心理学者アルフレッド・アドラーはこんな言葉を残しています。
「全ての悩みは対人関係の課題である」
人間にとって人間関係は切り離せないものですが、1日のうち長い時間を過ごす職場での人間関係は人生そのものに大きく影響するものでしょう。
職場の人間関係が悪いことが及ぼすストレスは、心身の疲労や集中力の低下につながります。
同じ職場の人にはなかなか相談しにくい人間関係の悩みは、相談できても「気にしない方がいい」「深入りしないのが1番」と軽く返されることもしばしば。
しかし、仕事をする上で円滑な人間関係はキープしたいと悩んでいる方が多いでしょう。
今回は、職場の最悪な人間関係の改善策について、最悪な人間関係の職場の特徴や人間関係が与える感情も合わせてご説明させていただきます。
職場の人間関係悩んでいる人、うまくいかない人間関係を改善させたい人はぜひご参考ください。
職場でのストレスの第1位は「人間関係」であると言われていますが、人間関係の何が最悪なのでしょうか?
「疲れた」「めんどうくさい」と人間関係に悩む職場の特徴を5つご紹介します。
帰属意識とは「グループや集団に属している一員と感じる意識」のことをいいますが、社会的なグループである企業に属する社員も帰属意識をもって働くことが望ましいとされています。
しかし、帰属意識が高すぎる職場は正直めんどうくさい傾向で中小企業や家族経営の企業に多くみられます。
愛社精神を大事にし過ぎて飲み会やイベントの強制参加、上司への気遣いからのサービス残業…会社を第一に優先しなければ仲間外れやいじめなど職場での孤立を避けるため、必要以上に気を遣って合わせなければいけないという居心地の悪さがあります。
帰属意識が高い社員が多い職場は、人間関係の距離感が近くストレスが溜まりやすいのです。
様々な年齢や職種が集まる企業の職場では悪口や陰口が起こりやすいものです。
特定の個人をターゲットにした悪口や陰口や噂話にストレスを感じる人が多いのではないでしょうか。
また、自分自身がそのターゲットになっている可能性も。
上司や同僚、後輩などの悪口は言うけれど表面上はうまくコミュニケーションをとっているというケースでも、実は職場の雰囲気、人間関係は最悪にネガティブな空気が流れています。
悪口や陰口が聞こえる職場は、水面下で最悪な人間関係が進行している職場が多いことが特徴です。
職場の派閥闘争に悩む人も多く、特に女性社会では派閥争いが多いといわれ、めんどうくさいお局様の存在もありますね。
行きたくもないランチ疲れを経験されたことがあるかと思いますが、ランチの欠席や他の派閥・グループの人とランチに行くと派閥への忠誠度が低いと認識されます。
「派閥の輪を乱した」人は、後日、派閥からの孤立を感じるでしょう。
たかがランチ、されどランチ…と仕事に関係のないランチで職場での人間関係が悪くなるのは最悪ですね。
また、派閥への忠誠は女性だけでなく男性も同様に派閥間の競争や社内政治に巻き込まれることで仕事の効率や人間関係にも影響します。
派閥同士の板挟みで仕事に集中できないと悩む方も多数いらっしゃいます。
そのため派閥があり、派閥間の競争が激しい職場は人間関係が最悪な職場といえるでしょう。
職場の人間関係を左右する最大の要因は上司です。
最悪な上司が1人いるだけで「うざい」と感じ、職場の空気を乱し人間関係を壊していきます。
上司としての付き合いだけでなく人としてのコミュニケーションがとれない上司だった場合は、人間関係が円滑にいかず逃げたいと思う理由になります。
価値観は1人1人異なるので、多様な社員が働く組織内では価値観が合わない人がいるのは当たり前です。
しかし「上司だから」という理由で一方的な全否定や価値観を押し付けはストレスやイライラが募るだけですね。
最悪な人間関係の職場は、合わせて労働環境が最悪な職場やブラック企業であることが多い傾向です。
など、職場環境はそこで働く人間関係にも影響しストレスや働く意欲の低下からネガティブな雰囲気に陥りがちで社員ひとりにかかる負担が大きく、心に余裕がないことも人間関係が悪くなる原因にもなりますね。
人間関係が最悪な職場の特徴をご紹介しましたが、そこで働き続けることでどのような感情をもってしまうのでしょうか?
人間関係に抑圧され自由な意識を持てない職場環境は、大きなストレスを感じる原因になります。
「どうせ頑張ってもしょうがない」
「人間関係に疲れた」
「仕事もうまくいなかい」
ネガティブな感情に陥り、虚無感に支配されてしまいます。
職場の人間関係や派閥からの孤立は、職場に居場所がないことへのストレスにつながります。
居場所がなくただ仕事をしているだけ、という毎日は達成感や充実感を感じることができない強い孤独感から疎外感をもち、自分には価値がない人間だと思います。
例えば、悪口や陰口のターゲットが自分ではない場合や会社の不平不満が聞こえるだけの職場。
自分の感情やストレスを表に出せず、無意識にストレスを抑え込むことになり意欲減退やうつのリスクが高まります。
あるきっかけからストレスがあふれ出し、突発的な行動や突然のうつに陥ってしまうかもしれません。
では、反対に人間関係がいい職場で働くとどうでしょうか。
人間関係が円滑な職場では以下のようなメリットがあります。
メリット
職場の人間関係がいいと、周囲からのアドバイスを受けやすいメリットがあります。そのため業務で問題が起こっても咎めず一緒に乗り越えようという協力体制が整っています。
いい人間関係はお互いに業務改善していく環境をもたらし、仕事の効率アップにつながります。
人間関係がうまくいかないことが原因で退職される方が多くいます。
「人間関係が悪く仕事に対するやる気も失った」という方は最悪な人間関係の悪循環に陥り退職という選択をされた方です。
人間関係が良好な職場では、自然に仕事も楽しくなり意欲が高まります。
楽しく仕事できれば、仕事の成果や評価にもつながりさらに意欲は増しますよね。
職場の人間関係が良いと、上司や先輩から注意や意見をされてもギクシャクすることなく前向きに意見に耳を聞くことができます。
人間関係で良好な信頼関係が築けると、卑屈にならず業務に取り組むことができ仕事への成果につなげることができるでしょう。
職場の人間関係は、仕事だけでなく人生そのものに悪影響を及ぼし、人間関係に悩みネガティブな毎日を続けていくと、自分自身の気持ちもネガティブで視野も狭くなりがちです。
会社で働いている以上、人間関係に嫌だと感じながらも最低限のコミュニケーションは不可欠。
本来、仕事とは関係のない必要以上の気遣いや遠慮といった業務が増え、よりストレスはたまる一方です。
では、どうすれば最悪な職場の人間関係を改善することができるのでしょうか?
人間関係が悪くギクシャクしている職場で、挨拶をされないのに挨拶をするのは少し癪に感じる部分もありますが、それでも挨拶は徹底しましょう。
人間関係が悪い原因に自分自身が巻き込まれている場合、発言しないままではいつまでたってもギクシャクしたままです。
職場で居場所がないと感じている方も、職場の人全員に気持ちのよい挨拶を続けることを心がけ自分から歩み寄るという勇気も必要です。
挨拶は笑顔で行うと効果的
職場の人間関係を良好に保つコツとして「ありがとう」「ごめんなさい」の気持ちをいつも持ち、相手に伝えることが大切です。
どんなに仕事ができる人でも、ミスはつきものです。
言い訳や人のせいにすることをせず、「申し訳ありませんでした」と謝る素直な気持ちを持ちましょう。
責任逃れは信用を失う可能性があり今後の人間関係にも悪影響を及ぼしますが、謝罪の気持ちを伝えれば仕事への協力やアドバイスなど温かい対応をしてくれるケースが多いです。
業務でフォローしてもらったら「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えることも忘れないようにしましょう。
言い訳や人のせいにせず、謝罪と感謝の気持ちを伝える
職場ではついつい悪口や陰口に同調したり、会社の不平不満を言ったりしがちですが、ネガティブな言葉は人間関係が悪くなる要因につながります。
職場の人とコミュニケーションをとる際は、ポジティブな言葉を意識し発言しましょう。
相手のいいところを見つけることを意識する
「職場での人間関係を良好にする」ことだけに意識を向けてしまうと、メンタル面の改善だけで終わってしまいます。
しかし舞台が職場である以上、業務に向き合い成果をあげることに目を向けてみましょう。
1人の人間が業務で足を引っ張っていたらチームの輪が乱れ、周囲から孤立してしまうのが現実です。
いくら人間関係を良くしようと思ってもとりあえず最低限の仕事ができるようにならなければ、人間関係の構築はできません。
周囲から一目おかれるスキルを磨く
さっぱりした、サバサバしているといわれるドライな性格。
職場の人間関係構築ではドライな性格でいることが良好に保つコツだといわれています。
職場の人間関係は周囲がお互いを気にしすぎることで起こります。
サバサバしたドライな人は、他人にあまり関心がなく誰とでも公平に接するため人と衝突することやターゲットになることが少ない傾向です。
嫌なことには関わらないポリシーをもっているので、他人の悪口や陰口に同調せず自分軸をしっかりもっています。
職場の人間関係ではある程度の距離感を保つ
職場の人間関係で悩み、周囲に相談すると
といったアドバイスをされるケースが多いでしょう。
このようなアドバイスでは、最悪な職場の人間関係を改善する根本的な改善にはなりません。
人間関係を悪化させないために、職場の険悪な雰囲気を「気にしない」・めんどうくさい人には「深入りしない」・職場の人間関係を「仕事と割り切る」対応をしても相手はどうでしょう?
職場内の複数の人間が関わっている限り、人間関係のトラブルに巻き込まれるのは避けられません。
改善策と思った対応が逆効果というケースも生まれるでしょう。
たとえば「生意気な態度」「人の話を聞かない」といったネガティブな反応が返ってくるような事態になり、さらなる人間関係の悪化を引き起こすかもしれません。
その場にいる限り、職場のしがらみとはつきものなのです。
『262の法則』をご存知でしょうか?別名、『働きアリの法則』とも言われています。
簡単に説明すると、このような法則です。
アリの巣には、一生懸命働くアリが2割、ふつうに働くアリが6割、働かないアリが2割いる。
そこで、2割の働かないアリを除けば効率が上がると考え取り除いたところ、働かないアリが新たに2割増えた。
262の法則は自然界の比率のデータからくる法則ですが、人間社会においても「優秀(2):普通(6):劣等(2)」に分類され組織にあてはめることができるのです。
職場の人間関係に置き換えてみてみましょう。
または、
この262の法則を頭に入れて仕事をしていれば、「最悪な人間関係のある人は2割の人で、残りは8割には影響がない」と少し気持ちが楽になるかもしれません。
どれだけ最悪な職場環境でも、2割は自分のことが好きなんだと考えると頑張る気持ちがわいてきますね。
どれだけ改善策をとっても仕事で成果をだしても職場環境を変えることができない可能性もあります。
好きな仕事、好きな職場であれば我慢して働き続けることができますが、「もう限界」となった場合、思い切って職場環境を変えてしまうのも一つの方法です。
異動や転職をして働く環境を変えれば、人間関係をリセットしゼロからスタートすることができますので、人間関係が良い職場を選びたい方は、転職エージェントに登録し転職活動に一歩踏み出しみてはいかがでしょうか?
世の中には様々な企業があり、働き方も多様化しています。
せっかく働くのだから気持ちよく働ける環境を見つけ、心機一転してみるのをおすすめします。
特に、職場の人間関係によって心身共に疲弊してしまったという方は、自分自身を大切にするためにも早く最悪な職場から逃げ出した方が良いでしょう。
いかがでしたでしょうか?
職場の最悪な人間関係の改善策についてご紹介させていただきました。
職場の人間関係がうまくいかないと悩む方は多く、人間関係がうまくいかないことから退職を決断される方も少なくありません。
人間関係をきっかけに退職や転職する場合、いつが見極め時なのか?が気になります。
冒頭でご紹介したアドラーはこんな言葉も残しています。
幸せの三要素は、自分自身が好きかどうか
良い人間関係を持っているかどうか
そして人や社会に貢献しているかどうか
人間関係に悩む今、幸せの三要素を満たしているか考えてみましょう。
仕事のストレスの9割が、人間関係が原因といわれていますが多少のストレスは我慢するのはある程度必要なことかもしれません。
しかし、限界を越えたイライラやうつ状態に陥るほどの孤立感がある場合は我慢する価値はあるのでしょうか?
職場の人間関係悩んでいる人、うまくいかない人間関係を改善させたい人はストレスを溜めすぎる前に、ぜひ転職を視野にいれて働き方を見直すことをおすすめします。
そしてスキルを発揮できる新しい環境で幸せの三要素を充実させましょう。