『人生で一番楽しい瞬間は、誰にも分からない二人だけの言葉で、 誰にも分からない二人だけの秘密や楽しみを、ともに語り合っている時である。』―。
ドイツの詩人、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテはこんな言葉を残しました。
秘密のキーワードにアイコンタクト…社内恋愛もそのひとつ。
2人の世界は障害のある恋愛さえも楽しい時間に変えてくれるでしょう。
だけど「仕事とプライベートは別でしょ?」と迷惑に感じている方も少なくありません。
では、どんな社内恋愛にうんざりしているのでしょうか?
『社内恋愛禁止』や社内恋愛をすると異動や配置換えといったルールがある企業もみられますが、恋愛は自由です!
人を好きになる気持ちにウソがつけないのは社内恋愛も同じ。
だけど社内恋愛はお互いの距離が近い分、2人の恋愛が周囲に影響することも…
ドラマや映画のような甘い社内恋愛を楽しんでいるのは2人だけで、実は周りはうんざりしているかもしれません。
社内恋愛のメリットは、毎日好きな人に会えるし仕事へのモチベーションが上がり自己成長につながることです。また、スケジュールが合わせやすいといったメリットもありますね。
誰よりも同じ時間を多く過ごすことで、同僚から恋愛関係に発展もしやすいですし、仕事をしている姿にドキッとすることも。
相手にいい姿を見せたいと思ってお互いに仕事を頑張ることで仕事にも良い影響を与えます。
社内恋愛は、恋愛の楽しみだけでなく仕事をする楽しさやキャリアアップにもつながりますね。
一方デメリットでは、とにかくバレないか不安な毎日を過ごしていたり、仕事とプライベートの区別がつかなくなり両立できないことに悩んでいたり…
喧嘩の延長が仕事に影響してしまったりと公私混同してしまうことがあるようです。
そう、キーワードは仕事と恋愛の両立です。
社内恋愛にいいイメージを持っている人ばかりではありません。2人の中では内緒の関係、でも意外と周囲からバレバレというのはよくあることです。
仕事でミスをすれば「社内恋愛して現を抜かしてるんじゃないの?」なんて言われることも。
社内恋愛にうんざりしている同僚の声を聞いてみましょう。
社内恋愛中のカップルの方、心当たりありませんか?
「〇〇ちゃん…あ、△〇さん会議の資料です」「先に帰って待ってるね」
ついプライベートでの呼び方が出てしまうことも…職場でプライベートの話をしてしまうことも…
思わず「何しに会社来てるんだー」と突っこみたくなりますね。
職場は仕事の現場です。2人の世界を持ち込む場所ではありません。
社内恋愛中のカップルの喧嘩事情は、たとえ隠していても周囲には気付かれています。
社内で不穏な空気を醸し出すプライベートな喧嘩は、周りにとって大迷惑!
喧嘩に巻き込まれる周囲は「あれ?あの2人喧嘩中かな」と、変な気遣いをしなければならず仕事も捗りません。
「仕事とプライベートは切り替えろよ!」とイライラしてしまいますね。
異性の同僚とのコミュニケーションも当然仕事のひとつ。
横目で恋人の姿を追ったり、わざと話せないようにしたり、気になって仕事に集中できなかったり…
嫉妬心は仕事のモチベーションを下げるだけでなく職場の人間関係にも悪影響です。
「仕事で喋ってるだけだよ!」とトラブルに発展することも無きにしも非ず。
仕事に関連した打ち合わせは経費の申請ができるものですが、恋人との食事や出張を経費申請したり…
本当に打ち合わせだったのかもしれませんが周囲からは公私混同と思われても仕方ありません。
社内恋愛を良く思っていない周囲は「どうせデートでしょ」と不審な目で見ています。
仕事をしていれば残業も当然。
同じ職場で働く恋人との仕事帰りデートのために、残業に付き添ったり、残業があるにもかかわらず「明日しよう」と帰ったり…
仕事より恋人を優先するような社内恋愛は後ろ指をさされるもと。
「することないなら早く帰って」「仕事はちゃんとしてよ」と心の奥で叫んでいます。
社内恋愛を楽しむ2人でも会社ではイチャイチャすることはないでしょう。
しかし、鬼門は会社に入る前。朝の通勤時に会社の手前まで手をつなぎイチャイチャ…
帰り、会社を出たらソッコーでイチャイチャ…
幸せオーラに包まれている2人をよそに、周囲は「ウザい」「社内恋愛は会社の中だけ気を遣えばいいんじゃないよ」と不快に感じている人も少なくありません。
恋人同士であれば情がわくのは当然ですが、恋愛感情を職場に持ち込み、仕事に影響させてしまう人もいます。
「なんで実力がないあの人が?」とえこひいきに感じる人も少なくありません。
また、恋人とトラブルになった相手に対して冷たくしたり評価を下げたり…
周囲にとって大迷惑で悪影響な恋愛感情は、職場には持ち込まず公平な視点を持たなければいけませんね。
会社が社内恋愛を禁止する理由として、会社のイメージダウンや風紀の乱れがあります。
スリリングな恋愛を楽しんでいても、不倫はご法度。
隠し通しているつもりでも周囲は悪いイメージしか持たず、会社のイメージダウンにもつながります。
「恋愛はいいけど不倫はちょっと…」「倫理的に問題アリでしょ」と当人の人間性すら疑ってしまいますね。
社内恋愛のマナーは公私混同しないことが基本です。
2人の恋人関係に気付いていないフリをする周囲の迷惑を考えなければいけません。
いくら恋人同士であってもそれはプライベートでのこと。
オフィシャルな職場では、露骨にアピールしたりプライベートを持ち込むのはマナー違反。
せっかくなら周囲に応援されるような社内恋愛がしたいし、周囲としても同僚の社内恋愛を応援したいものです。
社内恋愛を成就させるには、職場に影響がないような付き合い方をさせることがコツ。公私混同することで職場の人間関係に悪影響を及ぼすだけでなく、自分の仕事へのモチベーションや評価に影響することも考えなければいけません。
公私混同は社内恋愛だけに限った話ではありません。
たとえ、社外恋愛だったとしても仕事と恋愛を両立させられず、仕事が手につかない場合は評価を下げ仕事への士気を奪ってしまうリスクがあります。
仕事中に恋人に電話やメールをしたり、喧嘩を引きずってしまったり…
恋愛に夢中になるのは悪いことではありませんが、社内恋愛であっても社外恋愛であっても仕事と恋愛の切り替えが必要になります。
自分本位な社内恋愛に巻き込まれて大迷惑!職場の雰囲気も悪くなるしこれじゃ仕事も捗らないとうんざりしたら本人たちに伝えることも必要です。
社内恋愛は周囲に大きな影響を与え、仕事にも影響が出ることから禁止されている会社も少なくありません。
社内恋愛が周囲に悪い影響を与えるようになれば、はっきりと自覚してもらうことが大切です。
なるべくオブラートに伝えたい場合は、どちらか一方を呼び出しこっそり「周りにバレて気にしてるみたい」と伝えましょう。理性ある社会人なら自覚し納得するでしょう。
2人の世界に浸りすぎてどうしようもない場合は、2人同時に呼び出し「こういうことで困っている」とはっきりと伝えてもOKです。
迷惑になるほどの社内恋愛なら上司も薄々勘付いています。
直接伝えにくい場合は、上司に相談してみましょう。
仕事の監督責任がある上司にとって、仕事に悪影響のでる社内恋愛は配慮してもらいたいもの。
「付き合っていると噂があるけど…」と伝えてもらうだけでも職場での言動に配慮する意識が出ることでしょう。
社会人としての自覚をもって働いているなら、少しの注意だけで意識や行動を変え仕事と恋愛をうまく両立してくれるはずです。
できることなら周囲からSTOPをかける前に自覚して改善してくれたらよいですね。
仕事と恋愛は切り替え、公私混同しないことが大切と先述しました。
しかし最近ではプライベートを充実させるための福利厚生を導入する企業が増えています。
ブラック企業排除や働き方改革によって職場環境の見直しが重視され、「プライベートを充実させることで仕事へのモチベーションが上がる」と企業のシフトチェンジがされています。
例えば、付き合っていた彼と別れてしまったとき…仕事が手につかなくなるほどショックを受けるかもしれません。そんなときに恋の痛手を癒してくれる「失恋休暇」
美容室を経営しているとある企業が実際に導入している福利厚生のひとつで、20代前半の社員は1日、20代後半の社員は2日、30歳以上の社員なら3日と失恋の翌日から休暇を取得できるそうです。
年齢を重ねるごとに休暇の日数が増えていくのは、失恋の痛手は年々大きくなることに配慮してくれているのでしょうか。
失恋したら仕事にも気持ちが入らないし、恋人との思い出も整理したい、泣いて目が腫れて出社できない…こんな社員への気遣いが仕事へのモチベーションアップのきっかけにつながるんですね。
気持ちの切り替えができることがメリットですが、「失恋したので休みます」なんて言うと会社に恋愛事情がバレてしまうのがデメリット。
でも、会社が社員を大切に思っているからこその制度なのでありがたいですよね。
また別の企業では、社員の家族や恋人の誕生日に休暇が取得できる「LOVE休暇」なんかもユニークな福利厚生ですね。
社員が働けているのはそれを支えている家族や恋人がいるからこそ!というコンセプトから。年1回取得でき、1万円のプレゼント代も支給されるそうです。
「公私混同」「職場の秩序が乱れる」と敬遠されがちな社内恋愛。
しかし本来であれば恋は人を大きく成長させ人生を豊かにするものです。
社内恋愛を温かく見守れる環境だったり、職場内のコミュニケーションがうまくいっていれば、仕事と恋愛を両立できないカップルにストップをかけることもできるはずです。
「淡い恋 そっと見守る 大人の目」
社内恋愛にうんざりしている人に捧げます。
見守る側のマナーとしても、噂を広めたり冷やかしたりはせず、大人の心を持ちそっと見守ることで人間関係のトラブルを防ぐことができるでしょう。