さて、前回は第一印象やキャリアビジョンといった心構えについて書きました。
その後なにか行動に移してみたことはあるでしょうか?
セミナーを聞いたり、本を読んだりすると、その時はモチベーションが上がって「よし!やるぞ!!」という気持ちになる人は多いことでしょう。
もちろん、もれなく私もその1人です。
では、そこから実際に学んだ内容を『行動に移す人』というのは、どれくらいの割合かご存知でしょうか?
これは全体の『20%』程度といわれています(パレートの法則)。
そして、実際に行動に移した人の中でそれを継続できる人というのは、さらにその内の『20%』程度になるそうです。
ですので、実際に100人の人がセミナーに参加して学んだとしても、それを行動に移して継続し続けられる人というのは、4人程度だということになります。
これを聞いてあなたはどう感じましたか?
ある意味これはチャンスがたくさんあるということです。
同じことを学んでも、実際に行動していく人というのは100人中4人程度。
つまり、行動に移して継続することができれば、あっという間にTOP5の地位までは行けることを意味しているのです。
成功できる人とできない人の差はほんの些細な違いしかないのです。
是非あなたには、行動に移せる側の人になって欲しいなと思っています。
さて今回は、あなたのやりたい事を応援してもらえるようになるための職場での関係性づくりです。
あなたが応援してもらえるようになるために必要なもの。それは、職場での信頼関係。ここでは職場での信頼関係を築く働き方について説明していきます。
新しい職場や初めての仕事をするとき、多くの人はどう考えると思いますか?
大抵の人が、「まずはやっていく中で覚えていけばいい」と考える事でしょう。
もちろん、職場の先輩や上長もそのように言ってくれることが多いでしょう。
けれど、ここでその言葉をそのまま受け止めて、徐々に覚えていくのは普通の人です。
もちろんこれでも問題はありません。
自分の負担になり過ぎないペースで仕事をしていくことも大切なことです。
ただ、裏を返せば、これはチャンスでもあります。
周りがやっていないことをやるからこそ、あなたの価値が高まっていくのです。
また、仕事を覚えるからこそ次の仕事が与えられます。
そうすることでやれることも増え、あなたへの信頼も高まっていくのです。
ここで少し、教える側の気持ちも考えてみる必要があります。
私がマネジメントをしてくる中でも多く感じたのは、教えたことを何度も聞いてくる人が多いということです。わからないことを自己判断せずに確認することは大切なことです。
「確かこうだった」「多分大丈夫だろう」みたいな感覚で仕事をされては、取り返しのつかないことにも繋がりかねません。
ただ、同じことを何度も確認される立場になって考えてみて欲しいのです。
もしあなたが後輩に教えたことを、何度も確認されたらどうでしょうか?
1回ぐらいなら容認できるかもしれませんが、何回も同じことを聞かれたり、教えるたびに確認されるようだと、教える気も失せてくることでしょう。
エビングハウスの忘却曲線という記憶と忘却の実践結果からも、人は1日後にはその記憶の74%を忘れるということが証明されています。
忘れてしまうものということを前提にメモを取り、仮に忘れてしまったとしても自分でメモを見返して対応できるようになることで、あなたへの信頼感が増していきます。
あなたの周りでメモを持ち歩いている人はどれくらいいるでしょうか?
与えられた仕事は、みんなある程度は頑張るものかと思います。
けれど、入社したての時というのは、先輩たちと比べるとできる仕事の種類も量も少ないのが一般的です。その時に、いまの自分に何かできることがないかと考えて行動してみることが重要です。
など、探してみると意外とできることはたくさんあります。
「そんな雑用はめんどくさい」と思われますか?
確かにめんどくさいことであるかもしれないですし、自分の業績に直結することではないかもしれません。ですが、このように人がやっていないことを進んでやることで組織に貢献できる他に、自分で自ら行動を起こすという行為が、「自分だけこれをやっているんだ」という、あなたの自己肯定感を高めることにも繋がります。
そういう小さな行動があなたの働く姿勢の評価にもなり、またその行動を自分でこっそりと褒めてあげることで、自分の自信にもなっていくのです。
私自身も異業種に転職したときは、右も左もわからずに自分が組織に貢献できていない気持ちでいっぱいになることがありました。
そんな中で自分の気持ちを保つ意味も込めて取り組んでいたのが、「誰よりも明るく挨拶をすること」と「トイレのスリッパを揃えること」でした。
とても地味な行動ではあるのですが、どんなに仕事ができる人であっても、当時は自分以上にこの2つのことをやっている人はいないと思えるぐらいの自負がありました。
そしてそのことが、誰にも負けない自分にできることになり、心の支えのひとつにもなりました。
もちろん、与えられた仕事+αになりますので、まずは与えられた仕事をこなした上で余裕を見つけてチャレンジしてみてください。
いまのあなたにできることは、本当に目の前の仕事だけですか?
あなたは、
A:「目標の150%を達成している人」
B:「目標の100%を達成している人」
どちらの人が、職場で認められると思いますか?
きっと、「目標の150%を達成している人」だと思うのではないでしょうか?
それで正解です。一般的に考えて、その通りでしょう。
営業でずば抜けた成績を残し、そのままキャリアアップしていく例なども、実際に存在します。
目に見てわかる「他の人たちと比べてその人を選ぶ理由」になり、「他の人たちより秀でた存在」であるからこそ、その道は開かれるのです。
では、必ずしもずば抜けた成果を上げられるような実力がないといけないのか?
と言われますと、実はそうでもありません。
もちろん、それぐらいの能力を兼ね備えているに越したことはありませんが、必ずしもみんなにあるものかというと、そういう訳でもありません。
あなたの周りには、そのようなずば抜けた成績を残しているような同僚がいたりしますか?
もしいるのでしたら、その方を見てどのように感じているでしょうか?
「純粋にあいつはスゴイやつだ」と思うかもしれませんし、「あいつはいつも頑張っているから納得だ」と思うかもしれません。
でも、なかには「たまたま運が良かっただけだ」と思う人がいるかもしれません。
実はここが結構大切で、仕事においては意外と運というものもあるのです。
「たまたま上り調子のところに配属になった」
「先輩から引き継いだところの契約が決まった」
「環境が変わって追い風になったタイミングだった」
など、その人の実力に関係なく、成果が出てしまうということはあるものです。
ではその人は、150%の実績を出したあとも継続して好成績を残しているでしょうか?
そういう目で見てみると、意外とそんなこともないことが多いのではないでしょうか?
(なかにはそういう方も稀にいるので、その人たちは別次元の人と考えましょう)
つまり、成果を出す上で大切なのは、安定して出し続けることがポイントなのです。
150%を達成した翌月が50%の人と、100%を達成した翌月も100%の人。平均すると同じ結果です。
では、あなたが上長となったときに、どちらの部下の方が安心して仕事を任せられますか?
仕事において信頼できるのは後者の方になります。上長の立場としては、成果が出せるか出せないかがわからないと先の見通しが立てにくく、リスクにもなってしまうのです。
一発ホームランを狙う必要はありません。コツコツと確実に点数を取っていける人が、ビジネスにおいては重宝されます。
安定して成果を出し続けることが大切だとは言いましたが、これは80%ではいけません。
100%(目標を達成)の成果を上げることは最低限のラインとなります。
仕事を始めたばかりの頃は、ついついアクセル全開で臨んでしまい、息切れしてしまうこともあるでしょう。
ですが、大切なのは成果の継続。
このペース配分を意識して仕事をしていくことも、仕事を続けていく上で必要なスキル(計画性)になります。
大きな成果を狙い過ぎずに、コツコツと着実に成果を上げ続ける。これをしっかり意識してください。
そうは言っても、目標達成が難しいときもあるかもしれません。
そんなときこそ、報連相が大切になってきます。
締め切り間際まで自分で頑張り、結局立ち行かなくなってから報告・相談をする。このような人が多くみられます。
報連相のタイミングが遅いから、大きな問題になってしまうのです。
業務を遂行していく中で上長にこまめに報連相をし、コミュニケーションを取りながら目標達成に向けて尽力する姿勢があれば、あなたの評価が大きく落ちることはありません。
そして目標達成に向けてあなたの力にもなってくれることでしょう。
自分が上長だったら、どんな部下が嬉しいか?
そんな視点で物事を捉えて仕事をしてみることが重要です。
職場であなたのやりたいことを応援してもらえるような関係性をつくるには、あなたの人柄や人間性というものを認めてもらえることがポイントです。
「あなたなら大丈夫」「あなただからこそ任せたい」そう思ってももらえるような働き方を意識してみてください。あなたの周りには応援してくれる仲間が増えていくことでしょう。
第3回では、自分らしく働き続けるための3つのポイントについて触れていきます。