経歴
・制作会社で映像・WEBクリエイター
・TSUTAYAの教育プログラム開発、研修講師、採用、販促支援
・女性誌出版社で人事リーダー
就職氷河期を生き、IT化…グローバル化…という社会の大きな変革の真っ只中をも駆け抜け続ける、40代ロスジェネ世代。
「周りの40代は年収どのくらい貰っているのだろう」と気になっている人も多いのではないでしょうか。
そこで今記事では、40代の平均年収・中央値について詳しく解説。
あなたが今後どのようにキャリアを築いていくべきかのヒントにしてください。
経歴
・制作会社で映像・WEBクリエイター
・TSUTAYAの教育プログラム開発、研修講師、採用、販促支援
・女性誌出版社で人事リーダー
プロフィール
企業人事歴トータル12年以上
5万人以上の応募書類を見てきた「採用とキャリア支援のプロ」
前職在職中に群馬県に移住
東京ー群馬往復6時間通勤&リモート勤務を2年間続けた後、2021年に独立
法人向け人事コンサルタントおよび
働く女性向けキャリア支援 iodus(アイオダス)主宰
40代ロスジェネ世代の平均年収と中央値は、実際にはどれくらいなのでしょうか。
国税庁の調査によると、40代前半の平均年収は476万円、40代後半の平均年収は502万円のようです。
また、大手転職サイトdodaが2020年9月~2021年8月に行なった調査を見ると、40代の年収中央値は400~500万円であることがわかります。
*参照:doda『40代年収分布』
この数字だけ見れば、自分の年収が「比較的貰っている方だ」「一般的だった」と思う方もいるでしょう。
転職は必要ないと、安心する方もいるかもしれません。
しかし短絡的な判断は禁物です。
あなたの置かれている状況によって、考察する視点は大きく異なります。
先ほど同様の国税庁の調査によると、男性だけで見た場合の平均年収は、40代前半が571万円、40代後半で621万円となり、平均年収と大きく乖離することがわかります。
男性は50代後半をピークに、年齢が上がるにつれて平均年収が大きく増加します。
これは勤続年数が長期化することによる昇給や、役職が与えられることによる昇進の影響があると考えられます。
40代男性の年収中央値に関する最新のデータはありませんでしたが、平均年収から推測すると600万円前後といえるでしょう。
*参照:国税庁『令和2年分 民間給与実態統計調査 第14図』
女性の平均年収は、40代前半で317万円、40代後半で321万円と、男性に比べて200万円以上も差があることが国税庁の調査からわかります。
また女性の平均年収は、年齢による較差が殆どないことも特徴です。
これは、男性に比べて女性は非正規雇用者が多いこと、役職に就いている人が少ないことが理由として挙げられます。
出産や育児などで離職・転職する人も多く、1社の勤続年数が短いことも理由として考えられるでしょう。
40代女性の中央値は、全世代の平均年収と差が殆ど見られないことから、全世代の年収中央値を参考にできると考えます。
平成30年の全世代女性の年収中央値が200~300万円とされているので、40代の方もこのあたりと推測できるでしょう。
*参照:国税庁『令和2年分 民間給与実態統計調査 第14図』
結論から述べると、40代ロスジェネ世代が年収をアップさせることは不可能ではありません。
ここでは具体的に、40代でも年収をアップさせる方法を3つ紹介します。
やはり40代の転職は、20代30代に比べてリスクも高く、そう容易なものではありません。転職することで年収アップどころか、年収がダウンしてしまう可能性もあるのです。
今の職場で昇給や昇格する手段や相談する余地があるのであれば、まずは上司や社長に直接交渉するなどしてみましょう。
特に40代ロスジェネ世代は、就職氷河期を勝ち抜いた優秀な人材が多く、採用数も少ないため企業としても手放すには惜しい人材です。
転職しようとしたら引き留めにあい、結果昇給を打診されたという話も珍しくはありません。
昨今ではリモートワークの認知が少しずつ広まり、拘束時間に応じて給与が支払われるというこれまでの働き方は見直されつつあります。
いわゆる成果主義、実力主義への変革ともいえるでしょう。効率の良い働き方や時間の使い方が工夫できれば、空いた時間で副業も可能。賢く年収アップが実現できます。
また、とことん効率よく働ける方や実力を充分に備えた方であれば、独立を検討してみるのも良いでしょう。
今や、営業代行に採用代行・財務代行など様々な企業が一部の仕事を外部企業やフリーランサーに委託することは一般的になっています。
安定した給与や各種社会保険などの保証は失いますが、やればやっただけ報酬を得られるので、年収アップの可能性は充分にあります。
40代は重宝される一方で、一般的にサラリーマンの出世の決着は40歳前後でつくと言われていることも事実。
現在の職場で年収アップが望めない場合は、転職を検討しましょう。
企業規模に関わらず、仕事の実力を兼ね備えているロスジェネ世代はやはり貴重ですし、就職超氷河期の採用の影響から40代の社員が少ないために補強を望んでいる企業も少なくありません。
マネジメント経験や専門的な技術を持っている方は、そうした才能や経験を武器に転職することで年収アップを実現することは可能です。
またロスジェネ世代は就職超氷河期に就職活動を行なったため、やむを得ず非正規雇用で就職した方や、肩書は正社員でも賞与や手当がなく年収400万円に達しないという方も少なからずいらっしゃるでしょう。
そうした方も、マネジメント経験や積み上げたキャリアがしっかりとあれば、正社員として雇用してもらえる可能性は充分にあります。
企業が40代に求めるものは、専門性とマネジメント力の2つです。
専門性については、自分のスキルや経験でどのように会社に貢献できるか、前職での成功事例をどうやって新しい環境でも再現できるかなどをわかりやすく伝えることが大切です。またマネジメント力については、実際に管理職の経験があれば有利ですが、必ずしも役職についていなくてもかまいません。
これまでのキャリアの中でプロジェクトを率いたりリーダーシップを発揮した経験がないか、自分の職務経歴・スキルを細かく棚卸ししてみましょう。プレイヤーとしての専門性だけでなく、チームをまとめたり後進を育成するなど、どれだけ自ら会社に貢献できるかをアピールすることが40代の転職活動に重要なポイントです。
技術やキャリアを備えた方が多い、ロスジェネ世代。
20代や30代とは異なり、転職後の展望が明確であったり、自分の強みを把握しているところが武器になりますので、年収アップのためにはこれまでの経験を生かした転職が必須です。
また、40代での転職は簡単ではありませんので、失敗したからといって何度もチャレンジできるものでもありません。
ここでは、40代ロスジェネ世代が失敗や後悔なく転職を成功させるポイントをご紹介します。
40代の転職は、これまでの経験をフルに活かした転職が最も有効です。
同職種や同業種であればそれだけで重宝されますし、転職もしやすいでしょう。
しかし全くの同職種・同業界だと、年収もそれほど変わらない場合もあります。
そんな時は、事業所規模の大きい企業への転職が年収アップには効果的です。
一方で、大手企業で課長職などの管理職経験がある方は、逆に企業規模を下げて部長職など上の役職に挑戦することで、年収アップを実現する方法もあります。
特に大企業での管理職経験は、大企業を目指す中小企業にとっては貴重な経験です。
また業績を上げている中小企業の役員の待遇は、大企業の課長職や部長職よりも高収入である場合もあります。
もう一つ年収をアップさせる転職方法として考えられるのは、年収の高い業種への転職です。
国税庁の調査では、業種によって平均年収に大きな差があることがわかります。
40代の平均年収が高い上位3業種は、情報通信業が689万円、金融業・保険業が694万円、電気・ガス・熱供給・水道業が813万円です。
最も平均年収が少ない、宿泊業・飲食サービス業の302万円と倍以上の開きがあります。
もしあなたが営業職や人事・経理といった管理部門職など別業界でも通用するスキルを持っているのであれば、、営年収が高い業界へ職種を変えずに転職することで年収アップを実現することが可能です。
*参照:国税庁『平成30年分 民間給与実態統計調査 第12表』
人手不足の業界や職種が必ずしも年収が高いとは限りませんが、転職のしやすさを考えると成功への近道と言えます。
また、人手不足ということは年収や待遇を交渉する余地もあると考えられます。
業種別:求人の増加率が前月比で最も大きかったのは「小売・外食」、次いで「商社・流通」。
※「求人数」「転職希望者数」は、ボリュームをアイコンの数で表しています。
※指数が10を超えるものは+を表示しています。
2020年5月に発表された大手転職サイトdodaの転職求人倍率レポートによると、最も人出が不足している業界はIT・通信です。
IT業界の市場規模は100兆円に近く、全産業の中でも最も高い水準を維持している上に、今後のITの拡大を考えると増々人手は不足する業界だと考えられます。
年収は、会社の規模や役職、経験年数によっても変わりますが、他にもどんな業種、職種で働いているかも大きな影響要素です。たとえば同じ営業職でも医療系業界や金融業界など、業界全体が安定していて専門知識が必要となる業種に転職できれば、平均年収を大幅に上げることも可能です。
40代から職種を変えて転職するのはハードルが上がりますが、職種はそのままで業種を変えるのであれば、経験者枠で転職できます。万が一業界未経験のために入社時に一時的に収入が下がったとしても、勤続年数を重ねて社内で実績を上げることで、前職の収入を超えることも可能かもしれません。
気になる業界や会社があれば、転職エージェントに平均年収や評価・昇給制度について聞いてみてはいかがでしょうか。
ここでは、40代から年収を上げるために転職を考えている人に向けておすすめの転職エージェントを紹介します。
おすすめエージェント | 特徴 |
リクルートエージェント |
・若年層OK!未経験でもOKのグローバル求人もアリ ・職務経歴書や履歴書の添削なども手厚くサポート |
ビズリーチ |
・外資系企業、海外関連企業の求人豊富 ・年収1,000万以上のハイクラス求人が3分の1以上※ (※2021年1月現在) |
40代におすすめの転職サービスは、『リクルートエージェント』です。
リクルートでは、業界大手ならではの豊富な求人数を扱っています。
「初めての転職だから、プロからのアドバイスがほしい」
「家族もいるし年収は落とせない。とはいえ土日祝休みはマスト」
そんな方は、まずはリクルートエージェントを登録しておきましょう。
公式サイト | https://www.r-agent.com/ | 特徴 | ・40代の幅広い職種・業界に対応 ・企業との交渉力が高い |
実績 | 転職支援実績が豊富 |
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【ビズリーチ】は日本企業に留まらず、ハイキャリア・高年収の外資系求人が豊富なヘッドハンティング型の転職サイトです。
ビスリーチが保有する求人は外資系企業の案件も多く、年収1,000万円以上の求人も多数掲載されています。
利用者の年齢層もポテンシャルを秘めた若者よりも、経験・スキル・実績が豊富な30代後半・40代・50代が多いため年齢がネックになることはありません。
職務経歴書(レジュメ)を詳しく入力することで、あなたの経験・スキルに興味を持った企業やヘッドハンターから面接確約のスカウトが届くため内定率も高めです。
外資系企業に転職して年収アップを目指す方は必見です。
公式サイト | https://www.bizreach.jp/ | 特徴 | 年収800万~年収2,000万の高年収求人が豊富 |
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そもそもロスジェネ(ロストジェネレーション)世代とは、日本経済が戦後最も低迷していたバブル崩壊後のおよそ10年間に、就職活動せざるを得なかった人々の呼称をさします。
高卒、大卒など、就職活動を行なった歳による差はありますが、2020年現在ではおよそ40代の方々がロスジェネ世代に該当するといえるでしょう。
ロスジェネ世代は、いわゆる就職氷河期に就職活動を行ない、不景気による企業の新卒採用が激減する中奮闘した世代。
売り手市場で大量採用されたバブル世代とは異なり、限られた枠の採用だったため、激しい競争を勝ち抜いた優秀な人が多いと言われています。
冷え切った日本経済を支えていく世代という空気を就職活動そのものから肌で感じており、努力を怠らずスキル向上に励んだ人が多いことも特徴。
就職後も、価値観がはっきりしているバブル世代の50代と、ゆとり世代の30代との調整役のような役回りを担うことも多く、冷静な判断力や決断力を自然と身につけた人も多いようです。
40代ロスジェネ世代は、バブル崩壊の影響で2000年には有効求人倍率が1を切るなど就職難の時代に就職活動をせざるを得なかった世代です。希望する企業よりランクを落として就活を行う人も少なくありませんでしたが、その分自分のスキルアップに磨きをかけて転職のチャンスを狙うなど自分のキャリアを自分で切り拓いてきた精神的なタフさがある方が多いのが特徴です。
また、就職氷河期をくぐり抜けて入社した後も、会社業績の低迷により中高年の先輩社員がリストラされる厳しい現実を目の当たりにしたり、人員削減の中課される厳しい業績目標やノルマに、必死で食らいついてきたこの世代は、あらゆる場面で冷静に対応できる判断力と臨機応変さも強い武器になりますよ。
いずれにせよ40代の転職は、転職の目的や転職後の目標を明確に定め、自身のキャリアの棚卸しを充分に行ないアピールポイントを明確化する必要があります。
加えて、転職活動が長期化しないよう計画を立てたり、多少不採用となってもモチベーションを保ちながら取り組み続ける姿勢も必要です。
また、何よりも注意しなければならないのは謙虚さを忘れないことです。
キャリアをアピールする余り高圧的になってしまったり、これまでの実績をひけらかしたりしてしまっては、面接に限らず入社後にも反感を買うでしょう。
特に採用する側は、求職者のスキルや才能と同じくらい、人柄も重要視します。
それは新しい環境になじめるか、特に管理職であれば部下から慕われる人かどうかは、組織全体の生産性を左右する重要なポイントだからです。
これまでの経験を活かしながらも、新しいことにはどんどんチャレンジしていきたいという素直さや前向きな姿勢も忘れないでください。