『建築CAD検定』は独学で取れる?おすすめの勉強方法とは

CADとは、昨今では建築やインテリア、機械設計など様々な設計図が必要な業界で広く利用されている製図ソフトです。操作も知識的にも専門性の高いソフトですが、広く流通しており、世間的にも広く知られるようになりました。

CADを使って製図を行う仕事をCADオペレーターと言いますが、リモートワークや在宅ワークが注目されるようになった今では、注目されている仕事の一つとも言えるでしょう。

そんなCADの資格で一番長い歴史があり、知名度が高いのが『建築CAD検定』です。こちらの資格の将来性は?難易度は?独学でも取れる?『建築CAD検定』についてご紹介します。

『建築CAD検定』とは

『建築CAD検定』はどんな資格?

CADは現在、建築だけでなく機械設備やインテリア、環境デザイン、生活用品など様々な分野で使用されています。『建築CAD検定』は、その中でも『建築用図面』に限定し、CADを使って図面を描く技量を測る資格試験です。

『一般社団法人 全国建築CAD連盟(AACL)』が実施している資格試験で、1993年に、日本で初めて誕生した建築CADのための資格試験なので、建築CADに関する資格の中で最も歴史があり、知名度も高い資格です。

現在では全国でCAD教育を行っている各種学校やスクールなどで、700校を超えて採用される試験であり、年間1万人ほどの受験者数があります。

『建築CAD検定』の受験要項

『建築CAD検定』は准1級、2級、3級、4級があり、4級は高校の団体受験のみ受け付けているため、一般での受験はできません。

【一般受験】

・受験申込方法:個人の申し込み
・受験日:4月と10月の年2回
・受験方法:
①会場機器使用:受験会場に設置しているPCを使用して受験する
②PC持ち込み:自分のPCを会場に持ち込み受験する
どちからかを選択して受験することができます。会場設置のPCは会場によって異なります。またインストールしているソフトの種類なども必ず確認するようにしましょう。

建築CAD検定

・実施要項:
http://www.aacl.gr.jp/22jisshi-youkou01.html

【団体受験】

・受験申込方法:AACL認定の各種教育機関に所属しており、該当教育機関で申し込み
・受験日:4月、7月、10月、1月の日曜日で人数1人から希望日を選択可能

建築CAD検定

・受験方法:教育機関設置のPCを使用
・実施要項:
http://www.aacl.gr.jp/26dantai-youkou.html

『建築CAD検定』費用は全部でどれくらい?

まずメインは受験料で、受験する級ごとに金額が違います。
・准1級:14,700円
・2級、3級:各10,500円
・4級(高校の団体受験のみ):3,150円

受験後、無事に合格した際には希望者に認定証(有料)が付与されます。

・認定証(カード):2,500円
・認定証(証明書):2,000円

http://www.aacl.gr.jp/14ninteisho01.html

受験の際に一般受験で独学で勉強するというのであれば、テキスト代のみの出費になるでしょう。その際のテキストは書店でも販売していますし、またAACLでも購入できます。

http://www.aacl.gr.jp/36books01.html

独学では難しいという方は、職業訓練校、公的機関や企業が実施するスクール、通信教育などでも勉強することが可能です。

公的機関などが実施する職業訓練や講座などは無料のところもあります。あなたに合った教育をどのように選択するかで、費用も大きく変わると思うので、色々と調べてみることをおすすめします。

『建築CAD検定』おすすめの勉強方法

『建築CAD検定』級別の試験内容と難易度

『建築CAD検定』はすべての級において、筆記試験はなく実技のみとなっています。実技のみで数時間の受験を実施しているため、まずは集中力を試されることになるでしょう。

それではそれぞれの級ごとに試験内容と難易度を見てみましょう。

http://www.aacl.gr.jp/06shiken-naiyou01.html

【3級】

・試験時間:2時間
・試験内容:与えられた建築図面をCADシステムを使って正しくトレースする実力を備えているかを問う。
試験は実技試験で、建築図面の要素を取り出して作成した参考図をもとに、完成図を一定時間内に作成する。なお問題数は4題である。
<例>
階段平面図 (S=1/30)
通り芯・寸法・通り芯記号 (S=1/100)
柱・壁・間仕切壁(S=1/100)
壁と窓(S=1/30)      など
・難易度:★☆☆☆☆

【2級】

・試験時間:5時間
・試験内容:自らの持つ建築知識をもとに、CADシステムを使って建築図面を作成する実力を備えているかを問う。試験は実技試験で、一定時間内に下記の例に示す建築一般図を2面作成する。
<例>
設計者の描いたラフスケッチ(平面図)(S=1/100)をもとに平面詳細図(S=1/50)を完成させる
平面図、断面図、屋根伏図、透視図(S=1/100)をもとに立面図(S=1/50)を完成させる  など
・難易度:★★☆☆☆

【准1級】

・試験時間:4時間10分
・試験内容:課題として与えられた建築図面(RC構造等)を、自らの建築製図知識とCADの経験を駆使したうえ、建造物の特性を理解した適切な判断によるトレースを行なってこれを完成させる。
試験は実技試験で、下記の例に示す建築一般図を4面作成する。
<例>
配置図、1階平面図、外構(S=1/200)  
2階平面図(S=1/200)
基準階平面図(S=1/200)  
断面図(S=1/200)   など
※建物の種類によって課題図面の種類が異なる場合があるが、全体の図面密度は同程度である
(注)試験時間4時間10分の内訳は、CADシステムの設定で10分、課題図面の読み取り・入力計画で30分、作図を3時間30分とし、専用の「試験時間記録ツール」(時間管理ソフト)を使用し実施します。
・難易度:★★★☆☆

『建築CAD検定』はCADの操作だけでなく建築の知識も必要

『建築CAD検定』はCAD操作の検定試験なので、CADの技術をそれぞれの級が求めるレベルまで極めなければならない。というのはみなさんが考える試験勉強でしょう。

ただ『建築CAD検定』というからには、建築の知識がなければまずは出題の意味を理解することさえ難しいということが、上記の試験内容を見れば分かることと思います。

建築業界には建築業界に携わらない限り、あまり聞くことのない専門用語が多くあります。例に上がっている単語も基本的な専門用語になりますが、こちらの意味すら分からないようならまず受験すら不可能……。

その上、建築物には数値、付属物、仕上げなどにおいて『当たり前』という構造物としての常識も多数あるため、それらの知識をできるだけ多く学んでおくと、出題への理解も深くなり良質な図面を描くことができます。

『建築CAD検定』に合格したいなら、独学よりスクールなどがおすすめ

このように、建築の分野は未経験者だと何かとややこしい業界と感じることでしょう。CADや建築業界の経験者なら、独学で資格取得も可能でしょうが、CADも業界も未経験の方が独学で資格取得となると、かなりの重荷になってしまうかもしれませんね……。

・ハローワークで実施する職業訓練
・各自治体で実施する職業訓練や講座

これらはテキスト代のみの支払いで無料で受講できる場合も多いので、各自治体の情報を検索してみるといいでしょう。ただし、ハローワークの場合は求職中の方に限られます。受講条件がある場合もあるので、確認してください。

上記の職業訓練や講座の受講条件に合わなかった場合は、民間企業が行うスクールや通信教育もあります。仕事をしながら勉強したいという方は、受講料が別途かかってしまいますが、自分の好きな時間や空き時間に勉強できるメリットもあるので、自分に合った勉強方法を見つけてください。

CADオペレーターに向いている人

CADオペレーターは基本的にデスクワークです。図面を新規に書き起こしたり、指示書に合わせて訂正したり、作業自体は基本的に一人で黙々と行う事になります。そのため、以下のような方に向いている仕事だと言えるでしょう。

・一人で黙々と作業するのが好き
・集中力に自信がある
・細かい作業が好き
・仕事の正確さにこだわりたい
・数字に強い

建築はきちんと数字通りに設計されています。数値のバランスが崩れると、建築物としては成り立ちません。建築物は当然大きすぎるため、図面に落とし込む際には縮尺を変えて、数値に合わせてトレースを行います。そのため、数字に関わることも多いです。

また、デスクワークだからといって、一人きりでずっと作業だけしているというわけにもいきません。職種や現場によっても違いますが、クライアントや社内の営業と打ち合わせを行うことも多いです。そのため、最低限のコミュニケーション能力も必要です。

『建築CAD検定』に将来性はある?

『建築CAD検定』をアピールできる仕事とは

『建築CAD検定』の資格を取得したら、次はどのような職種に対してアピールできるかというのが気になるところですよね。建築CADと言うからには、建築業界に対して使える資格だろうというのは分かるものの、汎用性がどれほどあるのか……。しかし、意外と建築CADの技術と知識はいろんな職種に活かすことができます。

建築、不動産などの業界の他、インテリア関係や、エクステリアなど視野を広げれば様々な分野で活かすことができます。

とはいえ、『建築CAD検定』のみで武器にするのは難しい

しかし、CADオペレーターという職種自体は資格がなくても始められる職種です。技術や知識的に専門性が高いので、まったくの未経験から仕事を探すのは難しいと言うだけで、例えば『未経験者OKで研修制度あり』といった募集案件さえあれば、未経験だって採用される可能性はあるわけです。

そのため、『建築CAD検定』資格を持っているからといって、それが求職者の直接的な武器になるというのは難しいと言わざるを得ません。『建築CAD検定』資格を持っていることで、基礎的な知識は持っているだろうけど、そこに実務的な技術が伴っていなければ、当然人事担当者にとっては魅力を感じられないのです。

『建築CAD検定』資格を持っている上で何ができるか、アピールポイントの一つとして考えてください。

資格でアピールしたい人は、他の資格と併用したい

せっかく資格を取ったんだから、それを武器にしっかりアピールしていきたいと考えるのであれば、他の資格と併用して熱意としてアピールするという手もあります。

希望する業界に有効な資格をいくつか取っておくことで、将来の選択肢も増えますし、またキャリアプランも立てやすくなり、キャリアアップにも役立てることができます。

例えば、一級・二級・木造建築士は国家資格なので、自分自身で設計を行う事ができます。また宅地建物取引士資格は、建築・不動産業界ではとても有効で重宝される資格です。

インテリア業界に進みたい方なら、インテリアデザイナーやインテリアコーディネーター、カラーコーディネーターなどのインテリア関連の資格と併用するといいでしょう。

『建築CAD検定』は専門性が高いので、あまり独学には向かない

今までに建築関係で仕事をした経験がある。またはCADを使用した経験はあるので、基礎的な操作方法は分かっている。など自身がある方なら別ですが、全くの未経験の方なら独学はあまりおすすめしません。特に仕事しながら資格を取ろうと思っている方ならなおさらです。

少々費用はかかりますが、仕事をしながら資格を取りたい方なら、AACL公認のスクールなどを検索して、試験対策がしっかり取られたプロに教えてもらうほうが勉強の効率はいいかもしれませんね。

しかし、人による向き不向きもあります。最近ではCAD操作の動画も動画配信サイトに多数上がってますので。そちらも参考にしてみてはいかがでしょうか。

自分にあった勉強方法を探してみてください。

参考サイト
厚生労働省
内閣府
ハローワーク
職業情報提供サイト
日本経済連合会
転職コンサルタント
中谷 充宏
梅田 幸子
伊藤 真哉
上田 晶美
ケニー・奥谷