就職先の決め方を徹底解説!企業の選び方・見るべきポイント

大学卒業が近づいてくる中で、就職先の決め方について慎重になっている人も多いかと思います。就職先は社会人としての人生をスタートする大事な場所であり、「どこに就職すればいいのだろう」と悩んでいるはずです。

今回はなかなか就職先を決められずに悩んでいる人向けに、企業の選び方ややってはいけない就職先の決め方などを詳しく解説します。これから就職活動を本格化させる方も、内定がもらえそうな方も、ぜひ本記事を参考にしてください。

就職先がなかなか決められない理由は?

大学生が3年生の後半に入る頃には、周囲が就職活動で賑わい始めます。既にやりたいことが明確であればよいですが、就職先の候補がいくつもあったり、やりたい仕事のイメージが明確になっていなかったりすれば、就職先を決められないことも珍しくありません。

また、内定を複数社からもらっている場合、どこの会社に就職すればよいか迷うこともあるでしょう。

こうした迷いが生じてしまう理由は、就活における自分の軸が定まっておらず、仕事への価値観にブレが生じてしまうことが大きいです。自分が何をやりたいのか、仕事で大事にしたいことは何か、自己分析を行って自分を知ることがスタートラインになります。

就活生が就職先を選ぶ際の基準とは?

就活生が就職先を選ぶ際の基準についても詳しくみていきましょう。他の学生がどんなポイントを重視して就職先を選んでいるのか、ランキング形式で紹介します。

*参照:就活攻略論『【企業選びの軸】幸福度を高める7つの軸+面接での回答方法』

*参照:株式会社L100『2023年度卒業の就活生が企業を選ぶ上で最も重視するポイントの調査結果』(PR TIMES)

1位:働きやすさ

就活生が就職先を選ぶ際、最も多くの人が基準にしているのは「働きやすさ」でした。5人に2人は働きやすさを重要視しており、やりがいや収入などを圧倒しています。

近年はブラック企業が社会問題にもなっており、就活生も働きやすい職場を求めていることがわかる結果です。また、働きやすい会社は社員が定着しやすく、満足度が高いことも就活生の意識に影響していると考えられます。

2位:仕事のやりがい

第2位が仕事のやりがいで、新卒という仕事に強い熱意を持つ年代だからこそ上位に来る回答になっています。就活生の多くが仕事に高い意欲を持ち、達成感や目標を持っていることがわかる結果です。

また、やりがいは仕事を選ぶ際の大きな軸になることも多いため、就職先選びでは非常に重要なポイントと言えるでしょう。働きやすさと仕事のやりがいの2つで、6割以上の人が就職先を選んでおり、非常に大きな要素になっています。

3位:福利厚生の充実

次に多かったのが福利厚生の充実です。福利厚生とは有給休暇や産休・育休、会社で利用できるサービスなど、仕事とは直接関係はないものの、長く働くうえで重要なポイントです。

ただし、福利厚生を重視しすぎると、就活における志望動機が弱くなってしまうおそれもあります。福利厚生も大事にしつつ、仕事へのやりがいや適性もしっかりチェックしましょう。

4位:企業理念やビジョンに共感できること

就職活動で企業を選ぶ際、意外と大きなポイントになっているのが企業の理念やビジョンへの共感です。企業理念やビジョンは仕事へのやりがいにも繋がるとともに、就職先がどのような会社なのかを端的に表すものです。

どれほど優れた条件で求人を出していても、企業理念やビジョンに共感できなければ、就職後のミスマッチに繋がってしまいます。就活生にとっては「自分の能力をこの会社で発揮したい」と思える出会いが、就活における大事なポイントになっているようです。

5位:会社の安定性

第5位は会社の安定性となっており、安定志向の就活生も一定数いることがわかります。上場企業や公務員など、就職後に安定した仕事と生活を送りたいと考えるのは、就活生でなくても自然なことです。

中小企業は経営基盤が安定しておらず、過酷な労働を課される場合もあります。安定した会社で勤め、キャリアアップしていきたいと考える就活生も少なくないようです。

就職先を考え抜いて決めるべき理由

就職先を決める際は、適当な理由で選んではいけません。しっかりと考え抜いたうえで就職先を決めなければ、就職後の後悔に繋がります。

なぜ就職先を考え抜くべきなのか、その理由について解説します。

ミスマッチは早期離職に繋がりやすい

就職先を決める際に、「給料がいいから」「年間休日が多いから」「口コミで評判がいいから」などの理由で就職先を選ぶのはNGです。なぜなら、それは仕事に直接関係のない情報であって、仕事が自分に合っているかどうかで選んでいないからです。

自分に合わない仕事を選べば、就職後にミスマッチを起こしてしまい、「こんなはずでは…」と思いながら早期離職に繋がることがあります。

また、早期離職は次の転職で少なからずマイナスに働きやすく、面接などで「なぜ前の会社をすぐに辞めたのですか」と訊かれる可能性が非常に高いです。

しっかりと考え抜かずに就職先から内定をもらってしまったなら、就職する前にもう一度「なぜこの会社に就職するのか」を考えてみましょう。

適性に合わない仕事を選ぶ可能性がある

就職先をよく考えずに決めると、自分の適性に合わない仕事を選んでいる可能性があります。ほとんどの就活生は就活の最初に自己分析を行い、自分の適性に合った仕事を選ぼうとするでしょう。

しかし、自己分析で手を抜いてしまうと、適性が正確に判断できず、自分に合わない仕事を選んでしまうことがあります。適性に合わない仕事は自分の能力を発揮できないだけでなく、仕事そのものが強い負担になっていきます。

自分の強み・弱みをしっかりと把握したうえで、能力に合った仕事を選択してください。

ストレスで体調に異変を起こすリスクがある

就職先が自分に合っていないのに働き続けると、ストレスだけが蓄積していきます。ストレスが許容できる限界を越えれば、うつ病や適応障害、生活習慣病、自律神経失調症などを引き起こし、日常生活を送ることも困難になるでしょう。

それだけでなく、適性に合わない仕事は自分の成長を阻害し、上司からの叱責、同僚からの悪口・陰口の対象になることも考えられます。そのまま続ければ、自己肯定感が下がり、さらに能力を発揮できなくなるという悪循環に入る危険な状態と言えます。

大学卒業後はおよそ40年の社会人生活が待っていますから、抱えきれないストレスを感じながら働くのは間違いです。健康な状態で長く働き続けるためにも、「ここで働きたい」と思える職場を探すことが大切です。

1日の半分程度は仕事で占められている

日本の会社では、1日に7~8時間程度、週に5日働くのが一般的です。加えて、残業があれば就労時間はもっと長くなり、通勤・退勤時間も含めれば、睡眠時間を除いて1日の半分程度を仕事に費やしています。

仕事が終わり、家で自由に過ごせる時間は多くても5時間程度しかなく、仕事が1日においてどれだけ大きな比重を占めているかわかります。

つまり、就職先をよく考えずに選んでしまえば、1日の半分を苦痛に感じながら過ごすことになるでしょう。嫌な感情を抱きながら働くのは想像を絶する苦痛ですから、就職先をしっかり考え抜いて決めることは非常に重要です。

絶対にやってはいけない就職先の決め方

就職先を決める時に、絶対にやってはいけない選び方・決め方を紹介します。紹介する決め方に当てはまる人は、就職先について改めてしっかりと考えてみましょう。

イメージだけが先行して決めてしまう

就職先を選ぶ際に、自分のイメージだけが先行して、実際の現場を知ることなく決めていないでしょうか。例えば、SEが1日中パソコンと向き合い、誰とも話さないイメージを持っている人がいると仮定してください。

「SEは人とあまり関わらずに済む」「パソコンの作業だけしていればいい」と考えて、楽そうな仕事だと思って選ぶ人がいるかもしれません。

しかし実際には、SEは上流と下流という工程があり、それぞれの工程でクライアントとの相談、プロジェクトマネジメント、他のエンジニアとの共同作業など多くの人と関わらなければならない仕事です。

自分の知るイメージだけで仕事を想像してしまい、就職先を選り好みするのは得策ではありません。いざ働いてみると現実とのギャップを感じてしまうこともあるため、就職先を決める前に実態を自分の眼で見ることを大切にしてください。

インターネットやSNSの情報を鵜呑みにしてしまう

現代の就活生は1人1台スマホを持っており、自分で情報の発信も収集もできる環境にあります。特に、SNSを利用する人は非常に多く、就活においてもインターネットやSNSで情報を集めている方がほとんどです。

しかし、インターネットやSNSには不正確な情報や意図的に嘘を流している人物も多く、鵜呑みにするのは危険です。SNSを通じて就職内定をもらった就活生が、就職1週間前になって採用拒否されたという事例も現実に起きています。

インターネットを利用すると多くの情報が手に入りますが、情報の真偽が正しいか、現実的な情報かどうかを判断することが重要です。もちろん、インターネットもSNSも便利なツールですから、使い方を考えることがポイントです。

他者から手に入れた情報が本当に正しいか、見極める能力に自信がない人は、インターネット・SNSの情報だけを鵜呑みにして就職先を決めるのは避けてください。

職場見学やインターンシップに参加せずに決めてしまう

就職先を決める場合は、実際に働く場所を見学し、可能なら長期のインターンシップにも参加することが望ましいです。実際の職場を一切見ることなく、話だけを聴いて決めると失敗の元です。

インターンシップが難しい時は、最低でも職場見学だけはさせてもらいましょう。職場全体の雰囲気を確認し、従業員の表情や仕事の様子、導入されている設備などを細かくチェックしてください。

職場を知ることで、従業員の方が仕事とどう向き合っているか知り、自分の能力をどうやって活かすかを考える機会にもなるはずです。

就職先の選び方・決め方のコツ

これから就職先を探そうとしている人に向けて、選び方・決め方のコツを詳しく解説します。

自己分析で適性や強みを理解する

就活生が自分に合った就職先を見つけるには、最初に自己分析を行い、自分の適性と強み・弱みを知ることが大切です。適性はどんな職種が向いているか決める参考になり、自分の能力を最大限発揮しやすい職場を選ぶ際の決め手になります。

強みと弱みも、就職面接でアピールする際に使いやすい情報です。特に、弱みを知ることは自分を客観視することに役立ち、どうやって克服していきたいのか、将来に向けてのビジョンを語る材料にできます。

自己分析ではほかにも、これまでにあった出来事や経験、自分の価値観が客観的に理解できます。自分を客観視できれば、自分がどんな時に感情を強く見せるのか、根底にある価値観を言語化する助けになるはずです。

企業研究で情報を整理する

自己分析で自分に向いた業界・職種が把握できたら、次は企業研究で就職先への理解を深めることも大切です。どの業界にもトレンドや特徴、新しいサービス・製品はあります。

そして、企業研究では1つの業界だけにこだわるのではなく、色々な業界と企業を分析して、比較検討しましょう。1つの業界・企業だけを分析・研究しても、他と比較しなければ、どの点が優れているかわかりません。

どの点に魅力があり、自分と合う点・合わない点を冷静に判断し、最適な企業を就職先にしてください。企業分析をする際は、より満足度の高い業界・企業を選ぶことが、就活を成功させるコツです。

就職活動の軸を決める

就職活動の時点で、就職後のプランまで決める必要はありませんが、就活で大事にしたい軸は決めてから活動しましょう。就活における軸とは、仕事へのやりがいや給与、待遇、キャリア、将来性、資格取得、海外出張など、自分が会社に求める条件です。

完璧を求めるとキリがありませんから、優先順位をつけて、「ここだけは譲れない」と思う条件を決めてください。軸を決める際は、社会人として自分がどうやって働きたいか、理想の自分をイメージして考えることが大事です。

就活の軸を決められれば、就職先を決める段階で迷うことも少なくなるため、自分が仕事に求める条件を明確にしておきましょう。

ライフスタイル・ライフプランまで考えて選ぶ

就職選びでは、自分が理想とするライフスタイル、将来的なライフプランも含めて選ぶことがポイントです。短期的な視点はライフスタイル、長期的な視点ではライフプランを意識してください。

例えば、休日は趣味に時間を割きたい方なら、土日や祝日は仕事が休みで、まとまった時間を取りやすい仕事が理想的です。また、有給を希望した際に、取得しやすいか、残業がどのくらいあるかもライフスタイルに大きく影響するでしょう。

ライフプランでは、産休・育休制度の取得率や利用実績、フレックスタイム制、テレワークなど、柔軟な働き方に対応しているかどうかが重要です。特に、女性の場合は妊娠・出産で休まざるを得ないこともあるため、ライフプランを考えなければなりません。

就職後に後悔しないためにも、ライフスタイルとライフプランを考慮し、短期・長期の視点で適した企業を選んでください。

まとめ:色々な業界・企業を調べて自分に適した就職先を選ぼう

就活で希望する就職先が見つからず、どう進めるべきか悩んでいる大学生も多いでしょう。就活で悩みを持つことは恥ずかしいことではなく、多くの就活生が迷いながらも活動を続けています。

まずは自己分析と企業分析を行い、自分を客観的に評価することです。自分を客観視できれば、次は就職先の視野を広げ、自分が本当にやりたい仕事を見つけましょう。

他の就活生の就職先を羨ましく思うこともあるかもしれません。しかし、大事なことは自分に合った就職先かどうかです。
他者と自分を比較しすぎず、自分が働きたいと思える職場を慎重に選んでください。


おすすめ関連記事

知らないと損する!?退職日の決め方ガイド
転職する際に設定する退職日。いつが損でいつが得するのか知っていますか?
女性が一生食べていける、ゼロから取れる資格は?
女性におすすめの様々な資格を紹介!現代では、自分の価値を高め、女性磨きの為資格を取得する人が増加中。転職の時や周りの人の為に活かせる資格取ってみませんか?
履歴書でも使える特技ストック10選
履歴書を書くときに悩む項目といえば「趣味・特技」の項目ではないでしょうか。「当たり障りないものを書いておけばいいや」と適当に書いている方はいませんか?
あなたのそばにもいる?無能な上司
無駄に部下の足を引っ張る能力が高い上司=無能な上司。ダメ上司チェックリストを使った特徴と対策方法をご紹介します。
40代の転職失敗は地獄。なぜ?
残酷なことに転職にチャレンジした40代が転職に失敗し後悔する人が後を絶ちません。転職で年収136万円ダウンした例も!ここでは40代の転職で勝つヒントをご紹介します。

参考サイト
厚生労働省
内閣府
ハローワーク
職業情報提供サイト
日本経済連合会
転職コンサルタント
中谷 充宏
梅田 幸子
伊藤 真哉
上田 晶美
ケニー・奥谷