「自衛隊からの転職は難しいの?」
「元自衛官にはどのような仕事が向いている?」
「自衛隊から転職を成功させるコツは?」
日本の国土と国民を守るために、日々厳しい任務を遂行している「自衛隊」。
強い志を持って入隊する人も多い一方で、厳しい訓練や人間関係に耐えきれず、転職したいと考える人も一定数存在します。
しかし、自衛隊から転職するには、どのような職種が自分に合っているのか分からないので、転職に踏み切れないという方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、自衛隊からの転職に向いている仕事を紹介します。
転職を成功させるコツやおすすめの転職エージェントも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ここでは、自衛隊から転職した人が多い再就職先を5つ一覧で紹介します。
就職先 | 向いている人 | おすすめポイント |
---|---|---|
警備員 | 正義感が強い人 | 自衛隊業務との類似点が多い |
スポーツインストラクター | トレーニングの経験を活かしたい人 | お客さんと接する機会が多い |
エンジニア | 未経験の業種に挑戦したい人 | 需要が高まっており将来性がある |
建設業 | 取得した資格を活かしたい人 | 豊富な求人がある |
トラックドライバー | 体力や忍耐力がある人 | 人間関係のストレスが少ない |
自衛隊から転職する際には、自衛官時代の経験やスキルを活かせる職場を選ぶ人が多い傾向にあります。
自分の強みをしっかり理解したうえで、自分に適している転職先をみつけましょう。
ここからは、自衛官としての経験やスキルが活かせる転職先を5つ紹介します。
それぞれの仕事がなぜ自衛官におすすめなのかも解説しますので、ぜひ転職先選びの参考にしてみてください。
警備員は、自衛隊時代に培った正義感の強さや忍耐力、チームワーク力が活かせる仕事です。
警備員の仕事は、施設警備・交通警備・輸送物の警備・身辺警備の4種類にわけられます。
いずれの仕事でも、人や物の安全を確保するという共通点があり、自衛官として培った正義感が役立つでしょう。
また、警備員の仕事は1人ではなく、複数人で協力して行います。
チームで与えられた業務を遂行するのは、自衛官で行ってきた業務と似ている部分もあります。
働くイメージを持ちやすく、ミスマッチが起こりにくい職場といえるでしょう。
自衛官時代に得た肉体や体力を活かしたい方には、スポーツインストラクターがおすすめです。
スポーツインストラクターは、スポーツジムを利用する方にトレーニングの知識を伝える仕事です。
自衛隊での厳しい訓練で培った肉体は、ジム利用者のよい目標となるでしょう。
また、スポーツインストラクターは、利用者に分かりやすく解説するためのコミュニケーション能力も必要です。
集団行動で築き上げてきたコミュニケーション能力も活かせるので、自衛官にぴったりの転職先といえます。
エンジニアは、職種未経験の自衛官でも挑戦しやすい仕事です。
エンジニアの主な仕事内容は、クライアントと打ち合わせをしながら要望に沿ったソフトウェア開発を行うことです。
IT業界のニーズは年々高くなっており、エンジニアの人材不足は急激に進んでいます。
社内で一からエンジニアを教育している企業もあり、職種未経験の自衛官でも応募できる求人が多い傾向にあります。
また、自衛隊で通信科に所属していた自衛官であれば、コンピュータープログラムの知識を活かせる職場です。
将来性のある仕事を選びたい方には、エンジニアがおすすめです。
自衛官のときに取得した資格を活かした仕事を探している方には、建築業がおすすめです。
自衛隊では、測量士や建築士、電気工事主任技術者などの建築に関わる資格を取得可能です。
なかでも測量士や建築士の資格は、建築業界への転職に有利に働くでしょう。
また、建築業界も高齢化や人材不足に悩まされています。
未経験でも応募できる求人が多く、自衛隊からでも転職しやすいでしょう。
トラックドライバーは、第一種大型自動車免許を活かせる仕事です。
最近では、ネットショッピング市場の拡大によって、トラックドライバーのニーズが高まっています。
大型免許を取得している方であれば、就職しやすい職場といえるでしょう。
また、トラックドライバーは運送会社によって、扱う荷物や業務内容が異なります。
長距離を運転する場合や扱う荷物が重い場合は、自衛隊で培った体力や忍耐力が活かせます。
基本的に1人で業務を行うため、人間関係のストレスが少ない職場を探している方にもぴったりです。
自衛隊から民間企業への転職は、「難しい」「厳しい」といわれることがあります。
ここでは、自衛隊からの転職が難しいといわれる理由を3つ紹介します。
それぞれの理由について、詳しくみていきましょう。
1つ目の理由は、自衛官が持つ専門的な知識やスキルが転職活動でアピールしにくいからです。
民間企業で求められる知識やスキルとは、基本的なビジネスマナーやマネジメントスキル、ITスキルなどです。
そのため、戦闘技術や防衛技術、訓練技術などの自衛隊で培ったスキルは、民間企業で活かせる場面が少ないと考えられます。
とくに、ある程度年齢を重ねてから転職する場合、企業に求められる知識やスキルのレベルは高くなるでしょう。
自衛官が転職をする際には、自分の持つ知識やスキルをどのように企業に活かせるか考える必要があるため、転職が難しいと思われることがあります。
自衛隊は民間企業と違い、辞める意思を伝えてから実際に退職できるまで時間がかかるとされています。
民間企業では上司に退職の意思を伝えると、1か月程度で退職が可能です。
しかし、自衛隊では退職する人がいると部隊の再編成が必要になるため、退職に1か月以上かかる可能性があります。
なかには、退職を伝えたところ、強引に引き止められて辞められなかったという方もいるでしょう。
退職までに時間がかかることを考えて、転職に踏み切れないケースも少なくありません。
自衛官は、日々のスケジュールがほとんど固定されており、転職活動の時間が確保できない可能性があります。
転職活動は求人を探すだけでなく、履歴書・職務経歴書の作成や面接対策などの事前準備が必要です。
自由な時間があまりない自衛官は、事前準備ができず、転職活動に苦労するケースも少なくありません。
自衛官が効率よく転職活動を進めるには、転職エージェントを利用することをおすすめします。
転職エージェントに応募書類の添削や求人情報の紹介などをサポートしてもらうと、転職活動の負担が軽減できます。
ここからは、転職活動でアピールできる自衛官の強みを3つ紹介します。
転職を成功させるためには自分の強みを理解し、採用担当者にうまくアピールすることが大切です。
自分の強みを発見し、ぜひ転職活動に活かしてみてください。
自衛官は、複数人と協力して行う業務が多く、コミュニケーション能力の高さが強みといえます。
自衛隊では基本的に複数人でチームを組み、仲間同士で協力して任務を遂行するため、コミュニケーション能力が培われます。
コミュニケーション能力は、民間企業でも重要視される能力です。
コミュニケーション能力が高い人材は、クライアントとの商談やチームでの仕事など、多くの場面で活躍できるでしょう。
自衛官は、日本の国民を守るために日々働いているため、強い責任感を持っています。
人命のために過酷な任務を遂行することもあり、責任感がない人は自衛隊を続けることが難しいと考えられます。
責任感の強さは、民間企業でも高く評価される能力です。
責任感のある人は、与えられた仕事で成果を出せたり、トラブルが起こったときに能動的に動けたりと民間企業でも活躍できる可能性が高いでしょう。
自衛官は日々厳しい訓練を受けており、鍛え上げた肉体と体力が民間企業でも活かせる可能性があります。
とくに警備員やスポーツインストラクターなど、体力が必要な職種では自分の強みを活かせるでしょう。
ただし、体力があるというだけでは、採用担当者に自分の強みをうまくアピールできません。
自衛官のときに培った体力を、どのように仕事で活かすかを伝えることを意識してみてください。
ここからは、自衛隊から転職活動を成功するためのカギを4つ紹介します。
自衛隊から民間企業への転職は、転職活動のコツを掴めば難しいことではありません。
民間企業への転職を成功させたい方は、ぜひポイントを押さえておきましょう。
転職活動を始める前に、自衛隊と民間企業の違いを把握しておくことが大切です。
自衛隊は日本の国民を守るために仕事を行っており、利益は考えていません。
しかし、民間企業となると、いかによい商品やサービスを提供して利益を生むかを第一に考えて行動する必要があります。
民間企業のことを調べずに転職活動を進めると、仕事に対する考え方の違いに違和感を感じ、働いている姿をイメージしにくくなります。
民間企業で働いた経験のない自衛官は、合わない企業に転職してしまうケースもあるでしょう。
自分に合った企業を探すためには、民間企業の研究をしっかり行うことが不可欠です。
転職活動を成功させるためには、ポジティブな転職・退職理由を考えておきましょう。
転職や退職理由は、採用面接で必ず質問されます。
企業の採用担当者は、転職・退職理由を通して求職者がどのような人物か判断しています。
採用面接でネガティブな言い回しで転職・退職理由を説明すると、「採用しても早期離職されるのではないか」と判断され、不利になる可能性が高いです。
ネガティブな転職・退職理由の場合、ポジティブな言い回しに変換しましょう。
転職を成功させたいなら、自衛隊で取得した資格を活かせる仕事に就きましょう。
自衛隊では、転職に活かせるさまざまな資格が取得できます。
転職に活かせる資格の一例は、以下のとおりです。
上記のような資格を取得するためには、基本的には取得費用がかかります。
しかし、自衛隊の業務で使用する資格の場合、費用を負担せずに取得可能です。
すでに取得している資格を活かせる仕事であれば、業務内容もイメージしやすいため、就職先選びの失敗をある程度予防できます。
転職先を失敗したくないと考えている方は、ぜひ資格を活かせる仕事を探してみてください。
転職活動の時間がなかなか確保できない自衛官は、転職エージェントの利用がおすすめです。
転職エージェントを利用すると、条件に合った求人探しや、履歴書・職務経歴書の添削、企業ごとの面接対策など、さまざまなサポートを受けられます。
また、どのような職種で自分に合っているか分からない場合でも、丁寧にキャリア相談をしてくれるエージェントも多くあります。
初めての転職活動に不安を感じている方や転職活動を効率よく進めたい方は、ぜひ転職エージェントを利用してみてください。
ここからは、元自衛官におすすめの転職エージェントを3つ紹介します。
転職エージェントは、企業ごとに扱っている求人やエージェントのサポート内容が異なります。
それぞれのエージェントの特徴を知り、自分に合った転職エージェントを選びましょう。
リクルートエージェントは、転職エージェントのなかでも求人数が多いのが特徴です。
ほかの転職サービスでは掲載していない非公開求人も数多く取り扱っており、自分に合った仕事をみつけやすいといえます。
また、リクルートエージェントは業界大手の転職エージェントです。
在籍しているエージェントは多くの求職者をサポートしてきた実績があり、質のよいサポートを期待できるでしょう。
多くの求人を見比べたいと考えている方には、リクルートエージェントの利用がおすすめです。
公式サイト | https://www.r-agent.com/ |
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対象年齢 | 全年代 |
おすすめポイント | 未経験歓迎からハイキャリア向けまで幅広い求人を保有 |
マイナビジョブ20’sは、第二新卒や既卒を含む20代向けの転職エージェントです。
20代の転職に特化しているため、未経験歓迎の求人を多く取り扱っています。
民間企業で働いた経験のない自衛官でも、応募できる求人を探しやすいでしょう。
また、マイナビジョブ20’sの在籍しているエージェントは、20代の求職者のサポート実績が豊富です。
応募書類の添削から面接対策まで細かいサポートが期待できます。
初めての転職で不安に感じている方でも、利用しやすい転職エージェントです。
公式サイト | https://mynavi-job20s.jp/ |
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対象年齢 | 20代 |
おすすめポイント | 20代向けの支援を受けられ、未経験の業種にも挑戦しやすい |
自衛官が転職するときには、民間企業にはない規則があります。
そのため、転職を考えたときには、自衛隊にどのような規則があるのか知っておくことが大切です。
以下では、「再就職規制」と「パイロットの転職」についてよくある質問を紹介します。
再就職規制とは、公務の公平性に対する国民からの信頼を確保するために導入された制度です。
再就職規制についてよくある質問を紹介します。
それぞれの質問の回答をみていきましょう。
直接関係のあった会社には転職できません。
再就職規制では、転職活動を行っている時点で、職務上の関わりのある企業への転職を禁止しています。
自ら関係のあった会社に就職したい意思を伝えるだけでなく、企業からの就職の誘いでも、応じると規則違反となります。
転職を希望している会社が利害関係の企業に該当するかどうか不安に感じた場合は、在職している機関の人事担当者に確認しておきましょう。
在職中の転職活動は禁止されていません。
求人情報の閲覧や応募などは、自由に行うことができます。
ただし、公務上関係のあった会社に履歴書や職務経歴書などを送ってしまうと、規則違反とみなされる可能性が高いため、注意が必要です。
ここからは、パイロットの転職に関するよくある質問を紹介します。
自衛隊のパイロットの転職にも、さまざまな制約があります。
転職活動をする前に確認しておきましょう。
自衛隊出身のパイロットは、紳士協定によって民間の航空会社に2年間就職できません。
紳士協定は自衛隊と民間の航空会社との取り決めで、自衛隊退職後2年間は民間の航空会社への就職や訓練ができない制度です。
次の転職先に航空会社を考えている方は、2年間は働けないということを知っておきましょう。
割愛制度とは、一定年齢以上の自衛隊のパイロットを、民間の航空会社への転職をサポートする制度です。
ただし、割愛制度の対象となる年齢は40歳以上です。
年間で割愛制度を利用できる人数も限られているため、割愛制度を利用しての転職は難しいと考えてよいでしょう。
知識やスキルのアピール方法が分からなかったり、転職活動の時間を確保できなかったりするため、自衛隊から民間企業への転職は「難しい」という意見があります。
しかし、元自衛官に備わっている責任感の強さやコミュニケーション能力の高さは、転職活動で大きなアピールポイントとなります。
また、転職活動の時間がとれない場合は、転職エージェントの利用がおすすめです。
転職エージェントでは、応募書類の添削や面接対策など、さまざまな転職サポートを受けられます。
初めての転職で不安な方や転職をスムーズに進めたい方は、ぜひ転職エージェントの利用を検討してみてください。