主として働く場合子育てとの両立がしやすく働いた分だけ収入も多くなるが、仕事が無ければ収入を得られず安定しない。
「給料(毎月必要な収入を算出しておく)」「休日(土日休みなど)」「勤務時間(残業の有無)」「勤務場所(なるべく自宅から近い場所)」「社会保険完備」「キャリアアップが見込める」‥など、仕事と家庭を両立していくために譲れない条件を挙げていき、それらから優先順位が高いものに当てはまる求人をピックアップしていく。
何度も転職をするよりも一つの職場で長く働くことができ、仕事を続けていくことでキャリアアップが可能な将来性のある職場選びが理想。
給料などの待遇面が良いに越したことはありませんが、やりたくない仕事・やりがいのない仕事を無理してまでする必要があるのでしょうか?
子供のためとは言っても仕事で心身共に疲れ切っている母親の姿よりも、やりがいのある仕事・楽しく働ける仕事に就き疲れはあってもイキイキとしている母親の姿は素敵に見えます。
長く働ける職場という見方でもやりがいのある仕事を見つけてみましょう。
女性が多い職場・主婦が多い職場の場合、子育てやシングルマザーにも理解があり困ったときにお互い助け合うこと、フォローしてもらえる可能性が高い。
また、えるぼしマークやくるみんマークの認定を受けている企業も一つの目安になります。
■女性の活躍を推進している事業主
■「子育てサポート企業」として厚生労働大臣の認定を受けている事業主
※引用:厚生労働省 埼玉労働局HP
https://jsite.mhlw.go.jp/saitama-roudoukyoku/jirei_toukei/kintou_senshin_torikumi/eruboshi-kurumin.html
仕事選び・会社選びのポイントと重複する部分もありますが、理想に近い職場に巡り会うためには事前の準備・確認が大切です。
よく考えずに「何となく」で仕事を決めてしまい後悔をしてまた転職‥となる方が大変です。
正社員を目指しているのなら先ほど紹介した転職支援サービスを活用して求人探し・転職活動を進めてみましょう。
ニーズが高く未経験からでも可能。働きながらキャリアアップも目指せる。託児所完備のところも多い。
未経験からでも働きやすく、女性が活躍出来る。
生命保険の営業を行う仕事であり、契約数に応じ手当てが付くため高収入を得られる可能性も。自分でスケジュール管理をするので仕事の合間に子供の用事を済ませることもできる。
主婦、女性としての経験を活かせる仕事。勤務時間の融通が利きやすいが収入が安定しずらい一面も。
資格を取得する必要がありますが、医療機関で働くことができ子供の休みにも合わせやすい。
未経験からでも働け、働く人数が多いため急な休みにも対応してもらいやすい。
比較的休みがとりやすい。残業が少ない場合が多い。
シングルマザーが転職をするにあたり資格を取得した方が少しでも有利に転職活動を進めていけるのでしょうか?
結論としては、資格を取ることだけに集中してしまうのではなく仕事に直結するような資格であれば取得する意味があります。
資格があっても年齢や経験に基づき採用されるのが厳しい資格(事務系資格など)ではなく、医療・福祉系(看護師、介護福祉士、保育士など)、調理師といった人手が足りず需要の高い職種に活かせる資格がおすすめです。
「これといったスキルや能力がない」という女性の方は多くいます。
「40代だし今更・・・。」なんて思っている方、まだ間に合いますよ!
例えば、未経験から正社員の転職に強いリクナビネクスト。利用者は20~50代の全年齢。まずは転職サイトで気軽に仕事探ししてみましょう。
介護職は40才以上の割合が一番高く、働きながら資格取得をサポートしてくれる、転職サイトのかいご畑などもあります。介護職はブラックなイメージがありますが、それは全施設ではなく、一部の施設だけに言える事です。施設選びはプロに相談しながらすることをおすすめします。
いかがでしたでしょうか?シングルマザーの転職は自分一人で子供を育てていくための決意を持ち、前へ進んでいくための第一歩となるケースも多いため様々な苦労が伴うこともあるでしょう。
しかし、今現在はもちろんのこと子供が大きくなった時も安定した収入がないと子供に十分な教育を受けさせてあげることや育てていくことができません。厳しさ、苦労はあっても今出来るときに収入を上げて子供を育て上げることが大切となってくるはずです。
身近に相談できる人がいないと困っている人は転職支援サービスを上手に活用して理想の働き方を見つけてみましょう。焦らずに一つ一つで大丈夫です。