【マンガ作:まるいがんもさん】
部下が頑張っても手柄は上司のもの…。そんなケースは少なくありません。
同じように頑張っていても認められなければ、部下にとっては働き甲斐のない職場になってしまいます。
この記事では、「いい上司の特徴」というキーワードで、部下から好かれる上司の特徴、どんなコミュニケーションを取ればいいのかを解説します。
毎年春になると、異動や配置転換があり、部署の顔ぶれが大きく変わります。
課長や部長などの役職者が入れ替わることもあるでしょう。
理想は「部下を成長させる上司」や「仕事をきっちりこなす上司」ですが、なかなか理想通りにはいかないものです。
上司が部下想いで仕事もできる人なら、職場の雰囲気は明るく、社員同士のコミュニケーションも活発で、効率も向上します。
一方で、上司が自分のことばかり優先で、部下の相談や悩みを無視するようなら、その職場の雰囲気は悪くなるばかりです。
相性の問題もありますが、上司の存在はそれほど職場にとって大きなものと言えます。
そのため、部下に好かれる上司になるとともに、仕事のできる上司になることが、職場の生産性を上げる意味でも重要です。
いい上司についてみていく前に、部下から嫌われやすい上司に共通する特徴をみていきましょう。
1つでも当てはまるようなら、部下との関わり方を見直すことをおすすめします。
嫌われやすい上司の特徴チェックリスト
上司がその場の気分で発言したり、行動したりすると、それに従う部下は戸惑いと混乱を起こしてしまいます。
それが続けば、部下は上司のご機嫌を伺い、自分の仕事に集中できなくなります。
まして、次の日になればそれまでと真逆のことを指示してくる…なんてことがあれば、真剣に業務へと取り組んでいる部下にとってはたまったものではありません。
上司だけに限った話ではありませんが、人によって接し方や態度を変える人間は、決して信用してもらえません。
例えば、「役員や経営者に媚びへつらうにもかかわらず、部下には横柄でイライラをぶつけてくる上司」や「お気に入りの部下だけを優遇し、気に入らない部下には冷たく接する上司」は、部下から信用されることはないでしょう。
「打たれ弱い人に優しく接することや、勤務態度の悪い部下に厳しく接する」のと、「相手によって態度を変える」ことはわけが違うので注意しましょう。
人間は機械とは違い、1つのミスもしないということはあり得ません。
誰もがうっかりミスや判断の間違いがあるからこそ、間違いを指摘された時にその人の人間性が現れます。
しかし、上司の中には自分のプライドを優先してしまい、部下からの指摘や自分の間違いを認めない人がいることも事実です。
むしろ、自分のミスを部下のせいにして、「自分がミスをするわけがないのだから、部下であるお前のせいだ」と本気で言ってしまう人がいます。
嫌われる上司は自分が悪くても決して認めず、謝ることもありません。
プライベートにおいても短気な人やすぐに怒りだす人は敬遠されがちです。
しかし、職場の上司は仕事上関わらざるを得ないので、完全には関係を絶てません。
そのため部下は「できるだけ関わることなく、最低限の時間で関わるようにしよう」と考えます。
職場で上司と部下の交流が減ってしまうと、業務連絡や情報共有が上手くいかず、自然と生産性が低下します。
その結果、上司はさらに短気になり、部下はますます関わろうとしない悪循環に入っていくでしょう。
仕事を効率的に進めるには、上司からの論理的な説明と部下へのフィードバックが欠かせません。
当然のことですが、叱責であっても論理的な理由があり、次に活かすためのフィードバックがあれば、部下も納得してくれます。
しかし、上司が自分の感情ばかりを優先してしまえば、論理性がなく、単に部下への不満をぶつけただけになるでしょう。
上司らしく論理的な説明ができなければ、部下の心はついてきません。
「優しい人=いい上司」であるとは限りません。
必要な時に部下を叱らず、上司からの依頼を何でも受け入れ、部下の仕事を手伝う人は、良い人ではあってもいい上司ではありません。
言い換えれば、「優柔不断で良い人のフリをしている」と見られ、部下からの信頼は得られないでしょう。
上司の仕事は部下のマネジメントを行うとともに、適切な判断を下すことです。
何でも受け入れる優柔不断な上司は、結果的に部下からの信頼を失い、嫌われてしまいます。
次に、部下から信頼されるいい上司、好かれる上司の特徴についてもみていきましょう。
好かれる上司の特徴チェックリスト
いい上司は部下に仕事を指示する際、誰が、いつ、何をすべきかを判断し、必要な人材とリソースを指示できます。
上司の指示が曖昧で、その都度内容が変われば部下のストレスになりますが、やるべきことが明確なら部下は迷いなく仕事を進められます。
いい上司はそうした判断力に優れ、ゴールまでの道筋が見えているからこそ、一貫性のある指示を出してくれるのです。
上司も人間ですから相性の良し悪しはありますが、それを態度で表すと部下から嫌われてしまいます。
いい上司は個人的な好き嫌いではなく、部下の全員に対して平等に仕事を割り振り、不公平感が生じないように行動しています。
性別や上下関係によって態度を変えない人は、部下からも信頼されやすいでしょう。
上司は職場をマネジメントする立場だからこそ、特定の人物だけを優遇してはいけません。
上司の仕事はチームをマネジメントすることであり、部下への指示や重要事項の決定、部下を育てることです。
上司が雑用まで積極的にやる必要はありませんが、部下の仕事を実際に体験し、部下と同じ目線で振り返ることも大事な仕事です。
部下は上司が率先して動くからこそ、「自分も上司のように頑張らなければ」という気持ちになります。
上司だからこそ、部下を精神面から引っ張っていくために、率先して行動することが重要になります。
上司の役割はチームのマネジメントと同時に、人材を育てることでもあります。
部下を育てるためには、上司が一方的に指示するだけでなく、改善点を合理的に説明することも重要です。
また、部下の行動から客観的な事実をくみ取り、そこから部下自身が考えて答えを導けるようにフィードバックすることも求められます。
特に、部下から信頼される上司ほど行動が早く、機を逃さずにフィードバックを行う人が多いです。
合理性と客観性、両方のバランスを意識しながらフィードバックできる上司は、部下からも信頼されます。
人間関係でも、人は相手の嫌な部分・短所に目が行きがちです。
しかし、仕事をするうえで短所ばかりを気にしていては、部下の能力や長所に気が付きません。
いい上司は悪い点だけを見るのではなく、人の長所を見抜いて伸ばしていけるという特徴があります。
また、人の長所を伸ばすために、直接本人に長所を伝え、褒めてあげることも大切です。
部下にとっては、「上司が見てくれている・評価してくれている」という前向きな気持ちになり、信頼関係を築くことにもなります。
いい上司は自分の仕事やチームの一部だけではなく、職場全体を俯瞰して物事を捉えるという特徴があります。
特定の部下だけを優遇していれば、自然と偏った考え方や指示を出すようになり、職場内で不公平感が生まれます。
いい上司は職場全体の生産性を意識し、全体が上手く回るように視点を変えるものです。
また、上司本人がいなくても組織が回るように、色々なケースを想定できることも部下に好かれる条件です。
最後の特徴として、人間関係でも当たり前のことですが、部下とコミュニケーションを取りやすい上司が好かれます。
コミュニケーションが取りやすい上司とは、部下から軽んじられるという意味ではなく、重要な案件や部下の悩み、不安など必要な時に相談できる人のことを指します。
上司と部下の関係は様々ですが、上司から部下への声掛けがしやすく、部下からも「困った時には上司に相談すれば一緒に考えてくれる」という信頼関係を構築することが理想です。
そのためにも、部下とのコミュニケーションが取れることは、いい上司の大事な条件と言えます。
人は自分を信頼してくれる人の期待に応えようとするものです。
上司と部下の関係も同じで、部下が「上司が信頼してくれているから応えたい」という思いを持てば、仕事へのモチベーションになります。
部下が悩んでいる時には気持ちに寄り添い、良い結果が出た時は褒めて、素直に喜ぶ気持ちを伝えれば、部下との信頼関係もより強くなるでしょう。
上司として部下のことを理解するためにも、コミュニケーションを大切にしてください。
上司からの言葉は、部下にとっての友人や同僚からもらう言葉とは全く違う重みがあります。
部下が上司から言われて嬉しいと感じる言葉はどんなものでしょうか。
ぜひ知っておくべきフレーズを紹介します。
上司からの「頑張っているね」という言葉は、きちんと見てくれているということと、努力が報われたという思いに繋がります。
シンプルな言葉ですが、受け取った部下は「これからも仕事を頑張ろう」という前向きな気持ちになります。
上司からの「ちゃんと見ているよ」というメッセージにもなり、部下のやりがいにもなる大きな意味を持つ言葉です。
こちらもシンプルですが、感謝の気持ちを言葉にして直接伝えることは、部下にとって嬉しいことです。
特に、尊敬する上司や信頼する上司から言葉をもらえれば、これ以上ないほど喜びの気持ちが強いでしょう。
日頃から感謝の言葉を伝えることも大事ですが、普段言わない言葉だからこそ、その気持ちが伝わることもあります。
責任感やプレッシャーに押しつぶされ、本来のパフォーマンスを発揮できない部下もいるでしょう。
そうしたケースでは、「自分の思うようにやればいい」と伝えれば、責任は上司である自分が取るという意図も伝わり、部下のプレッシャーが和らぎます。
「上司から信頼されている」という前向きな気持ちになり、普段以上の実力を発揮することも。
上司がきちんと自分を見てくれているとわかる言葉は、頑張りを認めてくれているという嬉しい気持ちになります。
特に、普段は裏方作業をしている人やコミュニケーションの要になっている人は、目立ちにくく評価されにくい存在です。
そうした部下に対しても、一人ひとり気を配っていることが伝われば、その言葉がやりがいにもなっていきます。
声を掛けるタイミングも難しいですが、労いの言葉として使うと、部下のやる気もアップするでしょう。
頼りにしている・助けてほしいという言葉は、シンプルだからこそ相手の心に響きます。
実際にこの言葉を受け取った部下は、「期待に応えたい」と普段以上のパフォーマンスを発揮することが多いです。
部下からすれば、自分を信頼してくれた、評価してくれているということであり、仕事へのモチベーションアップになります。
「成長した」という言葉は、特に新人・若手に対して励みになる言葉です。
若手のうちは仕事をどんどん覚え、できることが増えていく時期です。
その時期に上司から成長を評価してもらえれば、「もっと仕事を頑張りたい」という意欲が高まります。
大きなプロジェクトの後やイベント後に、「成長した」という言葉を伝えると、若手社員の励みになるでしょう。
好かれる上司・嫌われる上司の特徴を紹介しました。
いい上司の条件は職場によって違いますが、共通するのは「チームや部下のことを優先して考えられる」ということです。
自分のことばかりで部下を顧みない上司は、どれほど有能であっても部下から信頼されることはありません。
部下から信頼される上司になるために、チームのマネジメント、部下の成長を考えて仕事できることが、いい上司の大切な条件です。