転職活動のサポーターとして今や欠かせない存在となった転職エージェント。利用方法やメリットは広く浸透してきましたが、数あるエージェントの細かい違いというのはいまいち分からないものです。
今回取り上げるのは大手転職支援サービスtype転職エージェントと、エン・ジャパンが運営するエン・エージェント。求人数や拠点数、コンテンツの方向性など、利用前に知っておきたいポイントを徹底的に比較したいと思います。
自分が転職支援サイトに求めるサービスや、転職活動で大切にしたいことはなんなのかを見極める機会にもなりますよ。
今回対決するエージェントの紹介
転職エージェントの第一印象を決めると言っても過言ではない公開求人数。勝者となったのは大手転職支援サイトであるタイプ転職エージェントでした。
社名・キーワード・業種・職種・年収など、複数の条件を指定して検索できるのも便利。「IT業界の転職特集」「WEB業界の転職特集」「営業職の転職特集」など、職種ごとの特集も充実しています。
年収は300万円~2000万円以上と幅広く指定可能。思い切って未体験の仕事にチャレンジしたいとお考えの方は、年収で求人を絞ってみるのも面白いですよ。
その一方で、エンエージェントの公開求人は約2,000件と、転職エージェントの中ではやや寂しい結果に。メインで利用するのではなく、他の転職エージェントで満足できなかった際の補助サービスとして併用するのがオススメです。
非公開求人数はエンエージェントの圧勝! タイプ転職エージェントの倍以上となる1万5千件もの非公開求人を保有しています。公開求人数は少なめのエンエージェントですが、他の転職サイトには掲載されていない非公開求人に力を入れていることがわかりました。
もちろん、タイプ転職エージェントにも独占の非公開求人が存在します。その割合はなんと取り扱い求人全体の約80%です。各転職エージェントに登録した人だけが出会える案件がある、それだけ転職エージェントを併用するメリットは大きいということです。
企業が求人情報を非公開にする理由は、「好条件求人に応募者が殺到するのを防ぐため」「社外に採用活動を知られたくないため」「極秘プロジェクトの人員を確保するため」などさまざまです。キャリアアップや年収アップを目指すなら、うまみが満載の非公開求人をスルーしてはいけません。
タイプ転職エージェントの拠点は東京・赤坂にあります。東京まで足を運べない方の面談は基本的に電話で行われます。
東京・横浜・名古屋・大阪・博多と主要都市5ヶ所に拠点を持つエンエージェントは、各拠点にカウンセリングルームを設置しています。いずれのオフィスも最寄り駅から徒歩5分以内なのでアクセスも便利。
コンサルタントと直接会って話す面談は、自身の性格や人柄を知ってもらういい機会です。その後の求人探しにも影響してくるので、自分が行けるエリアに拠点があるかどうかは大きな判断要素となるのではないでしょうか。
エンエージェントは全国5ヶ所に拠点があり、国内全域の求人情報を取り扱っています。対するtype転職エージェントも、首都圏をメインに全国各地をカバーしています。ただし、type転職エージェントでは北海道の案件を紹介していません。
北海道の求人も見つかるということで僅差でエンエージェントの勝利となりましたが、両社ともやはり大都市に求人情報が集まっているため、地方在住の方にとっては物足りなく感じるかもしれません。
少しでも多くの求人情報を見つけたいならば、転職エージェントの併用は必須。求人エリアだけでなく「求人企業の幅を広げる」ということにも繋がります。
タイプ転職エージェントは海外勤務の求人情報がとても充実しており、非公開求人も含めると約500件となります。勤務地は中国・タイ・シンガポールなどのアジア圏から中東~アメリカと幅広く、グローバルな働き方を目指す方は要チェックです。
海外勤務の求人は600万円~1000万円と高年収案件が目立ちます。業界もメーカーや商社、IT・WEB・インターネット、建築・土木など多種多様。今の時代、転職活動の範囲を日本だけに絞るのはもったいないことだと言えます。英語力不問の案件も多いので、自分らしい働き方を求めて海外に飛んでみるのも決して無謀な選択ではありません。
type転職エージェントの面談は1時間半程度。面談ではあなたの経歴やスキルを整理し、希望する業界・求人の傾向と照らし合わせます。転職市場のニーズに応じたキャリアプランニングを行うことで採用率を上げたり、自分では考えつかなかった転職パターンを見出したりすることができます。
電話でのキャリアカウンセリングは30分から1時間ほど行われます。コンサルタントの顔が見えないことを不安に感じる方もいるでしょう。しかし、相手は転職サポートの経験が豊富なプロ。直接の面談でなくともしっかりと意思の疎通を図ることができます。
エンエージェントの面談は60分~90分。専任のキャリアパートナーがあなたの強みや魅力を明確にし、キャリアや希望に合った求人を紹介。もちろん、焦ってその場で応募を決める必要はありません。
タイプ転職エージェントの利用者は20代後半から30代が最も多く、若者に人気の転職支援サービスとなっています。20代のうちはキャリアに自信がなく「年収アップは難しい」と思いがちですが、タイプ転職エージェント利用者の年収アップ率は70%以上。20代でも十分に年収を上げられる可能性があるのです。
エンエージェントを運営するエン・ジャパンは、もともと新卒採用やアルバイト求人情報をメインに発信していたため、今でも若年層に強い傾向があります。20代の転職支援はエンエージェントが得意とするところであり、未経験OKの案件も見つけやすくなっています。
20代のうちは未経験の業種・職種にチャレンジしやすいので、広い視野で求人を探すことをオススメします。
タイプ転職エージェントを利用している世代は、26~30歳に続いて31~35歳の方が多くみられます。さらに、36~40歳の転職事例も多数。キャリアや実績を身につけた30代は転職先の選択肢がもっとも増える黄金世代なのです。
エンエージェントを利用するのに年齢制限はありませんが、口コミを見てみると20代~30代前半の転職支援に力を入れていることがわかります。エン・ジャパンは30代・40代を対象とした転職サイト「ミドルの転職」を運営しているので、30代後半の方があえてエンエージェントを選ぶ理由はないのかもしれません。
type転職エージェントは40代の転職成功例もたくさんあります。30代後半から40代前半にかけて人生の転機を迎える方も多く、これまでのキャリアを活かして年収アップを目指すか、異業界・同職種にチャレンジするかなど、さまざまな試みができる年代でもあります。
エンエージェントを利用している40代は12%。少ない人数ではありませんが、30代・40代が利用するならば断然「ミドルの転職」がオススメです。転職エージェントとしての機能やサービスはエンエージェントとほぼ同じでありながら、ミドル世代の可能性を大きく広げる手助けをしてくれます。年収600万円以上の高年収案件も充実。非公開求人のスカウトがあるのも魅力的です。
typeは約21年、エンは約14年の歴史がそれぞれあります。どちらも人材紹介会社では比較的新しい方ではありますが、それでも知名度抜群!typeは若手・首都圏特化、また女性の利用者からも人気のエージェントです。
どちらも14職種の専門コンサルタントが在籍しています。仕事の悩みは仕事内容ありきですよね。仕事の理解度が深い方がより寄り添ったサポートが期待でき、ミスマッチも少ないです。14種類も分けてエージェントはあまりないので、充実サポートに期待!
エン・エージェントでは面談をする前に、アンケートと『3E‐p』という性格・価値観診断テストを実施してくれます。自分の自覚していない自分も知ることができ、性格も踏まえた上でのサポートは今後の転職活動の参考になりそうですね。
タイプ転職エージェントは平日の日中・夜間、土曜日も面談に対応しています。退勤後や休日に面談することができるので、今の仕事を続けながら効率的に転職活動を勧められるのが嬉しいところです。面談は赤坂見附駅が最寄りの「キャリアデザインセンター本社」で行われます。来社が難しい場合は電話でのキャリアカウンセリングもOK。
エンエージェントも平日夜間や土曜日の面談が可能です。面談会場となるエンエージェントの拠点は全国5ヶ所にあるので、電話ではなくコンサルタントと会って話したい方に好評を得ています。
転職エージェントは知名度や求人情報数だけで良し悪しが決まるものではありません。実際に利用した人の声はとても重要。タイプ転職エージェントは自社アンケートで満足度87%を達成。利用者のほとんどが「タイプ転職エージェントを利用してよかった」と納得しています。
「リクナビNEXTエージェントランキング」では総合満足度第2位。他社が主催したランキングでも確かな評価を残しています。転職先企業もそうそうたる顔ぶれ。マイクロソフト・Yahoo!ジャパン・LINE・三菱UFJ銀行・SONYなど大手企業が名を連ねています。
エンエージェントで注目するべきは紹介企業の多様性。「製造業」「IT・WEB」「サービス」の分野をはじめ、ジャンルにとらわれないネットワークを持っています。
運営元の「エン・ジャパン株式会社」は2000年設立という比較的若い会社ですが、東証JASDAQスタンダード上場企業。求人探しだけでなく、「入社後の活躍」までを見据えた転職サポートに定評があります。
多くのコンサルタントが在籍していると、より多くノウハウが集まったり、より多くの情報を集められたりします。今回はtypeの勝利でしたが、エンも十分な人数です。
「営業」「販売・サービス」「社内SE」「IT業界」など、業界や職種のトレンドがわかる特集ページ。
「20代初めての転職相談会」「女性のための転職相談会」など、自分に合ったセミナー情報が一目で見つかります。
「転職活動の事前準備」「経歴やスキルの整理」「業界・職種研究」などをまとめた転職ノウハウ集。
これまでの経歴を魅力的にアピールするコツがわかります。職種別の職務経歴書フォーマットも便利。
転職活動における疑問や悩みをタイプ転職エージェントが解決。
面接で必ずと言っていいほどぶつけられる「何か質問はありますか?」という逆質問。うまく切り抜けるコツが紹介されています。
IT系の転職サポートに強みがあり、首都圏だけでも約6,000件の求人情報を取り揃えるタイプ転職エージェントが注目企業を紹介。人材に求められているスキルや人物像などがわかります。
タイプ転職エージェントを通して転職に成功した人のインタビューを掲載。これからの転職活動の参考にしましょう。
女性ならではの働き方を提案。ワークライフバランスやキャリアで悩む女性のための転職支援サービスです。
転職の目的を明らかにする手順をレクチャー。自分の軸と考えをしっかりと定めることが転職活動の第一歩となります。
書類選考の通過率をアップするための自己PRポイントを年齢別に紹介。
職務経歴書は自身の経歴を客観的かつ具体的に伝えるための大切な書類です。書き方のコツをつかんで内容を改善しましょう。
面接準備・対策のほか、面接の前日・当日のチェックポイントを確認。限られた時間で自分をしっかりとアピールできるように研究は欠かせません。
入社準備と同じくらい大切な退職の準備。今後の人生で前職の人脈が役立つこともあるので、気持ちよく退社できるように準備をしておきましょう。
転職エージェントと転職サイトの違いを解説。転職エージェントを利用するメリットがわかります。
公開求人数では敗北したエンエージェントが非公開求人数では圧勝するなど、タイプ転職エージェントもエンエージェントも、それぞれに魅力や特性があることがわかりました。
トータルバランスをみるとタイプ転職エージェントの方が優れて見えます。
しかし、自分が住んでいるエリアや希望する業種・職種によってもエージェントの活用法が変わってくるので、まずは2つ以上の転職支援サービスを比較すること。
そして両社のメリット・デメリットを補うように上手く併用していくのが賢い転職活動だと言えます。
また、typeは女性に特化した「type女性の転職エージェント」、エン・ジャパンは30代・40代向けの転職エージェント「ミドルの転職」も運営中。
同じ運営会社ならば連動しているサービスも満載なので、専門性の高いサイトを同時に利用するのもオススメです。