フリーターのままじゃダメかも・・・正社員になりたいと思いつつもなかなかフリーター生活から抜け出せない。
と思っている方必見。
今回は、「転職の家庭教師」として過去にフリーターから見事正社員のチャンスを掴んだご経験のある、キャリアコンサルタントの丸井沙紀氏に『フリーターから正社員になる7つの方法』についてお話しをお伺いました。
フリーター人生に危機感を持ち始めている方や不安感を持っている方は、ぜひご参考にしてください。
まず「動き出せずにいる人」と「動いているけどうまくいかない人」の大きく2つに分かれるのではないでしょうか。
このままじゃいけないと思ったり、漠然とした焦りがあったりする中でも具体的に動けないでいる人です。
何がしたいかわからない
正社員になりたいと思っても、特にやりたいことがない、何が向いているのかわからない、どう会社を選んでいいのかわらない、就いてもその仕事ができる自信がないことなどから具体的に動き出すことができないでいる人も多いです。
変わることへの怖さ
フルタイム+残業で働くということへの怖さ、ブラック企業だったらどうしようという恐怖、正社員としての責任の重さなど、仕事への不安と新しい仕事や環境は未知なる世界。
不安に思うのも当然です。
金銭的な変化への懸念
正社員として就職をすると親の扶養から外れる、仕送りが止まる、自宅に生活費を入れなければいけなくなるなど、社会保険や年金など今まで免除していたり親に支払ってもらっていたりした人は払うこととなり、逆に手取りや自由にできるお金が減ってしまう場合があります。
また、アルバイトのかけもちや深夜シフトに入ると、正社員の手取りを優に超えてしまうケースもありますよね。
わざわざ正社員にならなくても今の収入の方がいいし、正社員ほどの責任も伴わず、社会保険なども引かれないので「このままいいのではないか」と考える方もいるでしょう。
やりたいことがみつかった、みつかっていなくてもとにかく就職活動をした。
しかし、〇〇業界や職種の経験がないから不採用、書類すら通らないということも多くあります。
新卒または経験者しか採用されないという根深い日本の採用事情。「新卒で就職というレール」からひとたびはずれるとチャンスは非常に少なくなります。
経験がないから不採用。じゃあその経験をどこで積めばいいのか。私も当時は何度もその壁にぶつかりました。つらいですよね。
更にある程度の年齢になると「正社員経験がないから」という理由で、正社員への採用は懸念されることも多くなってきます。
やりたいことがわからないから大学卒業後はフリーター
余談ですが、大学生の就職相談を担当している際「やりたいことがわからないから、卒業後一旦フリーターになって自分探しをしてみようと思う」という学生さんがいます。
今は売り手市場ですがそれはそれで悩みがあるようです。上記の話をお伝えしてよく考えるようアドバイスします。
今はまだ新卒で就職をするという事の有利性やあらゆる可能性を理解できていないのです。数年後現実を知って後悔してほしくないので、事実としてしっかりお伝えします。
その上で、本当に考えや覚悟があるならフリーターをしながらの自分探しもありでしょう。
きっかけというよりは、私はアルバイトをしながら常にこの先どうしようと考えなら就職活動を続けていました。
この記事を読んでくださっているフリーターの方は「ここままでいい」とは思っていないからこそ、ここまで読んでくださっているのではないでしょうか。
なぜ正社員になるという事に拘っていたのか。自分の経験と一般的な考えをまとめてみました。
私は居酒屋でアルバイトをしていましたが、年齢が上がるにつれ気が付けばまわりは年下のアルバイトに囲まれます。
大学に通い、学業と並行しながら仕事をテキパキこなす若者達。アルバイト先の店長や正社員の人と年齢が近くなってきた自分に気がつきます。
当時は都内でも時給800円台、現在は1,000円を超えましたがその分物価も上がっています。
一人暮らしで家賃と生活費をぎりぎり稼ぐことはできても、ちょっとした娯楽や貯金に回すお金はありません。
上記に一見手取りは正社員よりも多い場合があると書きましたが、正社員の友人を見ると週休2日に大型連休、ボーナス。
そういった話を聞くと割に合わないと感じてきます。若いうちはあまり差がなくても、年齢が上がるに連れ正社員との年収差は大きく開いていきます。その証拠に、フリーターと正社員の生涯賃金は1億円以上差があるといわれています。
まずは私自身が正社員になった方法からお伝えします。正社員にはなりたいものの、音楽以外に何がしたいのかも特に決まらない中職業訓練に通う事に。
当時MACは使えたものの「Windows使える方」という求人がほとんどである事からパソコン事務科に入学。そこで格好よく授業をする女性のパソコンインストラクターの先生達に憧れるようになりました。
元々パソコンは好きだけど人と話すことも好き。その両方が叶う仕事であると思い、訓練修了のタイミングでパソコンインストラクターの仕事を探し小さなパソコン教室のアルバイトでの採用が決まりました。パソコンを教えると共に売り上げを上げるという任務もこなし、1年後には3つの教室を任されるようになりました。
しかし、一向に正社員はおろか社会保険などに加入してくれる気配もない経営者。
【体験談】フリーター時代の経験を活かして見事正社員に
パソコンを教える事以上に売上を上げる事や教室を運営する事、就職や転職を目指しているお客様に接する事に興味が出てきた私は、ベンチャーとして成長中のITスクールの営業職の正社員に応募し見事に受かりました。
最終面接で役員に「〇〇(アルバイトをしていたパソコン教室)出身者なら採用して!と社長が言っている」と言われた時には、私がやってきた事は間違いなかったと確信し、正社員を勝ち取った瞬間でした。
色々なアルバイトをしている人、コンビニや飲食店で様々な仕事をこなしているあなたは、なんでもできる故に器用貧乏になっていませんか?
「なんでもできる」は逆に「何ができるかわからない人」にもなってしまいます。何かに特化してスキルや経験を上げていきましょう。
Point特化した経験やスキルを身に着けよう
やりたい事、方向性が見えてきた、でもいきなり正社員としての採用は難しい。
そういう場合は方はやりたい事に近い経験を積めるアルバイトを始めましょう。アルバイトでの経験も実務経験としてみてくれる会社もあります。
経験と認められなくても、希望の業界を受けた時に「なぜこの業界を受けているのか!」という事に説得力が深まります。
色々な種類のアルバイトを転々として過ごすより、稼ぎながら前に進むことができます。
Pointキャリアに一貫性があると有利
就職後に活かせるスキルや資格を取得するのは有効です。即戦力とまでいかなくてもその業界や職種で必要な最低レベルに達する事ができます。
また、一貫性をもったキャリアを作るのと同様に「なぜその業界を受けているのか」という志望動機の説得力が高まります。
お金はかかりますが、社会人向けのスキルアップや資格取得のスクールでは仕事の紹介や相談にのってくれる所もあります。
また職業訓練校など条件をクリアすれば無料で受講できる機関も多数あります。
Point就職後に活かせるスキルや資格があれば履歴書や面接でもアピールできる
フリーターや既卒、第二新卒の為の就職支援会社や人材紹介会社が存在します。
ここには「やる気があれば未経験でも歓迎」という求人が集まっています。また、会社によっては無料でスキルアップやマナーなど即戦力になるような研修をしてくれます。
これらはやりたい事がある人、みつかった人に有効な方法です。「そもそも何がやりたい事で向いているかわからない」という人もいるでしょう。そんな人は以下の方法がお勧めです。
Point未経験でもスキルアップやマナーの研修があるので安心◎
学生時代やアルバイトの経験、趣味から自分の得意な事、苦手な事、強み、楽しいと感じた事などを分析して書き出してみましょう。
書店で市販している就活や転職用の自己分析シートや本を活用するのも有効です。
Point短期離職にならないよう、自分のやりたいこと・よくできた経験をしっかりと確認しておく
過去によくできた経験ややりたい事だけを考えていても見つからない場合には、あえてマイナスな事や経験にフォーカスしてみるのも手です。
苦手な事を避ける消去法で仕事を選ぶという方法も意外に有効です。
また、マイナスな事を乗り越えた経験を仕事に活かしている人も大勢います。私も就職に苦労したからこそキャリアコンサルタントという仕事をしています。
人見知りだった人が人見知り改善コーチになった人や大けがをして入院した経験から医療分野に進んだ人もいます。
Pointマイナスな経験にヒントがある!
考えても浮かばない人はまず一歩進んでみましょう。何かをやってみる、初めて見る、体験してみるという事はとても有効です。
最初からしっかりとしたキャリアプランを立て、やりたい事を理解して10年先20年先を見据えて動いている人は稀です。
やってみた事が案外自分に合っていた、そこで知らない世界を知って広がっていたという事はよくあります。
もし合わなければその仕事は合わなかったという事が体験できた事になります。動けば何かがおきる!そんな風に考えて新しい仕事でも勉強でも、まずは一歩進んでみましょう。
Point何事も経験で人は成長し、学ぶ
フリーターと正社員はどのように違うものなのでしょうか?正社員になって実感することは大きく分けて6つあります。
まずは親や親せきに顔向けできてほっとした気持ちになる人は多いでしょう。
特に結婚を考えていた男性は彼女にもうれしい報告となるでしょう。
今まで苦戦していた賃貸契約やクレジットカードを作る際の手続きがスムーズに進み、正社員という世間の評価を実感します。
人間の欲求の中には「自分はどこかに属している」というどこかに所属していたいという欲求があります。
〇〇社の社員であるという実感、名乗れる事、仲間がいる事でテンションがあがる人も多いはず。名刺を支給されるとよりうれしくなります。
できれば払いたくない人も多いとは思いますが、社会保険や年金、税金をきちんと納め、社会人としての責任を果たす事でやっと大人になれ、当たり前のことができるようになった事を私は実感しました。
「社保が引かれて手取りが少なくて困るよね」
「明日は会社の健康診断だからお酒は飲めないの」
といったフリーター時代に話に入れなかった正社員の会話ができるようになりうれしくなりました。
「このままじゃいけない」と漠然と思い続けてきた事からの開放された事は、ほっと胸をなでおろします。
いつ切られるのだろう、シフトを減らされたらどうしようといった不安からも解放されます。年末年始など長期休暇でも給与ダウンにならず安心して休暇を謳歌する事ができます。
正社員は責任ある仕事をまかされる事が多くなります。
また評価される機会もでき、仕事の内容、立場、給与に反映されます。
未来が見えてきて「もっとがんばろう」という気持ちになる人も。
会社によっては資格取得やスキルアップに対して講習や資格手当が出たり社内で研修を受けられたりする会社もあります。
私自身も最初に取得したキャリアカウンセラー資格は会社から受講料負担と取得の勧めがきっかけとなりました。
訳あってその会社での勤務が続けられなくなった場合も、正社員経験があれば、フリーター時代に比べると格段に正社員として転職しやすくなります。
また、事情により契約社員や派遣、アルバイトとして働く場合も正社員経験があれば当然就きやすくなります。
私自身の経験と今までキャリア支援させていただいた経験を元にフリーターから正社員になる方法について説明してきましたがいかがでしょうか。
何よりまずは動いてみる事です。
また、一人で悩んでいても方法がわからない方は、ハローワークや就職支援会社などの専門機関の支援を受けてみましょう。
キャリアコンサルタントや相談窓口など専門家のサポートを受ける事で、知らなかった情報や考え方が見えてくることもあります。
そして、一番言える事は「動くなら早いほうがいい」という事。
年齢が上がるにつれ選考の目が厳しくなるのは勿論、就職支援会社によっては年齢制限を設けていますからサポートを受ける機会も減ってしまいます。
心配するより産むがやすし!思い立ったが吉日!この記事を読んだ事が1歩踏み出すきっかけになりますと幸いです。