サプリメントや健康補助食品、ダイエットや美肌効果などを謳った美容器具など、昨今では一度もヘルスケア商品・美容グッズなどに触れたことがないという方は少ないのではないでしょうか。
情報を簡単にSNSやネットで収集しやすい現代、健康志向や男女問わずの美容意識で、すっかり注目を集める業界となっています。
しかし、これらのヘルスケア製品は、薬機法(旧薬事法)により過剰広告にならないよう、規制がされています。そんな薬機法の知識を駆使するスペシャリストが薬事法管理者です。
この薬事法管理者、法律を扱うだけに難易度が高いイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。独学でも取得可能?取ったら就活にも活かせる資格?薬事法管理者に関する疑問を徹底調査します!
医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、健康食品など、ヘルスケア関連の商品を扱う際に、必ず守らなければいけない『薬機法』という法律があります。
こちらの法律は、2014年までは『薬事法』と呼ばれていました。しかし2014年に大幅に法律が改正され、『薬機法』と変更になりました。
正式には『医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律』といいます。
こちらの法律では、上記に該当する商品を取扱う際の条件が細かく規定されています。その条文の中には『誇大広告禁止(第66条)』という条文があり、効能・効果・性能について、虚偽または誇大な記述や広告を作成してはならないといった内容が記述されています。
例えば「このサプリで絶対に痩せる!」とか、「この美容液で美白効果間違いなし!」といった、効能や効果を大げさにして広告を行うことがこれに当たります。
この条文は『何人もしてはならない』とされおり、これに違反すればどのような職業の人であろうとも、2年以下の懲役または200万円以下の懲役が課されます。
この条文に該当するか否か、言葉や言い回しというものは酷く曖昧で、薬機法に精通していなければ分かりづらく、大変難しい問題です。
そこでこの問題をクリアしてくれるのが薬機法に精通するスペシャリスト、『薬事法管理者』なのです。
薬機法に該当している商品は、上記に上がっている通りかなり幅広いものになっています。
医薬品、サプリメント、健康食品といった口に入るもの。医療機器。コスメやメイク用品なども含まれます。
ジャンルが幅広いこともあり、薬事法管理者は『薬事法管理者』と『コスメ薬事法管理者』の2種に分かれています。
薬事法管理者の資格を取りたい方は、自分がどの方面に強くなりたいかによって、受験科目選択時に気をつけなければなりません。
2種の違いについては、また後ほど細かく比較したいと思います。
薬機法という法律について学ぶわけですから、難しそう……といったイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。実際、薬機法に抵触する内容に気をつけて広告作成をしようと思うと、なかなかに頭がこんがらがって、何が大丈夫で何が法律違反に当たるのか、よく分からなくなってきます。
しかし、薬事法管理者の資格を取るには、必ず『薬事法有識者会議』が認定した受験講座を受講しなければなりません。
とはいえ、こちらの講座はeラーニングの形式を取っているため、講義を受けに出かけることもなく24時間好きな時間を使って、マイペースに学ぶことができます。
そういう意味では独学と意識はあまり変わらないのではないかと思います。こちらの講座では、薬機法に触れたことがない法律初心者でも、基本からしっかりと段階を踏んで学ぶことができます。
また、資格試験を行う『薬事法有識者会議』が認定した講座なので、試験対策もしっかり取られています。
勉強の期間は一般的に3か月くらいで、初心者でも合格レベルに達することができると言われています。勉強に専念すれば、更に期間短縮も可能かと思われます。
ただし、eラーニング形式で勉強ペースを自分で管理しなければならないため、意志をしっかりと持って挑む必要があり、人によってはそこが難しいと感じるかもしれませんね。
薬事法管理者の資格を取得するためには、まずは講座の受講をしなければ始まりません。しかも受験後、その後にも講習やチェックテストが行われます。
薬事法管理者 取得フロー
薬事法有識者会議が認定した講座を受講。修了試験を受験し、合格。
有識者会議eラーニング講座:https://www.yakujihou.net/#pharmaceutical
薬事法有識者会議のサイトで実施している資格試験を受験。
試験合格者が受講。
登録講習後に行われるテスト。
資格証明書が発行され、晴れて資格取得となります。
法律に関わるだけに、民間資格にしては試験やチェックが他資格よりも多めになっていると感じるのではないでしょうか。
『コスメ薬事法管理者』とは、名前の通りコスメ関連に特化した資格です。コスメ業界で働きたい、または現在働いていてスキルアップやキャリアアップを図りたいという方には、コスメ薬事法管理者の取得の方がより専門性を持って知識を得ることができます。
『薬事法管理者』と『コスメ薬事法管理者』にどのような違いがあるのか、資格概要も含めて比較してみましょう。
試験概要
薬事法管理者 | コスメ薬事法管理者 | |
---|---|---|
試験日程 | 毎月3回(6日・16日・26日) | 毎月3回(6日・16日・26日) |
試験内容 | 筆記式(制限時間60分) | 筆記式(制限時間60分) |
試験方法 | オンデマンドで24時間受験可能 | オンデマンドで24時間受験可能 |
受験資格 | 規定なし | 規定なし |
講座受講料(税込み) | 89,800円 | 50,000円 |
受験料(税込み) |
資格試験:20,000円 登録講習:10,000円 |
資格試験:10,000円 登録講習:10,000円 |
更新料(税込み) | 20,000円 | 10,000円 |
試験範囲 |
ヘルスケアビジネスにおいて必要な法的知識。 健康食品・健康器具・化粧品・通販医薬品など幅広く総括。 |
コスメビジネスにおいて必要な法的知識。 化粧品・通販医薬品などコスメ関連に特化。 |
試験概要的には『薬事法管理者』も『コスメ薬事法管理者』も基本的には変わりはありません。しかし、講座内容と試験の範囲などについては、『薬事法管理者』は化粧品も含めた総括的なヘルスケアビジネスについて、『コスメ薬事法管理者』は化粧品に特化しているため、ボリューム的に大きく変わります。
コスメ以外の分野に関わることはないと決めている方なら、『コスメ薬事法管理者』を取得すれば十分だと思います。ただし、『薬事法管理者』を取得することで将来的に活動の幅を広げることができるのは間違いありません。
また、『薬事法管理者』と『コスメ薬事法管理者』の両方を受験するとセット割引が適用になり、30,000円引になって109,800円で受験することができます。キャリアアップやスキルアップのために受験を考えている方は、両方受けてみるのも考えてみてはいかがでしょうか。
ヘルスケアビジネスに関わる方が、必ずこの資格を持っていなくてはならないかというと、もちろんそんなことはありません。
薬事法管理者は民間資格であり、資格を持っていなくても、薬機法に準じた範囲で活動を行いさえすれば、資格を持っていなかったとしても何も問題はないのです。
しかし、あくまで法律なので、「多少は大丈夫だろう」といった適当さは許されません。そのため、ヘルスケアビジネス業界ではこの薬機法にかなり神経質になっています。業界で働きたいと考えるのであれば、薬機法の知識は必要不可欠なのです。
ですから、薬事法管理者の資格を持っているというだけで、最初から薬機法に関する教育を施さずに仕事ができる人材というのは、大変重宝されること間違いなしです!ヘルスケアビジネスに飛び込もうと考えるのであれば、ぜひ薬事法管理者の資格取得をおすすめします。そして取得できた暁には、積極的にアピールしてください!
上記にも上げていますが、薬機法で上げられた商品(医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、健康食品などのヘルスケア関連)を扱う業界では、間違いなく薬事法管理者は重宝されること間違いなしです。
その他では、ライター、コピーライター、WEBデザイナー、DTPデザイナー/オペレーターなどのクリエイティブ職のほか、広告業界では営業や企画などの部署でもヘルスケア商品の紹介などを取扱うことが多いので、いざという時に大変役立ち、仕事の幅も広がります。
更に薬機法コンサルタントとして独立することも可能です。薬機法の知識がないけれど、取引先からヘルスケアビジネスに関連した仕事を請け負うことになった企業や個人事業主などの相談を請け負うことができます。
アフィリエイト、YouTuberなども薬機法を知ることで安全に仕事の幅を広げられることは間違いないので、フリーランスで仕事を請け負う方こそ、取得を考えてみてほしい資格なのです。
もちろん、一切『薬機法』に関わる商品を取り扱わない、業界にも関わることがないという方なら必要ありませんが、少しでも可能性がある方であれば、いざという時にはとても頼もしい資格です。
業界の方はもちろんですが、特にライターやジャーナリスト、フリーランスでクリエイティブ職に就いている方、副業でWeb広告に携わることがある方などには間違いなく仕事の幅を広げることができる資格です。
講座から取得、更新料まで少々お値段が張る資格ではありますが、将来性は十分あるので、スキルアップやキャリアアップを見越し