”円満退社”とは今まで勤務してきた会社を辞めるときに、お互いに納得・理解し職務の引き継ぎなどを済ませた後、わだかまりなく退職することを言います。
会社への不満や人間関係でのストレス、仕事のやる気低下、家庭の事情‥など様々な理由で転職を考え始め会社を辞める決意を固めても「今日で辞めます。」とはいかないのが社会のルールです。
退職の話を切り出すことも一苦労ですが、退職の仕方次第ではこれから始めるであろう転職活動への影響も少なからずあります。出来ることならば退職の際は円満退社をして心機一転晴れ晴れしい気持ちでスタートを切りたいものです。
これらは正社員に限ったことでは無く、円満退社はパートであっても同じです。円満退社をすることのメリットや円満退社の方法、もしも引き止められてしまった場合の対処法など円満退社に関するポイントを解説していきたいと思います。
円満退社をすることで得られるメリットを具体的に挙げてみたいと思います。
お互いにイヤな気持ちで後味悪く退職をしてしまうと精神的に参ってしまうこともありますし、退職後の転職活動や転職先での業務に影響を及ぼすこともあります。転職活動中の退職理由はもちろんのこと、転職先の人事担当者から以前の会社へ問合せが入ることもあります。その際に円満退社でない場合、不利益な情報を流されてしまうことも考えられます。
また、転職先でも以前の会社の人と仕事で関わりを持つ可能性もあるので、今後のためにも円満退社が重要であることが分かると思います。
円満退社をするためには、会社や周りの人に迷惑をかけないよう退職までのスケジュールをしっかりと立て行動していくことが大切です。
■会社に返却するもの‥健康保険被保険者証、社員証、名刺、制服・作業着(クリーニングをしておく)、会社から貸与された備品など
■会社から受け取るもの‥雇用保険被保険者証、年金手帳、離職票、源泉徴収票、退職証明書など
「給料が低い」「休みが少ない」「残業が多い」「同僚と仲が悪い」「仕事のやる気がなくなった」など本音であってもネガティブな退職理由ばかり並べていても会社や上司は納得しません。
待遇改善を約束され退職を引き止められてしまったり、悪い印象を与えて円満退社といった形で退職出来る可能性も低くなってしまいます。ネガティブな理由であってもポジティブな理由に言い換えて伝えることがポイントです。
退職理由が会社への不満では無く、”個人的な理由”であり”前向きな理由”を伝えると納得してもらいやすくなります。全く関係のない理由を伝えるのは信頼・信用面で問題となる可能性もあるので注意が必要ですが、表向きの理由としてこれらを参考に退職理由を考えてみてはいかがでしょうか。
※会社規定の書式で退職願を作成する場合もあるので、規定の書式があるのかも確認しておきましょう。
自己都合での退職の場合は「退職届」でなく「退職願」で問題ありません。上司に直接手渡すことがマナーです。不在の場合でも机に置いておくことが無いようにしましょう。
上司に退職を申し出たからといって、すんなり承諾を得られるとは限りません。退職を強く引き止められ頭を悩ませることもあるでしょう。会社にとって必要な人材だと言われたり、あなたのためを想って会社に残るよう引き止められる可能性もあります。
引き止められることによって退職の意志が揺らいでしまう人も居るかもしれませんが、一度退職を決意したのであれば「なぜ退職をしようと思ったのか」を今一度冷静になり思い返してみましょう。
まずは、引き止められないための準備をしっかりと行っておくことも大切です。円満退社を望むのであれば揉め事のないスムーズな退職が理想です。
引き止めに応じてしまった場合、また退職を考えたときに今回以上に言い出しづらくなったり、退職を申し出たことによって会社に居づらくなることも考えられるので冷静に考え判断することが賢明です。
円満退社を望んでいても上手くいかなかった人が居ることも事実です。円満退社が出来なかった人の特徴を挙げていきたいと思います。
【急に辞めたいと伝える】
最低でも希望退職日の1ヶ月前までには上司に退職の意思を伝えましょう。
【退職理由に本音ばかりを述べる】
「給料が低い」「仕事が楽しくない」「拘束時間が長い」「人間関係が悪い」などネガティブな退職理由をそのまま上司に伝えてはいけません。退職日まで肩身の狭い思いをする可能性や退職の引き止めにあう場合もあります。本音と建前を上手に使い分け、ポジティブな退職理由を伝えましょう。
【人間関係が悪い】
上司との相性が悪かったり、職場の雰囲気が悪い場合は温かく送り出してくれる雰囲気になりづらいようです。こればかりはどうしようもないのですが、できる限り波風立てず退職の日を待ちましょう。次は信頼関係を築けるような職場に巡り会えることに期待です。
【責任感がない】
退職を決意したからといって仕事が雑になったり、しっかりと引き継ぎをしない人は人間性を疑われます。最後まで責任感を持ち周りに迷惑を掛けないよう誠意ある態度が大切です。
【自分の気持ちをしっかりと伝えられない】
後任が見つからない、引き継ぎが上手くいかないなど様々な理由で退職を引き延ばされたとき、出来る範囲で退職日を調整するのはいいのですが、そのままズルズルと退職日が決まらないまま仕事を続けていくことはあまり良くありません。「何日までに‥」としっかりした計画を立て自分の気持ちを伝えましょう。
退職を決めてからの行動・態度はもちろん大切ですが、それ以前の仕事への取り組み方や人間関係なども円満退社のためには重要であることが分かります。仕事をする上で日頃の立ち振る舞いにも気をつけてみましょう。
次の仕事へスムーズに繋げるためにも”円満退社”を目指ししっかりとスケジュールを立てていきましょう。円満退社なんて無理だと思っている人も出来ることから始めてみてはいかがでしょうか?
もしも、円満退社が出来なかったとしても最後まで誠意を持ち責任ある態度を示すだけでも今後のためになるはずです。