障害者の方が就職する方法には『障害者雇用』と『一般雇用(クローズ就労・オープン就労)』の2つがあります。
「障害者雇用はやめた方がいい」
「障害者雇用で働くのはデメリットが多い」
中にはこのような声を見聞きしたことがある方もいるのではないでしょうか。
この記事では、障害者雇用で働くことに不安を感じている方へ向けて障害者雇用で働くメリット・デメリットを解説します。
障害者雇用で働くことのデメリットは以下のことが考えられます。
〈障害者雇用のデメリット〉
ここでは、一般的に言われている障害者雇用で働くデメリットを紹介します。
障害者雇用は一般雇用よりも求人数が少なく、職種が限定されやすい傾向にあります。
障害者の方にどのような業務を任せたらいいのか分からない事業者も多く、身体的・精神的負担の少ない業務として軽作業などの募集される職種が限られてしまうことも多いです。
求人が少ない上、業務の幅が狭いことで「やりたい仕事に就けない」「キャリアアップに繋がらない」と、仕事へのやりがいを感じられなくなることも懸念されます。
厚生労働省の調査によると、障害者雇用における1ヶ月の平均賃金は以下の通りとなっています。
1ヶ月の平均賃金 | |
---|---|
身体障害者 | 23万5千円(所定内給与額:22万3千円) |
知的障害者 | 13万7千円(所定内給与額:13万3千円) |
精神障害者 | 14万9千円(所定内給与額:14万6千円) |
発達障害者 | 13万円(所定内給与額:12万8千円) |
一般労働者の平均賃金は31万8,300円(男女計)であることから、一般雇用と比べて障害者雇用の給料は低いと言えるでしょう。
その理由として考えられることを挙げていきます。
これは決して”障害者だから給料が安い”のではなく、雇用形態や働く時間、職種によるものであることを理解しましょう。
障害者雇用は障害があることを前提として採用されます。
…etc.
このように、職場の雰囲気や人間関係などから居心地の悪さを感じ早期離職に繋がってしまうこともあります。
障害者雇用に限らずですが、職場環境の良し悪しは長く安定して働き続けるためには重要なポイントになるでしょう。
障害者雇用で働くからこそ得られるメリットを紹介します。
〈障害者雇用で働くメリット〉
障害者雇用は、障害のある方が働きやすい環境で就業の機会を得やすくするための制度です。
デメリットばかりに目を向けず、前向きに考えてみましょう。
障害者雇用では、障害の特性や症状にあわせた配慮を受けることができます。
…etc.
2024年4月から障害のある方への合理的配慮が全ての事業者に義務化されているため、障害の特性に合わせた環境で働けることに期待できます。
障害者雇用は一般雇用とは別に採用枠が設けられているため、一般雇用で応募するよりも採用されやすい傾向にあります。
また、障害者の法定雇用率が段階的に引き上げられていることも追い風と捉えられるでしょう。
※障害者の法定雇用率…従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務
(法定雇用率:令和5年度2.3%、令和6年度から2.5%、令和8年度から2.7%)
大企業になるほど障害者雇用枠が多くなり、障害者雇用枠であれば一般雇用枠よりも倍率が低いため大企業に就職できる可能性も高くなります。
障害者雇用の場合は、あらかじめ障害があることを伝えて採用されているため一緒に働く従業員からの理解を得られやすい傾向にあります。
就職後もジョブコーチと言われる障害者・企業双方のサポートを行う専門家に相談を行うこと、アドバイスをもらうことが可能です。
一般雇用では受けることのできない働きやすい環境作りの手助けをしてもらえることは大きなメリットです。
障害者雇用枠で働く人の1年後継続率は70%!一般雇用枠では1年後継続率30〜50%と言われています。
合理的配慮を受けて働くことができる障害者雇用枠は、障害のある方でも安定して長く働きやすいことが実証されています。
障害者雇用のデメリットを出来る限り払拭することで、より良い就職を実現できる可能性が高まります。
障害者雇用で働くことに不安がある方は是非参考にしてください。
障害者雇用のデメリットの一つと言われているのが「給料が低い」ことです。
これは障害者だから賃金が低いのではなく、非正規で働く方が多い、働く時間が短い、軽作業など専門的な知識を必要としない職種で働く方が多いことが理由として考えられます。
だからこそ、専門的な知識・技術を必要とする職種のスキルを身につけることでデメリットを乗り越えることができるでしょう。
例えば、IT系専門職のプログラマーやWebデザイナーは経験を積んでいくことで在宅ワークも可能な仕事です。
手に職をつけることで安定した仕事に就く機会を増やすことに繋がっていきます。
職場の雰囲気に馴染めない、居心地が悪くならないようにするためには、自身の障害特性を理解し周囲にしっかり伝えられるようにすることが大切です。
…etc.
何も分からない状況では周囲の人達も困惑してしまいます。
障害のことを少しずつでも理解してもらうことで、お互いに働きやすい環境になっていきます。
まずは、自身の障害について理解を深めていくことから始めていきましょう。
「求人が少なく、職種が限定されやすい」「給料が低い」「職場の居心地が悪い場合もある」
これら障害者雇用のデメリットを解決してくれるサービスが、障害者向け転職エージェントです。
障害者雇用の知識と実績を持つプロのアドバイザーのサポートを受けながら、就職・転職活動を進めていくことができます。
【障害者向け転職エージェントの主なサポート】
…etc.
これらのサポートは、障害者向け転職エージェントである『LITALICO仕事ナビ』でも受けることが可能です。
LITALICO仕事ナビは首都圏を中心に幅広い職種の障害者雇用求人を取り扱っています。
やりがいのある仕事を見つけたい方は登録を検討してみてはいかがでしょうか。
一人では解決できない悩みや心配事は転職エージェントに相談をしてみましょう。
ここでは、”障害者雇用のデメリット”に関するよくある質問にお答えします。
基本的に障害者雇用枠で働く場合は周囲に障害があることを公表しますが、本人の同意が必要です。
障害があることを開示して働くことを「オープン就労」、開示せずに働くことを「クローズ就労」と言います。
障害者雇用枠は業務を行う上で障害への配慮が必要な方を対象としているためオープン就労が基本ですが、本人の同意なくして勝手に公表することはありません。
障害についてどこまでの情報開示をするかは決められるはずなので、公表範囲など必要に応じて相談してみましょう。
しかし、合理的配慮を受ける上で上司や同僚に障害についてしっかりと伝え理解してもらうことが大切です。
お互いに働きやすい職場環境を作っていくことも頭に入れておきましょう。
障害者雇用で働いたことがあっても、一般雇用で働くことができます。
過去に障害者雇用で働いていた方でも、障害の症状が改善した、障害特性に対処できるようになった、合理的配慮が必要なくなったなどの理由から一般雇用へ転職することが可能です。
また、障害者雇用で働いていたことを次の職場に伝える必要もありません。
この記事では、障害者雇用で働くメリット・デメリット、デメリットの乗り越え方を解説しました。
【デメリット】
【メリット】
障害者雇用で働く人の1年後継続率は70%と言われており、一般雇用枠で働くよりも定着率が良いことが分かっています。
障害の程度にもよりますが、障害のある方でも無理なく安定して働きやすい障害者雇用を前向きに検討してみましょう。
障害者雇用で働くことに不安がある方は、障害者向けの転職エージェントに相談することもおすすめです。