本頁では、
「内定から入社までの流れ」と、個人コンサルティングでもご相談の多い「2社内定。年収に差があり、迷っている」場合の考え方についてお話しします。
前回の復習はこちら
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1入社日の目安を確認する
意外とトラブルが多い入社日。
ご相談で多いのは、
「1日に入社したいのに、20日入社と言われた。給与をケチっているのではないか」
といった不信や、
「在職中なのに、すぐに来てと言われて困っている」
といった困惑です。
前者は、給与締日が20日なのでは?
後者は、「すぐ」のイメージがずれているかも?
在職中の人に内定を出す時点で、「明日から来れる」とは思っていないはずです。
「すぐ」は「できるだけ早く」というラブコールではないでしょうか。
「在職中なので、早くて○日になると思いますが、よろしいでしょうか」と確認すればいいだけです。
転職先の受け入れ体制によって、入社日は異なります。
「できるだけ早く」「手続きの関係上毎月1日」「9月15日からの研修にあわせて」「パソコンが届くのに2か月ほどかかるので、そのころ」など。
ですから、転職先企業はいつ入社してほしいと考えているのかを確認します。
ただし、退職交渉があるので確定はしないでおきましょう。
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2転職先と雇用契約書を交わす
口約束はトラブルのもと。在職中の会社に退職の意向を話す前に、必ず転職先と雇用契約書を交わしましょう。
面接で聞いていた条件と違った!!!というケースも、散見します。
面接官の個人的意向と会社の決定がずれているかもしれません。
面接官の説明が下手で、誤解を招く表現だったかもしれません。
あなたの聞き間違いかもしれませんし。
書面で確認しましょう。
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3退職交渉
現職の上司に退職の意を伝えてください。
STEP
4退職日を決め、退職願を提出
退職の了解をもらったら退職日を決め、退職願いを出します。
多くの人が「すぐに辞められない」と思っていますが、退職を申し出たら「じゃあ、明日から有給休暇にしてください」と言われるケースも、しばしばあります。
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5転職先に入社日を連絡
退職日が決まったら、入社可能日を転職先に連絡。
無理のないスケジュールを提案しましょう。
特に引っ越しがある場合は、余裕を持って。転職後は、新しい場所で、新しい人と、新しい仕事をしますので、緊張し、疲れます。
引っ越しでクタクタの状態で入社しては、よいスタートを切ることができません。
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6引継ぎ
後任者に業務の引継ぎをします。
お客様の引継ぎがある場合は、訪問スケジュールを立てて。
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7社内へ退職のお知らせ
社内に退職の話をするのは、上司と人事の許可が出てからが基本です。
上司や人事はタイミングを見計らって社内に知らせるケースも多くあります。
退職日が決まっていても、むやみに話さないのがマナーです。
プライベートで親しい同僚に話すことがあっても、うわさにならないように留意しましょう。
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8退職日の手続き
返すもの、もらうものをもれなく受け渡しできるように準備してください。
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9入社の準備
転職にあたって新調するものは買い、入社後の自己紹介なども考えておきましょう。
STEP②~⑤の順番は慎重になさってください。
若いうちの100万、200万はすぐに取り戻せます。良い仕事をして、力をつけることを重視しましょう。
そのためには、夢中になってのめりこめる仕事であることが重要です。
夢中になれる仕事なら、あなたの特性が活かされ、成長度はグンとアップします。
年収提示が思った以上に高いとき、舞い上がって飛びついてはいけません。
実力以上に提示額が高いときは、ミスマッチの原因となるからです。
その収入に値する会社の期待はどのようなものでしょうか。会社に提供すべき価値はなにでしょうか。
あなたが提供できるものとずれていると、入社後が不幸です。
能力を過度に評価されていないか、会社側の期待を確認しましょう。
年収アップのみを目的にした人は、あとあと悔やむ場合があります。
実際に
「収入もいいし、まだまだ伸びる業界だけれど、仕事がおもしろくありません。
5年後、10年後もこの仕事を続けるかと思うとうんざりです」
と再び転職された人もいます。
また、高額年収の会社は能力成果主義が多いため、リストラにおびえる人もいます。
「特に好きでもない仕事なので、仕事に必要な勉強もやる気がおきない。新しい技術を覚えないと、今後の年収アップも期待できないばかりか、成果を出さないとリストラの危機なんです」
とおっしゃっていました。
お金は大事です。
しかし、年収のみで転職先を決めるのは、反対です。
喜びを感じる仕事・会社か、もう一度、考えてみましょう。
収入かやりがいか、やりたいことか、安定かなど、行ったり来たりしている状態ではありませんか?
この状態では、どちらを選択しても、入社後にぶれてしまう原因となります。
「こんなに大変ならば、年収の高い仕事を選んでおけばよかった」とか、「こんなに大変なのは、年収が高いからだ。同じ大変でも、やっぱりやりがいの大きい会社にしておけばよかった」など。
どちらを選んでも、納得していなければ、後悔をしてしまいがちなのです。
こんなときに提案したいのは、第三の道を選ぶこと。
内定した2社以外にも、会社は山ほどあります。
やりがいも、希望の収入も得られる道がないかどうか、もう一度、転職活動を仕切りなおしてみてはいかがでしょうか。