第5回 応募書類のポイント

初めての転職 成功講座

履歴書は、あなたが伝えたいことを、伝えられるものを

 

こんにちは。天職コンサルタントの梅田幸子です
今回は、転職活動に必須の応募書類「履歴書」と「職務経歴書」についてです。新卒のときとは勝手が違います。最近のトレンドを押さえたものをつくりましょう。

履歴書を選ぶ基準は、3点です。

  • 伝えたい自分像を伝えられること
  • 言いたくないことは、言わなくて済むもの
  • 空欄や「特になし」となる項目がないこと

 
しかし、①~③を満たす市販の履歴書を探すのは難しいものです。そのため、パソコンで自作することをおすすめします。

サイズは、A4が面接官に親切です。

なお、自作するのは、記入用の枠だけではなく、氏名、住所、経歴などの内容もすべてパソコンで入力しましょう。転職活動では、応募書類をメールで提出することもありますし、郵送や持参する場合でも、プリントアウトするだけなので効率的ですよ。

メールで送る場合には、PDFファイルが、好ましいです。選考者がパソコン上で確認する場合、ワードならまだ良いのですが、エクセルですと、マス目の線が見づらさにつながるからです。
 

職務経歴書を、効果的に演出するために

一般的に、職務経歴書に盛り込む内容は、いつ(When)、どこで(Where)、何を(What)してきたかです。

1.在職期間をタイトルに、次の事柄を記します。
2.会社名
3.会社概要
4.所属(部署・役職)
5.経験業務・仕事内容
6.実績

 

大きな成果を挙げた人が、現職には何の不満もなく、同業種・同職種に転職するときには、これだけでも良いでしょう。
それ以外の方は、次に紹介する⑦つめのポイントを、取り入れてください。下の質問で、あなたに⑦つめのポイントが必要かどうか、チェックしてみてください。
 

Q:あなたは今回の転職で、次のような希望がありませんか?

  • 自分らしさを活かしたい
  • 好きな仕事をしたい
  • 異業種にチャレンジしたい
  • 未経験職種に転身したい
  • 人気求人で応募者が多い
  • 希望の仕事につきたい

 
どれか1つでも該当する方は、⑦つ目のポイントが必要です。
職務経歴書に、「⑦あなたらしさ(How/Why)」を盛り込んでいただきたいのです。
以下の内容をイメージしてもみてください。書類選考の通過率も、内定可能性もグンとアップします。
 

⑦つ目のポイント「自分らしさ」を表現する

  • 好きな仕事、得意な仕事、心穏やかにできる仕事
  • 数字に表れない成果や評価
  • 何に喜びを感じるのか
  • 得意なやり方
  • 特性(思考プロセスや行動パターン)
  • 大切にしている価値観
  • (必要ならば)ストレスになる要素や苦手な仕事

 
第3回 自己分析のポイントとは? で出てきた上記のような内容が、面接官に伝わるように、「エピソード」で表現してください。項目名は自由につけて良いのですが、「取り組み」「取り組み姿勢」などが書きやすいという方が多いです。

※注 上に挙げた内容を、それぞれ項目にする必要はありません。7つめの項目として、「取り組み姿勢」と記し、その中に、上のような事柄を象徴するエピソードを、いくつか書き込むのです。

たとえば、ティッシュ配りのアルバイトから、販売企画部(広告・PR部門)への転職を成功させた人は、次のように書きました。

どうしたら受け取ってもらえるかを考えるのが、面白かったです。声をかけるときの「セリフ」を変えたり、一歩踏み出して渡してみたり、目線をあわせてみたり、声の大きさを変えてみたりしました。

実験の結果、渡す時間帯と相手の性別・年齢・服装によって、声のかけ方、タイミング、ティッシュの数を変えるとうまくいくことがわかりました。
今では、他のアルバイトが2日かけて配る量を、私は半日でさばけるようになりました。

 

この頭の使い方(思考パターン)や行動プロセスは、広告・PR職に通じるところがあります。他の応募者の中には、PR経験者や広告業界出身者もいましたが、経験者を押さえて、見事、憧れの仕事に就くことができました。

⑦あなたらしさ(取り組み姿勢)を書くことで、面接官は、あなたが入社して、活躍するかどう可能性を知ることができます。

また面接では、職務経歴書をもとに、質問が投げかけられます。職務経歴書であなたらしさが伝わっていれば、面接はそれが本当かどうかを裏付ける「確認」が中心となります。ゼロから質問されるのに比べて、何倍も楽な面接となります。
 

嫌いな仕事は、削除する

目指す方向やしたい仕事は決まっているのに、なかなか実現しない人がいます。その原因に多いのが、「嫌いな仕事も、アピールに入れる」ことです。
職務経歴書には、実績とできることを詰め込むものだと思われがちなのですが、そうではありません。

たとえば「翻訳家として生きていきたい。1人で集中できる環境で仕事がしたい」人は、「気配りして、雑用を率先してしました」とか「これも、あれも、してきました」というプレゼンはしないほうが良いのです。

自分でアピールしておいて、「専門職として採用してもらえない」「専門職として扱ってもらえない」と言っている人が、意外と多いものです。

また、年齢が上がると、マネジメントスキルは必須のように思われがちです。しかし、本音では「部下の育成なんて面倒くさい。ストレスだ」と思うなら、成果をあげていても、それはアピールしないでください。

アピールしたことを、期待されます。
できること、これまで重宝されてきたこと、得意なことであっても、「したい仕事」でないならば、思い切って、アピールから消しましょう。

「したい仕事」をアピールしよう
第3回 自己分析のポイントとは? の「自己分析①」で、職歴を色分けしましたね。
ここで分類した「苦手で嫌いな仕事」は、記入しないでください。書いていると「できる」と思われて、期待されてしまいますから。
また、「得意だけど、嫌い」も、思い切って削除しても良いと思いますが、もし入れるならば、一番下にひっそりと。

「⑤経験業務・仕事内容」も「⑦取り組み姿勢」も、あなたが、“好き”で“得意”で“したい仕事に近いこと”で埋めるのが、転職後、自分らしく楽に働く秘訣です。
 

2ページを超えてもいい

職務経歴書は2枚以内と指導する人もいますが、それ以上になっても問題ありません。

今回紹介した内容を盛り込んだら、2枚では収まりきらないでしょう。異動の多い人はなおさらですね。枚数にこだわらず、あなたらしさを伝えるために必要な情報を盛り込んでください。

わたし自身の転職活動では、4~5年の経歴をまとめると7ページになりました。2回転職をしましたが、いずれも書類選考で落ちたことはありません。
コンサルティングを受けられたご相談者様も、3~7枚の職務経歴書で、転職を成功させています。

ただし、採用側が知りたい内容で、読みやすいことが前提です。ですから「単に過去のプロジェクトの羅列」や「社内の専門用語ばかり」「無駄に長い文章」「文字間隔やフォントが読みづらい」のは、NGです。

次に、長くて読みづらい文章を、わかりやすく研ぎ澄ます方法をお伝えします。
 

読みやすい文章にする研ぎ澄ましのコツ

長くなりすぎたエピソードを短くするために、まずは、2つのテクニックをつかいましょう。

テクニック1
繰り返しを削除する

テクニック2
PRしたい自分らしさを伝えるために「必要のない情報」や、「なくても意味が通じる言葉」を削除する

Before

メーカーで開発に従事していたAさんは、成果を出しているのに、同期と横並びの給与が不満で転職。

交通事故の受付時にかかってくる電話受信対応では、正確に事故の状況を把握するように心がけました。事故状況の小さな違いによって過失割合が変わり、支払保険金が決まってくるので、常に正確に把握するようにしなければなりませんでした。しかし、事故直後であわてている人が電話受信で話される事故状況を図にするのは難しいと感じました。そのため、工夫したことは、1つの事故状況をいろいろなパターンで聞き出すことでした。たとえば……

 

2つのテクニックを使って添削したものを見てみましょう。

After

電話で交通事故の状況を聞くとき、1つの状況を2~3パターンの質問で確認しました。小さな違いで過失割合が変わり、保険金額に影響しますが、事故直後は誰でもあわてているので、正確に説明していただくのは難しいからです。たとえば……

 

約半分になりましたが、必要な情報はそのままに、読みやすくなったのではないでしょうか。これらは、わたしが職務経歴書作成サポートの中で、「研ぎ澄まし」と呼んでいるプロセスです。最初につくった文章の50~60%の短い文章量で、同じ内容が伝わるケースがほとんど。研ぎ澄ました分だけ、真意がストレートに伝わります。

さあ、あなたらしさをギュッと詰め込んだ、素敵な職務経歴書をつくりましょう。

 

>> 第6回 会社訪問・面接のマナー へ続く

 

講師プロフィール

  • 梅田幸子 著者写真
  • 梅田 幸子(うめだ さちこ)
  • 天職コンサルタント

  • 実績、経歴

    大学卒業後、東証一部上場企業からベンチャー企業まで3社にて採用・育成を中心に人事全般を担当。個人のキャリアを継続的にサポートしたいと2005年に独立。

  • 4000人以上の面接をしてきた経験を元に、個人に対する丁寧なキャリアコンサルティングや、キャリア講座の講師を行っている。
    また、企業からの依頼で、面接や採用支援、研修講師として、その会社にマッチした人材を選ぶサポートをしているので、企業側の本音をふまえたアドバイスに定評がある。

  • 運営サイト

    採用・研修・育成のサポート&コンサルティングの梅田幸子
    http://with-c.net/


    著書

  • はじめての転職100問100答
  • あなたの天職がわかる最強の自己分析
  • だから内定をのがす!もったいないカン違い45
  • 「就活」成功の秘訣


 

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