【マンガ作:松本勇祐さん】
地方では通勤に車を使う人も多いと思いますが、都内を中心に都市部では若者の車離れが進んでいるとも言いますし、何より維持費や渋滞などで、逆に車通勤をデメリットと感じる人もいます。
電車通勤をしている人は多く、通勤ラッシュも当たり前の光景となっているくらいですよね。
ところで日本では電車通勤にどれくらいの通勤時間を使っているのでしょうか?その時間はあなたにとって快適な時間になっていますか?
通勤時間は、上手に活用することで有意義な時間に変えることが可能なスキマ時間。せっかくなので、苦痛に過ごすより自分のために使ってみませんか?
電車通勤を有意義にするためのコツ、探しみてましょう。
内閣府が行った世論調査によると、国内で通勤通学に電車を使っている人の割合は18.3%となっています。*1
自家用車を上げた人の割合が20.5%と、電車を使う人よりも割合が大きくなっていますが、都市規模別に見ると、電車通勤はほぼ東京近郊に特別高い傾向にあります。対して自家用車通勤は地方に広く分布しており、それだけ都内の電車通勤の割合は集中して高いと言えます。
参照:内閣府『世論調査』
日本の通勤にかかる時間の平均は、総務省統計局の『社会生活基本調査』によると、1時間19分。これは往復の時間になっているので、単純に計算すると片道39分となります。思ったより長くはない?と感じる人もいるかもしれませんね。
各都道府県別の通勤平均時間、上位10件分を表にしてみましたので、比較してみましょう。
都道府県別の通勤平均時間【片道】
参照:総務省統計局『社会生活基本調査、通勤・通学が長い!?ランキング』
関東一都三県が上位を占めており、関西がそれに続いています。やはり関東や関西の都市部では交通の便が良く、広い範囲に働きに出ている様子が伺えます。
世界の通勤時間は日本に比べて長いのでしょうか?それとも短い?比較してみましょう。
以下の表はマイナビニュースから引用した『主要14カ国の片道通勤時間』の表です。
一番短いアメリカが24分なので、日本の平均39分とは15分ほどの差があります。とはいえ、比較して日本の通勤は長いと虚しさを覚えるほどの開きは無いように思えます。
世界平均で見ても日本とは7分程の差。「働きすぎ」と言われがちな日本ですが、通勤時間には大きな違いは無いようです。
平均通勤時間については分かりましたが、実際に通勤する際にどれくらいの長さであれば、一般的に許容範囲といえるのでしょうか。
次のグラフはニッセイ基礎研究所が行った『通勤時間と幸福度の関係』についての調査結果です。
通勤時間10分以内の幸福度が一番高く、そこから時間が増えていくごとに幸福度が低くなる…
と思いきや、10〜30分で一旦幸福度が下がり、30〜60分、60〜90分と通勤時間が長くなるにつれて幸福度が再び上がります。そして90分以上で大きく下がっています。
在宅勤務に至っては一番幸福度が低くなっており、これだけ見る限りではちょっと納得がいかない気がしますね。
こちらの表については、ニッセイ基礎研究所でも健康状態や家族の介護などの個人の事情を加味していない事が影響している可能性があると注釈しています。
そこで、同サイトが健康状態・通勤手段・年収・性別・年齢・婚姻状況の項目を考慮して、線形モデルの推計を行った結果が次のグラフです。
こちらのグラフでは、恐らく皆さんが予想したであろう通りに、在宅勤務の幸福度がずば抜けて高く、通勤時間が長くなればなるほど幸福度が下がっているのが一目瞭然です。
幸福度がマイナスになっていないという基準で考えれば、通勤時間の許容範囲は30分以内といえるかもしれませんね。
次に電車通勤をする上で皆さんがどのような事をメリットと考え、デメリットと感じているのかについて考えてみましょう。
メリット・デメリットともにBiz Hitsが行った『電車通勤のメリット・デメリットランキング』のアンケート調査から表を引用しています。
参照:Biz Hits『電車通勤のメリット・デメリットランキング!』
1位は「渋滞なしで時間に正確」な点についてでしたが、全体で見ると自分で運転しなくてよく、時間を自由に使える。時間を読みやすいという点についてメリットに感じている人が多いように感じます。
日本の電車は、世界から見ても時間の正確さに定評があります。安心して時間を有効活用できるというのは結構助かりますよね。
デメリットに関しては、人の多さや移動の多さでしょう。乗り換えがあったりすると、ただでさえ多い人の間を縫う必要もあって、仕事の疲れに加えて人疲れもしてしまいます。
また、通勤時間が許容範囲であれば「時間が読みやすい」のがメリットになるでしょうが、逆に時間が長くなってしまうと「必ずこれだけの時間は通勤に持っていかれる」とストレスになってしまう人もいるようです。
電車通勤を快適にするためには、メリットについてももちろん参考になりますが、逆にデメリットを見ることでより対策することができるのではないでしょうか。
電車通勤を快適にするには、まずデメリットを解消する方向で考えてみましょう。課題としては「ラッシュを避ける」「通勤時間を短縮する」「移動を少なくする」あたりが対応可能ではないかと考えます。
まず通勤ラッシュの時間帯を避けるために、昨今働き方改革で注目される『フレックスタイム制』を利用し、電車内の混雑を避けて通勤できる勤務時間で働くという手です。
もちろん、すべての会社がこの制度を導入しているわけではないことは分かります。その場合にはフレックスタイム制を導入している企業か、または通勤ラッシュの時間帯とズレた勤務時間帯の職場に転職する事も一つです。
利用している路線の始発駅エリアに住むことで、座席が空いていて座れる確立は高くなるでしょう。ただし、その場合は勤務地から離れてしまう場合も多く、その分通勤時間が伸びる可能性があります。
その場合には始発駅までいかなくとも、車内が混む前の駅エリアも狙い目です。また、乗り換えが多いと感じた場合には、乗換駅エリアに住むことで、乗り換え回数を物理的に減らすこともできます。
山手線のように上りも下りもない都内の環状線では少々難しいですが、一般的に電車は朝のラッシュは上り方面が混み、帰宅ラッシュは下り方面が混みやすい傾向があります。
もちろん路線によっての違いはありますが、この傾向に合う路線であれば、自分の乗る電車をこの逆方面になるように住まいを見つけることで、混雑を避けて快適に通勤しやすくなる可能性があります。
それでは実際に電車通勤をしている人たちは、どんな風に通勤時間を過ごしているんでしょうか。次の表もBiz Hitsが行った調査、『電車通勤中の過ごし方ランキング』を引用しました。
参照:Biz Hits『電車通勤中の過ごし方ランキング』
通勤時間が長くなってしまうと、仕事が終わって家に帰った後は、食事と入浴くらいですぐに寝る時間となってしまい、プライベートや勉強に使う時間がないという人も多いでしょう。
スマートフォンがあれば趣味でも勉強でもしやすくなり、より時間を有効活用できるようになりました。そのため、通勤時間の過ごし方にもかなりバリエーションが増えたようにも感じますね。
電車通勤なら自分で運転する必要もなく、時間も読みやすいのでスキマ時間として自分の好きなように使う自由度がかなり高くなっていますよね。
休日にはしっかり遊びたいし、帰ってからでは疲れて気力も沸かない。だからまだ外出中で緊張状態の隙間を狙って勉強や仕事の予定調整に使うもよし。
音楽を聞いたり電子書籍を読んだり、スマートフォンやポータブルゲーム機でゲームをして、オンオフを切り替えストレスオフに使うもよし。
通勤時間をストレスに感じるのではなく、好きなことをして有意義に使っていくのはいかがでしょうか!