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「セカンドハラスメント」とは?加害者にならないために知っておくべきこと

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セクハラやパワハラ、マタハラにモラハラなど、最近では日本でもかなり知られるようになってきたハラスメント問題。でもセカンドハラスメントは、耳慣れない言葉と思う人もいるのではないでしょうか?
セクハラやパワハラなどは、明確に被害者と加害者の立ち位置が分かりやすい分、自分は絶対に加害者にはならない!と断言できるでしょうが、逆にこのセカンドハラスメントは立ち位置が非常に曖昧で、どこでも誰でも起こりかねない問題です。
更にこのセカンドハラスメントで加害者になる人は、マイルドサイコパスの可能性も…!?セカンドハラスメントの例を見ながら、自分がどうすれば加害者にならずに済むのか、またハラスメントの被害者とどう向き合っていくべきなのか、考えてみましょう。

セカンドハラスメントと事例

セカンドハラスメントとは

セカンドハラスメントとは、セクハラやパワハラなど色々なハラスメントを受けた人が、その後周囲から精神的などの二次被害を受けることをいいます。
これだけでは曖昧で分かりづらいかもしれませんが、例えばセクハラを受けた被害者が上司に相談したところ、それによって周囲から孤立してしまう、または今までのキャリアを失ってしまうなどの被害を受ける事などが該当します。
職場でのハラスメントに遭遇したことがない人などは分かりづらいかもしれませんが、例えばネット上などで頻繁に見かける痴漢問題。被害を訴えたところ「そんなに肌を露出して危機管理意識が低いせいだ」「抵抗くらいできただろ?抵抗してないなら合意したも同然じゃん」といった心無い言葉を浴びせられるなど、これらもセカンドハラスメントの一つだと言えます。
それでは、他にはどんな事例があるか、より詳細に見ていきましょう。

セカンドハラスメントの事例

【セクハラからセカンドハラスメントの事例】
・会社の飲み会で上司にしつこくホテルに誘われ、体を触られた。キスを迫られたりもし、これは明らかにセクハラだと感じたので、会社のハラスメント相談室に相談をした。すると「別に実際にホテルに連れ込まれたわけではないし、飲みの席なんだから過剰に反応し過ぎでは?」とあしらわれた。
・同僚に何度もセクハラを受けていて、もう我慢出来ないと上司に相談をした。すると「社内でそんな波風立てるような真似をするな」と逆に叱られ、更に次の人事で他部署に異動辞令が出た。
・先輩に上司から受けたセクハラを相談したら、言いふらされ数日後には他部署の人にまで知れ渡ってしまい、数人に興味本位で状況を聞かれたりするようになった。しかもそのせいで上司からの態度は一変、無視をされたり仕事のどんな小さなミスでも大げさに怒鳴られたりするように…しかももう会社側も知っているはずなのに、上司にはお咎めなどもなく普通に仕事をしている。もう会社に居場所が無いと感じる。

【パワハラからセカンドハラスメントの事例】
・毎日上司から、営業成績や自分の仕事の仕方について怒鳴られている。「役立たずは辞めろ!」「目障りだ死んじまえ!」などの暴言も度々受けていて、最近ではもう会社に来るのもつらい。周囲も現状を見て知っているはずなのに、見て見ぬふりをするどころか、「お前が仕事できないからだろう」「怒られるのも仕方ないよね」と噂されているのも知っている。
・先輩からのアタリがとにかくキツく、振られる仕事の量が一日じゃ終われない量だったり、チェックを頼むと粗探しのようにイチャモンをつけて突っ返される。なのにこっちから話しかけると、無視をされることもしばしば。上司に相談をしたら、「あいつも忙しいし、お前もあまり迷惑かけないように気をつけろ」などと相手を庇われてそのまま放置された。

これらのように、ハラスメント被害を訴えたことで起こる、状況の悪化・周囲からの悪意や好奇の視線・または無視など、セカンドハラスメントの被害は多岐に渡る上に、特定の誰かだけでなく、不特定多数による被害である事も多いです。

セカンドハラスメントはマイルドサイコパスが起こしている?

マイルドサイコパスとは

サイコパスも映画や文学作品、漫画やドラマなどの影響で、最近大きく知られるようになってきた用語です。言葉は知っているけど、よくは知らないという人も多いでしょう。犯罪心理学者のロバート・D・ヘアは、サイコパスを次のように定義しています。
・良心が異常に欠如している
・他者に冷淡で共感しない
・慢性的に平然と嘘をつく
・行動に対する責任が全く取れない
・罪悪感が皆無
・自尊心が過大で自己中心的
・口が達者で表面は魅力的
しかし、これらの項目に当てはまっていたとしても、反社会性がなければサイコパスではないと言われています。この項目に当てはまる人で、反社会性、要するに犯罪を犯すような思考を持つ人がサイコパスとなるわけなので、あまり身近には感じられない気がしますね。
マイルドサイコパスは、これらのサイコパスの性質を持ちながら、反社会性の傾向や攻撃性がない人。社会に馴染めている人の事を言います。こうなると、途端に身近に感じられるようになりませんか?
そしてセカンドハラスメントの加害者になる人は、このマイルドサイコパスである可能性があります。

セカンドハラスメントは、日本の事なかれ主義が原因の一つ

そもそも日本は「右にならえ」「出る杭は打たれる」といった言葉があるように、協調性や安定性が美徳という文化が根強くあります。変に目立ちたくない。波風を立てるのは面倒。こういった考え方が強いことが、セカンドハラスメントを起こしやすい状況を作り出していると言えるでしょう。
社内の問題ごとは見ないふりをした方が楽。自分がやらなくても誰かがやってくれる。そうして、ハラスメント被害を受けた人に心無い言葉をぶつけてしまったり、無視をしてしまったり、後回しにしてハラスメントの状況を悪化させてしまったり…まずはそういった事なかれ主義から正していく必要があると考えます。

「人の心が分からない=マイルドサイコパス」になってはいけない

ハラスメント被害にあった人は、深く傷ついて相談をしてきています。そもそも相談をすること事態、被害を告白しなければならないし、それによって現状に変化が訪れる可能性を考えてしまうため、勇気のいることです。そこで「自意識過剰では?」「騒ぎすぎでしょ」「面倒な問題を起こすな」といった否定的な言葉を投げかけられてしまうと、味方を失い孤立感を深めてしまうことになりかねません。
また、面白おかしく吹聴したり、被害を受けた人をからかったりすることも、状況を悪化させてしまうことになりかねません。ハラスメントはナイーブな問題です。例え自分が当事者ではなくても、取扱いには十分な配慮をしなければ、被害を受けた方の心を更に抉ってしまいかねないのです。
自分が同じ立場になったら、どう思うのか。またどのような対応をしてほしいと考えるか。そう考えれば、放置や中傷など以ての外という事が分かると思います。
自分がセカンドハラスメントの加害者にならないために、しっかりと考える必要があるのです。

セカンドハラスメントの相談を受けた時の対応は?

ハラスメント相談は「傾聴」が基本

実際、ハラスメントを受けたという相談をされた時は、どう対応するべきなのでしょうか。
相談を受けているからには、何かアドバイスや同情など言葉をかけるべきと考える方もいるかもしれません。けれど、ハラスメントは何度も言うように、とてもナイーブな問題です。まずはしっかりと相手の言葉を聴き、内容を把握することが求められます。そこにあなたの感想などは必要ありません。
「それってハラスメント?考えすぎじゃない?」などの否定的な言葉は、勇気を出して相談してくれた方の信頼を裏切ってしまう事になりかねません。
それが本当にハラスメントに該当するのかしないのかについては、あなたが個人で判断することではないと認識するべきです。相談してきた本人は、受けた行為を不快だと感じています。その状況を改善するためにはどうするのか、それを考えるためにも、まずはしっかりと相手の話を聞いて状況判断に努めましょう。

自分だけで処理せず、口が堅い上司や専門家に相談する

そして、それがハラスメントかどうかを、その場であなた個人で決めつけないようにしてください。
ハラスメント問題は、必ず人対人の人間関係が絡んできます。下手にどちらかに批判をぶつけると、人間関係が拗れる可能性があります。もしも社内にハラスメント相談室などの専門部署があるなら、そちらへの相談をおすすめします。もしもそういった専門部署が設置されていないようなら、口の固い信頼できる上司に相談してください。
不特定多数に知られない状況で、ハラスメントを検証し、会社として対応してもらう事が大事です。噂になってしまうようなことになると、被害を受けた方の精神的負担が増えてしまったり、会社にいづらい状況を作ってしまうことになりかねません。丁寧で繊細な対応を心がけるようにしてください。

日本はハラスメントへの取り組みが圧倒的に遅れている

セクハラ・パワハラ・モラハラ・マタハラなど、最近になってようやく注目されるようになったばかりのハラスメント問題。日本のハラスメントに対する意識は、先進諸外国に比べて圧倒的に遅れているといわれています。そのため、セカンドハラスメントに対する意識もまだまだ低いと言わざるを得ません。
以下の表は、厚生労働省の委託で平成29年3月に、東京海上日動リスクコンサルティング株式会社が行った調査です。
(表挿入:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000165751.pdf#search=%27ハラスメント割合+統計%27)
パワーハラスメントに限定していますが、予防・解決のための取り組みを行っている企業の割合を表しています。前回の平成24年度に実施した割合よりも全体的に向上しているとはいえ、実施できている割合のほうが高いのは100人以上の従業員を抱える企業となっており、99人以下の中小企業の意識の低さが伺えます。また、見て分かる通り、企業の規模が小さくなればなるほど対策を取っている割合はどんどん下がっています。
中小企業ほど、社内の人間関係は狭く深くなりがちだと言えます。その分、家族意識のような連帯感を生みやすく、問題を起こせば疎外感を感じやすくなる環境だと言えるので、早急な対応が求められます。
また、ハラスメントに対する企業の対応はどのようなものであるかを調査した結果を、日本労働組合総連合会が公開しています。
(表挿入:https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20171116.pdf#search=%27実際に回答のあったセクハラの内容と被害者の割合%27)
「相談を親身に受け止め、適切に対応してくれた」という回答が2番めに多いようですが、割合を見れば全体の36.5%に留まっており、女性は33%と非常に低い割合になっています。
その他の項目を見れば、一番多い回答でも親身に受け止めてくれていても対応はしてくれておらず、他の回答に至っては完全にセカンドハラスメントと言える対応をされています。
セカンドハラスメントによって、うつ病やパニック障害になってしまう例も多く、一刻も早い周知と対応が望まれます。

セカンドハラスメント回避のために外部のハラスメント相談窓口も検討してみては?

職場でハラスメントを受けている。でも社内にはハラスメントを相談できる窓口などの仕組みが整っていない。かといって上司や先輩、同僚にも相談しづらい、または信頼して相談できる相手がいない。むしろ上司からハラスメントを受けているので、相談できる先がない。
そんな相談できる相手そのものに悩んでいる方もいるでしょう。そういう時は、無理に一人でなんとかしようとしたり、我慢したりせずに、外部の相談窓口に駆け込むことも検討してください。
話を聞いてくれる相手が居ると思うだけでも、心の負担は軽くなるものです。また、社内でむやみに相談しては人間関係などでごたつく可能性もあります。外部の相談窓口であれば、会社に直接関わりがなく、情報が漏れる心配もなくなります。
厚生労働省では、ハラスメント相談窓口を紹介しています。(https://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/inquiry-counter)サイトはパワハラと限定的に書いていますが、それぞれのリンク先の窓口では労働環境全般に関する相談を受け付けている旨が明記されているので、パワハラだけでなく、ハラスメント全般で相談を受け付けてくれます。

セカンドハラスメントを理解し、被害者の負担にならない対応を

セクハラやパワハラの加害者は分かりやすいぶん、自分は絶対にならないと断言できても、セカンドハラスメントは何気ない一言がハラスメントに遭った方の心を傷つける可能性があるということを、しっかりと認識しておく必要があります。
同僚や後輩からハラスメントの相談があった時には、しっかりと話を聞いてあげてください。その後は、相手の言葉や本人を否定しない・事なかれ主義で聞き流さない・言いふらさないなど、人の心が分からないマイルドサイコパスのような対応は厳禁です。
親身に受け止め、どうすれば状況が改善するか、また解決するかを一緒に考えましょう。もしも社内で解決は難しいと感じたら、外部の相談窓口に相談するといいでしょう。
あなたがセカンドハラスメントの加害者にならないよう、気をつけて対応しましょう。

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