僕が仕事を辞めると決断した瞬間!仕事を辞めるのはこんな時!

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仕事辞める決断

『およそ職業選択のミスほど、人生における不幸はない』とはアメリカ・ルネサンスを代表する思想家エマソンの言葉です。

逆に言えば、天職と言える仕事にめぐり遭えるほどの人生における幸せはない、ということになるでしょうか。

少なくとも私の考えでは、自分に合った仕事を選び得るかどうかが、人生の幸不幸とダイレクトに結び付くものだと思っていました。そして、その考えが、仕事を辞める決断を2回させたともいえます。

しかし、その時は多少ならず後悔もしましたし、失敗を嘆いた過去もあるのですが、長い目で見ると必然の結果であったようでもあります。

というのも根底には、職業選択のミスがあったがゆえに、仕事を辞める決断をする他なかったと思わざるを得ないからです。

それほど職業選択のミスは人生において致命的だと思います。それに気付いたなら、方向転換が可能な出来るだけ早く、その仕事を辞める決断をした方がいいのではないか、それが私が転職で得た教訓です。

その体験をお伝えしたいと思います。現在、勤務している会社で仕事を続けるか辞めるかで悩まれていらっしゃる方の、参考になれば幸いです。

仕事を今日辞めようか明日辞めようかとばかり考えていた

大学を卒業して、新入社員で入った会社では新人研修のときから、浮いていました。その会社へは不本意入社であったことが周囲から浮いてしまった最大の要因であったと思います。意中の会社から内定が取れず、仕方なしに入ったというのが本当のところでした。

いうなれば社会人の出だしから躓いて、月給取りを方便にする生活をスタートさせたわけですが、新人研修が終わって一月もしない頃から、毎日仕事を辞めることばかり考えるようになりました。

朝起きても気持ちが優れず、仕事を今日辞めようか明日辞めようかとばかり考え続ける生活は、気持ちに張りをなくさせ、人生を失望させるに足るものであり、今思い返すとよく病気にならなかったなと、不思議に思えるほど生彩を欠いた日々を一人、鬱々と過ごしました。

同期入社をした男性が退職

そんな中、同期入社をした男性が一人、早々と職場を去りました。その男性は関西の有名私大卒で、並み居る国立大卒を押し退けて、新入社員代表になった優秀な人間であっただけに、その決断には驚かされました。

その男性とは新人研修のときのテーブルが一緒で、配属部署が近かったこともあり、仕事以外で話す機会も多く、この会社は早く辞めるべきだとの考えで一致する間柄でもありました。

ちなみにその男性は、前年受けて失敗した公務員試験を受け直すため、仕事をしながらでは受験勉強の時間が取れないので、入社一月半で退社となったのです。

毎日仕事を辞めたいとばかり考えていた私に、彼の仕事を辞める決断は、辞めるならなんらかの行動を起せと、無言のうちに教えられているようにも感じました。

ただ、辞めて何をすればいいのか、彼ほど明確な目標がなかった私は果たしてどうしたものか、悩むことでもありました。

朝起きて会社に行くのが嫌だなと思ったら仕事を辞める決断の時

学生時代はどちらかといえば思想書なんかが好きで、雑誌やエッセイの類はほとんど読みませんでしたが、社会人になると時間が取れないこともあり、軽い読み物を漁ることも多くなりました。

あるとき、本屋の店先に平積みされていた、日本マクドナルドの創業者藤田さんの仕事術みたいな本に目が行き立ち読みをしていると、今している仕事が自分に合うか合わないかを確かめるなんてことは、実はひどく簡単なことなのだと書かれていました。

藤田さん曰く、朝起きて会社に行くのが嫌だなと思えたら、間違いなくその仕事は自分に向いていないから、なにも嫌な会社にしがみついていないで、すぐにでも転職した方が人生はうまく行くものだ、みたいな書きっぷりの本でした。

藤田さんの言葉は退職を決断するきっかけに

私は冒頭書いたように、職業選択のミスほどの不幸はない、すなわち人生を過つものはないという考えを信奉している人間でしたから、藤田さんの言わんとしていることはすぐ、腹にストンと落ちてきたのです。

また、どちらかといえば理詰めにものを考えてきた私ですがその結果、不本意入社ではあれ大学まで出て就いた仕事を今日辞めようか、明日辞めようかとばかり考えて、病気になるんじゃないかといえるほど悩んでいたわけです。

藤田さんの明快な本は、そんな私に至極明快なリトマス紙を提供してくれました。朝起きて会社に行くのが嫌だと感じるかどうかが、その仕事が向くか向かないかを見極めるリトマス紙なら、私がしている仕事が向かないことはもはや疑う余地もありません。

ただ、先に触れたように辞めてどうするかの目標はない。そこで私が考えたのは、ひとまず大学に戻ろうということでした。大学でもう一度勉強することで、人生の目標を考え直してもいいんじゃないかと考え、仕事を辞める決断をしました。

大学を2回出ても仕事を辞める決断をせざる得なくなった

2回目の学生生活はおおむね快適でした。周囲からは変った目で見られましたが、度胸があるねといってくれる人が大半で、とりわけ先生方からはそういう生き方はいいと思う、とまで絶賛されもしましたから。

しかし、いうなれば甘やかされて学生生活を送ることになったのはまずかったな、と気が付いたのは再就職をしてからでした。

つまり、特別扱いで甘やかされた2回目の学生生活は、新たに学び直した領域でもたいして力を付けさせなかったということです。

力がないまま新卒として再度社会に出はしたものの、悪いことに年だけは食っていましたから、最初の就職のときとは勝手が違っていました。端的にいって、現役の新卒とは4歳も年が離れていました。それでも同期です。

しかも悪いことは重なりました。直属上司は私より年下、さらに4歳年下の同期の方が仕事が出来ることも多く、私は完全に出遅れてしまったのです。

実力のなさに打ちのめされた現実

こうなると1回目の就職のときに感じた、仕事が向く向かないで悩んでいたことが、実に可愛いことのように思えました。

2回目となる今度は、もはやそんな次元ではなく、自分の立ち位置があるかないかないか、実に存亡の危機で悩まされることになったのです。

世の中は実力社会だと聞かされますが、まさしく文字通り実力でしか存亡の危機は回避できない局面に立たされてみると、病気になるかもしれないなどといえるだけの余裕のある悩みは悩みではなく、実際に身体を壊すところまでいかなければ、それは悩みじゃないことを痛感するに到ったのです。

そして、実力のなかった私は負けるしかなく、実際に病気になりました。1度目の就職は大学入学に合わせて1年ちょうどで辞めましたが、2度目の就職は体が音を上げた1年半でピリオドを打つことになりました。

職業選択のミスに気がついた時が仕事を辞める決断の時

私が2度新卒としての就職に失敗したのは、エマソンの言う職業選択のミスによるところが大です。

1度目の就職では最初から、朝起きて会社に行くのが嫌でしたから、藤田さん流リトマス紙を使うまでもなく、仕事が向いていませんでした。

2度目の就職では、苦手な朝でも自分で起きて会社に行きましたから、むしろ仕事が向いていたように感じましたがそれは自分がそう思うことで、会社の方ではもっと上のレベルを求めていました。

そのギャップを埋めたくても埋めるだけの実力がないため、悩みに悩んで身体を壊し、自分から仕事を辞める決断をするしかなくなりました。

結局、職業選択のミスを2度に渡って犯してしまった結果、私の職業生活は暗礁に乗り上げたのだといえます。

エマソンは最後に言っています。誰にでも、他の人にとっては大変でも、自分自身は安々と進める道が必ずある。その道を進んでいけば、他の人には到達できないところまで、実に簡単にいくことが出来る。

エマソンが、その道を自分の職業にしろ、といっているのは明白です。

2度に渡ってその道を選ぶことに失敗した私は逆説的に、エマソンのいうことが正しいことを、身をもって証明出来ます。

繰り返しになりますが、職業選択のミスほど、人生を過つものはありません。

そうならないためには、一人よがりになることなく自分の得手を見つけて、その道で努力して、他の人が為すのに大変なことでも、自分なら安々と出来るまでになること、これが理想です。

しかし、理想はそうであっても現実がそうでないなら、新たな仕事に活路を求めて、仕事を辞める決断をしても損はないと思います。それも傷口を深めないために、出来るだけ早い方がいい、しかし、いくつになっても決して遅いことはない、とも思います。

何故なら、今は人生100年の時代であり、平均寿命がわずか50歳にも達していなかったエマソンの時代とは、まるで異なる世界を生きているからです。

40代で仕事が向いていないと気が付いたなら、50代で向いた仕事に就くべく動けば、まだ残り50年あります。

実はエマソン自身、最初は牧師になりましたが、のちに思想家に転身しているのです。

今の仕事が天職じゃないと気が付いたら、転職した方がいい時代は何も今始まったことでなく、いつの時代も人間が人間らしく生きようとする限り、ついて回る問題なのだと思います。


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参考サイト
厚生労働省
内閣府
ハローワーク
職業情報提供サイト
日本経済連合会
転職コンサルタント
中谷 充宏
梅田 幸子
伊藤 真哉
上田 晶美
ケニー・奥谷