「環境を変えて新天地で頑張ろう!」「今度こそ自分のやりたいことをやるんだ!」
そのような思いを抱えて、みなさんは転職活動を頑張ってこられているのではないでしょうか?
努力の甲斐あって次の職場が見つかった時に、意外と見落としがちなのが次の職場でのスタートの切り方です。
いままでの職場では叶わなかったことにチャレンジしたかったり、違う分野に興味を持って新たにチャレンジしたり、転職というのはこれまでの環境から何か変化を求めて行うものでしょう。
けれど頑張って内定を獲得した次の職場でも、自分の熱い思いだけでやりたいことがやりたいようにやれるというものでもありません。それは、仕事というのはあなた1人でやるものではなく、協力しあってチームで成し遂げていくものだからです。
新しい職場で自分のやりたいことをやれるようになるにはどうしたらいいのか?
その答えは意外と単純です。
それは、あなたのやりたいことを応援してくれるような関係性を構築することです。
つまり、あなたの味方をいかにつくっていけるかがポイントになります。
そしてその関係性を築くのに一番押さえておくべきタイミングが、この転職先での新しいスタートを切る時なのです。
ここでは、新しい職場で良い関係性を築いていく方法についてご紹介していきます。
「第一印象が大事」ということは、転職活動をされてきた皆さんにとっては、当たり前のことかもしれません。
あえて説明する程のことでもないのかもしれませんが、ここではこの第一印象について、なぜ大切なのかというところをもう少し詳しく説明していきたいと思います。
あなたはドラマを見ますか?俳優さんはその役柄に合わせて、その人物になり切って演じています。
直接その俳優さんに会ったことがある人というのは少ないかと思うのですが、俳優さんが悪役を演じているのを見たりすると、その俳優さんのことなど知らないはずなのに、芸能人の好感度調査に大きな影響が出ていたりします。
俳優の山田孝之さんは、青年役からオタク役、不良役や闇金業など様々な役柄を演じていますが、その役柄の写真だけを並べてみると、中身は同じ人のはずなのに、この人には近寄らないほうがいい、この人になら話かけられそうなど、見た目だけで受け手の気持ちが大きく変わることがわかるかと思います。
採用面接で身だしなみがどのような影響を与えるかという研究があります。
その結果、書類に記載されている仕事に必要な資格よりも、身だしなみのよさの方が採用決定に大きな影響を与えていたということがわかりました。
ここで面白いのは、採用決定後に面接官に採用の決め手を聞いたところ、面接官自身は「外見はほとんど採用決定には影響しなかった」と考えていたということです。
これは、外見で採用したわけじゃないと思っているけど、実際は外見で採用していたということを示しています。
もしあなたの周りに『東大出身』という方がいたらどんな印象を持つでしょうか?
私なら、
「頭がいいんだろうな」
「自分とは違う次元の人なんだろうな」
「仕事もバリバリできるんだろうな」
と、特にその人のことを知らない状態であっても、勝手にプラスなイメージを抱いてしまいます。
つまり人というのは、その人に対してプラスのイメージを引き起こすような要素があると、「全体的に優れている」という印象を勝手に持ってしまう生き物なのです。これを、ハロー効果と言います。
先程の面接の例で見ると、容姿が優れているという点でプラスのイメージを持つと、無意識に能力やスキル・性格なども、全体的に優れているというイメージを抱きやすくなるため、面接で高評価が得られやすいのです。
このハロー効果は、「ポジティブ」にも「ネガティブ」にも作用します。
つまり、最初に何かで良い印象を持ってもらえれば全体的に良い印象を持ってもらえるし、逆に最初に何かで悪い印象を与えてしまうと全体的に悪い印象を持たれやすくなってしまうということです。
このことからも、新しい職場で良い関係性を築いていくには、最初が肝心だということが改めてわかっていただけるのではないでしょうか?
さて、そこで職場でどのように振る舞えば良いのかというところになってくるのですが、そこにいく前に今回はそれ以前の準備について触れていきたいと思います。
ところで、あなたはどのような想いで転職先を決めたのでしょうか?
色々な想いを持って転職活動を頑張ってこられたことかと思います。
そのような想いを持って入社するあなたは、新しい職場で何を頑張りますか?
私が全国チェーン店の外食企業に入社した時のことです。
その時に同期が40人程いました。まずは店長になることを夢見て、全員が各店舗に配属されます。
1年も経つと、同期の中から何名かは店長になっています。
更に1年経つとまた店長になっている同期が増えてきます。
けれど、店長になれない同期もいるというのが現実です。
仕事をサボっていたからなのかというと、そんなことはありません。むしろ同期の中でも身体を酷使して頑張っている人も多くいます。
では、なぜそこまで頑張っているのに、その同期たちは店長になれないのでしょうか?
その原因のほとんどは、努力の仕方を間違っているからです。
サッカー選手を目指している人が、毎日一生懸命野球の素振りを何千回やったところで、サッカー選手には近づきません。それと同じです。
何を言いたいのかというと、闇雲に『何か』を頑張っていてもいけないということです。
上司に言われたことだけを一生懸命やっていても、そこで修得できることは目の前の仕事の能力の向上だけです。
目の前の仕事のスペシャリストになりたいのであればそれでもいいのですが、もしその先の何かを目指しているのであれば、目の前の仕事をこなしながら、その先の自分の目標に近づくための努力をすることが必要です。
意外とここが抜けてしまっている人が私の周りには多いように感じます。
つまり最初にやるべきことは、自分がその職場で何をしたくて(何を目指していて)、どうすれば自分のやりたいことに近づけるのかを理解することなのです。
どんなに頑張っても、1日の時間が24時間より多くなることはありません。
限られた時間を何に注力するのか?1日単位で見れば些細なことかもしれませんが、これが1年という軸で見たときには大きな差を生むのです。
せっかく転職をして新天地で頑張りたいという想いがあるのですから、それを実現できるように適切な努力をしましょう。
私が先の企業に就職した際に最初にやったことは、店長になるために必要なスキルを上長に確認し、それをひとつずつ修得していくことでした。そのお陰もあり、幸いなことに同期の中では1番最初に店長になることができました。
Point自分の目標を明確にした上で上長とその目標を共有し、それに向けて必要なスキルを確認しながら着々とスキルを身に付けていったことがポイント
あなたを評価するのはあなたの上長です。
あなたがどんなに頑張っていたとしても、そこをあなたの上長が求めていなければ、その努力が評価される確率は低くなってしまいます。
そのために、上長と想いを共有し、課題を明確にしてそれをこなすことが評価を得るのに必要なのです。
ただここでひとつ問題があります。
それは、いくら熱い想いや理想を持っていたとしても、それだけでは評価されないということです。
上長や周囲との関係性がうまく築けていない状態でいくら大きな事を語っても、そこに共感は生まれにくいものです。
人は感情で動く生き物です。いくら上長とは言っても、相手も人です。
あなたならどんな人を評価したいと思いますか?
そこを踏まえて考えてみる必要があるのです。
第2回では、あなたのやりたい事を応援してもらえるようになるための職場での関係性づくりについて触れていきます。