【作:ゆうひまほさん】
転職活動の大きな壁といわれる圧迫面接。
選考も終盤…というときに行われることが多く、心の準備ができていない転職者は面接官の威圧的な態度にびっくりしてしまうでしょう。ただの嫌がらせや面接官のストレス発散のように感じてしまうことも少なくありません。
転職活動する前にどんな圧迫面接が待ち構えているかを知っておけば、うまく乗り切ることもできるでしょう。企業にとってブラック企業の烙印を押されるリスクがあるにも関わらず、圧迫面接をあえてする理由・圧迫面接の実例や対処法についてご紹介します。
あわせて選考辞退すべき圧迫面接の例もご紹介しますので、ぜひご参考にしてください。
これまでの面接ではかなり好意的だったのに最終面接でまさかの圧迫面接!実は転職活動の中でこのようなケースは珍しくありません。
突然の冷たい対応、無茶な質問、理不尽な攻撃…
例えばこのようなことが圧迫面接といえます。
緊張しながら入室してこんな態度をとられたらショックも大きいですよね。
質疑応答がスタートする前から帰りたくなってしまうかもしれません…
「自分は何のために面接を受けているのか…?」「これまで何のために頑張ってきたのか…?」と全力で自己否定されている面接官の言葉の数々。
これだけではなく、女性ではセクハラ発言もあり「圧迫面接」という言葉だけで片付けることはできません!
実際に「こんなこと言われた!」とウンウン頷いているかたもいるのではないでしょうか?
面接官は威圧的で侮辱的な態度や言葉で面接者を追い詰めていきますが、圧迫面接はなんのためにされているのでしょうか?
「ただのイジメや憂さ晴らしなんじゃないの?」と巷では噂がありますが
実は…
「ストレス耐性」と「対応力」をチェックするのが圧迫面接。
そのため圧迫面接の多くは「わざといじわるしている」ということです。
社会人になって仕事をすると毎日がストレスの日々です。仕事で失敗して怒鳴られ怒られること、大きなクレームを受けることもあるでしょう。
また、履歴書に「精神的に強い人間です」と書かれていても、見た目では分からないので企業としては実際そうなのか信用したいもの。圧迫面接でわざといじわるをしてストレスを与え、適切に対応できるかを確認しています。
圧迫面接の裏にある企業の真意はコレ!
と、「ピンチをチャンスに変えられる優秀な人材が欲しい!」というのが企業の本音です。
転職活動中の面接は、事前に告知されるのが一般的ですが、「3次面接は圧迫面接ですよ」と告知することはありません。
なぜなら企業は圧迫しないといけないからです。
面接者にとって圧迫面接は、転職活動がスムーズに進み終盤になって少し余裕が出てきたころにいきなり降ってくるパニック!
心の準備をせずに厳しい質問を受けてアタフタ…
イライラした顔をして言い返してしまい後から後悔…
こんなことにならないように対処法をしっかり身に着けておくことが大切です。
覚悟
「圧迫面接かもしれない」と覚悟のうえで面接を受けましょう。
一般的な面接対策だけでなく、いじわるな面接官をイメージして模擬面接することで実際に圧迫面接が実施されたときに落ち着いて対応できるはずです。高圧的な態度をされるのか、威圧的な言葉で侮辱されるのか、馬鹿にされて笑われるかもしれない…圧迫面接の種類はたくさんありますが、事前に想定しクレバーに対応しましょう。
ポジティブ
どんな圧迫面接を受けても感情的にならず「ポジティブ」を大切にしてください。
いくら偉そうな質問をされても落ち着いてポジティブに答えることができれば、ストレス耐性・対応力がある人材と判断されやすく好印象です。
面接はコミュニケーションの場ですので、圧迫質問をうまくかわして環境をコントロールできるかがみられています。話の切り替えしや態度に気を付け、心が折れそうになっても前向き!ポジティブ!に対応しましょう。
笑顔
圧迫面接に最も効果的なのは「笑顔」
面接とは自分のプレゼン、評価の場であることを理解すれば、どんなネガティブな気持ちになっても笑顔でいることを忘れないですね。
「あなたの周りにいる人はみんな自分の写し鏡」という鏡の法則を使い笑顔で面接に挑めば、自然と面接官も好印象を受け笑顔になることでしょう。
笑顔は自信を感じさせ、心強い人物だとイメージされやすく、自分自身の心の余裕にもつながります。
【圧迫面接あいうえお】をご紹介!
あ:明るく
い:嫌な顔せずに
う:うまくかわして
え:笑顔で
お:応答
これから面接に挑む方は復唱してください。
面接官も面接者を評価するために仕方なく圧迫面接をしているかもしれませんので、心に余裕をもって切り抜けましょう。
圧迫面接で質問されやすい内容をご紹介します。
志望理由についての質問が「…で?」「なんで?」「どうして?」
せっかく答えた志望理由に対して面接官からこんな質問が続く場合、1つの答えに対して5回ほど掘り下げた回答を用意しておきましょう。
「どうしてこの仕事をしたいと思ったのか?」「いつから思ったのか?」「どうしてうちの会社じゃないとだめなのか?」「入社してなにがしたいのか?」「将来はどうありたいのか?」
と、深く自己分析をすればすぐに答えられるでしょう。
「入社してもそんな技術は生かせませんよ」
「以前参加させていただいた説明会で、御社ではフットワークが軽く協調性のある人材を求めていると伺いました。〇〇(特技・前職など)を通じて多職種とのチームプレイや正確な遂行力を身に着けることができました。
〇〇を続けてきた中で、チームで協力することの難しさや大切さを学び、御社の業務で活かせると考えています」
会社の求める人材像と自分のアピールポイントをうまくつなげ、貢献できる人間だと伝えましょう
「そんな軽い気持ちじゃ長続きしないよ」
「はい、まだ現場を経験していないため自分の考えや気持ちは甘いものかもしれません。しかし御社に入社して実践を通じて試行錯誤しながら様々なことにチャレンジし困難を乗り越えていく気持ちがあります」
面接官に言われるとグッとへこんでしまう内容ですが、そんな壁も乗り越えてやるぞ!という熱意を表すことが大切
「残業が多いし給料も安いから、やめておいたらどうですか?」
「はい、覚悟しています。残業が多い仕事ということは、その分やりがいがある仕事だと考えております。御社での〇〇(会社の業務内容)の仕事であればそれをバネにして頑張れる自信があります」
圧迫面接の面接官はあの手この手で求職者のモチベーションを下げてきます。
いかにポジティブにとらえ返答するかがポイント
本来は残業がさほどない会社の可能性もあり、面接者の対応力をチェックするためのいじわる質問というケースが少なくありません。
「偏差値が低い大学だったんだね」
「ご指摘いただいたように、私が通っていた大学の偏差値は低いです。しかし、〇〇学部で選考していた〇△の授業は、〇〇を学び実践的な技術を身に着けることができました。社会人になったら役立つ内容で、学んだ知識と技術を活かして御社の業務にとって貢献できると考えています」
大学や経歴について否定することで、面接者が挑発に乗らないか試しているケースが多いのがこのパターン。
イライラせず冷静に切り返しましょう
「面接はいじわるな質問をされる場なんだ」「面接官も仕事をしているんだ」と割り切って考え方を変えれば気持ちに余裕ができ、圧迫面接をスムーズに受けることができるでしょう。
通常の面接でも緊張するのに圧迫面接となればさらに気持ちは動揺してしまいますが、とにかく態度や発言をポジティブな言い方にするよう心がけることで好印象となり、面接を有利に進めることができるはずです。
基本的に圧迫面接は面接者を「わざとイライラさせるような質問をして対応力を図る」ものです。しかし、コンプライアンスを重視している現代で今もなお圧迫面接を続ける会社ってどうなのでしょうか?
圧迫面接をする会社は時代錯誤なブラック企業という見方もできます。
そもそもそんなブラック企業に入社する必要があるのでしょうか?
入社後のパワハラ
圧迫面接の場にとどまらず、入社後は面接以上のパワハラやセクハラは待ち受けているリスクもあります。
面接の場は大切なコミュニケーションの場にもかかわらず、高圧的な態度や差別発言をする行為を目の当たりにすると、職場環境や人間関係に不安をもちますね。
モラルが低い会社
最近では企業のコンプライアンスが重要視されています。それにもかかわらず、まだ圧迫面接を続けている、意図的に仕組んでいる会社というのはモラルが低いとしか言わざるを得ません。
悪い労働環境やサービス残業、ブラックな業務命令なども多いことが予想されますね。
転職はこれからの人生を左右する大切な岐路です。
受けた面接が圧迫面接だった場合「この会社に入ってもいいのか?」という原点に戻り、選考辞退も考えてみてください。
圧迫面接を実施する会社は、入社後のストレスも多くリスクも多いといえます。
「逃げ」ではなく、自分のキャリアプランを実現させるための選択肢の一つとしてとらえ、良い会社がたくさんある中でわざわざ選ぶ必要はないのです。
一線を越えるような圧迫面接をする会社は選考辞退をおすすめします。
ここでは採用面接で実際に面接者に行われたいじわる面接の実例をご紹介します。
特に就職差別につながるおそれのある不適切な質問事例として、ハローワークより指導が行われたものです。
厚生労働省 大阪労働局の公式サイトから引用させていただきました。
会社:女、採用してもええけど、すぐやめるやろ。
生徒:やめません。
会社:自分、すぐ投げ出すやろ。
生徒:そんなことはないです。女の人が働いていたことはあったんですか。
会社:泣いてすぐやめる。男ばっかりの中に女一人で大丈夫か。
生徒:はい。若い男の人もいるんですよね。
会社:去年も若い男入っているし、男が好きやったら、やっていけるんちがう変な言い方やけども。
引用:厚生労働省 大阪労働局(就職差別につながるおそれのある不適切な質問の例)
女性軽視の発言があり企業の採用面接とは到底思えない内容です。ほかにも家族構成や住居環境について尋ねる質問をされ、指導の対象となっています。
圧迫面接は、一歩間違えれば面接者の人格否定や人権侵害につながるおそれがあります。このような発言が目立つ企業は、もし選考通過しても辞退するのが賢明でしょう。
いかがでしたでしょうか?
圧迫面接についてご紹介しましたが、大切なのは「圧迫面接するような会社へ本当に入社しても良いの?」ということです。
それでも入社したい!と思う場合はご紹介した対策で圧迫面接を乗り切っていただきたいと思いますが、「やっぱり入社するんじゃなかった…」と入社後に後悔しても後の祭り。
時代錯誤な圧迫面接をするような会社は、やっぱりコンプライアンスに問題がありブラック企業の可能性が高いのではないでしょうか。
本当にまともな会社なのかどうかはじっくり検討してみてください。
圧迫面接を乗り切るためには事前に心の準備とシミュレーションをしっかり行い自己分析を十分に行うことです。いろいろなパターンの圧迫面接がありますが、自己分析を掘り下げるだけで対応できるケースもたくさんあります。
しかし今の日本には良い会社がたくさんあり、全ての会社が圧迫面接を行う会社ではなく、会社との出会いも「縁」です。
あなたを待っている会社がきっとあるはず!
選択肢はたくさんありますので自分が納得できる転職活動を進めていってくださいね。