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第1回 「中高年の転職活動の実情」

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著者が教える、中高年の転職必勝法

中高年を取り巻く厳しい雇用状況

日本の雇用市場は、アベノミクスと労働人口の減少により、一時期の最悪な状況を脱出して好転しつつあります。

失業率の推移とか人口減少とか求人数の増加率とか難しい話はやめておいて、大学生の就活を少し思い出してみてください。少し前までは超氷河期と騒いでいたのに、今は超売り手市場と変化し、不人気業界の大手企業や中小企業は、採用予定者数に対して大幅定員割れといった厳しい状況に陥っています。
労働人口が減少の一途を辿る中、この先、企業における人材難は、ますます加速することが予想されています。

それでは中高年の転職にも追い風が吹いているかというと、必ずしもそうとは言えません。中高年を対象とした求人が増え、紹介成約実績も急増していると、大手人材紹介会社から公表されましたが、全てがいいのではなく、成功しているのは特定の業界、一部の層と見ておくのが正しいのです。

企業は厳選採用の姿勢を崩していません。要は人手が足りないからといって誰でもいい訳ではなく、企業が設けた一定の基準(スキル・経験)に達していない人は、問答無用で不採用になるということです。特に中高年になると、より一層この色合いが強いと言えます。

中高年の転職について、今どのようなことが起こっているか、ここもマクロ的な統計数字ではピンと来ないと思いますので、延べ10,000人以上の就職・転職支援を行ってきた私の事務所に、相談にいらっしゃった中高年の、ごく一般的な転職活動の事例を紹介します。

キャリアがある中高年ですと、人材紹介会社に登録したら、すぐに自分の希望に合った求人を複数紹介してもらえる、と思い込んでいる方が大半です。
しかし、人材を動かしてナンボの人材紹介会社でも、今や学歴があろうとキャリアがあろうと市場価値がなくて企業に売れない人材だったら、そもそも登録すら受け付けず、門前払いにするケースも少なくありません。
今はネットで申し込みができるので、人材紹介会社への登録はすぐにできます。しかしアプローチしても、「ご紹介できる求人がありません」的な、残念な連絡が返ってくるケースがあり得るのです。

それではと、転職サイトに目を向けると、求人が溢れんばかりに掲載されています。しかし、実は中高年向け求人はそう多くないのです。今は求人広告に年齢制限を謳えないため、転職活動に慣れていない方は、チャンスがたくさんあるように勘違いするのですが、35歳以上になると企業が想定している年齢ターゲットから外れていることが多く、応募を繰り返しても箸にも棒にもかからないのが実態なのです。

中谷充宏 中高年の転職は厳しいのです連戦連敗が続き、渋々求人のクオリティがあまり高くないと評判のハローワークに出掛けてみて、求人検索端末で年齢と希望の雇用条件を入力するも、前職の年収並みの給与を出してくれる求人など、どこにもないことを思い知らされます。

仕方なく駅に置いてある無料の求人タウン誌や新聞の日曜版折り込みチラシにも目を向けますが、アルバイトやパートといった非正規社員の募集ばかりであることを認識させられます。そもそもこの年代が時給800円レベルで働いていては生活が成り立ちません。

 

エグゼクティブ層でも苦戦

「最近、私の知り合いはすぐに転職が決まったし、そこまで厳しくはないだろう」と思い込んでいる人も多いはずです。
確かに転職は相手のある行為ですから、タイミングや運もあり、また属人的な要素が強いので、苦戦せずに決まる人もたくさんいます。

東京大学はじめ早稲田大学、慶應義塾大学といった一流大学を卒業し一部上場企業でキャリアを積んだ社員から米国MBAホルダー1000万円超プレイヤー医師公認会計士税理士財閥系総合商社社員外資系金融会社社員米国IT企業社員グローバル企業の日本法人役員TOEIC満点のスコアを持つバイリンガルといった、中高年エグゼクティブ層の就職・転職支援を行った実績がありますが、こういったハイスペックな方々であっても、総じて転職活動には苦戦されておりました

これらの方々を遥かに凌駕するスキルや経験があれば、自分は違う、と主張されてもよいでしょうが、なかなかこれに該当する人はいないと思います。

超難関資格の司法試験合格者でも、今や大量に合格者を生み出したために、まともに就職できないため、司法修習を修了しても弁護士にならない人が今500人規模でいるのです。同じく超難関資格の公認会計士だって今は就職難です。今や「一流大学を卒業した」、「東証一部上場企業で働いていた」、「難関資格を持っている」だけでは何の「売り」にもならないのです。

 

中高年の転職活動にはしっかりとした戦略・戦術が必須

転職活動に対して何の準備をしない、たとえしたとしてもごく基本的な転職ノウハウを修得しておけば、何とかなった時代はとうに過ぎました。

魅力的な求人ならば、1名の採用枠に100人もの応募者が殺到する時代です。競争率100倍超を勝ち抜くには、しっかりと戦略を立てて臨まなければなりません。また、採用シーンにおいては一種独特のルールがあります。これらを知らずして転職活動に臨むと、不採用の連続になります。ちょっとしたミスが致命傷になりますから、若手とは違う、中高年に合った戦略的な転職活動を行う必要があります。

ヘッドハンティングされるようなごくごく一部の超優秀な方を除いて、中高年の転職市場は、いつの時代であっても厳しいと考えておくべきで、常に「有事」なのです。
戦場に手ぶらで挑む兵士がいないように、厳しい転職市場を勝ち抜くには、戦略・戦術と武器・訓練が必要なのです

キャリアや実績が十二分にある中高年でも、転職がうまくいく人とそうでない人の差は、ズバリ「転職力」があるかないかです。つまり日常の業務遂行能力とは全く別の、転職活動を勝ち抜くための知識やテクニックといったノウハウを、しっかりと身につける必要があるのです。

これから4回に渡って、私が保有している中高年の転職成功ノウハウを、スペースが許す限り公開していきますので、どうぞ最後までお付き合いください。

>> 第2回「転職力を上げる方法(応募書類編)」 へ続く

 






 

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