「転職してよかった!」
そう思う人はどのくらいいるのでしょうか?
アドバンスフロー社のアンケート調査によると、転職経験者の87.2%が「転職して良かった」と回答していることがわかりました。その理由として、全体の21.1%が「給与がUPした」ことをあげており、次いで「人間関係が良くなった」(14.3%)、「やりたい仕事ができた」(14.3%)の順となっています。
とはいえ、
・どうやって転職活動したらいいの?
・失敗したらどうしよう!
と不安に思っている人も多くいると思います。
この記事では、20・30・40代の年代別に様々な職種・業種の転職経験者からの体験談をご紹介しています。
「ここがうまくいった」「ここに注意して転職活動した」など、体験談から学び今後の転職活動のヒントしてもらえればと思います。
転職前:システムエンジニア→転職後:会計事務所職員
転職前はシステムエンジニアとして働いていたため、コーディングを担当することが多かったです。
コーディングはエンジニアの仕事のメイン業務でアルファベットの羅列に意味を持たせ、ソースコードを記述していく作業です。
また詳細設計を担当することもあり、こういったシステムが作りたいと上に言われた内容をそれが実際に実装可能なのか。
そしてそれがどの程度の難易度でどの程度の時間がかかることが想定される内容なのかをまとめる仕事も行っていました。
ただ特にコーディングが得意ではなかったので、楽しんで仕事はできていない状態にありました。
残業時間が多く、仕事が楽しいと感じられなかったからです。
私は残業時間を20時間以内という希望でその会社に就職をしたのですが、研修が終わり現場配属されると短くても月に50時間ほどの残業がありました。
また残業代も満額支払われることはなく、仕事の成果もまともに受けられていない環境でした。
それでも仕事内容が楽しければまだ我慢できたのかもしれませんが、未経験入社で楽しいと思える内容でなかったので毎日が辛く転職を意識しました。
この二つにした理由は就職1年半で辞めたため大手サイトにあるような大手の求人内容に入り込めるだけのスキルがないことが自覚できていたため、中小企業で勝負したいと考え、新卒の時に使用していたエン・ジャパン系列の転職サイトを利用しました。
ハローワークは地元企業が多いからです。
前職時に片道2時間かかっており、あまりにも通勤時間が長いと感じていたため地元企業に関心がありました。
一日残っても15分ほどで周りの方も残業することなく帰っていくので、新人の私も帰宅するのに気を遣うことがありません。
仕事内容も高校、大学と7年間会計学を専攻していたため今の仕事にマッチしており、毎日の仕事が楽しいです。
仕事内容は毎月のお客様の帳簿の整理で売上や仕入れなどのデータをまとめ月ごとの利益を出しています。
そして年に一度決算業務を行い、年末調整、確定申告も担当しています。
転職して残業時間は大幅に短くなり、辛い楽しくないと思っていた仕事から解放され、やっていて楽しいと思える仕事に出会えました。
通勤時間も2時間ほどかかっていたのが、今は片道20分ほどなので通勤時間も大幅に短縮され、満員電車のストレスからも解放されました。
職場環境も残業がなかったりするので穏やかな雰囲気で仕事で来ています。
給料も月当たり1万円ほどですがアップしたので、給与面も満足しています。
なによりストレスのない環境で仕事できており、転職は大成功です。
転職前:雑誌編集→転職後:コピーライター
大学を卒業して入社したのが、大阪にある某雑誌社でした。名前は昔からよく聞く雑誌で、それなりに期待して入社したのですが、とんでもないブラック企業でした。
研修らしいものは何一つなく、渡されたのは前職者の引き継ぎノートのみでした。「それ読んで仕事の内容把握して」と一言言われて、呆然としました。
とりあえずの仕事は無いのに、毎日21時くらいまで会社に残って、引き継ぎノートばかりを眺める日々が続きました。
そのうち、取材や記事作成をさせてもらえるようになりましたが、残業は酷くなるばかりでした。ひどい日は23時くらいまで会社に残って仕事をしていました。
編集会議や打ち合わせが頻繁に行われるのですが、毎回が編集長と副編集長VS主任という展開で、お互いのこだわりのぶつかり合いで話が進みません。
バカのか?と新人ながら思ってしまうほど意味のない打ち合わせが多かったです。
副編集長は女性で、社員同士の会話がなぜか禁止されていました。昼休みも一人で取るように言われて、意味がわかりませんでした。
そのうち、先輩の一人と仲良くなりいろいろ内部事情を聞くことができました。編集長と副編集長は昔から愛人関係で、副編集長は被害妄想の塊のような女だということがわかり、程度の低さに唖然としました。
そのうち体調を崩して、2日間眠り続けたことがあって、目が覚めたと同時に転職を決意しました。
営業課の男性でとても親切にしてくれる方がいらっしゃり、会社を紹介してくださいました。
ここよりもずっと若い人たちで経営しているデザイン会社で、おそらくあなたに合うだろうということで面接を設定してくださいました。
大学を卒業してから半年間の出来事で、大人の嫌な部分をたくさん見てきて、どの会社もある程度はいい加減な部分があるのだろうと不信感がありましたが、面接をしていただいてその考えは払拭できました。
負けた気がするからと退職を先延ばしにするよりも、さっさと辞めて正解でした。
新しい会社に採用されて働き始めるまで、前会社を退職してから1ヶ月も経っていませんでした。
人員が足りないということで、親しくなった前会社の先輩を紹介しました。
コピーライター室をあてがわれて、コピーライターの主任と私と先輩の3人で使っていました。
仕事内容も私の大好きな舞台の取材や国際イベントの取材などやりがいのあるものばかりで夢のようでした。
大手企業での会議や、プレゼンなど若くてもアイデアを出せばどんどん任せてもらえて、とても良い経験ができたと思っています。
残業がなくなりました。仕事は会議や打ち合わせ以外、原稿を作るのは基本どこでも作業ができるので、定時になったら家やカフェで作業できるの環境がものすごく気に入っていました。
会社でも3人だけの部屋なので、自分の部屋のようにくつろげるから会社での作業も好きでした。社長も若く、なんでも柔軟に対応してもらえたので働く環境としては最高でした。
年収は一般企業のOLよりはもう少したくさんいただけていたと思います。仕事のアイデアを出すために、プライベートでも本をたくさん読み、映画屋舞台をたくさん観て勉強をしました。
前職:法務→転職後:法務
転職前の会社はソフトウェア開発の会社であり、私は法務部のリーダー(主任クラス)として法務業務を担当していました。法務部は2名であり、法務部長の下に私がいるという状況でした。
仕事の具体的な内容は、取引先との契約書のチェックが80%を占めていました。
請負契約書や秘密保持契約書、ライセンス販売の契約書のチェックです。そして、重要な契約書のチェックについては、顧問弁護士にもチェックを依頼していました。
また、会社の戦略として、会社の固有の技術については積極的に特許申請をする方針をとっていたため、特許申請の仕事が20%を占めていました。
転職を考えた時期は、入社してから4ヶ月後でした。そのように早い時期に転職を考えたきっかけは、わずか入社4ヶ月目に年収を30%も減額されたためです。
雇用契約書には、3ヶ月ごとに人事考課を実施し、人事考課の結果によっては年収を変動させると明記されていました。それについては採用面接試験でも聞いていました。
ところが、入社してから最初の人事考課において一気に最悪の人事評価をされてしまい、年収を30%も減額されたのです。
私は、そのような大幅な減額は、法令に違反しているのではないかと人事部に抗議したのですが、無視されてしまいました。そこで、転職を考えるようになったのです。
私が転職前の会社から受けた仕打ちは、非常に卑劣なものでした。しかし、それでも4ヶ月間で退職してしまっては、次の会社を見つけることが困難となってしまいます。そのため、我慢して1年間在籍しました。
入社してから1年後に、JACリクルートメントやリクルートエージェントなどの転職エージェントに登録したり、リクナビネクストやエン・ジャパンといった転職サイトに登録して転職活動を開始しました。
しかし、法務職の管理職ポジションに応募しても、ほとんどが書類選考段階で落ちてしまい、転職活動は困難な状態が続きました。転職エージェントの担当コンサルタントによると「応募した企業の人事部からは、理由は十分に理解できるが、在籍年数が1年では社内稟議をとおすことが難しいと言われた」との説明を受けました。
私は悩んでしまいましたが、転職活動を続けるしかありません。30%も減額された年収では、生活していくことだけでやっとだからです。
しかし、転職活動を開始してから10ヶ月経過して、転職エージェントのJACリクルートメントの担当者の尽力のおかげもあり、やっと1社から内定通知をもらうことができました。とても疲れました。
新しい職場は、携帯電話などの携帯端末用のアプリやソフトウェアを開発するベンチャー企業です。
社内にとても活気があり、社員のほとんどが中途採用組です。私はこの会社の法務担当マネージャーとして入社し、法務業務全般を担当しています。年収は600万円です。
具体的には、取引契約書や秘密保持契約書などのビジネス関連の契約書チェック以外に、株主総会の運営や、取締役会の議事録作成などをおこなっています。
また、株式事務も担当していることから、会社が増資をおこなうときには増資関連の書類(資本提携契約書、有価証券届出書など)作成も担当しています。
転職したことで、待遇は大きく変わりました。新しい職場では、年収は600万円の待遇です。前職は、年収500万円で入社し、30%減額されたわけですから大きな違いです。
また、前職の会社の職場は、社長のワンマン体制で社内の雰囲気は、暗かったです。職場で雑談をすることさえ、憚られる雰囲気がありました。
しかし、新しい職場は明るい雰囲気です。社員たちが自由に自分の考えを述べ合うことができるため、会社が常に前に向かって前進していると感じています。
転職活動を振り返ると、在籍年数の短さが問題視されて、なかなか書類選考さえ通過できませんでした。
しかし、歯を食いしばって粘り強く頑張った結果、いまの会社が私を拾ってくれました。いまの会社とJACリクルートメントのコンサルタントには感謝の言葉しかありません。
前職:医療系→転職後:自営業
オープニングスタッフとして社員となりました。そこから3年勤続しました。就職した当初から、上司から任される仕事が多い他、患者さんを担当制でみることが多かったです。
スキルアップにも力を入れ、セミナーなどにも多く参加しました。
けれど、スタッフが長く続かず、指導する時間も多くなり、責任ばかりがのしかかる状況でした。
それでも、多くの患者さんから信頼を得て、担当する患者さんが多くなることは喜びでもありました。
同じ職種で転職をしても、同じような悩みにぶち当たる事が多く、すごく悩んでいました。
独立を考えるようになってからは、転職サイトなどはみる事はなかったです。
独立をするにはどうするべきか、どのようなスキルがいるのかを勉強しました。またモデルとなるようなお店へ足を運ばせ、施術を受けるなどをしてきました。
独立、起業するにあたり、全く収入がなくなることを避ける為、めどが立つまでは、以前の職場で働くことにしました。ですので、準備期間は1年ほどかかりました。
自宅を仕事場にしたことにより、通勤時間はもちろんゼロで、かつ自分の夢が実現し、以前よりも仕事が楽しいです。
仕事内容は、前職で身につけたスキルを活かし、サロンを立ち上げました。兼ねてから、雇われることは向いていないと感じることが多かったので、上司がいないストレスフリーな環境で働くことが出来ています。
もちろん、自分自身が努力しなければ、経営は成り立たないので、それなりに責任も今までと違った形で降りかかっています。
転職をして、また夢を実現するために行動できて、本当に良かったと思います。人生は一度しかないので、自分の人生の舵をとることが、やっと出来ているように思います。
まだ起業して間もないので、年収は少し下がっています。けれど、これから先に飛躍していくプランは立っているので、それほど不安もありません。
転職をすることは、歳をとるにつれ、お尻が重たくなってしまい、ダラダラと過ごしてしまいがちになります。
私も、このようなきっかけがなければ、行動にうつしていなかったかもしれません。けれど、動かず後悔するより、動いてみて失敗、経験を増やす方を選んで良かったと思います。
転職前:設計事務所→転職後:ハウスビルダー
小規模な町の零細設計事務所で、設計製図の手伝いをしていました。図面はCADで作成していましたので、どちらかといえばCADオペレーター的な仕事内容でした。
また、前の勤務先は仕事のほとんどをハウスメーカーからの下請けでもらっていましたので、企画やデザインから入る案件はなく、実施設計だけの業務が9割を占めていた関係もあって、デザイナー的な能力は身に付けることが出来ないでいました。
専門学校でデザインの勉強をした自分としては、そこに限界を感じる職場でした。
先に挙げた勤務先の仕事内容から来る限界が一番の転職理由です。
CADの操作をいくら覚えても、それ自体はデザインとは無関係ですから、自分が身に付けたかったスキルは身に付きませんし、経験を積むことも出来ません。
また、その仕事とて不安定で、仕事があるときは納期を守るために徹夜に近いことをしながら、仕事が無ければ仕事が来てからの準備と称してさしあたり必要のないことをして、夕方までの時間を潰すことに、疑問も感じました。
それで転職を考えたのです。
前の職場は知り合いの紹介でした。それでほとんど何も考えなかった自分も悪かったので、その反省を踏まえて、今度は出来るだけ選んで次の職場を探すべく、可能な限り機会を得たいと考え、転職エージェントに登録すると同時に、ハローワークにも何度も顔を出して、情報収集に努め、直接担当者から話を聞いたりするようにしました。
逆に、安直に知り合いに頼るのはよくないと思い、エージェントやハロワ以外の人には、転職の相談を一切しませんでした。結果としてそれで、よかったと思っています。
転職エージェントのコンサルタントの親身な対応により、2ヵ月で次の就職先がきまりました。
転職先は元請です。それまでの下請け一辺倒の職場とはそこが一番違う点です。
ただ、業務内容が異なりますから、単純比較は出来ませんが、やはり元請には下請けにはない可能性があります。
また、自由度もあります。そこが一番満足出来ている点です。やっと、学校で習ったデザインの技能を顧客に提示できる機会を得られ、満足感を得ています。
給料に関しては3割ほど増えました。安定した収入が得られることが、こんないもいいものだったのかという思いで、毎日が充実しています。
自分のしたかった仕事を、主体的な立場で出来る今の職場環境は、自分にはうってつけです。
前の職場で会得したCAD操作の技能も役に立っていますし、必要に応じて他の社員に教えたりしていますので、それを重宝がられていることも、職場での居心地のいいものにしてくれています。
今は業界の景気がいいこともあって、年収ベースでは前の職場に比べ5割増です。労働条件も、職場環境もはるかによくなりましたので、全般として転職して本当に正解でした。
いかがでしたでしょうか?
様々な転職体験談を厳選して掲載させていただきました。転職の方法は十人十色です。勉強と同じで転職方法に王道や正解はありません。
転職に失敗しないためには自分のできることを一つ一つ試していきましょう。
面接対策、書類対策、ブラック企業の見分け方など、第三者の意見も取り入れながら転職活動していくことで、自分のよかったところ、悪かったところも見えてきますよ。