なかなか見つからない希望の求人。募集も少ない中、倍率も高く、自分に合った求人が見つけられないという方も多いのではないでしょうか。
2013年から障がい者雇用率が引き上げられましたが、現状では約7万社の対象企業のうち60%近くの企業がこの雇用率が未達成になっています。
民間企業2%・地方行政機関2.3%の雇用率を達成するには約8万人の障がい者の雇用が必要となり、現在、求職中の身体障碍者が19%・知的障碍者が12%という事を考え合わせると、数的には「売り手市場」という事が見て取れます。
しかし、企業側と雇用者のミスマッチで退職し再度仕事探しをする人も多いのが現状です。
障がい者の求人はハローワークなどの公共機関で探すのが一般的ですが、実は今、民間企業が障がい者向けに就職支援や職業訓練を行っています。
障がい者の就職事情と新常識を順を追ってみていきましょう。
「障がい者枠」での就職では、軽度の障がいであったり職歴があると採用されやすいようです。
ただ、大手企業に採用されても仕事が続かない場合も珍しくなく、個人の資質や仕事の特性だけでなく、障がいの状態・障がいについての職場の受け入れ態勢など多方面からマッチングを考えなければならないのが、障がい者枠での就職の難しさと言えるでしょう。
障がい者の就職で使われる主な媒体は、やはりハローワークや大手求人サイト。
特に、求人サイトが主催する就職フェアは参加企業が年々増えて利用者も増加中です。
直接企業の人事と直接話すことで連絡先を教えてもらったり面接の約束を取り付けたりといったこともあるので、積極的に参加する価値大です。
一方、国は障碍者の就職・雇用が進むように法整備を進めています。
その法律の一つが「障がい者雇用促進法」で、企業に対し一定数の割合で障がい者を雇用することを義務づけています。
具体的には、50人以上の従業員がいる一般企業の場合2%、48人以上の特殊法人で2.3%、48人以上の規模を持つ国・地方公共団体なら2.3%、50人以上の都道府県教育委員会は2.2%という割合です。
もしこれが未達成だと不足人員一人当たり月額50000円の納付金を支払う決まりになっています。
対象になっているのは身体障がい者・知的障がい者ですが、平成30年からは移行期間を経て精神障がい者も対象に含まれるようになります。
また、事業主に過度な負担にならない範囲で「障がい者が働きやすい職場として受け入れ態勢を整えるというする「合理的配慮」も義務付けたり、障害の有無や車いすの仕様などを理由に採用を拒否するといった「障がい者への差別」もこの法律で禁止されています。
身体障碍者の募集が多い職種は、パソコンを使った一般事務職・倉庫作業などの軽作業が中心です。
求人サイトで見かける企業の多くは健康関連商品を扱う商社や生命保険会社等テレビCMで見かけるような大手企業がほとんど。
大手家電メーカーの中には自らのグループ企業も含めた就職フェアを開催し障がい者の雇用確保に積極的なところもあります。
人気が高い金融やメガバンクでの事務職は、電話応対への配慮や透析が必要な方への配慮などが求人票にも明記されている場合が多く働きやすさを測る一つの目安にもなります。
また、県庁・市役所など地方行政機関での仕事は、ソフト面・ハード面でも身体障害者にとって働きやすい職場です。
採用される部署にもよりますが、公共福利に広く携わる仕事には身体障がい者として体験してきたことを活かせる可能性も出てきます。
障がい者にとっては仕事内容はもちろん通勤が容易だという事も働きやすさの大事な条件の一つ。
正社員に採用されればほとんど毎日職場に通う事になり、通勤時間や通勤方法、症状によっては通院への配慮なども合わせて「自分が働きやすい仕事」を考えることが必要です。
精神障がい者は外見からは疾患を抱えていると思われない場合も多いので、逆にまわりからの理解・協力が得にくいという側面があります。
この解決に欠かせないのがコミュニケーション力で、自分を他者に理解してもらうと努力することで、出来ることの幅が広がっていきます。
精神障がいの種類や症状の程度に加え個人の資質などによって職場は様々ですが、小売業・物流・IT関連・福祉・外食産業など幅広い業界から求人があります。
職場の働きやすさというのは数字では計れない側面もあり実際に働くようになって初めてわかることも多いもの。
そんな働きやすさの目安になるのが過去の就職実績です。
過去に精神障害者を雇用した実績のある会社なら、ノウハウの蓄積もあるので受け入れやすい土壌が整っていると思われます。
働きやすい職場を探すには、就労移行支援事業所で相談するのも一つの方法です。
それぞれの症状に応じた就労の相談会やコミュニケーションに関する講座を開催したり、訓練の一環で実際に企業で仕事をすることもありその際には工賃が支払われます。
あくまでも支援事業所なので職場の斡旋等はしていませんが、その事業所のネットワークを生かした求人の紹介をしてくれるところもあります。
障害を持った方が、いざ仕事を探そうと思っても、自分にはどんな仕事が向いているのか?
一般就労ができるのか?
新たな事にチャレンジしようとする場合は緊張や不安がつきもの。
それを和らげるために仕事を探す準備段階として「就労移行支援事業所」を利用し、働くことに慣れたりスキルを身に着けて職場へのソフトランディングを目指しましょう。
就労に最も大切な「生活のリズムを作る」ということも、支援事業所に定期的に通所することで身に着けることもできます。
その就労移行支援事業所とは各種講座(ビジネスマナー・模擬面接。パソコン講習等)を開いたり相談会や体験就労などを通し文字通り仕事につくバックアップを行ってくれる施設のこと。
運営母体は民間企業以外にNPO法人・医療法人など様々で雰囲気や講座メニューも事業所ごとに違います。
ほとんどの事業所で体験会・見学会を実施しているのでいくつかの事業所を実際に見学してからどこを利用するか決めるようにしてください。
アスリートプランニングが運営する就労移行支援施設ラルゴは、主に発達障害の方を対象にサービスを展開中。
体幹トレーニングをいち早く取り入れ、PCスキルの中でも人気が高い「MOS資格取得コース」を開設。
採用者からの「コミュニケーションスキルが高い人を採用したい」という声にこたえて「コミュニケーショントレーニング」を開設するなど求職者と求人企業のニーズに応えたサービスが特徴です。
実際に通所となるとお住まいの市町村が発給する「障害福祉サービ受給者証」が必要で、その発給にはその市区町村ごとの条件を確認しなければなりませんが、ラルゴ神楽坂のスタッフに調べてもらうこともできます。
書類作成や役所への同行も無料で行うなど、様々なサポートが受けられます。
障がい者求人紹介 ラルゴ
障がい者の転職をサポートするラルゴは、障がいをお持ちの方と企業の橋渡し役だけでなく、様々な転職トレーニングを提供するなど、障がい者の転職を総合的にバックアップしています。
転職支援(高田馬場)と就職支援移行施設(神楽坂)に分かれ、それぞれ転職担当スタッフによる求人案件の紹介、パソコンや体幹のトレーニングから面接や履歴書の指導・MOS資格取得などの数々の就職移行支援を行っています。
障がい当事者のスタッフが在籍しており、転職のことで悩みがあればお気軽にご相談していただけます。
約600社の取引先のうち約7割が30年以上続いている安定企業なので、安心して新しい職場に入社ができます。
公共機関で教えてくれる情報は本当に限られたもので、助成金やネットの発達により、私達の雇用も支援も以前に比べ充実したものになっています。
公共機関と違い、民間企業は障がい者の就職支援を利益として成り立っているので、対応の親切さやサービスの充実度ではとても高く、評判の声も多くあります。
なかなか求人が見つからず、枠も狭いので後ろ向きになってしまいがちですが、新しい情報を常に取り入れることが良い就職先を見つけるカギになります。
公共だけではなく、ネットや民間企業を利用してまた次へと踏み出していきましょう。