【作:秋鹿えいとさん】
コロナ禍において小売市場で今急成長中のドラッグストアでは、マスクやアルコールなどの衛生用品、食品関係の消費者需要が増加しています。
調剤薬局が併設されている店舗や、利便性の高さや気軽に立ち寄れる場所として、若い方から高齢者まで私たちの暮らしに欠かせない存在となっているのではないでしょうか。
売り上げとともに店舗数も増え、転職市場でも注目されるドラッグストア業界は、コロナ禍で仕事を失った方達が次の転職先として考える業界のひとつ。
「ドラッグストアにはよく行くけど、実際働くとなるとどうなの?」と、分からないことも多いかと思います。
今回は、ドラッグストアの業務内容やどんな人がドラッグストアに向いているかについて紹介させていただきます。
ドラッグストア業界への転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
新型コロナウイルスの感染拡大によって多くの企業が、コロナ倒産や事業縮小、採用控えなど業績に大きな影響を受けています。
その中で、大きな飛躍をみせているのがドラッグストア業界。
特に都心部の郊外に位置し、医薬品や日用品、食料品などを総合的に取り扱っている大型チェーン店の成長が著しく、一方で小規模な店舗においては厳しい状況です。
コロナ禍の外出自粛の影響から、ドラッグストアで取り扱う化粧品の売り上げは落ち込む一方。
しかし「ひとつの店舗ですべての商品が購入できる」との利便性から医薬品や食料品、調剤の売り上げは好調です。
また、コロナ感染のリスクから医療機関の受診を控える方も増えたことから、ドラッグストアで購入できる医薬品の購入者が増えたこともコロナ禍の勝ち組となった背景でしょう。
ドラッグストアの消費者需要が増し、特に大手チェーン店を中心に販売エリアは拡大されている傾向です。
郊外の空き地にいつの間にかドラッグストアができていた、近隣に大型チェーン店がいくつもオープンしているという状況もよくみられますね。
では、実際の転職市場についてみていきましょう。
そのため求人も、新規店舗のオープニングスタッフや主婦層に人気の高いパート、学生のアルバイトだけでなく店長候補としての正社員募集も豊富です。
ドラッグストアへの転職を考えている方にとっては、求人が多い今がチャンスといえる状況でしょう。
また、店舗数も多いことから働きやすい場所や環境を選びやすいこともメリットのひとつです。
ドラッグストアでは、販売員、登録販売者、薬剤師などが働いています。
登録販売者と薬剤師では資格が必要ですが、一般の販売員では特に必要な資格がなく就職・転職難易度もさほど高いわけではありません。
一般の販売員では以下のような方が採用されやすい傾向です。
特に、ドラッグストアはじめ接客販売業経験者は商品名の知識や接客スキルが評価され、即戦力として採用されやすいでしょう。
新店舗のオープニングスタッフでは、求人数が多く全員がイチからのスタートとなり新規研修も充実。
既存のドラッグストアに比べると働きやすい環境なので、違う職種からのキャリアチェンジ転職に向いています。
全国各地には様々なドラッグストアがあるため、店舗によって出勤時間から業務内容まで大きく変わります。
など様々です。
特に、店舗のトップとなる店長の人柄によって店舗のカラーが影響し、大らかな店長の場合はスタッフに対しても優しく人間関係も良好な職場は多いでしょう。
転職先を見つける際は、まず客として来店し働く人の様子や応対を確認することをおすすめします。
実際に接客を受けて丁寧かどうか、店舗内の清掃が行き届いているかなどを見極めましょう。
ドラッグストアの転職はねらい目ということが分かりましたが、「実際の業務って何をするの?」と気になりますね。
ドラッグストアは、基本的に店舗に来られた方への接客が中心になりますが、商品管理や陳列、清掃など業務内容は多岐に渡ります。
それぞれみていきましょう。
ドラッグストアには一般医薬品や化粧品だけでなく、大型店舗では日用品や食料品まで様々な商品が販売されています。
販売員はこれら商品の管理や発注、陳列などを行い、月末には棚卸作業、店内清掃などを行います。
商品の品出しをしている際に、店舗に来られるお客様に対しての接客やレジ応援に入るなど臨機応変な対応を行う必要があります。
店内に商品を並べる品出し、陳列、整理などを行い、開店前にはストックルームや倉庫から商品を運んだり、商品数が少なくなった際などに補充陳列します。
顧客獲得に向けて、見やすい・選びやすい売り場づくりのため定期的な商品のフェイスアップを行うのもドラッグストアの業務です。
お客様から商品について質問された際は、商品案内や購入のサポートも行い、店舗の売り上げアップを目指すもドラッグストアで働く販売員の大切な仕事のひとつです。
お客様に合った商品案内だけでなく、新商品のPRをして売り上げにつなげていきます。
販売員には常に新しい情報と正しい商品知識が求められ、店内に設置されているポップ作成なども行います。
ドラッグストアの勤務体制はシフト制で、朝から夕方までの「早番」、午後から閉店までの「遅番」という2交代制が多い傾向です。
例えば、早番にはメールチェックや開店準備、遅番では本社への報告や閉店準備など店舗によって早番・遅番での業務内容は異なります。
正社員や契約社員、派遣社員、パートなど雇用形態が多様なので、ライフスタイルに合わせて働くことができます。
アルバイトやパートではより細かい時間単位で働くことができるため、家庭や育児との両立がしやすい職場でしょう。
求人が豊富で転職のチャンスがあるドラッグストア業界、仕事は多岐に渡りますが研修も充実しているところが多いため未経験の方でも無理なく働ける職場です。
では、どんな人がドラッグストアに向いているのでしょうか。
お客様への商品案内のため、ドラッグストアにある様々なアイテムについて調べ、新しい商品が入荷されれば情報を集め特徴を知るなど情報収集が大切です。
この3つの情報収集スキルを接客・営業に活かせる方が向いています。
ドラッグストアを訪れるお客様は、様々なニーズや目的をもっていますが、体調が悪い方やその家族の方や高齢者も多いため、伝えたいことがうまく伝えられない方もいらっしゃいます。
その対話の中で、うまくニーズを捉え適切な商品を案内することが大切です。
お客様との言葉だけでなく、表情やしぐさで状態が把握できるようなコミュニケーションスキルが持った方は適職といえるでしょう。
ドラッグストアに限りませんが、接客業では清潔感のある人材が求められます。
髪型や髪の色、ネイルなどに制約がある場合が多く、清潔感ある身だしなみに気を付ける必要があります。
ドラッグストアの販売額が上昇している中、新たな顧客としてインバウンド客の需要が伸びています。
中国語や英語で書かれた広告はもちろん、接客販売においても外国語で対応しているシーンをみられたことがある方も多いのではないでしょうか。
このような訪日外国人観光客向けの接客販売への対応として、外国語ができる方が重宝されています。
ドラッグストアでは、一般的な販売員のほか「登録販売者」「薬剤師」の資格をもち活躍されている方がいます。
特に薬剤師は高待遇・高給与で働くことができますが、薬学部に行き国家試験に合格する必要があるため他業種からのキャリアチェンジでは難易度が高い資格となります。
おすすめは「登録販売者」です。
無資格で入社してからドラッグストアで働き、実務経験を積みながら学び資格取得されている方も多く給料アップ、キャリアアップにつながる資格です。
セルフメディケーションが推進される現代において、医薬品の知識がある登録販売者のニーズが増しドラッグストアへの採用時に有利です。
業務の幅を広げキャリアアップを目指す方は、医薬品販売のプロフェッショナルとなる登録販売者の資格取得がおすすめです。
登録販売者は国家資格であり社会的信用も高く、全国各地で活用できるため生涯にわたって安定した職を得られる資格です。
また、最近ではドラッグストアだけでなく医薬品を販売するECサイトやコンビニエンスストアやスーパーなど働く場所も多様化しニーズが伸びているため、将来性も高いでしょう。
いかがでしたでしょうか?
ドラッグストアの業務内容やどんな人がドラッグストアに向いているかについて説明させていただきました。
「ドラッグストア業界がアツい!」とされる背景には、コロナ禍とセルフメディケーションの2つがあげられます。
「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と世界保健機関(WHO)に定義されるセルフメディケーション。
これまで医療機関を受診されていた方がドラッグストアで医薬品を購入する機会が増えるため、ドラッグストア業界の成長はますます著しく、求人も伸びていくと予測されています。
ドラッグストアの店舗数が増えていることにより、販売するスタッフのニーズも高く、転職・就職しやすい業界といえるでしょう。
業務体系や待遇、人間関係などの働きやすさは店舗によってさまざまですので、自分に合った店舗を見つけましょう。