プロフィール
1978年2月生まれ、愛知県出身、東海大学中退、大手人材サービス会社など通じて10人を超える人たちのキャリアコーチングを担当。
営業では全国表彰をうけるなど活躍したのち「働くことを通じて役に立っていることが実現できる職場風土を創る」ために法人を設立。700社の職場風土づくりを担当。
現在は、代表を務める株式会社職場風土づくりにおいて年間100回の研修や講演を担当。「階層別研修」「評価制度」には定評がある。
2022年からライフシフト大学 特任講師を拝命。
会社を辞めたい。そう考える理由は人それぞれにあるでしょう。
だからと言って、簡単に辞められるものではないのが仕事。これを読んでいるあなたも、今それを痛感しているのではないでしょうか。
「こんな理由で辞めても平気?」と退職を決断できない人も多いはずです。
では、実際に会社を辞める人は、どんな退職理由で辞めているのでしょうか。また、転職はどんな条件が揃えば可能か?退職で起こり得るリスクとは何か?
退職を決断できない人の疑問を確認しながら、対策を考えてみましょう。
プロフィール
1978年2月生まれ、愛知県出身、東海大学中退、大手人材サービス会社など通じて10人を超える人たちのキャリアコーチングを担当。
営業では全国表彰をうけるなど活躍したのち「働くことを通じて役に立っていることが実現できる職場風土を創る」ために法人を設立。700社の職場風土づくりを担当。
現在は、代表を務める株式会社職場風土づくりにおいて年間100回の研修や講演を担当。「階層別研修」「評価制度」には定評がある。
2022年からライフシフト大学 特任講師を拝命。
運営サイト・著書
株式会社職場風土づくり:
https://shokuba-fuudozukuri.co.jp/
My 3rd PLACE(オンラインサロン):
https://www.facebook.com/groups/my3rdplace
Facebook:https://www.facebook.com/hideyasu.nakamura
Twitter:@shokuba_fuudo
ブログ:https://hideyasu-nakamura.blog/
著書:社員がやる気をなくす瞬間 間違いだらけの職場づくり:https://www.amazon.co.jp/dp/4776212536
人気の転職サイト、リクナビNEXTが100人の転職者に行ったアンケート『退職理由の本音』ランキングがあるので見てみましょう。
退職理由の本音 ランキング
人間関係が理由のものだと「上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった」「同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった」あたりになるでしょうか。全体では36%になります。
次に労働条件では「労働時間・環境が不満だった」「給与が低かった」あたりで26%。
会社への不満では「仕事内容が面白くなかった」「社長がワンマンだった」「社風が合わなかった」「キャリアアップがしたかった」「昇進・評価が不満だった」あたりで32%。
残りの6%が業績不振/「会社の経営方針・経常状況が変化した」ことによる退職ということになるでしょう。
やはり仕事を辞めたいと思う理由は、人間関係や会社への不満が圧倒的に多いように感じます。
仕事の取り組みは、デジタル化の伸展により大きく変わりました。メールやチャット、クラウドによる情報の共有方法が多様化したことも一例です。ただ、全てがデジタルで完結する訳ではなく、報連相のようなコミュニケーションが職場の生産性に影響することもわかっています。
実際、2021年HR総研の調査によると7割が「社員間のコミュニケーション不足が業務の障害」になると答え、それが精神的ストレスに影響することも指摘しています。そうしたなか、先の本音ランキングにあった“人間関係が悪い状態“で個人が思ったような仕事の成果を上げることはできず、仕事を辞めたいと思うのもわかります。
一方、どの会社にも人間関係を原因とする「やる気をなくす瞬間」は存在します。そうした状況では、退職を選択肢に入れつつ、是非を冷静に判断することも必要です。
人間関係や会社への不満で「もう辞めたい」と思った時、もう会社に居ることすら辛くなることがあります。
毎朝仕事に行くのも憂鬱…通勤しながらこのまま反対車線の電車に乗って帰ってしまいたい、なんて気持ちも理解ができます。
そうなると、もう気持ちは「退職」にしか向かなくなるでしょう。
でもそんな時こそ、一度冷静になって、退職の是非を考える時間を取ることが重要です。
退職が決断できずに迷っている、退職のタイミングが分からない。そういう方は多く居ますが、実際会社を辞める事自体は意外と簡単なことです。
上司に仕事を辞めますと断固とした姿勢で宣言をし、引き止められてもこの日までと言い切って辞めてしまうだけで済みます。
ただ実際の退職を「難しい」と感じさせるのは、退職の手続きそのものというよりは、その後の転職活動や見えない将来への不安が原因ではないでしょうか。
もしも現職を辞めても、転職先が決まっている。もしくはやりたいことが明確に決まっているのであれば、あなたはきっと悩まずに退職交渉を始めているはずです。
今あなたが悩んでいる「辞めたい理由」は、本当に退職することでしか解消しないような理由でしょうか?
これらが理由の場合、退職すること、転職することで一時的に問題を遠ざけることができても、根本的な課題の解消には至らない可能性があります。一度退職の是非を冷静になって考えてみて下さい。
自分では答えが見出せなければ、一度信頼できる先輩や上司、学生時代の友人に相談をしてみてはいかがでしょうか?
それでも解消できない。もしくは、やっぱりこの会社ではどう工夫しても解消できそうにない。それがハッキリすれば退職の決断もできて、後の後悔もしなくて済むのではないでしょうか。
今の会社に不満がある。もっと自分に合った働き方をしたい。でも、退職を決断するべきか分からない……。
我慢して働き続けるべきか、思い切ってやめるべきか。今後のキャリアや生活の事も考えると、その判断はなかなか難しいと思います。
ここで、退職を決断する事情としてもいい理由を4つ紹介します。
同じ時期に入社した人は、どれ位残っているでしょうか?また、一年中求人を出していたりしませんか?
社員が定着しない会社は、働きにくい会社と言えます。残っている社員にしわ寄せが行き、負担が過度に増えてしまう危険もあります。なかには「人をもののように考え、足りなくなったら補えばよい」という発想の会社もあります。
他の人にとってはつらい環境が、あなたにとっては天国の環境ということは、まずありえないでしょう。
今は大丈夫だとしても、今後も大丈夫である保証はありません。
最近は管理職に研修を行い、パワハラやセクハラの発生防止に努める企業も増えてきました。それでも、残念ながら被害に悩む人はゼロになることはありません。
うまく社内で解決できれば良いのですが、解決できるとも限りません。解決の見込みがないパワハラやセクハラに悩み続けていれば、心を壊してしまうかもしれません。一旦心が壊れてしまうと、外傷のように治るわけではありません。
被害者側が会社を辞めざるを得ないという事態は理不尽ですが、自分を守るためには環境を捨てることも必要です。
休日の夜、明日が会社だと意識すると何だか憂鬱……。これは「サザエさん症候群」という俗語がある位、よくある現象です。
でも、以前なら楽しいと感じていた趣味への意欲が下がってきたら要注意です。趣味は自分が楽しいと思うからこそ、自主的に行うものです。
それが楽しく思えなく、関心を持てなくなってきたら、それは心の疲労が深刻なサインかも知れません。
放っておかずに、心身を休めることを最優先しましょう。それが今の会社に留まる限り難しいのであれば、退職を視野に入れることも必要です。
「働き方改革」が進められ、「1ヶ月に100時間」や「2~6ヶ月間の平均が80時間」など、過労死を防ぐための新たな労働時間の基準が、大企業は2019年4月から、中小企業は2020年4月から導入されています。
長時間労働は体に大きな負担をかけ、過労が原因の病気を引き起こします。恐ろしい病気の予防には、やはり適切な休息が欠かせません。
先のハラスメントでもお伝えした通り、一度体を壊したら取り返しがつきませんし、過労死は若い人も無縁ではありません。
良い仕事は健康であってこそ出来るものですから、社員の健康に全く配慮のない会社は考え物です。
もしも実際会社を辞めたとしたら、どんなリスクがあるのか考えてみましょう。今回は間を開けずに転職する場合と、仕事を決めずに退職した場合のパターンを見てみたいと思います。
転職によって状況が改善するとは限らない
これらの理由で辞めた時、次の職場でも改善するとは限らないと知っておく必要があります。
職場の人間関係については実際に働いてみなければ分からないものですし、場合によっては最初は良くても後になって拗れる可能性もあります。
どんなブラック企業でも働いている人はいますが、当事者は働く前にブラック企業だと知って進んで働き始める人なんていないでしょう。仕事へのやりがいも、実際に業務を始めてみてから感じるようになるものです。
これらの理由を転職で解消しようとする場合、転職活動中にしっかりと企業の内情を調べて確認しておく必要があります。
収入が下がる可能性がある
給与に関しては、管理職採用やキャリアアップ転職でない限りは、下がるものと思っていたほうがいいです。
転職先ではあなたが業界経験者であろうと、新人扱いとなります。
実際に会社で働いて、実績を認められて昇給することは十分ありえますが、働く前はあなたの実力を会社は把握できていないため、基本給からの再出発となります。
現職の給料が安いからといって安易に辞めてしまうと、結局下がってしまうか、最悪転職活動が長期化して焦りが出てしまいブラック企業に…という経験談も多くあるので、気をつける必要があります。
今まで築いたものがリセットされる
収入のところでも言っていますが、会社を辞めることでこれまでの社内では通用していた知識や経験や人間関係、更に地位なども全てがリセットしてしまう可能性があります。
転職をするということは、転職先では新人同然として扱われます。
例え同業種間であっても、社風や仕事に対する考え方は必ず変わります。
そして当然のことですが、所属する限りはその会社の社風に合わせなければなりません。今まで築いてきた知識や経験が、そのまま通用するとは限りません。
そしてあなたが何かしらの役職、またはチームのリーダーなどである場合、それらもリセットされてまた見習いからのスタートになるでしょう。
プライドが高いタイプは、ここで躓く方も多いようです。
収入がなくなる
仕事を辞めてしまうわけですから、当然収入がなくなってしまいます。
人間関係や過酷な労働条件で、心身に無理を感じながら働いていた方は、やはり退職を期に少し休養期間を求める方も多いでしょう。
有給消化をしたり、失業保険を利用したり、なかなか使えず貯まっていた貯金を崩したり…。仕事は辞めていて、もう長期的な収入はアテにできません。
お金は使えば目減りするし、無くなるのが数字として分かりやすいものです。
気づいたら思っていた以上に貯金がない!?と焦らないように気をつけないといけません。
クレジットカードが作れない、ローンが組めない
収入がなく、そして将来的にも先行きが見えない状況にあるわけですから、当然クレジットカードやローンの審査には通り辛くなります。
貯金はいっぱいあるはずだし、少しだけ休んだらすぐにまた転職しようと考えているんだから、いいじゃん。というのは通じません。
例えばこの機会に海外旅行に行きたいから、その前にクレジットカードを作ろう。またはいい機会だし趣味に打ち込もうとローンを組んで高額商品を買おうと思っても、それらの審査に落ちてしまう可能性があるので、気をつけてください。
仕事をしないブランク期間ができてしまう
転職活動を始めると、履歴書や職務経歴書を作成する必要があります。
その際に、この休養期間がブランク期間として認識されてしまう可能性があります。
企業の採用担当者は、ブランク期間を気にします。
この空白期間は何をしていたんだろう?仕事に対する熱意がないのでは?と思われてしまう可能性もあります。
また「この期間は何をしていましたか?」とダイレクトに質問される可能性も大いにあるので、ただ無為に過ごしてしまうと、後々転職を考えた時に困ってしまうなんて場合も。
資格を取る、企業研究をする、自分を見つめ直す、などなんでもいいのでスキルアップに役立てる事をおすすめします。
転職は、個人のキャリアの流れを変える大きな転機になります。これまでと比べて労働条件が「転職を機に良くなった」という声がある一方で、「前より悪くなった… 結局、転職しなければ良かった」と言う声も聞かれます。令和2年に厚生労働省が転職者に行った調査によると、転職後の仕事を満足と答えたのは53.4%という結果が出ています。
個々の価値観もあるため、結果だけで一概に良い悪いを判断することはできませんが、2人に1人は満足できていない傾向が見て取れます。
私の経験から、少なくとも転職前に「なぜ、転職するのか」に対する答えを自分で持っていない人は、転職後の仕事への不満足が高い傾向があります。
自らの答えを持たないまま、採用されたとしたら「転職先のポジションは誰でも良かった」とも考えられることから、仕事にやりがいを求めている場合には一層、後悔する傾向が強くなります。
昨今、ニュースや情報番組などでも取り上げられている中高年ニート。
40代・50代で仕事もせずに家に引きこもっている人たちの、そもそものきっかけが退職の場合が多いことを知っているでしょうか?
内閣府では、平成30年12月に全国の市区町村に居住する、40歳〜64歳の方5000人を対象にひきこもり調査を行っています。その中でひきこもりに該当する方の、ひきこもりになった理由の表も公開されました。
ひきこもりの状態になったきっかけは何ですか
表を見れば「退職したこと」を理由に上げている人が一番多く、更に「職場になじめなかったこと」「就職活動がうまくいかなかったこと」についても、退職に関わる理由と言って差し支えないように感じます。
このように、退職によってその後の変化に対応できずにニートになってしまうというケースも現実としてあることが、内閣府の調査によって明らかになっているのです。
それでもやっぱり退職したい。退職を決断したなら、在職中に準備しておくべきことをいくつか紹介します。退職してからでは遅いこともあるので、確認しておきましょう。
有給休暇の計画取得
有給休暇が余っていれば、退職が決まったタイミングで有給休暇の申請をして在職中に全取得したいと思うのは普通の考えです。
有給休暇は社員の権利であり、労働基準法により会社は断ることができません。
有給休暇を利用することで、その間に休養期間を作ったり、転職活動を行ったり、スキルアップの勉強をしたりと給料をもらった上で時間を有効に使うことができます。
ただ、企業によっては、まとめて消化することに違和感を示される場合もあります。今後、何かの縁で接点を持つ可能性がゼロでは無いとすると、退職に向けて有給の計画取得をすることも考えて見て下さい。有終の美を飾ることもビジネスパーソンとしても、お世話になった職場への礼儀でもあります。
クレジットカードの申請・ローンの申請・引っ越し
これらの申請は、仕事をして安定した収入を得ている事が前提です。
もし安定した収入がないと判断されれば、申請が通らない場合があります。
もしも退職後に利用の予定があるようでしたら、在職中に手続きをするようにしましょう。
在職中に転職活動
転職活動は、在職中に行うようにしてください。
転職活動は平均して1か月〜3か月かかると言われています。場合によっては半年、1年かかることもあります。
有給休暇も失業保険も利用期間には限りがあり、その間に転職活動が終了する保証はありません。そうなると収入は一切無くなることになり、貯金に頼らざるを得なくなります。
目に見えて貯金額が減っていくのを目の当たりにすると、どうしても焦りが出てくるため、転職活動もだんだんと妥協が多くなります。
最終的には雇ってくれるならどこでもいいとブラック企業に飛びつく羽目にもなりかねません。
ただ、在職中に転職活動を行うのは、時間的にも心身の余裕的にも難しい方もいるでしょう。
そんな時には、転職エージェントという転職のプロを頼るのも一つの手です。
利用が無料のところも多く、仕事をするあなたの代わりに仕事探しをして紹介してくれ、更にサポートも行ってくれるので、忙しい方にはぜひおすすめです。
今よりホワイトな職場を探すなら【doda】
「今よりいい職場が見つかるとは限らないし…」と不安に思ったら、まずは『doda』を利用してみましょう。
dodaで紹介している求人はホワイト企業が多いため、転職後のミスマッチに後悔する可能性を減らせます。
あなたが「本当に転職したい」という意思を伝えれば、アドバイザーも親身になって、いい職場を紹介してくれるでしょう。
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※2024年 オリコン顧客満足度®調査 転職エージェント 20代 第1位
失業保険の申請
もしも退職後にしばらくブランク期間があるようでしたら、失業保険の申請を行うようにしてください。
失業保険の手続きはハローワークで受け付けています。
失業保険はすぐに受け取れるものではありませんし、また自己都合の退職では3か月と受給制限もあります。個人の退職の状況によっても違いがあったりするので、詳細はハローワークのホームページか、窓口で直接確認してください。
健康保険や年金の切り替え
こちらもブランク期間があるようなら、各自治体の方に申請が必要です。
正社員であれば健康保険も年金も会社の方で手続きを行ってくれますが、退職すると全て自分で手続を行い支払いをしなければなりません。
国民健康保険と国民年金への加入手続きを行うよう、気をつけてください。
誰もが、「理想の仲間とやりがいを感じられる志事に就けるような、企業と出会いたい」と思うのではないでしょうか。
それを理想で終えるか、現実のものにするのかは、私達の働き方次第です。人生100年時代において、いずれ職業人生は80歳が定年になると言われ出しています。
その一方で、経済の複雑さが増す中で企業寿命は年々短くなり23.3歳(東京商工リサーチ調査より)となっています。
今は、安定している勤め先も、私達の職業人生を終えるまで安定が続くとは限らないということです。
そうしたなか、我々自身が自分の職業人生を充実させ、理想を具現化するためには「職場を時間を売って作業するため場所ではなく、キャリア充実させるための場所に変える」ために自律的に行動することが欠かせなくなっています。
退職は決して安易に決める問題ではありません。
もしも会社を辞めたいと思った時には、一度冷静になる時間を設けてください。
その退職は本当に必要なのか、もしかしたら退職をしなくても異動などで解決するのではないか?
もちろん社内ハラスメントや過酷な労働条件を、無理に我慢する必要はありません。どうしても退職以外には状況を改善する方法がないと判断したなら、その時は思い切って辞めても構わないと思います。
ただし、退職を決断したなら、しっかりと退職に向けた準備もするようにしてください。なんとかなるという軽い気持ちで準備不足のまま辞めてしまうと、後々の転職でどん詰まりになり、後悔するという結果になりかねないからです。
退職の決断を後悔しないために、退職が考えにないうちから自身の働く目的や、キャリア充実に対して思い描く理想を時間を掛けて考え、いよいよ選択をする必要が出て来た時には、タイミングを見極め、対策をとった上で辞めるようにしましょう。