
40代の転職は簡単なことではなく“無謀”とまで言われることがあります。
無謀と言われる理由には、「40代向けの求人が少ない」「即戦力であることが絶対条件」「年齢が高くなると扱いにくく敬遠されやすい」などがあり、一般的に20代や30代の転職と比べて厳しく不利な傾向にあることは確かです。
しかし、ウィズコロナ時代の2022年以降はミドル人材の求人が増えると言われており実際に多くの業種で求人倍率が上昇しています。
このチャンスを十二分に活かすためには転職エージェントの活用が重要となります。
転職エージェントだけでそんなに違うのか?エージェントを使っても40代の転職は厳しいのでは?‥と半信半疑な人こそ最後までご一読ください。
この記事の監修者:堀川眞也さん
- 特定社会保険労務士
- 国家資格キャリアコンサルタント
- 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
プロフィール
社会保険労務士事務所フェリシアンス代表
株式会社フェリシアンス 代表取締役
無線機器技術者として外資系メーカーに22年 その後日系メーカー2社で10年勤務。
会社員時代、110回の海外出張、22カ国を訪問、1500日以上海外に滞在。製品設計のため6か国のメンバーと一緒にプロジェクトを行った経験から、グローバルコミュニケーションを得意とする。
外資系メーカー在職時からエージェントに多数登録。外資系メーカーを42歳で事業撤退による整理解雇を経験したが、常に転職へ向け準備をしていたことでスムーズに転職をくり返した経験あり。
49歳で社会保険労務士試験に合格、52歳で独立し社会保険労務士事務所を開業。2022年には研修・コンサルティングの株式会社を設立。社会保険の専門家として、労働関係の法律や制度を熟知し、企業領域でのキャリアコンサルティング、LGBT当事者のキャリア面談などを行う。
また、会社員時代の知見を生かし、組織作りや評価制度、情報セキュリティの講師としても活躍。「幸せに働けること、働く事で幸せに」という信念のもと、すべての人が働きやすい環境作りのため、職場風土づくり研修やパワハラ防止研修、セカンドキャリア研修なども行っている。
40代が転職エージェントを使っても転職は無理だと言われる理由
40代の転職を成功させるために重要なことは転職エージェントの活用とお伝えしたばかりですが、転職エージェントを利用しても転職に失敗してしまう人がいることも確か。
柔軟な考え方のできない40代は転職活動で自分の首を絞める事にもなり兼ねないのです。
転職を厳しくする40代の特徴
- 過去の経験やスキルで自分の範囲を狭めている
これまでの経験や実績が強みでありそれらを活かすために、同業界・同業種へのキャリアアップを兼ねた転職を希望する傾向にあり求人の幅を狭めてしまっている。
- プライドが邪魔をする
経験やスキルに自信があるからこそ転職先の条件面へのこだわりが強く、年収ダウンや役職ダウンなど今よりも条件が悪くなることはプライドが許さず受け入れられない。
- 企業が求める人材を理解していない
「仕事ができる=(転職先)企業の求める人材」とは限りません。人材ニーズを理解しないまま的外れなアピールをしても無駄な労力を費やすだけです。
- ウィズコロナで求められる能力を理解していない
コロナ禍を経験して企業が即戦力を求める傾向が強くなったことに加え、リモート化が進んだことで個人の専門性や独立性が重要視され自身で判断しながら業務を遂行していく“業務遂行能力”も以前に増して求められるように。
また、オンラインに適応できるITリテラシー(ITを利用し使いこなすスキル)などIT業界以外でもITに関する知識や経験・能力が求められている。
自身の市場価値の調査を
今の会社の年収や給与額は、会社内の基準で決められていると言っても過言ではありません。多くの求人情報を収集し、同様の業務内容で募集を行っている会社の年収・給与額をしっかり下調べを行い、ご自身の市場価値を掌握しておくことが重要です。
場合によっては、今の会社の給与額が破格であり、大幅な年収ダウンを受け入れなければ転職できないことも考えられます。
まずは立ち止まり、自身の市場価値をしっかりと掌握し、もしも足りない部分があるとすればプラスアルファの価値を提供できるまで待つこともひとつの選択肢です。
自身の市場価値や不足しているキャリアについて、エージェントに登録し相談する事もひとつの方法です。
堀川眞也さん
- 特定社会保険労務士
- 国家資格キャリアコンサルタント
- 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
ウィズコロナ時代は40代の転職チャンスに
新型コロナウイルス感染拡大により私たちの生活や仕事に大きな変化をもたらしました。リモートワークの普及をはじめコロナの影響で良くも悪くもワークスタイルが多様化していき柔軟な働き方ができるようにもなりました。
中途採用に於いては長らく続いた「売り手市場」での“未経験採用”や“ポテンシャル採用”に代わり“即戦力採用”へシフトする傾向が強くあり、経験・スキル・実績を兼ね備える40代への期待は引き続き高まっています。
総務省の労働力調査では2021年の転職者数のうち35歳以上が170万人であり全体の58.6%を占めています。2002年の35歳以上の転職者割合が約4割で あることから20年足らずでミドル層の転職が大幅に伸びていることが分かると思います。
Point
コロナ前の2019年と比較しても55.2%⇒58.6%と伸びているためミドル層の転職は追い風となっておりチャンスの時と考えられます。
※参照:総務省統計局 https://www.stat.go.jp/data/roudou/longtime/03roudou.html
そして、需要が増えている業界や職種への転職を検討することもウィズコロナ時代の転職を成功させる秘訣の一つ。
リクルートワークス研究所の調査によると2022年度の中途採用はほぼ全ての業種で採用意欲が回復傾向にあることが分かっており、「採用数が増える」と回答した企業が多い業種は以下の通りです。
採用数が増えている狙い目の業種
- 情報通信業 25.1%
- 機械器具製造業 17.5%
- サービス業 17.6%
- 飲食店・宿泊業 17.8%
- 運輸業 16.0%
※参照:リクルートワークス研究所「中途採用実態調査(2021年度上半期実績、2022年度見通し 正規社員)」
https://www.works-i.com/research/works-report/item/220214_midcareer_1.pdf
情報通信業や機械器具製造業は人手不足であることも理由の一つですが、コロナ禍でも業績見通しが良い業種であるため転職先として検討しやすいこともポイントになります。
業務経歴の棚卸しをおこない、エージェントにしっかり希望を伝える!
40歳代ともなれば、当然多くの実績や経歴をお持ちです。そして転職に活かすためにその実績や経歴を武器に、転職活動を行う事になります。
転職活動を行う際、業務経歴書や、履歴書が必要になりますが、転職先企業でどのような貢献ができるのか伝えきることが重要になってきます。
まずは、自身の業務経歴の棚卸しを行いながら、業務経歴書、履歴書を作成してください。また、一度作成したあとは、少なくとも半年に1回はアップデートし常に最新の状態にしましょう。
もしすぐに転職する予定がなくても、業務経歴書は常に最新にして持っておくことをお勧めします。
エージェントに登録した時に、すぐさま最新の業務経歴書を提出する事で、本気度がエージェントに伝わり、エージェントとしても企業に紹介したい人材として、積極的に動いてくれます。
堀川眞也さん
- 特定社会保険労務士
- 国家資格キャリアコンサルタント
- 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
転職エージェントの活用は40代の転職成功率を高める
転職のチャンスを逃さず確実に成功させる為には転職エージェントの活用が有効です。
しかし、ただ転職エージェントに登録すれば良いわけではなく40代の転職成功率を高める活用法のポイントをおさえておくことが大切です。
求人を多く集め選択肢を広げる
複数の転職エージェントに登録することでより多くの求人を集め転職先の選択肢を広げることができる。また、どの転職エージェントも非公開・独占求人を保有しており、大手優良企業などの条件の良い求人にライバルが少ない状態で応募することが可能になります。
企業情報を集める
企業を表面的な条件だけで判断せずに、企業研究を徹底的に行いミスマッチのない転職とすることが重要。求人票だけの表面的な条件だけでの判断は危険です。
また、 新型コロナウイルスの状況は日々変化し、社会全体も不安定で業界や企業の動向も変化する為、情報を得るには一人での転職活動では限界があります。
40代の多くは情報収集不足で転職に失敗するケースが多いので、企業情報を端的にわかりやすく個人では知ることが難しい企業の内部情報も含めまとめて教えてくれる転職エージェントの存在は40代の転職成功に欠かせません。
Point40代の多くがリサーチ不足で転職失敗している
自分に合った仕事や働き方を見つける
転職エージェントに在籍するキャリアアドバイザーは転職をサポートするプロ。キャリアアドバイザーのサポートを受けながらキャリアの棚卸しや自己分析をして自分に合った業務や働き方を考え直しましょう。
業界・職種にとらわれず広い視野で転職先を探すことが成功に繋がることもあります。
企業ごとの面接対策や雇用条件の交渉をキャリアアドバイザーが代行してくれるため、40代からの転職でも有利に転職活動を進めていけます。
Point40代の転職は人生の転機。広い視野を持って柔軟に対応
40代が使うべきおすすめの転職エージェント
転職市場はもちろんのこと、業界や企業の最新情報・内部情報を敏感にキャッチしている転職エージェントのサポートを活用することは内定率を高めるだけでなく満足・納得感の高い転職を成功させることにも繋がります。
40代の転職サポートに実績のある転職エージェント・転職サイトを紹介していきます。
40代の未経験・キャリアチェンジは『doda』
非公開求人を含む10万件という求人数は業界トップクラス、全国の転職希望者のサポートをする『doda』。
未経験からのキャリアチェンジ・現状維持転職を目指す方は転職サイト、エージェントの両軸で使えるdodaがおすすめ。
マイペースに転職活動を進めたい方は転職サイトとして、自分で求人を探して応募。
情報収集や、スキル・キャリアの客観的意見をアドバイスしてもらったり求人紹介してもらったり、キャリアチェンジに自信のない方はエージェントでサポートしてもらうのも◎
ダブル活用して内定率アップにつなげましょう。
スカウト機能も充実しているので、早く転職したい!という方にもぴったりです。
公式サイト |
https://www.doda.jp/ |
特徴 |
・40代歓迎の求人が豊富 ・大手・優良企業企業の求人多数 ・転職エージェント・転職サイト両方の利用が可能 ・電話やオンラインカウンセリングに対応 |
実績 |
利用者満足度【NO.1】 |
公開求人数 |
158,798件(2022.9.21現在) |
Twitterの【doda】口コミ・評判
- 転職エージェントは利用するべきだと思った。面談後にdodaの担当の方から電話があり、『可能な限りフォローしますね』と言葉を頂いた。自分だけで面接活動するより圧倒的に良い。
- 書類選考通過すら難しいと言われていたけど、今のところ60%くらい通してもらってるのはdodaさんのエージェントさんのおかげです!
- doda使って転職した!評判いいところでも担当者によって対応に当たりハズレがあるから、3社くらい登録した方がいい
40代で現在年収500万円以上なら『ビズリーチ』
スカウトがメインのヘッドハンティング型転職サイト『ビズリーチ』。
登録した職務経験やスキルが評価され求人の紹介を受けるスタイル。
そのため内定率が高く好条件の求人と出会える可能性が大きいので、現状をキープして転職したい方や管理職などマネジメント系を目指す方におすすめです。
コロナ禍でも優秀な人材を採用したい積極的な企業が多いため、採用担当者の目に留まるように登録するキャリア情報は詳細に記載するとスカウト率アップにつながります。
会員制サービスならではのクオリティの高い求人が特徴で、業界や企業情報に精通したマッチングが可能なので入社後のミスマッチが少ないこともポイント。
公式サイト |
https://www.bizreach.jp/ |
特徴 |
・利用者の平均年齢が40代後半 ・質の良い高年収求人が多い ・外資系・管理職・専門職の求人が豊富 ・オンライン面談に対応 |
実績 |
導入企業数(累計)20,000社 登録ヘッドハンター数5,200人 |
公開求人数 |
82,506件(2022.9.21現在) |
Twitterの【ビズリーチ】口コミ・評判
- 転職する気はないけど市場価値の確認のためにビズリーチ登録してみた。
- ビズリーチ大体週1くらいで大手IT企業から直スカウトくる。
中高年の利用者が約半数『JACリクルートメント』
40代・50代といった中高年をメインターゲットにしている転職エージェントといえば『JACリクルートメント』。
年収600万~1500万円前後のハイクラス求人が多く、現在管理職やスペシャリストなどで年収をアップさせたい方には特におすすめです。
また、求職者一人に対して、複数のキャリアコンサルタントが担当につくのもJACリクルートメントの特徴。各コンサルタントはそれぞれ異なる企業・業界に精通しているため、より詳しい情報を持っているのです。
そのコンサルタントの質も高く、対応が丁寧であると評判。高年収企業を相手にしているので、コンサルタントも優秀な人材でなければ務まらないのかもしれません。
公式サイト |
https://www.jac-recruitment.jp |
特徴 |
・利用者の約半数が40代以上 ・年収600万~1500万円のハイクラス求人が多い ・コンサルタントの質が高い ・企業・業界に精通した情報が得られる |
実績 |
転職支援実績約43万人 ハイクラス・ミドルクラス転職4年連続1位 |
公開求人数 |
15,000件(2022.11月現在) |
Twitterの【JACリクルートメント】口コミ・評判
- JACリクルートメント対応が親切で丁寧。
- 大企業、中小企業、業界別といったように複数の担当者がついてくれ転職に親身になって相談してくれました。
40代の転職は入念な準備と情報力がカギとなる
40代の転職は決して無謀ではなく、事前準備をせず今までに培ってきた経験・スキルだけを武器に転職を成功させようとすることが無謀なのです。
始めに紹介した「転職を厳しくする40代の特徴」を反面教師にしつつ、転職エージェントをフル活用し積極的に転職活動を進めてみてはいかがでしょうか。
転職ラストチャンスとなるかもしれない今、あなたの経験値を活かした理想的な転職を叶えましょう。
複数のエージェントに登録しチャンスを拡大!
エージェントそれぞれ、紹介先企業の業界に得意不得意があります。自身の業界に強いエージェントを探すことも重要ですが、複数のエージェントに登録しておくことも重要です。
場合によっては未経験業界で好条件な案件を紹介され、新たな業界でチャレンジを勧められることもあります。またあなた自身が、経験のある仕事と、今後やってみたい仕事がイコールでないことに気づくかも知れません。
エージェントは、あなた自身の職務経歴から、ポテンシャルを見いだし、「この業界なら(この業種なら)未経験でも今までの経歴から業務遂行出来る」と判断し紹介をします。
そのチャンスを広げるためにも、複数のエージェントに登録し、多方面からの転職のチャンスを取得してください。
堀川眞也さん
- 特定社会保険労務士
- 国家資格キャリアコンサルタント
- 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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