【生活支援員監修】双極性障害なんて関係ない!向いてる仕事の探し方

障害者支援施設では、日々こんな光景を目にします。

「Aさんは昨日までテンションが異常に高く、多弁でニコニコしていた。しかし、今日はずっと俯いていて、声をかけても顔をそらす。昨日までとは別人のよう。」

これは、双極性障害(躁うつ病)をもつ方の典型的な症状です。
そして、双極性障害の方は、仕事や人間関係に支障をきたしてしまいがちです。

そこで今回は、障害者支援施設で生活支援員をしている筆者の視点から、

・双極性障害の診断を受けた方
・双極性障害の疑いがある方

に向けた仕事の探し方について書いていきます。

双極性障害(躁うつ病)ってどんな障害?

双極性障害とは、精神疾患の1つです。その中で「気分障害」に分類されます。

テンションが高まっている状態を「躁状態・軽躁状態」と呼び、逆にテンションが異常に落ち込んでいる状態を「うつ状態」と呼びます。
この「躁状態・軽躁状態」と「うつ状態」を繰り返すことが、双極性障害の症状です。

では、「躁状態」と「軽躁状態」はなにが違うのでしょうか?それは、下記のとおりです。

  • 躁状態・・・家庭や仕事に重大な支障をきたし、入院が必要になるほど激しい状態。
  • 軽躁状態・・・他人がみても明らかに気分が高揚している。普段よりも調子が良い。しかも仕事もはかどる。本人も周囲もそれほど困らない程度の状態。

つまり、

躁状態は「周囲に被害が及んでしまうほど異常にテンションが高い」状態。
軽躁状態は、「テンション高いなあ」くらいの状態。

という違いです。

では、「うつ状態」とはどのような状態でしょうか?
それは下記の通りです。

  • 抑うつ気分(気分が落ち込む、悲しい気持ちになる、憂うつなど)
  • 意欲の低下(趣味だったものなのに、やる気になれないなど)
  • 興味または喜びの喪失(なにに対しても興味が湧かない。たのしい、嬉しいなどの感情が湧かないなど)

上記の症状が毎日かつ2週間以上続く状態のことを「うつ状態」と呼びます。

そして、

「躁状態」と「うつ状態」を繰り返すものを「双極Ⅰ型障害」
「軽躁状態」と「うつ状態」を繰り返すものを「双極Ⅱ型障害」

と呼びます。

※参考サイト:厚生労働省 「知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス総合サイト」https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_bipolar.html

双極性障害の特徴は?

では、双極性障害にはどのような特徴があるのでしょうか。
ここでは、3つの特徴をあげたいと思います。

①症状に気づきづらい。

双極性障害の初期段階では、最初の病相(躁状態あるいはうつ状態)から次の病相まで約5年間間隔が空きます。

「躁状態」も「うつ状態」も治まっている期間は健常な状態です。このまま受診せず(服薬せず)放っておくと、だんだんと病相の間隔が短くなり、急速交代型(年4回以上の病相)になってしまいます。

そして特に「軽躁状態」の場合は、本人からすると
「最近調子がいいなあ。」
程度に思ってしまうことが多いため、自覚がない場合が多いです。

つまり、双極性障害は見逃してしまいやすく、進行しやすいのです。

②人間関係の構築が難しい。

まず前提として、一般的に「双極性障害」という病気はまだまだ知られていません。

先月まで「躁状態・軽躁状態」で今月から「うつ状態」になると、「双極性障害」だと知らない人から見れば
「情緒不安定な人」や「変わった人」
と受け取られてしまう場合があるためです。

それに躁状態である場合、ただでさえ周囲の人に休む間なく話しつづけるなどしてしまうため、避けられてしまいがちです。

③仕事上でトラブルを発生させてしまうリスクが高まる。

躁状態の場合、気分が非常に高揚してしまい、なんでもできると錯覚してしまいがちです。
そのため、計画や相談なしで行動してしまい、トラブルの原因となります。

さらに、1つのことに集中できないため、なにも仕上げることができません。

軽躁状態の場合、やる気がでて生産的になります。
しかし、注意が散漫になってしまい、重大なミスを起こしてしまうことがあります。

うつ状態の場合、すべてに無気力、無関心になるため、仕事が手につきません。
最悪、仕事に行くこともできなくなる可能性もあります。

双極性障害でも仕事はできる?

では、双極性障害になってしまったら、仕事をすることは難しいのでしょうか?

答えは「No」です。

その理由として、双極性障害の方が仕事をする上で重要な点を4つあげたいと思います。

①定期的な診察と薬治療

定期的に診察へ行き、服薬を続けることで、症状をコントロールすることができます。

どんなに忙しくても、おっくうでも必ず診察に行きましょう。
そして、薬の副作用がつらくても勝手にやめてはいけません。必ず医師に相談しましょう。
治療を中断することで、再発のリスクが高まってしまいます。

しかし、きちんと服薬をしていても再発のリスクはあります。
そのため、再発の兆候を把握しておきましょう。
その兆候がみられたらすぐに診察に行くことで、病相の波が最小限に抑えられます。

②周囲に理解してもらえる職場探しと環境づくり

職場の上司や同僚に双極性障害であること、症状を理解してもらう必要があります。

職場を探している場合であれば、面接などで障害を理解してもらえるかどうか、過去に双極性障害やうつ病の方が働いたことがあるか聞いてみましょう。

そして、職場が見つかったら、自分から積極的に障害を理解してもらえるように働きかけましょう。

筆者が勤務している法人内の就労支援施設でも、利用者の職場探しをするうえで、障害をもつ方への理解の有無を大前提としています。
どんなに賃金が高くても、担当者がいい人でも、理解が薄い(可能性含めて)場合はお断りしています。

③向き、不向きの仕事内容を見極める

「躁状態時」と「うつ状態時」の自分の傾向や、どんな作業内容ならリスクを抑えて行えるか、自己分析しましょう。

筆者の勤めている生活支援施設内にも双極性障害の利用者が数名います。
全員、2週間程度で病相が変わる「急速交代型」です。
かつ、軽度~重度の知的障害も併せてもっている方々です。

そのため、行うことができる作業レベル自体はバラバラですが、行っている作業内容で1つ共通していることがあります。

それは、少人数の作業場で行う単純作業です。

最初は掃除やベッドメイクなど、さまざまな作業を行っていただきましたが、双極性障害の方はその特性上、上手くいきませんでした
(病相によって、まったく行わない、時間に間に合わない、他利用者とトラブルになる、作業が雑すぎるなど)。

しかし、少人数の作業場で行う梱包や紙ちぎりなどの単純作業に変更したところ、病相に関係なくほぼ安定して一定の成果をあげられるようになりました。

前述しました就労支援施設内の双極性障害の利用者数名は、工場でライン工を行っています。やはり、病相に関係なく、問題なく作業を行っています。

双極性障害の方に向いている職業の1つということでしょう。

④自分に合った働き方をする

勤務時間など、自分に合った働き方をしましょう。
たとえば「うつ状態」時にフルタイムで働くことが厳しい場合、フレックスタイム制や時短勤務が認められているかどうかが重要になります。

「躁状態・軽躁状態」や「うつ状態」といっても、日によってで多少の調子の良し悪しはあります。
職場探しをするさい、ここも必ず確認しましょう。

どこで仕事をさがせばいいの?

4つの重要な点をあげましたが、
「そんな条件に合う職場をどこで探せばいいの?」
と思いますよね。

今は、転職・求職の求人サイトがたくさんあります。
その中でも、障害者支援を職業としている筆者の目線から、オススメなのが「dodaチャレンジ」という転職エージェントです。

dodaチャレンジ

dodaチャレンジは転職業界最大手のパーソルチャレンジが運営する障がい者に特化した転職支援サービスです。

身体障がい者や知的障がい者や精神障がい者など障害の種類によって希望の職種を選ぶことができます。

障がい者手帳を持っている人。もしくは申請中であれば利用することができます。

双極性障害のような精神障がいの場合、見た目では健常者と変わらないため理解されにくく、他の転職エージェントでは対応が少ないのが現実です。

dodaチャレンジは求人検索してみると、障害に理解のある企業がたくさんあることがわかります。

障害特性を十分理解したキャリアカウンセラーが、特性や個性に合わせた支援をしてくれるので、他の転職サイトやエージェントでうまく行かなかった人は是非相談してみてはいかがでしょうか?

そして求人に書いていることを鵜呑みにせず、興味ある求人先が見つかれば問い合わせたり、職場を見学することをオススメします。面接となった場合、そこで質問するのもいいでしょう。

それにより、自分と同じような障害がある方が問題なく働いているかなどを確認できるため、ミスマッチが避けられます。

【まとめ】自分の障害特性に理解のある会社をさがそう

自分が「双極性障害」だということを受け入れるのは、難しいことです。
診断を受けたかたは、いまだに半信半疑であったり、つらい思いをしていることでしょう。
疑いのあるかたは、心ではわかっていても「自分は双極性障害であって欲しくない。」と認めたくない気持ちが必ずでてきます。

しかしこの障害は、できるだけ早く気づき、受け入れなければなりません。
早期に再発予防に取り組めるかどうかで、今後の生活や仕事が大きく左右されます。

そして、ぜひ前述した求人サイトで自分に合った仕事を探してみてください。

「対人関係がうまくいくか怖い。」
「仕事をちゃんとできなかったらどうしよう。」

と不安になるかたもいると思います。

しかし、自分の障害特性に合った仕事で、理解がある職場は必ずあります。

筆者の職場での経験と勉強したことをもとに、長々と書いてきました。この記事の内容が良い選択のきっかけになっていただけたら幸いです。

あなたが良い職場に巡り合えることを、心より応援いたします。

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