転職を決意したり、家庭の事情などで現在の会社を退職する日のことを”退職日”と言いますが、退職日とはいつのことを指し、誰が決めるのか分かっていますか?
退職日とは雇用契約が終了する日のことであり、最終出勤日以降に有給休暇や代休を取得し休みを取っている間も雇用契約は継続しているので、最終出勤日=退職日ではありません。また、退職日を決めるのは会社ではなく労働者です。会社から一方的に退職日を決めることは出来ないことになっています。
退職日の定義が分かったところで、転職などのために退職日を決めるための考慮すべきポイントがいくつかあります。
いつを退職日にするかで得したり損したりすることもあるので「だいだい○月くらいに‥」とおおよその退職日を考えている人は、退職日を決めるポイントを押さえ少しでも得する日を退職日に設定できるよう参考にしてください。
会社を退職したら自分には関係が無いといったような考え方は社会人としてマナー違反です。最後まで責任を持って、自分のことだけではなく会社のこと一緒に働いてきた人たちのこともしっかりと考え、周りに迷惑が掛からないように退職日を決めていきましょう。
退職願に記載する退職日は”月末”であることが一般的で、月末に退職日を設定する人が多いと思います。ここで「月末の1日前」「月の途中」を退職日にした方が得する!と言ったことを聞いたことがある人も居るのではないでしょうか?
退職日の違いによって最後の月にもらえる給料に差が出てくるため、月末以外を敢えて退職日に設定する人も居ます。これには社会保険が関係しています。
会社員は社会保険として健康保険と厚生年金保険に加入し、”入社日に資格を取得” ”退職日の翌日に資格が喪失”します。退職日を月末とした場合と月末1日前とした場合を比較してみます。
【月末】例 退職日(3/31)→資格喪失(4/1)→3月分の社会保険料を徴収される
【月末1日前】 例 退職日(3/30)→資格喪失(3/31)→3月分の社会保険料は徴収されない
月末1日前や月の途中で退職した場合は社会保険料を徴収されない分だけ、給料をいつもより多くもらえます。しかし、資格を喪失しているため厚生年金を国民年金に、社会保険を国民健康保険(任意継続保険)に切り替えなくてはいけないため今までは会社が折半して支払っていてくれた社会保険料以上の保険料の支払いが待っています。
一見メリットのように感じますが、実は月末1日前や月の途中での退職はデメリットの方が大きいのです。
ちなみに月をまたいで、1日に退職した場合(例 退職日4/1→資格喪失4/2)は1日しか雇用契約がなかったとしても1ヶ月分の社会保険料が発生するので、退職日は月をまたがず”月末”がベストな選択だと言えます。
退職日は月末がベストと説明しましたが、1年の中ではいつが得する退職日なのでしょうか?会社員の人は毎月の給与の他に多くは6月と12月に支給されるボーナス(賞与)を楽しみにしている人も多いことでしょう。
すでに転職先が決まっている人も居ればまだ転職活動中の人も居るかもしれません。転職活動中の人であれば退職後の生活費としてもボーナスを支給されてからの退職の方が多少の安心感を得られるはずです。そのためにもしっかりと計画を立てて退職日を決めていくことが理想です。
【理想1】6月 ボーナス支給・退職願の提出→7月 引き継ぎ・退職日→8月 転職先へ入社
【理想2】12月 ボーナス支給・退職願の提出→1月 引き継ぎ・退職日→2月 転職先へ入社
このようにボーナス支給後に退職願を提出し、その後退職日までの間に十分な引き継ぎ期間を設けましょう。ボーナス支給前に退職を申し出た場合、企業によっては支給額が減額されることもあります。しっかりと満額を受け取りたいのであればボーナス支給後が確実です。
「ボーナスをもらってすぐ辞めた」と思われないためにも、引き継ぎや残務処理をしっかりと行い最後まで責任を持って取り組みましょう。
また、転職活動に関しても計画的に行い退職願の提出前には転職先から内定をもらっていることが理想ですが、その場合は内定から入社まで2~3ヶ月待ってもらうことになるかもしれません。入社の意思があること、具体的な退職スケジュールを伝え入社日を考慮してもらう必要があります。
しかし、転職のチャンスはいつ訪れるか分かりません。ボーナスのことばかりに気を取られず現在の会社、転職先の双方に迷惑が掛からない範囲でスケジュールを立ててみると良いでしょう。
退職日を決める際に、間を空けずに次の職場で働き始められるように計画を立てる方も多くいるかと思います。
実際、無職期間ができてしまうと、国民健康保険を支払う手続きを行わなければならないなど、余計に手間もかかってしまいます。
しかし、働きながら就職活動を進めていくのも想像以上に大変なものがあります。
勤務後など遅い時間帯や土日に面接を行うというのは難しいとしている会社も多くあるため、何社も日程調整・面接というのは困難です。
そのため、在職中の就職活動には、転職エージェントの活用が必須です。
転職エージェントがやってくれること
転職サイトですと、全部自分で取り組まなければならないところを、求職者の意向をもとに細々サポートしてくれます。
企業側と求職者側の条件をヒアリングし、マッチングしているので、内定率の高い企業を選んでの面接も可能です。
dodaは大手・優良企業を中心に求人を保有する転職エージェント。
職種や経験を問わず、幅広い職歴・層の就活者をサポートしてきた実績とノウハウがあり、その人その人の意向に沿った求人の紹介を徹底しています。
仕事探しの手間を省くことができ、またキャリアアドバイザーによる書類の添削や面接対策は、在職中の多忙な転職で強い味方となってくれるでしょう。
公式サイト | https://doda.jp/ | 強み・特徴 | 大手・優良企業の求人が豊富 |
---|
残務処理や引き継ぎも無事に終わり、ついに最終出社日。一息つく前にやらなくてはいけないことがたくさんあります。事前の準備も含め、最終出社日にやることをチェックしてみましょう。
最終出社日にやることリスト
【社内での挨拶】朝礼や終礼時での挨拶では具体的な退職理由は述べず「一身上の都合での退職」と言い、出社している方には一人一人デスクを回って挨拶をしましょう。
【メール】最終出社日の退社1,2時間前が一般的。定型文でも良いですが個別にメール内容を変更すると気持ちが伝わりやすいでしょう。取引先や社外のお世話になった方にも送りましょう。
【挨拶状】社外でお世話になった方には挨拶状を事前に用意し、退職日前後に投函しましょう。
退職最終出社日はお世話になった方達に対して、これまでの感謝の気持ちが伝わるようなお礼の品を添え、挨拶回りを行うのが円満退職のマナー。
では、退職のお礼の品を選ぶときにはどんなものが喜ばれるのでしょうか。定番のギフトをみてみましょう。
お菓子
退職の定番ギフトといえばお菓子。
これまでの感謝と、お礼の気持ちとしてお菓子を添えて挨拶するとよいでしょう。
一人一人への挨拶に回った際に一緒にお菓子を手渡ししたり、部署の共有スペースに「今までお世話になりました。みなさんで召し上がってください。」といったメモを付けて置いておく方法もあります。
プチギフト
お菓子は定番ですが、退職の挨拶時にちょっとしたプレゼントを渡すのも好印象。
プチギフトでは仕事や生活で使える実用品やリラックスグッズや、職場で一息つけるコーヒーギフトが人気です。受け取る相手が嬉しくなるような素敵なギフトを選びましょう。
人生の節目である退職の日。これまでの感謝の気持ちを伝え、大切に選んでくれたと思われるようなプチギフトを選び、新しい旅立ちをスタートしましょう。
可能であれば、ボーナス支給後の月末に退職日を設定するのがベストな選択だと言えます。
すぐにでも退職をしたいと思っても退職までのスケジュールをしっかり立てて、会社にも迷惑を掛けず自分にとってもベストなタイミングで退職が出来るように心掛けてみましょう。