【経験者の声】「介護職を辞めてよかった」介護職からの転職で後悔しないためにすべきポイントは？
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身体的にも精神的にも負担が大きい介護職。
介護職を退職された方の中には「辞めてよかった」という人もいれば、「辞めなければよかった」と後悔されている方もいらっしゃいます。
今よりも良い環境を求めて転職したのに、後悔なんてしたくないですよね。
今回は、介護職からの転職について、辞めてよかったと思う理由や後悔していること、転職で後悔しないためにすべきポイントなどを解説します。
あわせて介護職からの転職でおすすめの業界職種も紹介しますので、介護職からの転職を悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
介護職を辞めてよかったと思う理由
介護職から転職をされた方は多いですが、辞めてよかったと転職に成功された方もいらっしゃいます。
ここでは、実際に介護職から転職された方の声を参考にしながら、介護職を辞めてよかったと思う理由を6つ紹介します。
規則正しい生活リズムを取り戻せた
入居系の介護施設では、24時間体制で介護を行うため、基本的にシフト制の変則勤務です。
早出・日勤・遅出・夜勤と、変則的な労働時間が身体的な負担につながり、長時間の労働時間に悩む方も少なくありません。
また、休日に休みが取りづらいこともあるため、生活リズムの乱れは、ストレスや心身の不調をきたす恐れもあります。
【介護職を辞めた方の声】
長年、シフト勤務を続けていましたが、「遅出の翌日に早出」といった、不規則な勤務に耐えられなくなり退職。
人手不足から無理な勤務は仕方がないと思いますが、仕事と家庭の両立に限界を感じるようになったからです。
今は、クリニックの医療事務として働いていますが、規則正しい生活ができ、プライベートにもゆとりができました。
特別養護老人ホームで3年間働いていました。
夜勤が続くようになってからホルモンバランスが乱れ、睡眠不足からの体調不良や生理不順がさらにひどくなり転職を決意しました。
今は派遣ですが、一般企業の事務員で働いています。
時々残業もありますが、基本的に9時から17時までの勤務なので規則正しい生活が送れているので体調も戻ってよかったです。
上記のように介護職から転職された方の声を聞くと、不規則勤務から解放され、生活リズムを整えることができたという方が多いようです。
身体的な負担が少なくなった
介護職は、排泄介助や入浴介助などで身体的、体力的な負担が大きい仕事です。
特に車いすからベッドへの移譲や立ちっぱなしの業務が続き、腰を痛めてしまう方が多く、辞めたいと思う方が多くいらっしゃいます。
また、介護の仕事はしたいけれど「体がもたない」「腰を痛めて仕事を続けられない」という方も少なくありません。
【介護職を辞めた方の声】
腰痛がひどく、コルセットをつけながら介護の仕事を続けていましたが、ひどいぎっくり腰になり、腰に負担のない仕事がしたいと思い転職しました。
現在は営業職をしており、歩くことも多いですが、介護職のときのような腰痛には悩まされていません。
介護職を辞めてから慢性的な腰痛も落ち着き、ぎっくり腰も再発していません。
介護の仕事は楽しかったですが、やはり体に負担がかからなくなったのは良かったと思います。
独立行政法人 労働者健康安全機構が行った「社会福祉施設の介護職職員における腰痛の実態調査、画像診断と予防対策に係る研究・開発、普及」によると、89.9％の介護職員が腰痛を抱えていると報告されています。
介護職を辞めたことで、体の負担が少なくなり、腰痛が解消された方は多いでしょう。(*)
*参照：独立行政法人 労働者健康安全機構『社会福祉施設の介護職職員における腰痛の実態調査、画像診断と予防対策に係る研究・開発、普及』
責任やプレッシャーから解放された
介護の仕事は命を守る仕事です。
日々、利用者の安全面に配慮し、事故のないように配慮しなければならず、常にプレッシャーを感じながら仕事をされています。
特にコロナ禍では、「利用者の健康を守らなければいけない」「コロナウイルスに感染させてはいけない」といった重圧が負担だったかと思います。
どんな仕事でも責任やプレッシャーはありますが、自分自身の行動によって利用者の健康や命が左右される仕事は少ないものです。
介護職を辞めて、責任やプレッシャーから解放され、精神的な悩みが亡くなった方も多くいらっしゃいます。
【介護職を辞めた方の声】
介護の現場でコロナの陽性者やクラスターが発生しないように、感染対策の毎日でした。
家族にも会わず、外出もせず、ひたすら職場と自宅の往復。
自分自身はもちろん、利用者様を感染させてはいけないというプレッシャーがきつかったです。
毎日仕事に行きたくないと思いながら働いていましたが、精神的な負担に耐えられず、介護職を辞めました。
身体的にも精神的にもしんどくないので気持ちが楽になりました。
介護職は日常的に命と向き合う現場ですが、2020年に発生した新型コロナウイルスがきっかけとなり転職した方も多いようです。
利用者の健康や命を守ることは大切ですが、まずは自分自身の健康を大事にすることが重要ですね。
人間関係の悩みがなくなった
「職場の人間関係」は、多くの企業での離職理由の上位にあげられますが、介護職も例外ではありません。
特に介護職は、女性が多く働く職場なので、女性特有のマウントや派閥争いに悩む方が多くいらっしゃいます。
また、介護の仕事はチームで利用者のケアを行います。
職場の人間関係が良好でない場合、ストレスや心身への負担が大きくなるだけでなく、利用者へ適切なケアを行うことができません。
【介護職を辞めた方の声】
介護の職場では男性が少なく、女性スタッフとの人間関係に悩まされていました。
派閥争いに巻き込まれることが嫌で、スタッフ同士でコミュニケーションをとる機会も少なかったです。
介護職を辞めたいと思うようになってからITスキルを学び、今はIT企業で働いています。
いろいろな専門職同士で話すことも多いですが、風通しが良い人間関係なので、ストレスなく働けています。
職場の人間関係は、仕事へのモチベーションやストレスに影響します。
介護職や女性特有の人間関係から解放され、人間関係の悩みがなくなって辞めてよかったという声もきかれました。
プライベートが確保できるようになった
介護職を続けている方の中には、毎日の生活にゆとりをもてないと悩む声もあります。
シフト勤務では、土日祝日関係なく仕事があるので、家族との時間も作れないという方もいらっしゃいます。
一般企業や土日祝日に休める仕事に転職することで、プライベートにゆとりをもてるようになり、リラックスできる時間も確保できるようになるでしょう。
【介護職を辞めた方の声】
専門学校を卒業してから結婚、出産を経て、ずっと介護職で働いてきました。
子供ができてからも続けていましたが、土日祝日やお盆やお正月にも仕事があるので、家族とゆっくり過ごすことができないことに悩み転職しました。
退職してはじめてお盆休みを過ごし、世間の方と同じように長期休みを楽しむことができました。
介護の仕事のときは平日に休みがあったので、市役所や病院などは行きやすいですが、家族と休日を過ごすことができるので、介護職から事務職に転職してよかったです。
年収が上がった
厚生労働省の『令和３年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要』によると、介護職の平均給与額は、323,190円（令和３年９月）とされています。(*)
*参照：厚生労働省『令和３年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要P14』
賃金ベースは上昇傾向にありますが、他業種に比べると薄給だったり、仕事と給与が見合っていないと不満を感じている方もいます。
また、大幅昇給も期待できない場合は、将来への不安や給料アップを目指して転職する方も多くいます。
【介護職を辞めた方の声】
介護現場でリーダーをしていましたが、資格手当やリーダー手当も少なく、給料に不満をもっていました。
結婚をきっかけにもっと稼げる仕事に就こうと思い、介護職を辞め、営業職へ転職。
営業職では成果が給料に反映されるので、やりがいを感じています。
介護職のときに培ったコミュニケーションスキルを武器に働いています。
介護職から転職をして後悔していること
介護職を辞めてよかったという方も多くいますが、その一方で転職をして後悔している方もいます。
ここでは、介護職から転職をして後悔していることについてみていきましょう。
「ありがとう」の言葉やコミュニケーションが少なくなった
介護の仕事は、利用者だけでなくスタッフや多職種とのコミュニケーションが多く、「ありがとう」と声を掛け合うことが特徴です。
また、利用者からの「ありがとう」という言葉は、介護職のやりがいのひとつで、自分の努力が認められたり、利用者の生活や心に寄り添っている実感を得る重要な瞬間です。
しかし、介護職を辞め転職することで、日常的にきいていた「ありがとう」の言葉がなくなったことに寂しさを感じている方は少なくありません。
介護職の頃のコミュニケーションの多さや「ありがとう」がないことで、仕事にやりがいを感じられなくなり、転職を後悔されている方もいます。
介護職の頃より職場環境が劣悪だった
介護の仕事にしんどさを感じて違う職種・業種に転職しても、今よりも環境が良くなる保障はありません。
「利用者の介助がなくなり、腰痛はなくなっても精神的に辛い職場だった」
「サービス残業が多くて転職したのに、今の仕事もサービス残業をしている」
「体がしんどくなり介護職を辞めた。軽作業の仕事に転職したが、重たい荷物を運ぶことが多くて、腰痛が悪化した」
と、介護職を続けていたほうがマシだったかもしれない…と、転職を後悔する可能性もあるでしょう。
介護職に比べると求人が少ない
慢性的な人材不足に悩む介護業界の求人は、全国的に求人数が多く、引く手あまた。
しかし、他職種・他業種では、希望する求人が少ないことや、競争率が高く、なかなか転職が決まらないことは珍しくありません。
介護職のときは希望する給与や待遇から選びたい放題だったのに、「転職しても希望する仕事ができない」「自分では見つけられない」と、悩む方も多いでしょう。
介護職のブランクができることが不安
介護職を辞めたのに、いざ現場を離れると介護職としてブランクができてしまうことに不安を感じる方もいらっしゃいます。
介護の仕事での実務経験がある方や介護職員初任者研修や介護福祉士などの資格をもっている方は、いつでも復職できる安心感があるでしょう。
しかし、いつでも介護の仕事に戻れると思いながらも、ブランクが長いとスキルが落ちて、働けないのではないか？と心配になることも。
転職後、介護職へのブランクに不安を抱えながら働いている方も少なくありません。
介護職のときより給料が下がってしまった
低賃金とイメージがある介護職ですが、最近では介護職員への処遇改善が推進され、賃金は上昇傾向であり、実務経験を重ねることで高い給与を得ている方もいます。
実績が評価される職種や業種では、未経験転職になるため低い給料からスタートとなります。
介護職よりも給料アップできると思い、異業種転職して後悔する方もいます。
例えば、実績がある介護職の頃と比べて給料が安くなってしまったり、求人票に書かれている給料がもらえなかったというケースがあげられます。
介護職からの転職で後悔しないためにするべき５つのポイント
介護職から転職して、後悔してしまうのはもったいないことです。
転職は大きな決断であり、後悔しないためには十分なリサーチと準備が必要です。
ここでは、介護職からの転職で後悔しないためにするべきことを5つ紹介します。
介護職を続けたいのか？介護職そのものを辞めたいのか？
まず仕事を辞めたいと思ったときに考えるべきポイントは、「介護職を続けたいのか？介護職そのものを辞めたいのか？」ということです。
労働環境や人間関係で悩んでいるものの、介護職を続けたいと思うなら、自分の介護観や希望する働き方に合った職場を探す必要があります。
また、不規則な生活や腰痛などの体力的な負担から介護職そのものを辞めたい場合は他業種・多職種から仕事を見つけなければいけません。
現状、どんなことにストレスを感じているのかを考え転職を検討しましょう。
転職理由と転職で求める条件を明確にする
介護職から転職する場合、「なぜ辞めたいのか」「転職して何を求めるか」を考えてみましょう。
給料アップや休日、残業時間、心身の負担など様々ありますが、自分の中での優先順位を決めましょう。
例えば、
- 今よりも給料が上がるなら多少残業しても構わない
- 土日祝日が休みなら、給料が低くても我慢できる
など、仕事に求める条件をあげていき、転職軸を明確にすることが大切です。
業界・企業研究をする
介護職一筋で働いてきた方は、他の業界や職種の動向について詳しくありません。
「なんとなく」で転職先を決めないためにも、転職先の業界や職種、企業について詳しく調査し、自身のスキルや価値観に合致しているかどうかを確認しましょう。
そして転職した後に、希望やキャリアプランが実現できるのかについて、複数の選択肢から検討することが大切です。
資格やスキルを身に着ける
介護職から未経験転職する場合、転職先で求められる資格やスキルが不足しているなら、退職前にスキルアップしておくことも重要です。
例えばIT業界を目指しているならプログラミングを学んだり、医療事務への転職を考えているなら医療事務の資格を取得するなどがおすすめです。
転職先の業界や職場で必要な資格やスキルを身に着けることで、即戦力として活躍できる人材として評価され、採用も有利になる可能性が高いでしょう。
転職エージェントに相談する
「介護職を辞めたいと思っていても、一人では難しい」
「どんな仕事が自分に合っているかわからない」
といった方は、転職エージェントを利用し、キャリアアドバイザーに相談することをおすすめします。
転職エージェントでは、専任のキャリアアドバイザーがキャリアカウンセリングを通じて、転職希望者に合った仕事の提案や紹介を行います。
自己分析のサポートや客観的なアドバイスをしてもらえるので、自分に合った仕事と出会えるチャンスが広がるでしょう。
また、「未経験歓迎」の求人も多いため、介護職から別の業界や職種への転職も不可能ではありません。
応募書類のアドバイスや条件交渉もサポートしてもらえるので、負担のない転職活動を進めることができますね。
介護職からの転職でおすすめの業界・職種7選
介護職の経験がない方は、本当に転職できるのか不安ですよね。
しかし、介護職はコミュニケーションスキルやホスピタリティなどのスキルがあり、それらを生かして転職することが可能です。
ここでは、介護職からの転職でおすすめの業界・職種を7つ、紹介します。
事務職（一般事務・介護事務・医療事務）
介護職からの転職で人気の高い職種のひとつは、事務職です。
事務職は書類や伝票整理、電話・来客対応、備品管理などを行いますが、一般企業だけでなく介護施設や医療機関など、幅広く活躍できます。
介護事務は、介護事業所で「介護報酬請求業務」、医療事務は、病院やクリニックでレセプト（請求業務）を行います。
どちらも電話・来客対応なども事務員の仕事になりますので、介護職で培ったコミュニケーションスキルを活かすことができるでしょう。
有資格者や経験者が優遇されますが、「未経験・無資格可」の求人も多くみられるので、介護職からのチャレンジにおすすめです。
ホテルスタッフ
介護職のホスピタリティや接遇を生かせる仕事のひとつは、ホテルスタッフです。
フロントや客室清掃、レストランのホールなど、様々な職種がありますが、未経験者でも働きやすい仕事のひとつです。
ホテルの利用客の中には、高齢者や障がいをもった方も多くいますので、介護職ならではの細やかな配慮やサービスを提供することができるでしょう。
接客・販売業
人と接することが好きな方は、接客・販売業もおすすめです。
介護職は、他者の表情や視線などを読み取りケアを行いますので、対話力が求められる接客・販売業はぴったりです。
また、売り上げや成果が評価されやすく、給与に反映されることも多いため、仕事にやりがいを感じられることも多いでしょう。
資格や経験を問わず応募できるため、未経験転職の方も採用されやすいです。
営業職
介護職での給料に不満を感じていた方におすすめの転職先は営業職です。
資格や経験を問わず、ポテンシャルの高い人材が採用されやすい傾向があります。
特に介護職からの転職なら、福祉用品や介護用品など介護関連の企業では、介護の経験をアピールできるでしょう。
仕事の成果が評価や給与に反映されやすく、基本給にインセンティブがプラスされますので、年収アップが期待できるでしょう。
営業職に必要なスキルは、コミュニケーションスキルで、顧客のニーズを把握し、適切な商品やサービスを提案することです。
介護職の強みであるコミュニケーションスキルを活かせる仕事といえるでしょう。
IT業界（プログラマー・システムエンジニア・WEBデザイナー）
人材不足が懸念されるIT業界では、IT関連の求人が増加しています。
無資格・未経験から応募できる求人もありますが、一定のスキルが求められるケースが多いです。
IT業界への転職を目指している介護職は、独学や通信講座、スクールなどを利用しながらITスキル、プログラミングの習得を進めていきましょう。
IT業界で活躍する職種は、プログラマーやシステムエンジニア、WEBデザイナーなど様々ですが、年収アップや生活の安定が可能です。
また、在宅ワークを取り入れている企業も多いので、通勤の負担を減らしライフスタイルを確立させることができるでしょう。
保育士
介護職から保育士に転職する方は多く、メリットはシフトによって生活リズムが乱れにくいことです。
早出や遅出がある場合もありますが、保育園では夜勤がないため規則正しい生活を維持することができます。
介護職の経験やスキルは保育士への転職で強みになり、採用にも有利になりやすいでしょう。
製造業
人とのコミュニケーションに疲れてしまった介護職は、製造業への転職がおすすめです。
工場内で組立・加工などライン作業を行い、軽作業では仕分けや梱包作業を行います。
基本的に黙々と作業することが多いので、積極的なコミュニケーションは少ないです。
細かい作業が得意な方や同じ作業を繰り返すことが苦痛にならない方は、製造業への転職を視野にいれてみてはいかがでしょうか。
【まとめ】介護職から新たな一歩！自分に合った仕事で活躍しよう
いかがでしたでしょうか。
介護職からの転職について、辞めてよかったと思う理由や後悔していること、転職で後悔しないためにすべきポイント、介護職からの転職でおすすめの業界職種について紹介しました。
介護職は大変ながらもやりがいのある仕事ですが、他の業界や職種に転職することで、新しいスキルや知識を習得し、自身の可能性を広げることができるでしょう。
また、働き方や労働環境が変わることで、仕事とプライベートのバランスを取りやすくなったというメリットを得られる可能性もあります。
一方で、新しい職場環境や初めての業界で働くことへの不安もあるでしょう。
転職で後悔しないためには、転職前に情報収集や自己分析、スキルの習得などしっかりと準備をすることが大切です。
自身の強みや介護職での経験やスキルを活かして転職を成功させたい方は、転職エージェントに相談してみてはいかがでしょうか。
