「立つ鳥跡を濁さず」という言葉がありますが、円満退職で最も大切なことは退職最終日の過ごし方です。
退職日当日はすべきことが多くてあわただしい1日になりますが、これまでお世話になった会社や上司、同僚に感謝の気持ちを伝え、最後の日を迎えられるようにしましょう。
そのためには、事前の整理や当日の準備がポイント。
今回は、退職日当日のマナーや過ごし方、挨拶回りのポイント、挨拶回りでおすすめのプチギフトを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
最後の出社日は残った業務の整理や引継ぎなどでバタバタしがちなので、あっという間に終わってしまったという方も多いはず。
仕事のやり残しは会社の迷惑になりますし、あなたの心象が悪くなる原因になってしまいますので、1日のスケジュールをたててスマートな最終日を過ごすようにしてください。
退職日当日はどう過ごせばよいのか、タイミングとマナーをみていきましょう。
退職日当日となる最後の出社日、もちろん遅刻なんて厳禁!
いつもより早めに出勤し、自分のデスクやロッカーの整理をして気持ちのよい最終日を過ごせるようにしましょう。
当日に使用しない私物は事前に持ち帰り、当日まで残っている私物については大きめのバックなどを用意し、忘れないようにひとまとめにしておきます。
退職日当日の業務が始まったら、まず直属の上司に挨拶を行いましょう。
「〇〇さん、これまでありがとうございました。本日で退職いたしますが、最後まで頑張りますのでよろしくお願いいたします」と、お世話になった感謝の言葉を述べ誠実な業務をやり遂げましょう。
業務内容については、仕事に関する最終確認がメインとなるかと思います。
例えば以下のような内容です。
退職までに後任者が決まっていない場合は、今後の業務に支障がないようデータや取引中の案件状況などをまとめ、しっかり上司に伝えておきましょう。
また、転職先で必要になる雇用保険症や年金手帳、源泉徴収票などの書類は退職日までに受け取っておくことを忘れないようにしてください。
貸与物の返却漏れがあると退職後に会社から連絡があり郵送する必要がありますので、自分自身も会社にとっても手間になります。
返却や書類の受け取り忘れがないようにチェックリストを作ってスムーズな退職を心がけましょう。
終業時間が近づいてくると「いよいよ終わりか…」という気持ちになりますが、最後が肝心です。
社内向けに退職の挨拶メール送信や、お世話になった方へ挨拶回りをしていきます。
また、全体や部署内で退職の言葉を述べる機会がありますが、状況に応じて朝礼や終業前などに行われます。
会社の慣例やタイミングによるため、事前に上司に相談しておくとよいでしょう。
会社や業務の状況によって異なりますが、朝礼の際や終業前に「〇〇さんが本日で退職ですので一言お願いします」と、退職の挨拶を述べる機会があります。
スピーチが苦手…という方も多いかと思いますが、どんな言葉・どんな内容を伝えたらよいのか流れを掴んで感謝の気持ちを伝えましょう。
退職の言葉で盛り込みたい内容は以下の通りです。
1.退職の報告
まず一緒に働いてきた方達へ退職の報告として、「本日付で退職します」といった言葉を述べます。
会社に不満があって退職する場合も、最後のスピーチで批判的な内容やネガティブな言葉はNG!
退職理由については、「一身上の理由により」でよいので、詳細な退職理由や転職について触れる必要はありません。
2.お世話になったことへの感謝や得たこと
退職の挨拶で伝えたいポイントは「これまでの感謝の気持ち」です。
感謝の気持ちが伝わるエピソードや失敗談があれば盛り込むと伝わりやすく、和やかな雰囲気になるのでおすすめです。
また、失敗した経験や指導していただいたことから、学び得たことについて具体的に述べると好印象です。
3.エールの言葉
エールの言葉は一言付け加えるだけで構いません。
「皆さまのご活躍とご健康を心よりお祈りしております」と、会社の発展や同僚への活躍についてエールを述べると印象が良いでしょう。
退職の言葉を述べる際に、聞き手にいい印象を与えるために意識したい3つのポイントがあります。
1.スピーチ時間は1~2分以内
退職のスピーチは朝礼の際や終業時間前など業務時間内に行いますので、仕事をしている手を止めて聞いている社員ももちろんいます。
また、話が長すぎると疲れてしまい、伝えたい内容が伝わらない可能性もありますのでスピーチにかける時間は1~2分以内にまとめましょう。
2.内容はポジティブに
前向きな退職でない場合でも、ネガティブな言葉を最後に残すのはいい印象を与えません。
やはり最後は気持ちよく退職したいものですので、ポジティブな言葉で締めくくりましょう。
3.ゆっくり・簡潔に話す
「最後」「退職の挨拶」をみんなの前で話すのは緊張しますが、相手に好印象を残し、気持ちが伝わるようにゆっくりと簡潔にスピーチすることを心がけることが大切です。
退職の言葉の例文をご紹介しますので、ぜひアレンジして活用してください。
お忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。
私事ですが一身上の理由により、本日付けで退職することになりました。
新卒で入社し、分からないことばかり皆さんにご迷惑をかけてばかりでした。
特に〇〇さんには遅くまで相談にのっていただき営業のイロハをご指導いただき成長できました。〇〇さん、ありがとうございました。
また、プロジェクトでは〇〇課のみなさんに支えられ無事成功を収めることができ、感謝しております。
この会社で得た経験と自信を糧に、今後に活かしていきたいと思います。
最後になりましたが、皆さまのご活躍とご健康を心よりお祈りしております。
ありがとうございました。
円満退職をして新しいスタートの一歩となるように、気持ちのいい挨拶をしましょう
退職の挨拶回りでは、お世話になった方へ感謝の言葉とともにお礼の品物を渡すのが慣例です。
退職しても今後お世話になることや繋がりがある場合もありますので、いい印象が残せるように素敵なプチギフトを選びましょう。
退職の挨拶回りで渡すプチギフトは、受け取った方に気を遣わせない「消えもの」が基本で、年齢や性別を問わないお菓子や消耗品を選ばれている方が多いです。
相場が300円~1000円程度の品物で、保存や持ち帰りに負担のないものを選びましょう。
退職のプチギフトの定番といえば、お菓子。
チームや部署ごとに渡す場合・渡す人数が多い場合は、個包装されたくさん入ったお菓子にすると分けやすいでしょう。
挨拶回りでプチギフトを渡す人数が少ない場合はパッケージごと渡せるお菓子がおすすめです。
注意するポイント
常温で賞味期限が長いものを選ぶ
挨拶回りで渡した後すぐに食べられない場合もありますので、クッキーやマドレーヌ、フィナンシェなど日持ちするものを選びましょう。
食べやすいもの
挨拶回りで配ったプチギフトは、職場でおやつになる場合がほとんどです。
片手で食べやすく手が汚れないような、デスクで気軽に食べられるお菓子がおすすめです。
いかがでしたでしょうか。
退職日当日のマナーや過ごし方、挨拶回りのポイント、挨拶回りでおすすめのプチギフトについて紹介させていただきました。
退職日当日は、やることが多いため事前の段取りや準備は欠かせませんので、チェックリストなどを活用しトラブルなく当日を過ごすことが大切です。
また、会社の方達とは退職した後にどこでお世話になるか分かりません。
自分自身の信用問題につながる可能性もありますので、不満をもった退職であってもマイナスイメージは残さず好印象で円満退職することがポイントです。
これまでの感謝の気持ちとこれからの繋がりが築いていけるような挨拶を行い、すっきりとした気持ちで新しいスタートを踏み出しましょう。