- 仕事が思ってたのと違う
- 上司、先輩、同僚と気が合わない
- 仕事がつまらない、やりたいことをやらせてもらえない
- 仕事に飽きたから、もっと他のやりがいがある仕事をやってみたい
こういった曖昧な理由で短期間で転職を考えているなら、一度冷静になって視野を広く取ってみましょう。
まだ1年程度だと、試用期間などで本格的に仕事を任せてもらえないなどといった状況にあるかもしれません。慣れない新人にはさすがにミスすれば損害も大きくなるような、大きな仕事を任せる事はないでしょう。ということは、転職してもまた転職先で同じことが起こることが予想できます。
また、人間関係についてもイジメやハラスメント被害に遭っているなら別ですが、なんとなく気が合わない程度の感情ですと、次の職場では確実に解消できる!という保証はまったくありません。
上記の理由だと、転職したところで、確実に解消できるとは言えないものばかりなのです。
わざわざ仕事を辞めて、転職活動のリスクを負ってまで退職すべきことなのか…もしかしたらもう少し頑張ってみれば、やりたかった仕事を任せてもらえるようになるかもしれません。そうすれば仕事へのモチベーションも上がり、仕事が楽しくなるかも。
それが望めないのであれば、社内で他部署に異動願いを出してみるのも一つの手です。それでもやっぱり転職以外には解消できないのであれば、その時こと思い切ってスキルアップ転職をしてみてもいいでしょう。
どうしても転職したいなら
新入社員にとって、4月は新しい人間関係の構築が大変なことや、仕事内容など慣れないことばかりで、心身ともに疲弊してしまうのではないでしょうか。そんな新入社員をフォローする体制が整っている会社が理想ですが、業務が忙しいなどの理由から手が回らない会社も多くあります。
そんな中、入社早々に会社を退職する人が一定数いるのも事実ですが、その後の就職活動がうまくいくかどうか不安も残りますね。
もし、どうしても転職したい場合は、退職する前にまずは転職活動を開始してみてはどうでしょうか。そうすることにより、自分を採用してくれる企業がどれくらいあるか現実的に明確になりますし、転職先が決まってから退職することで収入面の安定を図ることが出来ます。
岡山香織さん
- 日本キャリア開発協会認定CDA
- 国家資格キャリアコンサルタント
短期間で退職した人の失敗例と成功例
失敗例
- 安易な理由で辞めた
⇒次の転職先でも結局同じような不満を抱き転職を繰り返すことに
- 自分自身の能力を正当に評価できていなかった
⇒転職で散々手こずってしまう
- 将来のビジョンがないままとにかく辞めたいと退職
⇒転職プランも曖昧で転職活動が長期化
- 夢ばかりを追って、自分のスキルに目を向けず勢いだけで転職
⇒転職競争に勝てない
- ブラック企業から逃げるために退職
⇒情報収集が足りず、結局またブラック企業に入社してしまった
転職に失敗する人は、やはり安易に辞め、転職活動にも本腰を入れられずにその場その場で成り行きに任せてしまうようなタイプが多いです。
なんとなくで辞めてしまうと、いざ転職活動中の面接でも受け答えが浮ついたものになってしまったり、いざ転職できても、結局また同じような理由が気になりやすくなります。一度退職した経験があるだけに、退職へのハードルが下がっていて、またすぐに辞めてしまうことになりがちです。
なぜ自分はこの職場を辞めなければいけなかったのか。辞めたあと、自分はどうなりたいのか、どんな職場でどんな仕事をしたいのかをしっかりと明確に考えてみてください。思ったことを紙に書き出すと客観視もできるのでおすすめです。
業界や職種、企業研究をすることで、ブラック企業や業績不振の企業に気づくこともあります。
Point失敗しないために大事なことは、自分自身の棚卸しと情報収集
成功例
- 長時間労働、休日出勤、サービス残業、パワハラ上司と全開のブラック企業で、このままでは参ってしまうと退職
⇒もう二度とブラック企業に捕まりたくなくて、絶対譲れない条件を明確にして、企業研究を徹底。今はとてもいい環境で楽しく仕事ができている。
- ずっとやりたいと思っていた仕事があって、でもいざ入社したら違う部署に配属された。異動願いを出すも却下されたため退職。
⇒今度こそと思って絶対その仕事がやれるところを探し、面接では熱意を猛アピール。ポテンシャル採用された!
退職のタイミングが短期だろうと長期だろうと、結局1番重視されるのはやる気と熱意です。「うちの会社に入社したいという熱意を感じる」「この業界への憧れが見える」「仕事に対してのポテンシャルを感じる」などです。
面接をする人事担当者は、面接という短い時間であなたの能力、スキル、経験を言葉だけですべて理解することはできません。それでは何で補うかといえば、受け答えで見えるあなたの熱意と人間性なのです。
仕事に対してポジティブに臨めるか。すぐに辞めそうではないか。他の社員とうまくやっていけるか。仕事に対する理解力はどれくらいあるか…。
自分自身が何をやりたいか、将来的にどうなりたいか。業界や職種、仕事に対する情報収集をどれだけやっているかで受け答えの深さと厚みも変わります。その場の思いつきで上っ面だけの受け答えは結構見抜かれるものです。
Point成功する人は、ポジティブに、将来のビジョンを見据えている
同業界に応募するときは要注意!
もし今勤務している会社と同じ業界に転職する場合は特に注意が必要です。業界間でコミュニティがあり、現職の上司と、転職先の上司が知り合いである可能性もあるということです。
そういった場合、退職理由をごまかして言ってしまうと、すぐに嘘とばれてしまうということになります。意外と人間関係はどこかでつながっていることがあるということを肝に銘じておいてください。
また、『立つ鳥跡を濁さず』という諺がありますが、どんなに嫌なことがあっても、退職するときには、少なからずお世話になったことに対して感謝の気持ちを表し、退職することでご迷惑をおかけして申し訳なかったことを詫びて綺麗に立ち去ることをお勧めします。それが社会人としての礼儀とわきまえておきましょう。
岡山香織さん
- 日本キャリア開発協会認定CDA
- 国家資格キャリアコンサルタント
短期間の退職を不利にしないための転職理由の付け方とは
転職理由が「どうしてもこの仕事がしたかった」「どうしてもこの会社に入りたかった」といったものならそのまま伝えれば好印象になりそうですが、「待遇に納得がいかなかった」「人間関係がうまくいかなかった」などの場合、そのまま伝えるわけにはいかないですよね。
ただでさえ短期間で退職というハンデを負っているため、転職の理由で少しでも挽回しておきたいところです。
とはいえ、言いづらいからと体よく耳触りのいい理由をでっち上げるのはNGです。嘘というのは意外と気づかれるものです。重ねて質問されてボロを出してしまったり、話に厚みを持たせられなかったり。それでバレてしまったら「この人は嘘つきだ」とレッテルを貼られて終了です。
面接は真摯に臨むのが大事。嘘はつかず、しかしネガティブに聞こえない理由付けを心がけましょう。
「前職では個人主義の社風に馴染めず転職を決意しました。御社の人の和を大事にし、社員一丸となって目標達成に挑むという社風でなら、今度こそ長く続けられると思い応募を致しました」
「前職では希望していた部署と違うところに配属をされました。異動を願い出ましたが聞き入れてもらえず、一度は配属された仕事でもやりがいを見つけられないかと頑張ってみたのですが、やはりどうしても夢が捨てきれず、転職を決意しました。御社でなら私がやりたかった仕事が実現できると思い応募いたしました」
前職を貶すのもNGなので、自己都合で退職したものの先を見据えた転職であることをアピールしつつ、企業研究もしてこの会社で働きたい!働けたら今度こそ長く働ける!という意思まで伝えられるといいですね。
短期間の退職でも転職を不利にするかは自分次第
就職から退職までの期間が短ければ短いほど、次の転職は確かに不利であると言わざるを得ません。まず第一印象が「前職を短期間で辞めた人だから、うちで雇ってもすぐやめられそう」なので、そのイメージを引きずったまま面接を終えれば、他の競争相手に負けてしまう可能性は限りなく高いです。
面接官はやる気と熱意と明るい人間性に弱いものです。まずは明るく溌剌とした表情、姿勢、清潔感を心がけてください。次に受け答えもハキハキと聞き取りやすく話すことに気をつけましょう。
あとは仕事に対する熱意と、今度こそ長く働きたいという意思を伝えるようにすれば、かなり印象は変わります。短期間で退職をした事実を不利にするかしないかは、あなた次第です。
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