コロナでも在宅勤務がNG!?IT業界のテレワークの実態

新型コロナウイルスの感染防止のため、首都圏を中心に多くの企業がテレワークを実施しました。その中でもIT業界のテレワーク導入率はトップクラスの高さです。そのため、IT業界への転職を考える人も少なくありません。

「IT業界に転職すれば在宅勤務ができる」と思われがちですが、実態はかなり違います。このページでは、IT業界にテレワークが多い理由、緊急事態宣言解除後のテレワークの状況、IT業界でもテレワークができない会社をお伝えします。

最後にIT業界でテレワークができる会社を探す方法も紹介しているので、転職を検討中に人は必見ですよ。

コロナ感染前からIT業界のテレワーク導入率が高い理由

IT業界は、新型コロナウイルスの感染拡大前から他業界と比べてテレワークの導入率が高い傾向にあります。総務省が2020年12月に行った調査によると、情報通信業のテレワーク導入率は、46.5%。全体平均が20.2%なのに対し、IT業界の導入率は2倍の多さです。

IT業界で働くSEやプログラマーなどは、ドキュメント作成やプログラミング、テストなどデスクワークが多い職種です。お客さんや他メンバーと打ち合わせをする機会があるものの、ZOOMやGoogle Meetなどビデオ会議を使えば、会社に出社する必要はありません。ITリテラシーが高い人が多いため、チャットやビデオ会議を使うことに抵抗がありません。

口頭や電話だけのやり取りだと「言った言わない」のコミュニケーションのトラブルが起きがちです。テレワークが本格的に導入される前から、IT業界ではトラブルを防ぐ目的で、他業種と比べて履歴が残るメールやチャットを使ったコミュニケーションが多い傾向にあります。そのため、テレワークで業務のコミュニケーションが、口頭や電話からメールやチャットに切り替わっても、違和感を覚える人は少ないでしょう。

IT業界では、業務の電子化も進んでいます。そのため、社内のセキュリティ対策をしっかり行えば、短時間でテレワークに移行しやすい傾向にあります。

緊急事態宣言解除後のIT業界はテレワークを継続中なの?

統計資料で数値にばらつきはありますが、新型コロナウイルス感染拡大後のIT業界のテレワーク導入率は6~8割程度。もともと、テレワークに切り替えやすい業種なので、納得できる数字といえます。

私は、フリーライターになってからSlerに取材してIT製品のPR記事を書く機会が増えました。3月中旬以降のSlerへの取材は、すべてZoomをつかったオンライン取材です。取材先のSlerはほとんどの人が、自宅から取材に参加していました。

また、大手Slerに客先常駐する私の夫も、4月7日に7都道府県で緊急事態宣言が発令されて以来、ずっと在宅勤務です。ニュースや新聞を見ると、緊急事態宣言解除後は、オフィス勤務が増えたとの話をよく耳にします。しかし、私の夫や取材先のSlerは、緊急事態宣言解除後も在宅勤務を継続中で、オフィス勤務に戻す目途はたっていません。

ネットや口コミ情報を調べてみても、緊急事態宣言解除後もIT業界では、全体的にオフィス勤務と並行しながらテレワークを継続する企業が目立つ傾向にあります。

コロナ禍で増えたIT業界の転職希望者

コロナ禍におけるIT業界のテレワーク導入率の高さから、20代を中心にIT業界への転職希望者が急増しています。既卒・第二新卒向けの転職サイト「Re就活」が、2020年4月に登録者に「転職の際に魅力を感じる業界」という題目でアンケートしたところ、37.8%の人がIT業界と答えています。

同サイトで1月にも同じアンケートをとったときは、IT業界に魅力を感じる人はわずか10%。この3か月間で、他業種は横ばいかダウンしたのに対し、IT業界だけ3倍も数字が増えています。

IT業界に魅力を感じる理由を聞いたところ、「テレワーク向きの業界だから」「テレワークの環境が整っているから」「コロナ後も需要がある業界で成長したい」との意見が目立ちました。

20代の若者がテレワークをしたい詳細な理由は、アンケートからはわかりません。おそらく、「業務の生産性が上がる」「通勤が不要」「飲みにケーションがない」などの理由で、テレワークができるIT業界に魅力を感じているのでしょう。

旅行業や飲食、小売業など接客を伴う業種は、出勤しないと仕事ができないうえ、お客さんが来店しないと会社の業績は上がりません。コロナ禍で業績が大幅にダウンし、店舗縮小や倒産する会社もあります。先行きの不安を感じて、テレワークでも業務が継続できるIT業界に魅力を感じているのかもしれません。

コロナのせいでIT業界の求人は減った?

転職サイトDODAの2020年5月の転職求人倍率レポートを見ると、IT・通信業界全体の有効求人倍率は5.84%。4月と比べて2.01%ダウンしたものの、全業種の有効求人倍率は2.03%なので、コロナ禍でもIT業界は他業種と比べて転職しやすい傾向にあります。

IT業界全体は、古い基幹システムやIT基盤のリプレイス、メインシステムのクラウド移行、テレワークシステム導入などで他業種からのニーズは増えています。企業のIT調査・コンサルティングを行うITRが「コロナ禍の企業IT動向に関する影響」を調査した結果、約7割の企業が「自社のIT戦略は加速すると思う」と答えています。

コロナショックで景気が低迷しても、他業種からのIT化のニーズがあるため、IT業界の有効求人倍率は、今後もコロナ前とほぼ同じ水準のままでしょう。

IT業界でもテレワークが導入できない会社

テレワークが進んでいると思われがちなIT業界。しかし、IT業界でもテレワークが不可能なケースがあります。

特にSlerは、自社勤務はテレワークの許可が出ても、客先常駐だと緊急事態宣言中でもオフィス勤務を続けるケースが少なくありません。

CTC、NRIは、客先常駐社員に対しては、在宅勤務を強く推奨していません。常駐先の方針を尊重するとのスタンスです。常駐先にテレワークの環境が整っていなければ、出社せざるを得ない状況です。

NECやTIS、日本IBM、富士通などは客先と個別に調整中、可能な限り在宅勤務に変更などで明確な方針は決まっていません。また、通信や金融など社会インフラを支えるシステムの開発や運用に携わる社員は、全業務のテレワーク移行は難しい状況です。

日本の企業の99%は中小企業。IT業界でも大手Slerはほんの一部で、下請けの中小Slerが大半を占め、彼らのほとんどが客先常駐で働いています。顧客である大手Slerの社員が出社していたら、中小Slerはテレワークへの切り替えができないでしょう。もちろん、私の夫のように客先常駐でもテレワークの許可が下りるケースもあります。

IT業界でも、会社や職種、配属先によりオフィス勤務を継続する場合があるので、転職する際は事前に応募企業の勤務スタイルを調べておきましょう。

テレワーク可の求人を探す4つの方法

テレワーク可の求人を探す方法は、4種類あります。それぞれのメリット、デメリットを簡単に紹介するので、テレワークができる会社に転職したい人は参考にしてみてください。

転職エージェント

当サイトで一番おすすめのテレワーク求人の探し方が、リクルートエージェントやワークポート、ギーグリーなど転職エージェントです。転職エージェントの種類も色々あり、紹介してくれる求人の傾向が異なります。大手やIT業界専門、20代専門など2~3社登録して使い分けてみるとよいでしょう。転職エージェントのメリット、デメリットをまとめてみました。

■メリット

・専任のコンサルタントがつくので希望の求人を探しやすい
・職務経歴書の添削や面接対策が無料で受けられる
・面接や入社日の日程、年収交渉を代行してくれる
・テレワークの頻度や社風など応募企業の詳細がわかる
・年収アップの転職を実現しやすい
・入社後の想定年収や福利厚生などの条件がわかる

■デメリット

・希望しない求人を紹介されることもある
・応募から内定までの期間が長い
・経験が浅いと紹介される求人の数が少ない
・書類選考の通過率が低い
・コンサルタントとの相性が悪いとストレスがたまる

転職サイト

転職サイトとは、リクナビNEXTやDODA、en転職、マイナビ転職などで求人サイトのこと。早く転職先を決めたい人や、何度か転職経験があり転職慣れしている人は、転職エージェントよりも転職サイトの方がかえって使いやすいかもしれません。転職サイトのメリット、デメリットは、下記を確認してみてください。

■メリット

・企業規模、勤務地、職種問わず求人の選択肢が多い
・応募から内定までの期間が早い
・志望動機や職務経歴書の書き方など転職のハウツー記事がある
・オファー機能があるので、企業からスカウトされる可能性もある
・IT業界の未経験者でも応募できる求人が多い
・入社後の想定年収や福利厚生などの条件がわかる

■デメリット

・求人票からテレワークの頻度、会社の雰囲気、離職率など不明
・面接の日程調整や給与交渉を全部自分でやらなければならない
・テレワーク可の求人が全体的に少ない
・求人広告には良いことしか書かないので、ブラック企業の判断が難しい

SNS

最近は、TwitterやWantedlyなどSNS経由で転職先を決める人が少しずつ増えてきました。主にWeb系のベンチャー企業がSNSを使って求人を募集しています。Twitterは、次のようなつぶやきをすれば、募集企業から面接のオファーがくる場合もありますよ。

(Twitterの投稿例)
プログラマー転職希望
・経験:java、C++の開発歴3年
・年齢:26歳
・希望年収:400万円以上
・勤務地:テレワーク希望

また、Wantedlyは、「話を聞きに行きたい」ボタンを押せば、正式な選考に入る前に「テレワークの実施状況」などを気軽に質問できる仕組みとなっています。SNSを使った転職のメリット、デメリットをまとめてみました。

■メリット

・気軽に相談しやすい
・転職サイトや転職エージェントにない求人がある
・募集企業は20~30代の若手社員が多い

■デメリット

・ベンチャー企業が多いので大手志向は不向き
・応募前に年収や福利厚生など条件を知ることができない
・求人の選択肢が少ない
・面接の日程調整や年収交渉は全部自分でやる必要がある

リモートワーク専用求人

RemoguやReworkerなどリモートワーク専用求人で転職するのも1つの手段です。実務経験が長く、スキルが高い人におすすめの転職方法です。リモートワーク専用求人で探すメリット、デメリットをまとめてみました。

■メリット

・リモートワーク可の求人しかないので探しやすい
・フルリモート、フルフレックスの求人もある
・間にエージェントが入るので、自分の希望にあった求人を紹介してもらえる
・面接の日程調整や年収交渉をエージェントに依頼できる
・応募前に想定年収や福利厚生など条件がわかる

■デメリット

・未経験者や経験の浅い人向けの求人がない
・エージェントから紹介がないと応募できない
・求人の数が少ない
・正社員求人とは限らない。フリーランスや業務委託の求人も多い

結論:IT業界でもテレワーク実施状況は会社次第

SEやプログラマーが働くIT業界は、下記理由から新型コロナウイルス感染前からテレワークを積極的に導入する企業が多い傾向にあります。

・パソコンとインターネットがあれば、場所を選ばず仕事ができる
・社員のITリテラシーが高い
・テレワークができる環境が整備されている

しかし、IT業界でも客先常駐があるSlerは、客先にテレワークシステムがない、セキュリティ対策が万全でないなどの理由でコロナ禍でも出社する人はたくさんいました。社会インフラにかかわるシステムに携わる人たちも、簡単にテレワークに移行できません。

他業種と比べてテレワークの導入率は高いものの、IT業界だからといって必ずしもテレワークができるとは限りません。転職する際は注意が必要です。確実にテレワークを導入している会社に転職するなら、専任コンサルタントから応募企業の詳しい内情を教えてもらえる転職エージェントを使うことをおすすめします。


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参考サイト
厚生労働省
内閣府
ハローワーク
職業情報提供サイト
日本経済連合会
転職コンサルタント
中谷 充宏
梅田 幸子
伊藤 真哉
上田 晶美
ケニー・奥谷