前回は、面接の時必ず聞かれる「退職理由」の書き方や効果的な志望動機やアピールポイントについてお話しました。
今回は、良い履歴書と悪い履歴書を比較し、面接官に印象づける履歴書とはどんなものなのかを解説します。
本講座で以前、この世代では新卒用・若手向けの用紙を使ってはいけない旨、説明しました。
それでは転職者用の履歴書を選択すれば万事OKか、というと決してそうではありません。
まず同じ応募者のOK履歴書の見本とNG履歴書の見本を見比べてください。おそらく素人目にもその差は一目瞭然でしょう。
一見してわかるOK履歴書とNG履歴書の大きな差は、字の読みやすさと記述内容のボリュームです。
NG履歴書はOK履歴書と比べて、明らかに字がうまくなく、非常に読み辛い印象を与える履歴書です。
どんなに丁寧に書いたとしても、字が汚くて読み手に悪印象を与えるケースは確実に存在します。
この場合、既述のとおりパソコンで作成することも視野に入れてください。
またOK履歴書が程よく埋まっているのに比べて、NG履歴書はスカスカ感が否めません。
特に採用人事が中高年の応募者に関して最も注目する職歴欄は、この事例の人のように転職回数が少ない場合、入社・退社だけでは採用人事の知りたい情報提供が乏し過ぎると言えます。
ここはバランスを調整できるところですので、シンプルな経歴の人は配属先や自身が携わった業務内容などの詳細に触れていく、逆に転職回数が多い人は入社・退社の端的な組み合わせを用いつつも、応募職種にPRできる職歴については、少し多めにボリュームを確保するなどの工夫が必要になります。
※画像をクリックすると、フォーマットのダウンロードが出来ます。
【NG履歴書についてのNGな理由解説】
<全体について>
これではスカスカ過ぎて、全くやる気を感じられない。
いくら丁寧に書いたとしても、字の見やすさ、わかりやすさには限界がある。何が何でも手書きの履歴書にこだわらずにパソコンでの作成を検討。
<個別欄について(一部欄のみ解説)>
出社可能日欄は、実現可能な日を算出して書くこと。在職中なのに、「すぐ出勤可」的な記述は、社会人としての資質を問われる。
特技欄は、奇をてらわないこと。この年代はキャリア勝負、受け狙いに走るのは危険。
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退職理由欄、志望の動機、アピールポイント欄は、履歴書内で唯一フリーに記述できる欄なので、既述内容によってライバル達と最も差がつく項目です。
NG履歴書のようにどこにでも通用する抽象的な表現やボリューム不足では、スパム(大量)応募、とりあえず応募と見限られてしまいます。
その他NG履歴書については、和暦・西暦が統一されてない、ふりがなの振りミス、希望職種を正確に反映していないなど、仔細なミスが目立ちます。
評価の本質ではないところでつまずくのは、非常にもったいない話です。
繰り返しになりますが、この年代なら履歴書くらいの書類はパーフェクトに当たり前、という採用人事の期待を裏切るようなことは絶対に無いようにしてください。
第6回「履歴書の書き方~勤続年数が短い・ブランクがある場合~」 へ続く
転職コンサルタント(中谷充宏)講師プロフィール
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