新卒の方や就活中の方にとって、将来を決める就職先は非常に気になるポイントのはずです。
そこで参考になるのが、「他の就活生がどんな企業を希望しているのか」ということです。
今回は文系・理系、男性・女性でそれぞれの就職先人気企業をランキング形式で紹介します。
人気企業に共通する特徴は何か、なぜ人気が高いのかについても解説していきます。
文系学生に人気のある就職先ランキングをTOP10まで紹介します。
【文系】新卒人気企業ランキング
文系の人気企業は伊藤忠商事や講談社、任天堂など日本では誰もが聞いたことのある大手企業が占めています。
また、30位以内まで見ていくと、マスコミ系が多くなっており、文系学生には情報発信の仕事が好まれていることがわかります。
参考:株式会社学情 調査 2024年卒 就職人気企業ランキング【速報】
昨年との順位比較では、「レジャー・アミューズメント」の業界が大きく順位を上げている点も気になるところです。
オリエンタルランドや東京ドームなど、若者に人気の高いアミューズメントスポットは昨年よりも人気が高まっています。
2023年に入って外出規制が大きく緩和されることもあり、これまで控えられていた外出が解禁されることが関係しているようです。
その他にも、レジャーに関係する企業は軒並み人気が高まっており、これまでの我慢の生活から解放されることへの期待感も影響していると考えられます。
文系学生に人気の高い他の業界としては、食品系や旅行業も人気があります。
近年は新型コロナウイルスで食品の衛生管理、3蜜の回避や外出自粛など色々な制限の中で生活を送ってきました。
特に、2024年以降に卒業する大学生は、大学生活のほとんどを新型コロナウイルスによる制限下で過ごしており、自由な学生生活も送れなかったという現実があります。
その結果、食品衛生や感染予防への意識の高まりから、食品業界に入社する新卒社員が一定数増加しています。
また、旅行業では国内外の旅行客のサポート、移動手段の準備、ツアーガイドなど、色々な観光地を巡るチャンスも多いです。
これから外出規制が緩和されていく中で、就活生自身も仕事で多くの観光地を経験できることから、旅行業の人気が高まっていると考えられます。
次に、理系学生に人気のある企業TOP10も見ていきましょう
【理系】新卒人気企業ランキング
理系の学生に人気のある企業は、食品系やIT系などが多くなりました。
また、理系の採用に多い傾向として「ジョブ型採用」も忘れてはなりません。
専門性に特化するジョブ型採用を募集する企業が多く、理系学生には好まれているようです。
理系の学生のランキングでは、TOP10に食品業界が4社もランクインしています。
こちらもコロナ禍の影響を受けていると考えられ、食品衛生という視点が関係していることが考えられます。
また、近年はフードテック産業が盛んになってきていることから、イノベーションに関心の強い学生が食品業界を希望している点もあるようです。
IT系については、プログラマーはもちろん、副業の普及によって、アウトソーシングや在宅ワークに強みのある企業の人気が高まっていると考えられます。
ジョブ型採用とは、プログラミングやDX、開発・研究など最初から特定部署へ配置することを目的とした採用です。
理系学生は、特定分野に特化するジョブ型を実施している企業に応募する傾向が多く、ランキング上位の企業はいずれもジョブ型を採用しています。
理系学生は就職後にどんな仕事をするかわからないままにされるより、最初から特定分野と決まっている方が希望しやすいようです。
男子学生に人気の企業TOP10も見ていきましょう。
【男子学生】新卒人気企業ランキング
男性部門では、伊藤忠商事が最も人気が高く、次に任天堂、アサヒ飲料、トヨタ自動車と続きます。
TOP10にこれといった傾向はなく、広い業界で大手が人気という結果になりました。
しかし、大きくランクアップしたのがソニーグループや三菱商事で、男性は精密機器や専門性の高い商社への関心が高いことを伺わせます。
また、女性との大きな違いとして、30位以内に「スポーツ・ゲーム」業界が5社ランクインしている点です。
男性は電子機器やゲーム分野への関心が高く、就職先でもゲーム関連を希望する人が多い傾向があります。
女子学生に人気の企業TOP10は次の通りとなっています。
【女子学生】新卒人気企業ランキング
女性部門は男性とは大きく異なり、「医薬品・化粧品・日用品」と「マスコミ」が多くランクインしました。
女性にとって化粧品は日常的に接するもので、そこから就職先を選ぶ方も多いようです。
女性でマスコミ業界の人気が高い理由として、InstagramやTikTokなどのSNSが普及し、エンタメが身近で、自ら情報発信する機会が増えたことも一因にあると考えられます。
就活生に人気の高い企業には、次の4つの特徴があります。
近年の経済情勢の不安定さ、物価高の影響は就活希望にも影響しており、学生の安定志向はますます強まっています。
それぞれの特徴について詳しく解説します。
就活生全体が希望する特徴として、経営が安定しており、大手企業であることが挙げられます。
大手企業は業界における市場規模が大きく、倒産の不安がないこと、周囲からも一目置かれること、キャリアアップしやすい点が大きいようです。
また、私生活においてはマイホームや自動車を購入する際、ローンや融資の審査が通りやすいという点でもメリットがあります。
中小企業については、やりがいという点では大手よりも優れているものの、やはり倒産の不安が大きなネックです。
就活生の心理として、自分の人生を安心して送るためにも、大手企業への応募が多いという特徴があります。
人気企業に多い特徴の2つ目は、給与が高く、福利厚生が充実している点です。
日本はこの30年ほどほとんど経済成長しておらず、給与水準も他の先進国に比べて低いままです。
そのため、安定した生活を求めて給与が高く、社員を大事にしている会社を求める就活生が多くなっています。
給与が新卒の平均水準よりも高く、ボーナスもしっかり支給される会社を求める新卒は多くなっています。
また、福利厚生の面では交通費や住宅手当、食費の補助、健康増進手当など、仕事だけでなく、プライベートを充実させてくれる会社を求める傾向が強いです。
就活生に人気のある企業の3つ目の特徴は、肉体労働が少ないことです。
近年の就活生はIT系やプログラマー、総合商社など、デスクワーク中心の仕事を希望する傾向があります。
一方で、土木業や介護、農林漁業などは働き手が少なくなっています。
特に肉体労働の必要な仕事は、天候の影響を受けやすいこと、経験や資格が必要なこともあり、就活生にとってはハードルが高い点も難点です。
そのため、近年の安定志向が強い就活生にとっては、肉体労働はあまり好まれません。
結果として、デスクワーク中心の仕事を希望する就活生が多くなっています。
就活生に人気の企業は、学生向けに情報発信を行っています。
就活生の主な情報源は求人サイトや大学の就職サポートのほか、SNSも大きな割合を占めています。
就活生に人気のある企業は、学生向けにSNSで求人情報や会社の様子を発信し、入社する前から働く姿をイメージさせる戦略を取っているところが多いです。
就活生にとっても、求人票の情報だけを鵜呑みにするよりも、実際に働く社員の姿や社内の風景を見られる方が企業に親近感を抱けます。
人気業への就職を成功させるには、基本的なポイントを押さえることが大事です。
4つの大事なポイントを紹介します。
最初にすべきことは、就職活動で何を大事にしていくのか、就職後の自分がどうなっているのが理想なのかという軸を決めることです。
「とりあえず内定を貰えればいい」という考え方では、採用担当者にはすぐに見抜かれてしまいます。
人気企業に就職を目指すなら、その企業を選んだ具体的な志望理由、入社後のビジョンを明確にしておくことが大事です。
軸を決めることで活動の方向性も決めやすく、自分の希望業種もはっきりするでしょう。
人気のある企業に就職したいなら、企業の合同説明会や企業イベントには積極的に参加しましょう。
何度か参加する中で採用担当者と顔見知りになれば、採用担当者から「この人はうちに就職する気持ちが強いのだな」と前向きに捉えてもらえます。
それだけで就職が成功するわけではありませんが、他の候補者と最終的な選考まで残った時、そうした活動が合否を分けることがあります。
また、企業の知識や技術、社風をより詳しく理解する良い機会にもなりますから、企業説明会にはどんどん参加してください。
人気企業への就職を目指す際は、目標とする企業を1つだけに絞らず、色々な業界に視野を広げることも大切です。
1つに絞ると自分の可能性を狭めてしまい、自分自身の魅力や特徴を活かせないことになります。
逆に、広い視野を持っていれば新たな物事の見方、仕事への価値観も変わっていくでしょう。
自分の可能性を広げるためにも、色々な業界に興味を持ち、「この業界は自分に合うだろうか」という疑問を持つようにすることが大切です。
面接の場で採用担当者に好印象を与えるには、コミュニケーション能力も必須の要素です。
むしろ、コミュニケーション能力がないと判断されれば、それだけで落とされる可能性もあります。
特に採用面接の場では、自分の意図を正確に相手に伝えることが重要で、コミュニケーションを上手く取れないと入社後に苦労することがほとんどです。
また、入社後は社内だけでなく、社外との交渉や会社製品のユーザーと話す機会も増えます。
その場面で、「私はコミュニケーションが苦手だから」では言い訳になりません。
就職成功に向けて、コミュニケーション能力を磨いておきましょう。
就活は元々興味のある分野を希望するだけでなく、他の就活生がどの企業を希望しているのか、人気企業を参考に自分の就職先も選びましょう。
他の就活生とも情報を交換しながら、就職先の視野を広くすると、自分に合った企業を見つけやすくなります。
まだ自分の希望が見つかっていない人も、人気企業のランキングを参考にすれば、就職活動の参考にできます。
最終的に決定するのは自分自身になりますが、人気企業のランキングを活かして自分の選択肢を広げてください。