てんかんで仕事が覚えられず、職場に迷惑をかけてしまったりクビになることを心配されている方も多いのではないでしょうか。
仕事での物忘れには、原因がある場合もあり、工夫や対策によって予防できる可能性があります。
この記事では、てんかんで仕事が覚えられない方に向けて原因や対策について詳しく解説します。
てんかんの影響で仕事が覚えられない主な原因は、以下の3つです。
それぞれについて解説していきます。
てんかんで仕事が覚えられない方は、てんかんが起こる脳の部位や発作、服用している抗てんかん薬の影響から、記憶力や集中力の低下を引き起こしている可能性があります。
てんかんは、脳内の電気信号が乱れ、情報伝達や指令が適切に行えず、身体の動きがコントロールしにくくなる傾向があります。
特に記憶に関わる部位である、側頭葉にある海馬が影響を受けると、新しいことを覚えにくく、忘れっぽくなってしまうとされています。
同じミスの繰り返しやタスク管理ができないなど仕事のパフォーマンス低下を引き起こすことも少なくありません。
発作後の疲労感も仕事が覚えられない原因のひとつです。
てんかんの発作は、数秒から数分で終わる場合が多いことが特徴ですが、発作後に頭痛や筋肉痛、疲労感など様々な症状が残る場合があります。
発作後の疲労感は仕事にも影響を及ぼすことがあります。
このような理由から、仕事が覚えられないことに繋がりやすいのです。
精神的ストレスも仕事へのパフォーマンスに影響します。
てんかんの発作そのものだけではなく、仕事との両立や将来への不安など様々なストレスが影響している場合があります。
例えば、
などが、精神的なストレスにつながります。
さらに、精神的なストレスが頭痛や不眠、食欲低下などの身体的症状を引き起こし、心の悪循環に陥る可能性も少なくありません。
てんかんによる「仕事が覚えられない」悩みへの具体的な対策は、以下の3つです。
一つ一つ詳しく説明していきます。
てんかんで仕事が覚えられない方や新しいことをすぐに忘れてしまう方は、メモやリマインダーを使ってみてはいかがでしょうか。
アプリや手帳のメモを活用することで、スケジュールや業務内容を目で確認することができます。
また、スマートフォンのアプリには、予定の前にお知らせしてくれる機能もあるので「忘れてしまうかも」という不安感が軽減されるでしょう。
自分に合ったツールを使ったり、色分けや表を使うなど工夫も大切です。
仕事での集中力アップや精神的ストレスの軽減が期待できるでしょう。
仕事を忘れてしまう不安感やストレスがある方は、簡単なタスクから始めて、段階的に仕事を覚えるのもひとつの方法です。
書類整理やデータ入力、資料作成など単純作業やルーチンワークがおすすめです。
できることから始めて一つずつクリアすることで、仕事へのモチベーションアップにつながるでしょう。
周囲の協力も得ながら、自分のペースで仕事のリズムをつかんでいきましょう。
こまめな休憩を挟み、集中力を維持することも大切です。
長時間の仕事で脳が疲れないように、心身をリラックスさせましょう。
おすすめの休憩の取り方は、以下のとおりです。
ポモドーロテクニックを使う
25分間の作業と5分間の休憩を繰り返す時間管理法です。
仕事と休憩のメリハリをつけ、効率的に仕事を進められます。
これらを実践することで、仕事と休憩のバランスを取りながら無理なく働くことができるでしょう。
今の職場で「どうしても仕事が覚えられない」「職場に迷惑をかけてしまっている」と感じるときは、思い切って仕事を変えてしまうのもひとつの方法です。
てんかんの発作は、生活リズムの乱れやストレスで悪化する場合があります。
なるべく心身に負担をかけない仕事を検討してみてはいかがでしょうか。
ただし、仕事が覚えられず転職を検討している方は、企業側へ自分の症状を伝え、理解を得て働くオープン就労や障がいへの配慮がある企業への転職も検討してみてください。
「障がいに配慮ある企業を見つけたい!」と思っても、一人の転職活動では、なかなか良い転職先と出会うのは難しいかもしれません。
そんなときは、転職エージェントの利用がおすすめです。
転職エージェントは、求職者の希望条件や強み、スキルなどから求職者に合った求人を紹介してくれる転職支援サービスです。
中には、てんかんや他の障がいへの知識や転職のノウハウが豊富な障がい者雇用に特化した転職エージェントもあります。
てんかんの理解があり、サポートを受けながら希望に合った仕事を見つけたい方は、LITALICO仕事ナビがおすすめです。
仕事を覚えられないと悩むてんかんの人に関する質問についてお答えいたします。
てんかんだからといってクビになる可能性は低いですが、心身の状況や仕事内容によって仕事を継続できない場合もあります。
厚生労働省のモデル就業規則(第53条)をみると、「精神又は身体の障害により業務に耐えられないとき」など、てんかんの影響で仕事に支障がある場合は解雇を告げられる場合があると記載されています。
例えば、車の運転が中心の仕事である場合は、道路交通法により欠格事由が定められているため、仕事を続けることは難しいかもしれません。
運転免許が必要ないデスクワークや業務の変更、異動ができる場合は、いきなりクビになるわけではありません。
てんかんの影響で仕事をクビになるか不安な方は、まずは就業規則を確認してみましょう。
就業規則の解雇事由に記載されていても、以下の場合には不当解雇にあたる可能性があります。
不安な方は一人で悩まず、人事担当者や主治医、労働相談センターなどに相談してみてください。
てんかんは、一人ひとりによって症状が異なるため、てんかんだからといって「仕事ができない」というわけではありません。
しかし、てんかんに関する誤った認識や偏見で活躍の場が失われてしまっている方も少なくありません。
仕事で活躍したい方は、自分に合った働き方ができる仕事や配慮された職場を選ぶといいでしょう。
てんかんの人が職場にいるからといって、迷惑をかけるわけではありません。
てんかんを持っている人でも支障なく働けている方はいます。
また、自身の症状についてオープンにすることで、サポートを受けながら安心して仕事に取り組める場合もあるでしょう。
てんかんがある・なしに関わらず、仕事をする上で周囲に迷惑をかけてしまうことは誰にでもあります。
大切なのはそのあとにしっかりと謝ったり感謝の気持ちを伝えることです。
不安はあるかもしれませんが、あまり気負い過ぎないようにしましょう。
てんかんを持ちながら働いている人は、発作が抑制されている方が約60%、発作が抑制されていなくても働いている人が40%とされています。
*参照:公益社団法人 日本てんかん協会 「働きたーい!」の思いを実現するために
てんかんで仕事が覚えられない原因や対策について紹介しました。
てんかんをもっている方は、服薬で発作や症状をコントロールしながら働いている方も多いですが、発作や仕事が覚えられないことへの不安を抱えている方もいます。
また、「てんかんだから」と誤った認識や偏見を持たれてしまう場合もあり、働きにくさを感じることもあるでしょう。
今の仕事を続けられないと感じる場合は、無理をせずに転職も検討してみてください。
今回紹介した転職エージェントLITALICO仕事ナビを利用することで、スキルやキャリアを適正に評価してくれる企業や自分に合った企業と出会える可能性が広がります。
理解のある職場でキャリアプランの実現を目指し、あなたの強みを活かして活躍していきましょう。