さて、これまではやりたいことを見つけるためには、新たな出会いを見つけるための行動と、一歩踏み出すためのメンタルについてお伝えしてきました。
今回は、やりたいことを見つけるために闇雲に動き回るのではなく、少し自分自身についても分析してみましょう。
そもそも、やりたいことをやるというのはどういうことなのでしょうか?
やりたいことをやっていくというのは、自分の気持ちに素直になって、自分らしい選択や行動をしていくことを意味しています。
そう考えると、やりたいことを見つけるというのは、自分探しの旅に似ているところがありますね。
自分探し、つまり自分らしさを見つけていくことが、やりたいことを見つけるひとつの手掛かりとなるわけです。
では、自分らしさとはなんなのか?
これは、【好き】と【能力】と【大事(価値観)】の重なり合った部分のことを言います。
もう少し詳しく説明していきますね。
【好き】とは言葉の通りで、自分自身が好きなことだったり興味のあることを指します。
それ自体に価値を感じていたり、時間を忘れて夢中になれるような、やっていておもしろいと思えるもの。それぐらい何かに熱中した経験というのは、誰にでもあるのではないでしょうか?
次に【能力】ですが、これは人よりも優れているものであったり、なんとなく自然とできちゃうもの。またやり続けてもストレスを感じないもののこと指します。
まずは、この2つが柱となってきます。
いくら好きなことであっても、それを再現できる能力がなければやることはできません。また逆も然りで、いくら自分にできる能力があったとしても、そこに興味・関心がなければそれを続けていくことは難しいでしょう。
いくら野球が好きでも、プロ野球選手にれるだけの能力がなければプロ野球選手にはなれないですし、全球団からスカウトが来たとしても、その人のやりたいことが野球でなければプロになることはありません。そういうことです。
まずは自分が夢中になれて、人よりも能力の発揮できることを見つけていくことが大切です。
ただ、これだけでは物足りません。ここに自分らしさのもうひとつの要素である【大事(価値観)】が加わることで、よりあなたらしさというものが際立つようになります。
これは、自分が大事にしたい考え方や魅かれる考え方。こんな生き方をしたいという想いのことを指します。
まずはこれら3つのポイントを整理してみることが必要です。
少しイメージしにくいかもしれませんので、参考までに私自身のものを書いてみましょう。
【好き】
・人を楽しませること
・人を応援すること
・未来を妄想すること
・新しいことにチャレンジすること など
【得意】
・わかりやすく伝える(話す)
・声が通る
・人をまとめる(マネジメント)
・夢を語る など
【大事】
・自由
・どうせなら人生楽しくありたい
・カッコつけたい
・人は弱くてもいい など
このようにそれぞれの要素を抽出してみて掛け合わせてみます。
そうすると、あなたらしさというものが少しずつ見えてくるのではないでしょうか?
ちなみに私はこれらを掛け合わせて、研修講師やたまに落語家、また自分の周りにいる人の人生が楽しくなるようなコミュニティの運営などをしています。
ただ、人はここで自分らしさを見つけられたからといって、なかなか前に進むことができるものではありません。連載当初から言っているように、やりたいことを見つけるのに必要なのは行動です。残念ですが何か行動に移せない限り、あなたの人生は1mmも変わりません。
ここで行動に繋げるために必要になってくるのが、望む未来の姿です。
想像してみてください。
それが叶うかどうかは別として、あなたの理想の未来はどんな未来ですか?
あなたは将来何をしていたいですか?
どんな存在でありたいですか?
どんな暮らしをしていたいですか?
そう言ってもなかなか想像しにくかったりすることもあるかと思います。
そんなこと考えたこともないからわからないという人もいるでしょう。
なので、ちょっと不謹慎かもしれませんが、もうひとつ質問をさせてください。
そしてちょっとだけ真剣に考えてみて欲しいのです。
もしあなたの命が余命1ヶ月だとしたら何をしますか?
やりたいと思ったことは全て叶えられるだけの、人も物もお金もあると思って考えてみてください。
何か浮かんできましたか?
ずっと行きたかった旅行に行きたい。
お世話になったあの人に会いたい。
ずっと乗ってみたかった高級車を買いたい。
人によって出てくる答えは違ってくることでしょう。でもどうですか?もしここで何かが浮かんできているようでしたら、あなたにはやりたいことがあるということになります。
やりたいことを見つけたいと考えた時にイメージしがちなのが、やりたいことを仕事にしようということです。
人によっては仕事で満足度を得られる人もいますし、仕事以外のプライベートの部分での満足度を重要視する人もいます。あなた自身がどのようなタイプなのかということを、今回のいろいろな質問の答えの中から探ってみてください。
もしかしたら、これまでの質問に対して答えが出てこなかった人もいるかもしれません。そういう場合は、次のように考えてみてください。
いまの生活の中から、やりたくないことの割合を減らす。
物事の判断を「やりたい」か「やりたくない」かで分けた時に、あなたのいまの生活はどちらの割合の方が多いですか?
もしそれが50:50なのであれば、やりたくないけどやっていること(例えば行きたくない付き合いの飲み会とか)を1つでも減らすことができれば、生活の中でのやりたいくないことの割合が減り、やりたいことの割合が増えることになります。それだけでも、人生はいまよりも楽しくなります。
やりたいことというのは、最初からお金になることばかりではありません。私はいは障害のある方の就労支援事業所に通っている方々に向けたイベントを企画運営しているのですが、これは全くお金になりません。ただただ時間と労力だけ奪われるのですが、実際にやっているときというのはとても充実しています。それは、私自身がやりたいと思ってやっていることだからです。
いきなり仕事として考えずに、まずはやってみる。そこでやってみて本当にやりたいなと思ったときに、それを仕事にできる方法がないかと模索していってもいいでしょう。
まずは自分の気持ちに素直になって、やってみたいと思ったことをやってみる。
あなたは何をしてみますか?
次回は、変化の激しい時代において、やりたいことをやり続けるうえで大切なポイントについてお伝えしていきます。