【専門家に聞く!】新卒がベンチャー企業で働くメリットとは

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近年は、新卒でベンチャー企業を目指す学生が増えています。しかし一方では「新卒でベンチャーはやめとけ」なんて言われるのも確か。

今回は、大学でキャリアカウンセラーとして就活生への就職支援を行っているキャリアコンサルタントの吉川宏樹氏にお話を伺いました。

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吉川さん

就職活動において、大企業とベンチャー企業のどちらに就職した方が良いのかは、その人の価値観によりけりであるため、言及はしません。その点はご理解ください。

この記事においては、ベンチャー企業とは何か、ベンチャー企業に就職するメリット、デメリットは何か、ベンチャー企業に向いている人の特徴について触れていきます。

プロフィール

著者写真
吉川 宏樹(よしかわ ひろき)

キャリアコンサルタント
JCDA認定キャリアカウンセラー

経歴・実績

学習院大学理学部数学科を卒業後、システムエンジニアとして金融系システムの開発・運用保守に2年間携わる。その後、人それぞれの「仕事することの意味や目的」に興味を持ち、就職支援に携わるべく、公務員受験予備校である大原学園に8年勤務し、国家資格キャリアコンサルタントの資格を取得し、独立。

現在では、大学内のキャリアカウンセラーとして就活生への就職支援を行う傍ら企業の採用支援も行い、双方のパイプ役として入社後のミスマッチの解消に努めている。

運営サイト
ライフキャリア支援室とブログの運営:https://enjoycareer.jp

ベンチャー企業とは?

ベンチャー企業とは?最近、就活生から、ベンチャーとは何か、ベンチャーに就職するとはどういうことかという相談を受けます。

ベンチャー企業の中には大手企業に比べ早期に選考を行う企業もあり、早期選考を受けるかどうかの判断基準のために、こういった質問をされるのでしょう。

ベンチャー企業とは何か。

実のところ、ベンチャー企業の明確な定義や基準はありません。

一般には、革新的な技術やアイディアを元に、新しい事業形態やサービスを提供することを目的とした企業を指します。

成長過程にあり、ベンチャーキャピタルなどの投資機関から出資を受けている企業やベンチャー指定を受けている企業を指すと理解いただけると分かりやすいかもしれません。

ベンチャー企業と一言で言っても、その成長段階に応じて様々な種類があります。

  • メガベンチャー
  • 著しい成長を遂げ、大企業となったベンチャー企業を指します。代表例としては、楽天、DeNA、サイバーエージェントなどが挙げられます。

  • ミドルベンチャー
  • 従業員数が数百人規模のベンチャー企業を指します。

  • アーリーベンチャー
  • 従業員数が数名から数十名規模のベンチャー企業を指します。実際にはこの規模のベンチャー企業が多いです。

この他、スタートアップ企業もベンチャー企業とほぼ同義と考えて良いでしょう。新しいサービスやビジネス、事業を展開した上で、短期間で急成長している企業をスタートアップ企業といいます。

「ベンチャー企業で働く」メリットとデメリット

では、実際にベンチャー企業で働くとどのようなメリットやデメリットがあるのか。

アルバイトも含め、大手企業やベンチャー企業など様々な企業で働いた経験のある筆者が感じたことも含めて挙げます。

ベンチャー企業のメリット

メリット

  • 経営者との距離が近い
  • 様々なことにチャレンジでき成長速度が速い
  • 幅広い業務を経験できる
  • 個人の裁量権が大きい

メリットとしては、少人数であるため経営者との距離は近く、自分のやる気や実力を経営者に存分にPRできる環境にあるベンチャー企業が多いです。

そのため、経営者に認められれば若いうちから責任ある仕事を任され、様々なことにチャレンジでき一層成長速度が速いです。

ベンチャー企業は競合他社との競争に打ち勝つために、ビジネス戦略に対する思考や決定もスピーディでなければなりません。

少人数でスピーディに物事をこなさなければならない為、新卒新入社員でも即戦力を求められます。

そのため幅広い業務を経験でき、優秀な人材と認められれば若いうちからマネージャーに抜擢され自分の裁量で仕事を進めることも可能になります。

このことから大企業と比べると個人の裁量が大きいといえるでしょう。

ベンチャー企業のデメリット

デメリット

  • 経営が不安定
  • 福利厚生が手厚くない
  • どのようなスキルが身に付くかは会社の方向性次第
  • 基礎的なスキルが身に付かない恐れも

一方、デメリットとしては、競合他社の存在や大手企業と比較した営業力不足の理由から、経営がうまくいかず不安定な点が挙げられます。

そのため、福利厚生にまで手が回らないというベンチャー企業もあります。

そして、人が少ないからこそ痒いところに手が届かない、でも届かせたいということも。

そのために、例えば「社内システム担当いないからシステム担当して。」と、半ば補充要員的に扱われることもあります。

これが幅広い業務を経験でき速く成長できる要因でもありますが、どのようなスキルを身に着けられるかは会社の方向性によるでしょう。

このことから、経営者次第ではありますが、どこでも通用するビジネスの基礎的スキルが身に着くかは疑問が生じます。

上述のように経営者との距離が近いため、経営者から学ぶことは多いです。社長の価値観や考えを吸収することができますが、それにより新卒員入社員のスキルレベルが決定されます。

これはある意味、その会社固有の考えを生んでしまい、変な固定観念を持ってしまう可能性があることを示唆します。

そうなると、他の会社では到底通用しないということも有り得ます。

ただし、昨今は働き方改革もあり、従業員の立場を大切にするベンチャー企業も増えているため、上記のデメリットは一概には言えません。

そのため、多角的な観点で企業研究をして、ご自身の目でメリット、デメリットを含めた企業の特徴を把握しましょう。

ベンチャー企業に向いている人の特徴

どのような規模の企業でもメリット、デメリットはあるものです。

新卒就活の段階で自分は何が許容できるのか、何を求めて就活をしているのかを把握して企業規模を選定することが大切。

では、ベンチャー企業に向いている人の特徴とは何かみていきましょう。

  • 何かを生み出すのが好き
  • 好奇心旺盛である
  • 成長意欲がある
  • 主体性がある

何かを生み出すのが好き

ベンチャー企業は新たな事業を生み出し、スピーディに意思決定をする必要があります。そのため、アイディアを生み出すことができ、0から物事を創り出すことが好きな人は向いているといえます。

好奇心旺盛である

上述のベンチャー企業のメリットでも挙げたように、幅広い業務を経験できることから、好奇心を持って様々なことに興味を持って取り組める人はベンチャー企業に向いているといえます。

成長意欲がある

意思決定や事業展開がスピーディに行われるために、企業としての成長速度も速いです。そのため、成長意欲があり、様々なスキルを早く身に着けたいという<人は向いているといえます。

主体性がある

少数精鋭だからこそ、研修制度が整っていないこともベンチャー企業の特徴です。そのため、指示を受けないと仕事ができないというようでは、ベンチャー企業ではやっていけません。指示がなくても、主体的に動ける人はベンチャー企業に向いているといえます。

自分に合ったベンチャー企業に出会うために

自分に合ったベンチャー企業に出会うためにベンチャー企業について説明をしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

ベンチャー企業と一言でも言っても、企業ごとに様々な性格を持っています。そのため、すべてのベンチャー企業を一括りに考えるのではなく、その企業ごとの特徴を知るようにしましょう。
企業を知るために最も手っ取り早く効果的な方法は、やはり「人に会うこと」です。説明会やOB訪問を活用しましょう。

社員の方と接する機会があれば、ぜひ以下の事を中心に聞いてみてください。

  1. これまでにどんな仕事を任されたか
  2. それによりどんな知識やスキルが身に着いたか
  3. どのように成長したと感じているのか

これらについて社員の方に聞き、その企業の特徴を知る判断材料としましょう。

参考サイト
厚生労働省
内閣府
ハローワーク
職業情報提供サイト
日本経済連合会
転職コンサルタント
中谷 充宏
梅田 幸子
伊藤 真哉
上田 晶美
ケニー・奥谷