新型コロナウイルスの影響で、世界規模で外出自粛の情勢となっています。リモートワークが可能な職種の方は、自宅勤務の様子をSNSで公開している様子も多く見られるようになりました。
けれど、リモートワークや自宅勤務が無理な方は、今でも感染の恐怖と戦いながら出勤している方も多く居ますし、サービス業や正規雇用ではないアルバイト、パート、派遣社員の方などは自宅待機で給料の目処も立たない不安と戦っている方もいらっしゃる事と思います。
今までは会社で仕事をするのは当たり前でした。しかし今回の事で、家でも仕事ができる事について、期せずして社会全体で考えさせられるに至りました。
有事の際にどうやって社会・経済を回すか、どうやってお金を稼ぐか、考え直す時が来たのかもしれません。
今後、働き方改革など以上に、働き方が変わる時代になるのかもしれません…どんな状況でも仕事ができる在宅勤務、それも安定性も得られる正社員。そんな働き方について考えてみましょう。
在宅で仕事をしているといえば、思い浮かべるのはフリーランスという方も多いのではないでしょうか。フリーランスと在宅正社員、どこが違うのかと言われれば、一目瞭然、企業に籍を置いているか置いていないかの違いというのは、みなさんもご存知でしょう。
同じ職種でフリーランスと在宅正社員、環境も仕事も一緒となれば、フリーランスの方が自分一人の問題だし、上司や会社とのやり取りに神経質にならない分楽だろうと思うかもしれませんね。
しかし、フリーランスは良くも悪くも『自分次第』。仕事は完全出来高制になり、保険も年金も税金も、正社員にとっての会社のように一部負担してくれる人が居ないため、すべて収入から自分で払わなければなりません。営業活動を行うのも自分。仕事をしなければ収入なし。
代わりに時間を100%自分の自由に使え、仕事をするもしないも自分次第のメリットを得るのです。フリーランスは自由、在宅正社員は安定を家で仕事をしながら得られるという違いがあります。
実際に在宅で働いたことがない人にとっては、「自宅で働くってどういうこと?」と疑問に思う方も居るかもしれませんね。
在宅正社員の働き方は、会社の規定や個人のライフスタイルによって、人それぞれに違います。1日の時間の使い方にも違いがあるでしょうし、使うツールにも違いがあるでしょう。そんな中で、一般的な例を上げるとすれば、やはりネット環境は不可欠になるでしょう。
会社によっては、出勤していた時の時間帯でPC前に着席。勤怠管理を行いつつ、時にはメールや電話、チャットツールやオンライン会議ツールなどで、社員同士コミュニケーションを取りながら仕事を行います。正社員として会社に在籍し、月給制となっているため、フリーランスよりも時間に自由がない場合が多いようです。
現在の新型コロナウィルスによる影響でリモートワークをするに至った正社員の方は、会社からPCやタブレット端末を支給されている場合もあるようです。PCやタブレット端末は、在宅勤務をする上ではほぼ必要になると思われます。
そして端末があれば、当然ネット環境も必要です。前述したように、仕事にはメール、チャットツール、オンライン会議ツールといったオンラインツールの他、電話やFAXでもやり取りを行う企業もあるので、あなたが希望する企業の規定がどのようになっているかをまず最初に確認してください。いざ入社してからその環境がなかったとなれば、条件を満たしていなかったとして採用取り消しもありえます。
しっかりと環境が整っている、もしくはすぐにでも準備可能な条件か、確認は忘れずに行ってください。
毎日満員電車に揺られて出勤している方なら、その時間がないだけで在宅勤務は天国!と思うかもしれませんね。正社員という安定した立場で在宅で仕事ができるという事に、憧れを抱いている方も多いのではないでしょうか。
しかし、何事もメリットがあるのと同時に、デメリットも存在します。次は在宅正社員のメリットとデメリットを確認してみましょう。
上記のように、出勤して仕事をするよりもストレスがかかりにくい、気楽に仕事ができる、プライベートとの両立がしやすいといったメリットが多い傾向にあるように感じます。
自宅で仕事をするということは、プライベート空間にずっと居るということなので、オンオフの切り替えが難しいという方も多く居ます。職場なら上司の目もあるし、娯楽なども手が届くところには置いていないので、強制的に仕事モードに切り替えざるをえなくなりますが、自宅は誘惑だらけなので、切り替えが苦手なタイプは逆にしんどくなってしまうようですね。
そして自主的に外出しない限りは家に籠りがちになってしまうために、人とのコミュニケーション不足に陥りがちです。仕事面でもプライベード面でもコミュニケーション不足による弊害は起こります。その辺りは自主性を発揮していかなければならなくなるでしょう。
実際に正社員採用がある在宅勤務はどんな職種があるでしょうか。
家で作業を行った成果物を会社に納品しなければ、仕事としては成り立ちません。中には家でものづくりや書類作成を行って、直接会社に納品に行くという仕事も無くはないでしょうが、交通費もかかりますし効率を考えれば非常に悪いです。
そのため、効率よく働くためにはやはり繰り返しになりますが、ネットワーク環境が整った自宅で作業を行い、データとして納品が可能な仕事が在宅勤務のシステムを構築しやすいという事になります。
やはり在宅勤務といえば、IT・WEB系職種が強いです。営業などは客先とのやり取りが必要になりますが、プログラマやSE、WEBデザイナーなどの技術職は基本的にPCに強い人も多く、自宅でもハードを所有している人も多いので、在宅でチャットツールなどを駆使して作業を行うことができます。
また、広告・印刷業界のデザイナーやDTPといったクリエイティブ職も在宅勤務が可能です。
クリエイティブ系の職種以外は難しそうと感じるかもしれませんが、事務職も意外と在宅勤務がある職種です。メインで伝票などを発行したり、荷物を発送したりなどの作業を行う事務職はもちろん在宅は難しいですが、データ入力、計算、オンライン伝票、営業補助といった作業であれば、十分自宅で作業ができます。
在宅勤務制度はクリエイティブ職以外では、どうしてもメイン作業を行う人員は社内に置き、在宅者は補助的作業になりがちです。
更に自宅の作業環境を仕事用に整える必要もあり、時にはハードの貸与などの対応も必要になることもあり、これまでは大手企業やベンチャー企業に偏りがあったように感じます。
しかし現在、新型コロナウィルスの影響により、中小でも業態によって在宅勤務が可能であれば、雇用をそのままに在宅勤務に切り替えを行っています。
在宅勤務が必要でなかった時に、在宅のシステムを構築することは逆に手間になり、働き方改革とは言っても現実的ではないと考えられていました。
しかし、いざ必要に迫られ対応をしてみれば、意外と在宅勤務は不可能ではなかったと気づいた企業も多いでしょう。更に言えば、電話対応や社員同士の会話などで気が削がれがちだった仕事も、一人で作業することで作業効率が上がると言った声もあります。
今後、新型コロナウィルスの騒動が収束した際に、在宅勤務制度を取り入れる企業は更に増える可能性があるのではないでしょうか。
それでは、未経験者でも在宅勤務者として正社員雇用されるチャンスはあるでしょうか?
結論から言うと、それは難しいと言わざるを得ません。
やはり在宅で一人で仕事を行うとなると、ある程度作業内容を把握し、自分自身で的確にこなす必要があります。その際に仕事に対する知識や技術が乏しいとなれば、何をしていいかにまず戸惑うことになると思います。
その都度チャットツールやメールなどで質問していては作業になりませんし、上司としても信用して任せる事自体に不安を抱いてしまうでしょう。
しかし、未経験でもまったくチャンスがないというわけではありません。
事務や営業補助などでは、採用後に決まった期間は出社して研修がてら仕事を行い、その後に在宅勤務になる場合もあります。経験はないけど、どうしても在宅勤務で正社員雇用されたい!という意思があるなら、研修ありの仕事を探してみてはいかがでしょうか。
まず第一に、PCスキルが無ければ話になりません。職種や作業内容にもよりますが、ある程度PCに慣れ親しんでいなければ作業効率は上がらないので、採用自体が難しいと判断されてしまうでしょう。
他には職種によって、デザイン系、ペイント系、コードの知識、プログラミング言語の知識、オフィス系といった、各種ソフトの知識と技術も必要になります。
更に技術的スキルの他に、集中力や責任感、連絡のマメさなどの精神力スキルも必要です。
在宅勤務は誰にでもできると思いがちでしょうが、意外と向き不向きがあります。
こういったタイプには向かない作業環境と言えるでしょう。
現在政府からの緊急事態宣言による国民への要請で、「STAY HOME」外出自粛が促されています。現在リモートワークで家で仕事をしているという方は、収入への不安も未来への不安も、仕事がなく自宅待機をしている方よりも軽く済んでいるのではないでしょうか。
一応5/6までと期限を区切ってはいますが、現状ニュースを見ている限りは、今後後ろに後ろにと繰り越されていく可能性は十分にありえます。その間、仕事もなく不安を抱えながら何もしないというのでは、ネガティブに陥りがちです。
この際ですから、いざ事態が収束した時に休業をした時よりもステップアップしていたなら、もっとあなたの仕事の幅も広がるのではないでしょうか。
今回のことで、在宅勤務ができたらあまり世情に大きく生活を左右されないのではないかと考えているかた、STAY HOMEをチャンスと思って、空いた時間を勉強に充ててはいかがでしょうか。