スポーツをしている人は、一度は耳にしたことのある『アシックス』や『ミズノ』は日本の主要なスポーツメーカー企業です。
ウェアやシューズ、ソックスやグローブなど多岐にわたってスポーツメーカーが開発したグッズを使用していた人も多いと思います。
そんな、スポーツ経験者には馴染みのあるスポーツメーカーに就職したい学生に向けて、スポーツメーカーでの仕事内容や業界の動向などについて紹介していきます。
就職活動の業界研究などの参考にしていただけますと幸いです。
スポーツ業界といえば、スポーツクラブ・フィットネスクラブの運営、スタジアム業などがありますが、中でもスポーツメーカーへの就職は人気が高いです。
そもそも、スポーツ業界の需要や今後の動向はどうなっていくのでしょうか。
まさしく、スポーツ業界は今少子高齢化の問題に直面しています。
そして、中高生の部活動の入部率も減少傾向にあるため、ウェアやスポーツ用品に影響が出ているのが現状です。
しかし、少子高齢化問題に対し「高齢者」や「若者の健康志向」に目を向け、「健康面」に着目することで高齢者や若い世代の方をターゲットにする動きが出てきています。
品質は、海外製のものに比べ優位性がある日本のスポーツメーカーですが、ブランディングが弱いという点で課題があるといわれています。
そのため、需要者に対し有効で、かつ付加価値が高く話題性のある、開発が求められています。
前述の2つを見ると、業界自体危ないのでは?と思われてしまうかもしれませんが、結論はそんなことはありません。
今後トレンドとなっていくであろうスポーツやアクティビティなどもあり、若者やスポーツマンだけのスポーツ業界ではなくなってきているからです。
高齢者に目を向け、登山やランニング、ヨガなどのパーソナルスポーツを趣味とする人が増えているからです。
もちろんそれだけではありませんが、スポーツ業界、スポーツメーカーとしても多大な企業努力をしているため、そう簡単に縮小していくことはないでしょう。
スポーツメーカーの種類は数多く、取り扱っているものが異なっていたり、強みや弱みもそれぞれです。
今回は、国内メーカー2社と海外メーカー2社のそれぞれ特徴についてご紹介します。
国内メーカー
国内メーカーのアシックスは、ランニングシューズを強みとしている国内大手総合スポーツメーカー企業です。
1949年にスポーツ事業に参入することを決め、鬼塚株式会社を設立。
その後、1964年に行われた東京オリンピックで、鬼塚株式会社がつくったシューズを身に着けていた選手が優勝し、日本のメーカーが認めれるきっかけの一つとなりました。
1977年にアシックスを設立し、その後もシューズに特化しながらグローバルモデルの強化を行い、今では約70%が海外売り上げを占めています。
主力であるシューズ類だけでなく、「オニツカタイガー」「アシックスタイガー」など現代風にアレンジした商品を提供しています。
専門家として誰にも負けない知識を習得し、発揮すること。
現状に満足せず、自らを磨き続けることで世界で通用する人財となる。
多様性を受け入れ、互いに理解を深めることで、チームとしての信頼を育む。
その協力関係をグローバルに広げることで、大きな力となる。
目標を明確にし、チームを進むべき方向へ導く。
どんな困難な状況でも、諦めず率先垂範する。
第1条:スポーツマンはルールを守る
第2条:スポーツマンはフェアプレーの精神に徹する
第3条:スポーツマンは絶えずベストを尽くす
第4条:スポーツマンはチームの勝利のために闘う
第5条:スポーツマンは能力を高めるために常に鍛錬する
第6条:スポーツマンは、
「ころんだら、起きればよい。失敗しても成功するまでやればよい。」
これらを、『アシックススピリット』としており、これらを体現できる人財が求められています。
100年以上続く日本のスポーツメーカーであるミズノは、創業者の水野利八が野球ボールを発売したところが由来となっています。ミズノは多様な商品を販売していますが、『高品質』にかなりこだわっています。
創業者の口癖「ええもんつくりなはれ」という精神が、創業以来100年以上も継承されています。
そうして、ミズノは世界中のトップアスリートから高い評価と信頼のあるブランドになっていきました。
また、ミズノが“初”とされているスポーツも実は多いです。国内スキーの販売や、ゴルフクラブなどもミズノが初めて開発・販売したといわれています。
まずは、何よりも明るい人。
素直でおおらかな心に裏打ちされた明るさは、
ミズノが求める人材の原点ともいえる要素です。
さらに、柔軟な思考や発想ができ、バイタリティーあふれる人。
社会人である前に、一人の人間として心身ともに健全であることが、
ミズノで働くすべての人に求められる基本的な資質だと考えます。
スポーツにルールがあるのと同様、ビジネスや会社においても、多くの規則やマナーがあります。ルールを確実に守る事がビジネスの常識であると同時に、スポーツマンシップに則ったフェアな行動を貫くことをミズノは大切にしています。
ビジネスにおいて、一人でできる仕事はありません。良い仕事をするために、チームワークは必要不可欠です。たとえライバル関係にある他社の社員であっても、同じスポーツ業界で働く仲間として尊重する気持ちをもってほしいと願っています。
やりがいに満ちた楽しい仕事もありますが、なかなか思いどおりに進まない仕事もたくさんあります。
そんなとき逃げ出してしまうのではなく、「どんなことがあっても目的を達成する」という強い闘争心を持ち続けられる人と一緒に働きたいと思っています。
より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する。
スポーツが提供する価値は多種多様で、人々がより豊かで快適な生活をおくるためにスポーツは重要な役割を担っています。ミズノは、より良いスポーツ品を提供することで、スポーツシーンを支えていくことはもちろん、スポーツの価値を活用した商品やサービスを開発し、日常生活にもその価値を積極的に広めていきます。私たちは、スポーツの力で世界中の人々を幸せにすることに貢献していきます。
ミズノを志望する人は、「ええもんつくりなはれや」という創業者の口癖から『高品質なモノづくり・場づくり』につながっているというのをぜひ押さえておきましょう。
海外メーカー
アディダスはドイツ発祥のスポーツブランドで、起源は1920年に立ち上げた靴製造会社といわれています。
兄弟で立ち上げた会社は、1948年に意見の相違に廃止をすることとなり、のちに兄は「(現)プーマ」社、弟が「アディダス」社を設立。
アディダスは、今やオリンピックの出場競技25種目すべてでスニーカーを提供しています。
アスリートの足元を支えるべく最新技術を常に研究している企業です。
ドイツ・バイエルン州の本社を中心に、全世界に6つの本社機能を有する拠点を持ち、1998年にアディダス直営の日本法人「アディダス・ジャパン」が設立しました。
スポーツを通して、私たちには人々の人生を変える力があります。
スポーツはあらゆる文化や社会の中心的な存在であり、人々の健康と幸福の原点でもあるといえます。スポーツを通して、私たちには人々の人生を変える力があると信じています。私たちは、日々の業務を通して人々が人生の中でスポーツの力を活かせるよう鼓舞してまいります。我々の活動のすべてはスポーツに根差しています。
参照:adidas『WHO WE ARE adidas japanを知る』
私たちの違いこそが、私たちをグローバル企業として団結させるのです。そのため、当社の人事チームは世界中から優秀な人材を採用しています。私たちは独自性と多様性、非日常性と個性、学際性と異文化性を追求します。
私たちは興味のある人には適切な質問をし、最も厳しい質問が返されることも気にしません。私たちは最高のチームを構築することで、より良い明日を築きます。スポーツが世界をより良い場所にできると信じている独創的な考え方を持つ人のための職場を一緒に作りましょう。私たちのソーシャル キャピタルの管理者および作成者になりましょう。成長させましょう!
※日本語翻訳
参照:adidas
アディダスは、女性の取り込みにも力を入れているためそういった特徴もあわせて押さえておきましょう。
また、社内公募制を利用して海外でのキャリアを積むコースが用意されていたりもするため、将来は海外で仕事がしたい人は視野にいれ、チャレンジしてみるのもよいでしょう。
ナイキは、アメリカ合衆国に本社を置くスポーツメーカー企業で、1968年に設立されました。
ナイキは、バスケットボールシューズなどで有名な「エア・フォースワン」や「エア・ジョーダン」などの「エア」シリーズが非常に有名です。
ビジネスモデルとしては、スポーツ用品の中でもスニーカーなどのフットウェアが60%を占めており、アパレルやその他コンバースブランドなどが28%を占めています。
ナイキの成功の秘訣は、『人々の需要を創り出す仕組み』といわれており、需要創造のために多くのお金をかけています。
スポンサー契約や、エンドースメント契約などを需要創造の費用として計上しています。
*「体さえあれば、誰でもアスリートだ。」
–ビル・バウワーマン、Nike共同創業者
参照:NIKE
スポーツには世界を前に進める力がある。それがNikeの信念です。
Nikeの機動力となるものは、すべての人に力を与える。
参照:NIKE
参照:NIKE
ナイキは、採用方法の記事にそれぞれの選考についてのヒントを掲載しています。
選考を考えている人は、必ず頭に入れて挑みましょう。
参照:NIKEの採用方法
スポーツメーカーの仕事といっても、業務自体は非常に幅が広いです。
スポーツメーカーで働く上で、自分はどんな職種を目指していくのか、そういった視点を持ちながら見ていただければと思います。
スポーツメーカーでは、自社の商品を直営店だけではなく、小売店にも販売をしています。
小売店で、自社商品を販売してもらうように働きかける仕事が営業職にあたります。
商品をおいてもらうだけで終わりではなく、入店時に目に入る、思わずみてしまうような場所へ置いてもらうようにお願いをするのも営業の仕事です。
また、店頭に立ち商品のキャンペーンイベントなどを担当する役割も担います。
自社ブランド・製品が好きで、自社製品を知らない人にも知ってもらいたいという思いの強い人にはおすすめの職種です。
新商品の企画や自社製品やサービスを購入してもらえるように促す活動の戦略を行います。
新商品の企画から、それがお客様に届くまで幅広い業務があるため新卒でいきなり配属というのはなかなか難しいというのが現実です。
ですが、現場での意見やお客様の声を自分の知識・経験としてゆくゆくはマーケティング職として働きたいという思いは非常に大切です。
スポーツメーカーの新製品や新サービス発表に際して、メディア向けにプレスリリースの作成やパンフレットやカタログへの掲載などを行います。
もちろんこれだけではなく、SNS運営や社内の様子を広報したり、企業のブランドイメージを向上させるような記事を作成したりもします。
新商品のアイデアやコンセプトを吸い取り、それを形にデザインに起こしていくのがデザイナーの仕事です。
他部署とのやり取りや、外部とのやり取りも発生することがあるため、人の話を聞く力や、コミュニケーション力も大切になってきます。
スポーツ用品のウェアひとつとっても、選手の体の動きや構造に合ったものが作られます。そういった、体のつくりやパフォーマンス分析などを行い、商品開発に活かしていくのが研究開発職の仕事です。
大学などで、スポーツに関わる研究や身体の構造に関わる研究をしてきた経験、また数学的知識が求められる職種です。
他の企業と同様、会社を支える事務職もあります。それぞれ経験がある方が望まれるため、新卒で配属を希望する場合には資格取得をおすすめします。
ここまで、スポーツメーカーの特徴やスポーツメーカーの仕事について紹介しましたが、いかがでしたか?
スポーツメーカーに限ったことではありませんが、就職活動はライバルの多い環境で、少ない椅子を取り合わなければいけません。
スポーツメーカで働きたい!という気持ちだけでは、志望動機として薄いため、自分の強みや経験を活かせる業界・職種を理解して挑みましょう。
体育会系出身の方は、スポーツや団体行動をする中でいろんな経験をしてきたと思います。
その経験を社会に出た時にどう活かせるか、考えながら前向きに就職活動をしていきましょう。
また、スポーツメーカーといってもさまざまな特徴や求める人材像が異なります。
自分に合った、または理念や今後目指していくビジョンに賛同できるメーカーを志望すると良いでしょう。