大学に通っている方の中には、「やりたいことが見つからない」「違う将来を考えたい」と、中退を考えている方もいらっしゃいます。
また、経済的な負担や心身の不調により、中退せざるを得ない方も少なくありません。
大学を中退しても無事に就職や結婚はできるのか不安ですよね。
そこで今回は、大学を中退した女性の割合や中退後の進路や選択肢、就職成功へのポイントについて詳しく解説します。
大学中退を考えている女性や、中退後の進路に迷っている方はぜひ参考にしてください。
実際に、「大学を辞めたい」と思い中退を選択した方はどれくらいいるのでしょうか。
文部科学省のデータを参考に、中退者の割合についてみていきましょう。
*参照:文部科学省『大学等における令和4年度前期の授業の実施方針等に関する調査及び学生の修学状況(中退・休学)等に関する調査の結果について』
文部科学省の「大学等における令和4年度前期の授業の実施方針等に関する調査及び学生の修学状況(中退・休学)等に関する調査の結果について」によると、2021年度の大学中退者の割合は全体の約2%ということがわかりました。(*)
中退者の割合は、令和3年度は令和2年度と変化はなく、コロナ前の元年度より低い推移です。
ただし、コロナを理由とした経済的困窮は減少しているものの、学生生活不適応・修学意欲低下は増加傾向です。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構が2015年に行った「大学等中退者の就労と意識に関する研究」には、大学中退者の男女の比率が報告されています。
*参照:独立行政法人『労働政策研究・研修機構が2015年に行った「大学等中退者の就労と意識に関する研究」P63図表2-2 中退した学校の種類、大学・専攻分野ごとの男女比』
大学の中退者の割合は、男性 69.1%、女性30.9%で、約7:3の割合であることがわかります。(*)
女性の中退者の割合が少ないようにみえますが、女性の場合、専門学校や短大を中退した者の割合が比較的高いため、大学中退では男性の方が多く割合を占めています。
求人情報の「大卒」からが条件になっているのを見ると、「人生終わった」と諦めてしまいがちです。
しかし、自分に合った進路や選択肢を見極めることで活躍できる人生を送ることができるようになります。
ここでは、大学を中退した女性のその後の進路、選択肢について紹介します。
大学を中退した後、ニートやフリーターで過ごす方は少なくありません。
実家を頼れる場合は、経済面での不安がなく自由度が高いため、メリットに感じますが、ニートやフリーター期間が長期化してしまうと、就職への意欲が低下したり、就職しづらくなる可能性があるため注意が必要です。
ニートやフリーターといった進路を選ぶ場合は、期間を決め計画的に就活を進めることを意識しましょう。
「入学した大学ではやりたい勉強ができない」
「入学後に将来の夢や働きたい仕事が変わった」
という理由で大学を中退された方は、別の大学への編入を選ぶ方もいらっしゃいます。
編入試験を突破しなければいけませんが、別の大学に編入できれば「大卒」となるため、その後の就職はスムーズに進める可能性が高いです。
ただし編入した理由については、就活での面接で尋ねられることがあるため、しっかり説明できるようにしましょう。
大学を中退して専門性の高い勉強をしたい方や資格取得を目指す方は、専門学校への入学という選択肢もあります。
特定の業界や分野に強い知識やスキルを学び、資格を取得できるため就職が有利になる可能性が高いことがメリットです。
しかし、入学金や学費などの費用が改めて必要になることや卒業まで期間が長くなってしまうため、モチベーションの維持が難しい方もいらっしゃいます。
例えば看護師やITに特化した資格を取得したいなど、具体的な目標が明確になっている方にはおすすめの進路です。
大学を中退した後に安定した職業に就きたいと思った場合は、高卒として国家公務員や地方公務員への就職を目指すのがおすすめです。
公務員は学歴に関わらず公務員試験に合格できれば、将来的な雇用の安定や福利厚生の充実、さらにリストラなどの心配が少ないでしょう。
ただし、面接では大学中退の理由についてマイナスイメージにつながらないように、しっかり説明する必要があります。
大学を中退した女性が、長く働きやすい環境を求める場合は公務員を目指すことも選択肢のひとつです。
大学中退後に、生活を安定させたい女性は就職を目指すことがおすすめです。
「高卒以上」の求人に応募する必要がありますが、正社員として就職できれば長期的なキャリアを積み重ね、将来的なリスクも低くなるでしょう。
若手人材を積極的に採用している企業やポテンシャルを重視している企業など、様々ありますので、早いうちに就活を始めることで就職できる可能性が高まります。
また、正社員での就職が難しい場合は契約社員や派遣社員といった雇用形態で社会人経験を重ねることもできます。
アルバイトで働くよりも実務経験を重ねることができるので、検討してみてください。
大学を中退した後、「就職や結婚が難しくなる」「人生終わり」などと聞いたことがある方も多いかと思います。
大学を中退したことは、人生のリスクになり得るのでしょうか?
ここでは、大学を中退した女性が抱える不安やリスクについて紹介します。
大学を中退した場合、最終学歴が「高卒」となってしまいます。
「大卒」と比べると、中退女性だけでなく、男性も同様に就職では不利になりやすい傾向です。
そもそも大卒を対象にした求人に応募できないことや、大学中退後から就職活動までのブランクが生じてしまうことが背景にあります。
中退者は大卒者と比べると就職は難しいこともありますが、できるだけ空白期間を作らず、スピーディーかつ適切な就職活動を行うことで就職成功を実現させることは可能です。
大学を中退しフリーターやニートのまま過ごすことで、結婚のチャンスを逃してしまうのでは?と不安に感じている方も多いでしょう。
厚生労働省職業安定局が行った「非正規雇用対策・若者雇用対策について」では、正規雇用と非正規雇用労働者の有配偶率の比較された以下のグラフが報告されています。
参照:厚生労働省職業安定局『非正規雇用対策・若者雇用対策について』
グラフから正規雇用の女性と非正規雇用の女性を比べると、非正規雇用の女性のほうが有配偶率が高いことが分かります。
ただし、「フリーターでも結婚できるんだ」と安心するのはNGです。
このグラフは正規雇用で働いていた女性が結婚後にパートなどの非正規雇用として働いている方も含まれているからです。
大学を中退しフリーターやニートになってしまった女性は、そもそも結婚につながる出会いのチャンスを失うことになります。
また、最近では共働き世帯が当たり前になっている中、出会ったときから定職に就いていない仕事女性に対して男性が「好意を抱くか?」「結婚を意識するか?」というと疑問も残ります。
そのため、フリーターやニートを続けたままだと、結婚が難しくなってしまう可能性があると理解しておくことが重要です。
就活の面接では、必ずといってもいいほど大学を中退した理由を質問されます。
中退した理由には様々ありますが、企業側は
ということが気になるからです。
例えば、大学を中退して夢を追いかけたいという気持ちがポジティブであっても大学での学びを中断したことがネガティブなイメージを持たれてしまいます。
しかし中退した全ての人がネガティブなイメージのまま就職できないわけではありません。
大学を中退した理由について、企業側が納得できるように説明したり、中退がマイナスにならない職業を選ぶなど様々な方法があります。
大学を中退した後、「就職したい」と思っている女性のために、就職成功に向けたポイントを5つ紹介します。
大学中退後から就職活動をするまでの空白期間が、長ければ長いほど就活は不利になってしまいます。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構の「労働政策研究報告書No.213 『大都市の若者の就業行動と意識の変容』」では、女性のフリーター継続期間と正社員になれた割合が以下のとおり報告されています。
参照:独立行政法人労働政策研究・研修機構『労働政策研究報告書No.213 『大都市の若者の就業行動と意識の変容』』
つまり、大学中退後から空白期間が1年以内だと半数以上の方が就職できますが、5年以上となると就職できる割合が24%程度まで落ちてしまう、ということになります。
フリーターやニートの期間が長期化すると「空白期間に何をしていたのか?」と、ネガティブなイメージが強く、入社後もすぐに退職してしまうのではないかと懸念を抱かれてしまう可能性が高いでしょう。
どれだけポテンシャルが高い方でも空白期間だけでイメージがマイナスにつながってしまいます。
就職を成功させたい方は、大学中退後にできるだけ早くスタートさせることが大切です。
さきほどは「大学中退後は、できるだけ早く就活をする」ことが大切だと説明しましたが、焦って就職を決めてしまうのはやめましょう。
「早く就職しなければ」と、自己分析をせず、業界や企業などの情報を十分に確認しないまま入社してしまうと、ブラック企業だったというリスクが高まります。
などをしっかり調べて求人に応募するようにしましょう。
大学を中退して就職を目指す女性は、自己分析を重視して就活を進めていきましょう。
経済的な理由や心身状態の不調など以外の理由では、「なぜ大学を中退したのか」「中退してやりたかったことはなにか」も含め、強みや長所、キャリアプランなど自分の理解を深めることが重要です。
自己分析は、就職先を選ぶ際や志望動機・面接でのアピールポイントを明確にする参考にもなるので、十分に行いましょう。
就活と一緒に資格取得を目指すこともおすすめです。
就職したい業界や職種に役立つ資格を勉強することで、知識やスキルを身に着けることができ、資格があれば即戦力として活躍できる可能性も高まります。
資格欄にも書ける資格だと、面接でもアピールできますね。
また、資格を取得していない場合でも勉強している最中であると向上心をアピールできるので、目指したい業界があれば積極的に資格取得を目指しましょう。
大学中退後に就職がうまくいかない、どんな進路がいいか分からないと悩んでいる女性は、就職支援を受けることもひとつの方法です。
大学中退者やフリーター、ニートの就職に強い就職支援サービスであれば、高卒の求人も多く、就職のノウハウも充実しています。
履歴書の作成のアドバイスや、大学中退の理由を説明しなければいけない面接についても、面接対策があるので安心ですね。
また、キャリアアドバイザーとのキャリアカウンセリングを通じて、自己分析のサポートや求職者の長所や強み、市場価値を客観的に評価してもらえるので、自分に合った仕事を探しやすいメリットもあります。
就活の方法や進め方について、相談をしながら具体的なサポートを受けることができるので不安なく就職成功を目指すことができるでしょう。
いかがでしたでしょうか?
大学を中退した女性の割合や中退後の進路や選択肢、就職成功へのポイントについて詳しく解説しました。
大学を中退しても「就職できない」「人生終わり」ではありません。
進路や選択肢はたくさんあり、将来的なリスクや安定性を考えて就職を選択するなら早めに就職活動をすることが大切です。
資格を取得してスキルを身に着けたり、高卒でも活躍できる職場を選んだり、一歩踏み出すことでよい仕事と出会えるチャンスが広がるでしょう。
大学を中退して就職がうまくいかないとあきらめず、一人で不安な方は、気軽な相談からできる就職支援サービスを受けてみることをおすすめします。
自分自身を信じ、前に進んでいきましょう。