今まで学生として生活していたものが、大学3年の半ばくらいからいきなり就活という慣れない状況に駆り出されることに。インターンシップ、応募書類、合説、面接…何もかもが日常生活で経験値を詰めない特殊なものばかり。
緊張と疲労と焦りで、ストレスもたまり続ける一方…そんな中で、「自分は就活に向いていない、もうやめたい」とネガティブな感情に陥ってしまうのも仕方のないことです。
しかし、本当にあなたはあなた自身が思うように、就活に向いていないのでしょうか?もしかして慣れない環境に弱気になってしまっただけかも…就活の場におけるあなたの適正について考えてみましょう。
「就活に向いていないかも…」それは多くの就活生が陥りやすい思考です。もちろんアクティブに就活を行い、早期に内定を勝ち取る学生もいるので、誰もが陥るわけではないでしょう。そんな人と、自分は向いてないと思ってしまう人の違いってどこにあるんでしょうか。
就活に向いていないかもしれないと悩んでしまいがちな人の特徴を挙げてみました。
元々、初めての場所や出来事、人前に出なければいけない時、非日常の状況で緊張しやすい人は、就活という特殊な現場では緊張せずにはいられないでしょう。
ある程度の緊張は気を引き締め、逆に集中しやすくなってプラスになるとはいいますが、過度な緊張となると体が震えたり、声が出なかったり、思考力が低下したりとマイナスに働いてしまいがちです。
それでいつもの力が出せず、失敗を引き起こしてしまうこともあるため、就活の場では緊張しやすいタイプはハードルが上がってしまいます。
インターンシップの参加、合同説明会の面談、GD(グループディスカッション)、面接など、就活の場では多くの人と関わることになります。
スムーズなコミュニケーションを求められるために、元々人見知りをしてしまう方や、あまり人と話すことが好きではないという方にとってはストレスでしょうし、「うまくできなかった…」と後で落ち込むことも多いでしょう。
日頃から「自分なんて…」と自己評価が低く、人が自分よりも勝っているところだけ気になり自分と比べてしまう。そういう人には、自分と同じ状況の就活生たちと比較されているような就活の場は、かなりつらいものだと思います。
更にその状況で選考に何度も落ち続けているとしたら、更に「やっぱり自分はだめなんだ」と錯覚してネガティブ思考に陥ってしまい、より自己評価を下げてしまうことになりかねません。
日本の就活は、海外から見ると全員同じ格好をして、同じように行動し、同じようなPRをする様子が奇妙に見えるといいます。
就活スーツは色も形も地味で似たような色に揃え、アクセサリーも派手な髪色やメイクもNG。そんなのダサくて耐えられない!自分らしさを隠してまで就活する必要なんてある?などと思う人もいるでしょう。
個々の性格の他にも、普段は明るいタイプなのに、就活の特殊な状況でネガティブ思考につられてしまうという場合もあります。次は就活生が就活に向いていないと思ってしまうシーンについて考えてみましょう。
明確に「選ぶ側と選ばれる側」という立場関係がはっきりしている場である面接。これまで「子ども」という立場だった学生たちが「大人」と接する時といえば、親や親戚、先生や教授くらいだったものが、いきなり「上司」の前に晒されて、正しい対応など分かるはずもありません。
失敗すれば落とされる。そんな恐怖心から、失敗を恐れて緊張してしまう。苦手意識を持ってしまうのも仕方ありません。
最初こそ「頑張るぞ!」と意気込んでいた就活も、何度も繰り返し「お断り」をされてしまうと、どんどん自信を失ってしまいます。
特にこれまで大きな挫折を経験したことがない人となれば、尚のこと慣れていなくてショックが大きくなり、感情の処理の仕方も分からず真に受けてしまうでしょう。
就活は長期化すればするほど、当然ではありますが周囲が内定を決めていきます。自分は何度も何度も落ち続けてるのに、周りは自分よりも早く内定を貰っている…なんなら2社、3社から内定を貰っていて、どこにするか悩むなんて人もいる。
それに比べて自分はなんて駄目な人間なんだとネガティブに陥ってしまい、就活が向いていないのでは…?という思考に至ってしまう場合もあります。
就活は1〜10まですべて自分で行わなければなりません。インターン先の選定、申込み、スケジュール調整、書類作成、面接・GDの練習に、筆記試験・WEBテスト対策、自己分析…あまりにもマルチタスクが過ぎます。
社会人ですらなかなか経験しないようなタスク量に、ましてや学生では初めてぶち当たってしまう人のほうが多いでしょう。混乱して、「みんなはできているのに自分は」と比べてしまい、やはり「向いてないかも」となってしまう人もいます。
なぜ就活に向いていないと思うのか、就活生の悩みを聞いていると「自分なんて」と卑下している人、「周りに比べて自分は」と人と比較してしまう人、就活の過程で否定されているように感じて自信をなくしてしまう人などが特に多いように感じます。
1度就職してから大学に入ったという人でない限り、就活に参加する学生はアルバイトでは面接を経験していても、就活については初めての人ばかりで慣れている人なんていません。
そもそも社会人の中途採用ですら、転職活動を得意だと言い切れる人なんて極々少数です。ただ就活を経験し、更に何度かの転職を重ねていくと、なんとなく勝手が分かるようになるし緊張も薄れていく気がします。
このように、「慣れていないから怖い・苦手」という感情を、ひとくくりに「向いていないんだ」と混同してしまっていることはないですか?
あなたが就活にうまくいっているように見えている人たちも、あなたには本音を見せていないだけで、どうにか就活を成功させようともがいているかもしれません。
就活はマルチタスクであるだけに、全てにおいてパーフェクトにできる人なんてなかなかいるものではありません。どこかで悩んだり苦労したり、躓いたりしているのではないでしょうか。
そんな中、周囲に助けてもらったり、自分の得意分野を伸ばしたりすることが、うまくいっているように見えているだけかもしれません。
あなたがうまくいっているように見えている人は、「就活に向いている」のではなく、「自分に向いている就活」をしているかもしれませんよ。
就活ハウツー系の書籍やサイトなどは数多くあります。やり方が分からないから、ひとまず人気の本やサイトを自分も参考にしてみよう。みんなと同じことをしていればうまくいくはず。そんな風に決めつけてしまうのは意外と危険です。
千差万別という言葉があるように、個人個人で得意なこと、苦手なこと、性格、全てにおいて全く同じということはありません。だからこそ『適性』というものがあり、それは就活のように特殊な状況こそ、特に気をつけるべきです。
たとえば企業。大手は安定が得られるし、みんな選んでるから自分もそれでいいやは危険で、大手・中小・ベンチャー・外資系、各企業だけでもこんなに特性が違います
大手企業 | 中小企業 | ベンチャー企業 | 外資系企業 | |
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メリット | ・雇用が安定している ・給料が高め ・福利厚生が手厚い ・部署が細分化され、専門性が高い仕事ができる |
・仕事の掛け持ちが多く、色々な仕事のスキルが得られる ・社員同士の距離感が近く、アットホームな職場が多い ・上下関係が厳しくない職場が多い |
・社風が個性的なところが多い ・新しい業界が多い ・変わった福利厚生を取り入れている職場が多い ・社員同士の距離感が近く、アットホームな職場が多い ・上下関係が厳しくない職場が多い |
・実力主義で成果によって昇給率も高い ・海外転勤、海外赴任を目指す人向け ・給料が高め ・福利厚生が手厚い ・労働環境の自由度が高いところが多い ・世界中にコネクションが作りやすい |
デメリット | ・仕事が単純化しやすい ・退職しづらい |
・給料が低めで、福利厚生が最低限になりがち ・限られた空間で、人間関係に問題が出ると逃げ場がなくなる |
・職場内でキャリアアップがしづらい ・残業や休日出勤が多めの傾向がある ・個性の強さに馴染めない場合がある ・給料が低めのところも多い |
・実力主義の傾向についていけなくなるとしんどい ・人間関係はドライな傾向がある |
就活 | ・就活での人気が高く、選考試験が厳しくなりがち | ・就活がしやすい傾向がある ・就活では経営状態に気をつける必要がある |
・リクルートマナーやビジネスマナーに対してあまり厳しくない傾向がある | ・語学力がないと採用は難しい |
企業傾向をざっくり挙げるだけでもこれほど違いがあり、就活の仕方もそれぞれに合わせて変えていくのが当然です。「みんながこうだから」ではなく、自分に合った就活ができるのはどんな業界、どんな企業規模、業態なのかで選ぶのも一つです。
得意なことなんてない、分からないという人であれば、逆に苦手なこと、嫌いなこと、やりたくないことを掘り下げてみるのはどうでしょうか。
こんな風に書き出していくと、逆説的に言えば
このように職場を選ぶ理由に変わり、この場合は家から近いベンチャー企業が働きやすそうではありませんか?苦手・嫌いな理由も、十分選択の幅を広げることに役立てることができます。
それでもやっぱり就活が苦しくて、ストレスにしかならない。やりたくないと悩んでしまうようであれば、いっそ就活しないことを選択することも選択肢の一つであることを知っておいてください。
就活でメンタルの調子を崩してしまい、なし崩し的に仕事ができなくなってしまうのでは本末転倒です。
図らずも新型コロナの影響もあって、働き方にも多様性が出てきています。自宅でも仕事ができる環境を整えている企業は多くあります。プログラマーやシステムエンジニア、WEBデザイナー、DTPオペレーターなどのクリエイターは、フリーランスとして活動していくこともできます。
また大学で学んだ内容を生かして、オンライン起業もあなた次第で決して不可能ではありません。実際に大学在学中に起業し、成功した例は多くあります。
フリーランスや起業ができるだけの知識や技術もない。でももう1人で就活を続けられる心の余裕もない。そんな方は、就活のプロである就活エージェントを利用してはいかがでしょうか。
就活に必要な活動や、応募書類添削、面接対策、GD練習、セミナーや合同説明会も実施しているところは多く、それらの全サービスを無料で利用できるので、登録して損はありません。
また、マンツーマンの個別担当制で、就活の悩みにも親身になって対応してくれます。
日本の教育は「横並び」を推奨している傾向にあり、そんな教育を受けてきたからこそ、多くの大学生がたどる道、「就職」に成功できなければ負け犬のようなイメージが付きまとっているのかもしれません。
しかし、人生は就職だけしか許されているわけではないし、就職にも人それぞれ適性というものがあります。「みんながやっているからやらなければならない」なんて道理はありません。自分に合った就職方法を探し、それで内定が貰えればそれが成功ですし、就職を選ばずフリーランスや起業をするのもまた一つの道です。
もちろん、夢だけでどうにかできる問題ではないですし、起業ともなれば経営や経済学などの知識もある程度ないと、成功は難しいでしょう。場合によっては就活をした方が余程楽とも言えます。
しかし、それも適性は人それぞれ、あなた次第で選択肢は決してひとつではないので、あまり思いつめないよう、自分の未来を見つけてください。