【作:柿ノ種まきこさん】
就職活動、転職活動の最大のハードルである面接、転職の活動の面接に苦手意識を持つ方は多いでしょう。
転職面接では“聞かれること”を想定し、対策をしていれば答えられる定番質問から、事前の準備が難しいちょっと変わった質問まで面接者を悩ませるシーンも少なくありません。
事前に準備ができない想定外の質問では思わずたじろいでしまうこともあり、面接を受ける側のアドリブ力が試されます。
「面接官の無茶振り質問にもうまく対応したい!」という方必見!
今回は転職面接で無茶振り質問をする狙いやちょっと変わった質問・想定外の質問への対策について説明しますので、ぜひ参考にしてください。
書類選考を通過して待ち受ける採用面接…
企業側の狙いとしては“採用するかどうかの情報収集”の場ということになり、採用のミスマッチを防ぐという目的があります。
具体的な採用面接でチェックされる内容をみてみましょう。
面接に対する姿勢や挨拶といった基本的なマナーが身についているか、笑顔で対応できているかといった第一印象が大切。
入室してすぐの第一印象で今後の面接の流れに影響するといっても過言ではなく、面接官の話す言葉に耳を傾ける素直さや謙虚さといった人柄も着目されます。
これまで培ったスキルやキャリアを入社後に活かせるかどうか、また即戦力として期待できる人材かといった業務への適性をチェックしています。
履歴書や職務経歴書に書いたのになぜ?と思われる方もいますが、書類と面接での相違がないかどうかの確認のため行われます。
面接官がスキルやキャリアに関心を持ち「もう少し掘り下げて聞いてみたい」と思ったときにも尋ねられるでしょう。
企業が恐れているのは採用のミスマッチ。
「こんなはずじゃなかったのに…」と入社後に感じるのは面接者だけでなく企業も同じです。
など、採用のミスマッチを防ぐため社風や社員との調和を確認します。
企業が採用時に懸念していることは“すぐに辞めない人材か”ということです。
仕事にはやりがいがある反面、しんどいことや辛いこともたくさんありますが、諦めずに成し遂げる粘り強さや根気があるかどうかも重要視されています。
一部企業での採用面接で行われている圧迫面接もストレス耐性をチェックするものといわれ、わざと面接者を否定したり威圧的な態度を取ったり…
面接者にとっては居心地の悪い面接時間です。
実施する企業も少なくなりましたが、もし遭遇した場合は意図的に行われているものだと理解しネガティブな表情は隠し前向きな姿勢で対応するのが良いでしょう。
社会に出ると会社内の人だけでなく、取引先や訪問者など様々な人とのコミュニケーションが必要になります。
業務をスムーズに遂行するための重要なスキルがコミュニケーションスキル、ということです。
大切なポイントは以下の2つ。
コミュニケーションスキルのポイントを言いかえると、面接官と会話のキャッチボールができているかということになります。
会話のキャッチボールをするためには相手に関心をもち、よく理解することが大切です。
企業研究や情報収集を念入りに行い、入社後の姿をイメージして臨むとよいでしょう。
そして、コミュニケーションスキルの確認として一見仕事と関係ない話や突拍子もない無茶振り質問に通じるのです。
企業の採用面接という大舞台で緊張しない面接者はいませんが、その中で突然聞かれる突拍子もない質問。
なぜ面接官は予想もつかない無茶振り質問をするのでしょうか?
採用面接で聞かれる定番質問はだいたい以下の通りですね。
これらはどの企業でも準備されている質問ですが、インターネットや書籍では回答例が多数紹介されているため、多くの面接者は事前にしっかり質問への答えを仕上げています。
優等生の回答をしやすい反面、似たり寄ったりの回答にもなりやすい質問内容です。
多くの面接者を対応する面接官にとって定番質問の回答がありきたりで、差をつけることのが難しいというのが本音。
そのため「もっと面接者の本心が知りたい」「ありのままの姿をみたい」と無茶振りをしてくるのです。
無茶振り質問には面接官が知りたい6つの意図があります。
無茶振り質問に隠された6つの意図
準備していない質問、さらに突拍子もない質問をされると「えっ?」と一瞬戸惑いますよね。
困ったり戸惑ったりパニックになったり…焦りや不安が表情に出てしまう方が多いのではないでしょうか。
これが面接官を前に出す、あなたの素の状態。
「面接でいい印象を残したいと」気を張りいつもとは違う自分を装っている姿ではなく、本当の姿をさらけ出すのが無茶振り質問なのです。
また、社会に出て様々な人とコミュニケーションをとる中で要望やクレーム、理不尽なシーンもあるでしょう。
その中で相手を不快にさせず良好なコミュニケーションをとれるか、臨機応変に対応し状況をまとめられるかという危機管理スキルの確認にもなります。
一見、面接者に意地悪しているかのような無茶振り質問にはこのような意図が隠されていたのです。
では、実際に転職面接で聞かれる無茶振り質問について紹介します。
代表的な無茶振り質問では、面接者自身を何かに例えるというものがあり、そのほかにもユニークな質問が多数あります。
無茶振りにも対応できるように、質問と回答例をご紹介しますので参考にしてください。
私はネコです。
ネコのように冷静に物事を考えることができ、ネコが獲物を見つけたときのように取り組むべきことに対して瞬発力を発揮することができるからです。
情熱の赤です。
幼い頃憧れていたヒーローのように、熱い想いをもちチームワークを大事にするタイプだからです。
また、目標を成し遂げたいという向上心も強いからです。
私は〇〇の資格取得に向けて勉強をします。
1年にすると365時間になりますので、スキルアップのため時間を有意義に使いたいです。
メジャーな秘密道具ではないですが、おはなしバッジをもらいます。
昔大好きだった絵本『ブレーメンの音楽隊』のストーリーを体験してみたいです。
仲間がいればどんな苦難にも乗り越えられるという強さを教えてもらった本だからです。
私はラッキーです。
なぜなら御社の書類選考に通過し、この場に立てているからです。
このような機会に恵まれたのですから絶対に運を掴みとりたいです。
両親です。
部活動でなかなか成績がでず、壁にぶつかり悩む私にたいしていつも「大丈夫」と笑顔で励ましてくれました。
また、優勝したときは自分のことのように喜んでくれました。私も両親のように相手の喜びにも苦しみにも寄り添える人になりたいです。
『和』です。
和を以て貴しとなすという聖徳太子の言葉のように、周りと話し合い、お互いの意見を尊重し調和を大事にしたいと思っているからです。
子どもの頃から好きな母の作った玉子焼きです。
1人暮らしを始めて同じ味を再現しようと思ってもなかなか作れませんでしたが、何度も母に教えてもらいながら最近では少し近い味の玉子焼きが作れるようになりました」
猫を連れていきます。
猫の愛らしい姿とじゃれる仕草を見て、きっと鬼も心が癒され優しくなると思ったからです。
「聞かれることが分からない」無茶振り質問、どれだけ事前に準備をしても予想外の質問は必ずされます。
しかし、無茶振り質問への正解はありません。
これだけで面接の合否が決まるわけではありません。
無茶振り質問に回答した後にその理由を説明することが多いですが、重要なのはその説明する内容。
予想外の質問にパニックになっても、「回答した答えに対し、落ち着いて論理的に説明できるか」がみられているのです。
無茶振り質問は、企業によって質問内容が様々ですので確実な準備をするのは大変です。
さらに正解がないためどんな対策をすればよいか悩みますよね。
基本的には自分が思うありのままを伝えればOKなのですが、想定外の無茶振りがきても慌てないよう対策をしておきましょう。
突然訳の分からない質問をされて焦るのは当たり前ですし、面接官も瞬時に回答するとは思っていません。
イレギュラーな質問をされたら落ち着いて考えをまとめて回答しましょう。
「〇〇と答えたから面接に落ちた」というのはなく、回答に対する正解はないと考えて大丈夫です。
回答よりもその理由を、いかに面接官に論理的にイメージしてもらえるかを意識して伝えることが重要です。
Point分かりやすく面接官が納得するように説明しよう
イレギュラーな質問に対してうまく回答するには、咄嗟のアドリブ力が必要。
アドリブ力を身につけるには、まず自分自身について深く理解しておかなくてはいけません。
自己分析から自己PRを作成し、それを軸に連想ゲームを行い様々な質問に対応しましょう。
無茶振り質問への回答の考え方、作り方は以下の手順通り。
前職ではお客様の状況判断を行い、最も適したコミュニケーションやニーズに合う提案を行い、信頼関係を築いてきました。
状況に合ったお客様の求める声や喜びにつながるような提案や臨機応変に対応する経験は、御社の営業職で貢献できると考えております。
状況に合わせて対応できる臨機応変さ
状況に応じて情報を提供する家電=テレビ
(他にも「色」「動物」など色々連想しましょう)
テレビです。
バラエティから報道番組まで幅広いチャンネルをもち、見た人に喜びを与え必要な情報を提供できるからです。また、家族が集まるリビングにあるテレビはコミュニケーションのツールにもなっているからです。
テレビのように状況に合わせたチャンネルを発信していきたいと考えています。
まず、自己分析で自己PRを作り上げましょう。
そして、アピールしたいポイントに注目し“聞かれること”を連想し伝えたいメッセージや理由を考えていきます。
これを繰り返すことで、イレギュラーな質問がきてもアドリブ力が鍛えられ引き出しも多くなっていくでしょう。
無茶振り質問の回答に正解はないと述べましたが、やってはいけない回答があります。
無茶振り質問NG回答
確かに突拍子もない質問をされてパニックになるのは分かりますが、質問に対して無言、拒否をするのは絶対NG!
会話の流れを止めずにスムーズに回答し展開していくことが大事なポイントなので、自分が思う答えを明確に答えましょう。
最近ではメジャーになりつつある逆質問。
「では、最後に私たちに質問はありますか?」と面接者に尋ねる企業が多くなりました。
これも無茶振り質問と同様、コミュニケーションや意欲を確認する方法のひとつです。
事前に準備をしておかないと慌てたり沈黙が続いたりして印象が良くありませんので、逆質問のシミュレーションをしておくことが大切です。
逆質問は入社意欲をアピールする最後のチャンスでもあるので、面接担当者の印象に残るような質問をしましょう。
面接担当者に心にグッとくる逆質問を集めてみました。
好印象を与える逆質問例
面接の場は緊張感があり面接者だけでなく面接担当者自身もピリピリしていることが多く、その中で面接担当者の感動した思い出を共有すれば、リラックスした雰囲気でコミュニケーションをとることができるでしょう。
今のスキルやキャリア+αとなるような向上心や意欲のアピールも効果的です。
いくら質問をしてください、と言われても面接の場にはふさわしくない質問があります。
それは以下の通り。
印象が悪いタブー逆質問例
仕事に対する前向きな内容に絞って質問したほうが、面接官への印象がいいでしょう。
いかがでしたでしょうか?
転職面接で無茶振り質問をする狙いやちょっと変わった質問・想定外の質問への対策について説明させていただきました。
面接官が突拍子もない質問をするのには理由があった、ということをご理解いただけたかと思います。
定番質問だけでは知ることのできない面接者の本音や本質を知ることこそ、無茶振り質問の目的です。
転職面接で最も重要なことは、質問に対する回答内容やテクニックだけではありません。
面接官に「この人と一緒に働いてみたいな」「もっとよく知りたいな」と興味を持ってもらえるようなセールスポイントをアピールすることです。
無茶振り質問は、このように面接者の本質を知りたい意図からきていますので自己分析からセールスポイントを見つけ、連想ゲームをしてみてください。
どんな質問がきても対応できるように、エピソードを展開する準備をしっかりとしておきましょう。