前回、外国仕事ができるようになるための3要素のうち2つの身に付け方をお伝えしました。
1.外国で働ける人材 → まずは、海外。できたら新興国に数週間住んでみる。
2.外国人を喜ばせることができる人材 → 自分とは違う文化の人(できたら外国人)に人気の店を見つけ、なぜ流行っているのかを分析するクセを作る。
今回は、3つめの「3.外国人と働ける人材」について解説します。
ここまできて、もう皆さんお気づきかと思いますが、この方法も「実際に外国人と共同作業をしてみる」ことがスタートです。
我々のプログラムでは、原則、日本語学習中のカンボジア人にヒアリングをかけます。(英語が苦手な学生が多いため)
例えば、王立プノンペン大学(カンボジアの東京大学にあたる大学)日本語学科の学生です。
カンボジア人学生の学習中の日本語と、日本人学生の下手な英語で、頑張ってコミュニケーションをとり、彼らが何を求めているか聞いていくのです。
これにより、英語ができない学生でも参加できますし、下手な英語(日本語)でも、頑張ればコミュニケーションできるということを、肌で感じてもらうことができるのです。
そして、その後の試食会。
この試食会は、先のヒアリングの中で、カンボジア人の人たちの都合を聞き、場所・時間を設定します。
そして、カンボジア人はいい人が多いので、普通に食べてもらっても、原則「美味しい」と答えます。じゃあ、どうやってホンネを聞き出すかが腕の見せ所。
そもそも人の集まりがどうか観察したり、食べた瞬間の表情を見たり、複数のモノを並べてどれがベストか聞いたり、様々な試行錯誤をしながら、人にホンネを聞くことの難しさを体感してもらいます。
このように、ヒアリング・試食会を行う中で、たくさんのカンボジア人と話をします。
その中で、この人は優秀だ、一緒に仕事をしたいという人がいたら、FBで友達になり、メッセージでスカウトをします。
「○日に販売を行うんだけど、日給○ドルで一緒に働かない?私は、あなたの○というところを高く評価しており、協業したいと考えてます」
こうやって、人を雇うこと、雇った人と役割分担すること、その人を管理することを学んでもらいます。
また、日本語と現地語ができる人材を雇うことで、外国語に不安のある人も活躍できるようになります。
そして、カンボジア人スタッフと共に、売り上げ目標目指して販売を行います。
試食会などの結果を踏まえてモノを選んでも、販売してみると、売れたり売れなかったりです。売れないときは、その場でどんどん修正をかけていきます。
価格を変える人、パッケージを買える人、売る場所まで変える人。
チームによって動きは異なります。
販売は、原則2日間行い、販売日→修正日→販売日と、いう形で、間に1日、製品や販売方法の修正する日を組み込み、PDCAのCA(Check Analyze)をしたうでで、再度計画を立てる時間を設けます。
この作業を、雇ったカンボジア人スタッフと一緒に行うわけですが、自分たちにも、彼らにも、得手不得手があります。
日本人学生は、PC使って看板作ったり、現地の人にガンガン声をかけたりするのは得意です。しかし、現地の人との複雑なコミュニケーションは苦手ですし、現地通貨を素早く勘定するのも上手くありません。
これに対し、カンボジア人学生は、シャイな人が多いので、お客さんに声をかけるのが苦手な人が多いです。でも、現地の言葉で詳細な説明をすることができますし、金勘定も得意です。
看板を作るときにも、どんな看板が魅力的かをカンボジア人スタッフに教えてもらってから作ると、お客さんにとって魅力的な看板をつくることができます。
モノが売れなかった時も、その原因をカンボジア人の目線、日本人の目線から考えると、原因分析が立体的になり「なら、コレを売ってみよう」というアイデアが出やすくなります。
カンボジア人だけで考えると、他のカンボジア人経営の店でも売っているようなものばかり出てきてしまいますし、日本人だけで考えると、お客さんが喜ぶものからずれてしまいがち。両者が協力することが大切なのです。
このように、外国人と一度しっかり仕事をすると「ガイジン怖い」といった、外国や外国人に対するバリアが取り払われます。
そして、自分たちと現地の人との好みの違いがあるということを理解し、自分たちの嗜好とは違う、現地の人たちが喜ぶモノを作ろうという発想が生まれてきます。
また、働き手としても、自分たちと現地の人たちとの仕事のスタイルの違いを体感し、それぞれの特製に合わせた役割分担をし、それぞれが持てる力を100%発揮出来るような仕組みを作れるようになります。
もちろん、誰しもがこのように、外国人とチームを組んで仕事ができる機会を得られるわけではありません。
しかし、学生であれば、外国人留学生に声をかけてみるとか、社会人であれば外国人との取引がある部門に近づいてみるとか、社外で外国人と交流をしてみるところからスタートしてみましょう。
そして、彼らと一緒に、学園祭でお店を出してみる、旅行の計画を立てる、勉強会を開催してみるなど、何でもいいので共同作業をしていくことにチャレンジしてみましょう。
一度、共同作業をした実績があれば、就活や人事考課の際に「私は、外国人の人たちと○○という共同作業をしたことがあります。そこで○○という成果を出しました。だから、より大きな外国人とのプロジェクトに参画させてください」とアピールすることができるようになるのです。
ここまで、いろいろお話して来ましたが、語学の話がほとんど出てこないことにお気づきでしょうか?
外国で、外国人と働くのに、語学力はあった方がいいに決まっています。でも「語学力がないから、話せるようになってからスタートする」必要はありません。
そもそも、日本国内に語学力をアップするための教材、機会は山のようにあります。
特に英語に関しては、教材は本屋にもYoutubeにもNetflixにも山のようにありますし、外国人と話す機会も英語カフェからオンライン英会話から、フィリピン英語留学までよりどりみどりです。
これだけいたれりつくせりなのに、日本人が英語を喋れないのは、モチベーションがないからです。
英語で話そうとして、伝わらなくて、悔しい思いをしたことがないから、なかなか勉強する気になれないのです。
「語学を学ぶなら、その言葉を話す恋人を作れ」
と言われますが、これは正しいです。
恋人に自分の思いを伝えることほど大きなモチベーションはありませんから。
それと同様に、外国人と一緒に何かをするという体験をすると、「あの時こんなことが伝えられなかった」「こういうことが伝えられれば、もっと上手く行ったのに」というモチベーションが生まれるのです。
また、同時に、「完璧な英語でなくても通じる」「難しいことを伝えるときは日本語が使える外国人を通訳に使えばいい」ということもわかり、自分が超えるべき英語力のハードルもわかり、尻込みをしなくなります。
モチベーションを持ち、目標が定まったら、後はやるだけ。
英語学習をやるためにも、外国人と一緒に仕事をする経験が大切なのです。
復習になりますが、外国仕事をするための3箇条の身に付け方は、こちらです。
1.外国で働ける人材 → まずは、海外。できたら新興国に数週間住んでみる。
2.外国人を喜ばせることができる人材 → 自分とは違う文化の人(できたら外国人)に人気の店を見つけ、なぜ流行っているのかを分析するクセを作る。
3.外国人と働ける人材 → 外国人と一緒に何かを成し遂げてみる
どれも、実際に自分で動くことが大切です。
Webの記事を読んでやり方を理解したら、今日から行動してください!